子供には好き嫌いなく栄養バランスよく食べて欲しい!しかしながら、なかなか思い通りにいかないものです。「少し前までは好きだったのにいきなり食べてくれなくなった」、「うちの子は嫌いなものが多く食べられるものの方が少なくて」など偏食にお困りのご家庭も多いのでは。

その中でも多い魚嫌い、成長に必要な栄養素がたくさん含まれている魚は積極的に食べてもらいたいですよね。今回は、ママの困っているリアルな声を集めてみました。どうして魚が嫌いなのが、どうやったら食べてくれるのか?出張料理サービスの料理家として、子育て世帯の食事の悩みに向き合ってきた筆者が、経験から得た克服法をご提案します。

魚は存在自体を嫌われるパターンが多い悩みを抱えるママのエピソード3

――魚に骨があると知ってから、完全な魚嫌いに(1児のママ・30代)

うちの3歳になる息子は、以前は魚も食べていたのに、魚に骨が入っていることを知ってから魚を全く食べなくなってしまいました。のどに刺さる危険があると思ったのか、一度怖いと思ってしまってからは魚を見るのも嫌になってしまいました。白身魚や青魚に関わらず、全ての魚を口に入れることを拒否。シンプルな焼き魚や白身魚のムニエル、金目鯛の煮付けなど今まで好きだった魚料理にも見向きもせず、食べてくれず、どうしたらいいのか悩んでいます。

――エピソードに対するアドバイス

食べなくなった理由が魚の骨が怖いということが分かっていますので、思い切って魚と分からない見た目にしてしまいましょう。シーチキンの缶詰は臭みが少なく、見た目も魚とわかりにくいので、シチューに入れたりや和え物にしてみるのも効果的です。

――離乳食のときはあんなに食べてくれていたのに …(2児のママ・30代) 

離乳食期は大好きだった魚ですが、1歳6ヶ月になると急に食べなくなりました。一度は口に入れるのですが、魚だとわかると吐き出してしまい、そのあとは絶対に食べてくれません。騙されたと思うのか、他の肉料理や野菜にも疑わしい目を向け始めてしまい食事をやめてしまうこともあります。離乳食期は白身魚や鮭などを野菜と混ぜるとおかわりをねだるくらいもりもり食べていたのに、いきなり食べなくなり困っています。一度は口に入れてくれるので、食感が嫌いなのか?原因が分からずお手上げ状態。味付けを工夫したり、細かくして食べやすい大きさにしてはいるのですが、うまくいかないですね。

――エピソードに対するアドバイス

離乳食までは食べてくれていたのに、いきなり食べなくなってしまうと戸惑いますよね。魚の食感が苦手なお子様は意外と多くいます。離乳食時期はとろみをつけたりスープと合わせたりなど汁気があるものと一緒に食べていたので魚のぼそぼそとした食感に気づきにくく、完了期頃から魚を食べなくなってしまうケースもあります。魚の食感に慣れるまでは、とろみのついた出汁と合わせたり、煮付けにしたりと汁気のある魚からチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

――マグロの刺身が大好物!でも食べる魚はそれだけ・・・(1児のママ・30代)

うちの4歳息子は好き嫌いが多く、特に魚介類が大嫌いです。唯一食べるのがマグロのお刺身。何が食べたいといえば「お寿司!でもマグロだけ!」が決まり文句。親としてはDHAやEPAを多く含む青魚を食べてほしいのですが、臭い・パサパサといって泣いて食べてくれません。パパもマグロは飽きたと言い出すし、家族の魚料理レパートリーの少なさに嘆いています。

――エピソードに対するアドバイス

子供は大人より味覚が繊細なので少しの魚臭さでも食べてくれないことがあります。魚臭さが嫌いとのことなので、梅煮や生姜煮など臭みを抑えてくれる味付けで調理することがオススメです。またパサパサしていることも嫌いな原因なので、から揚げにしてみるのもいいでしょう。子供が好きな料理の味付けにしてみると意外に食べてくれることもありますよ。どうしても青魚が難しそうでしたら、様子を見て淡白な白身魚から挑戦してみましょう。

子供は匂いと舌触りに敏感 ! 3 つの工夫で嫌いを克服 ! 

コツ①―臭みを軽減!鮮度はもちろん下処理や味付けに工夫を

魚の場合は特に、ほんの少し鮮度が落ちただけでも味覚に違和感を感じ食べない子も。生食用のお魚に火を入れて調理してあげると鮮度がよく、臭みが少ないのでおすすめです。また調理前には、塩をふり少し置くだけでも水分が出るので魚臭さが軽減されます。出てきた水分はペーパーキッチンでしっかり拭き取りましょう。他には臭みを抑える成分を含む食材、梅や生姜を使ったって煮込んだ梅煮や生姜煮もオススメです。また片栗粉で衣をつけることで水分を閉じ込めふっくら仕上げ、まわりにゴマをつけるのも香ばしさが際立つのでおすすめです。

コツ②―魚を見るだけでイヤ!となる子には混ぜ込みを!

それでも食べてくれない子には混ぜ込みをします。子供が好きなチャーハンなどに小さくほぐして入れてしまったり、ハンバーグのタネの中に一緒に混ぜてしまうことで、少しずつ慣れていってくれる場合もあります。 また鶏の唐揚げを白身魚の唐揚げにしたりと、普段お肉で食べているものを、こっそり魚に変えてしまうのもいいかもしれません。

コツ③―いずれもダメなら食育を!

意外に思われるかもですが、他に有効な方法として試していただきたいのが食育です。魚が稚魚から大人になる過程を教えてあげたり、一緒にスーパーに行ったときに子供に魚を選ばせたり、一緒に料理をしてみるのも食べてくれるきっかけに。自分で苦労して作った食べ物は興味をもって食べてくれますよ。

今はお魚嫌いな子でも大丈夫 ! でも食べてほしいのが親心 ・・


色々調べた方法はすべて試したけどもうお手上げというママパパもあまり心配しないでください。子供は成長と共に好き嫌いも変化していきます。お子さんが食べてくれないとお父さんお母さんは自分が悪いと攻めてしまう方が多いですが、子供が食べられる食材を食べさせつつ、気長に待ってみましょう。少しでも苦手な食材を食べることができたりと、できることが増えたらたくさん褒めてあげてくださいね。

親の不安な気持ちは子供に伝わります。両親を含め、周りの大人が美味しいと笑顔で食べているのをみて少しずつ好き嫌いが減っていく場合もあります。そして何よりご両親が料理はもちろんお子様との食事の時間を楽しめるように思い詰めずに、焦らず気長に見てあげてくださいね。

ライター紹介 清野小百合(出張料理家・ヘルスフードカウンセラー)
大学卒業後、大手料理教室にて料理講師として5年間勤務。料理・パン・ケーキの授業を受け持ち、店長も経験。幼児から大人まで幅広い世代の生徒を毎月500人程度担当。出張・作り置きサービス「シェアダイン」の料理家sayuriとして、主に子育て世帯の食事に向き合い、献立の提案・調理・レシピ提供等を行っている。

シェアダインとは 栄養士や調理師など食のプロ料理家が、家庭料理をご提案し、3日分のお料理を調理する出張「作り置きサービス」の会社です。(https://sharedine.me)