飲食店への志望動機とその例文を紹介 志望動機のポイントとは
目次
2020年以降、新型コロナウイルス感染症による行動制限により、外食産業は大きな打撃を受けています。
一方で、テイクアウトの導入やデジタルツールを活用してアプローチし、顧客満足度を向上させるDX化(デジタルトランスフォーメーション)に取り組み、新しい形で再出発を図る飲食店も多いです。
飲食店と一括りにまとめても、業種は様々で多種多様の人材が求められ、経験者はもちろん他業種からの転職でも活躍できる場が増えてきていると言えるでしょう。
この記事では、飲食店へ転職するときの志望動機についての重要性や書き方のポイント、注意点について解説いたします。
志望動機の重要性:志望動機により判断することは
飲食店への転職に対する熱意
厚生労働省の公表している「産業別就職後3年以内の離職率」によると、「宿泊業、飲食サービス業」の離職率は52.6%と1位であり、人手不足は飲食店の最も重要な課題です。
長く続けられる人材かどうかは、どの飲食店でも判断材料になるといえるでしょう。
生活の為だけや興味本意の転職理由であれば、決して楽ではない飲食店での仕事が長続きしない印象を与える可能性があります。飲食店の仕事に対する熱意や情熱をしっかりと伝えましょう。
適した人材かどうか
飲食店での業務は一人作業ではありません。
事前に企業の理念や特徴を理解し、それに適した働き方ができるか、現在働いている人達とうまく働けるかなど、主に対人能力を求められます。
前職での具体的なエピソードを添えてアピールすると良いです。
志望動機により影響すること
飲食店の業務は主に「接客」と「調理」に分かれます。求人情報の中にポジション別で募集されている場合は別ですが、一括りで募集されている場合には、志望動機により適したポジションへ配属される可能性があります。自分がどのポジションで働きたいのか、明確にしておくことも必要です。
志望動機の書き方とポイント
経験がある場合
最大の魅力は即戦力です。経験者を求める飲食店は、職員の退職や人員不足、将来の店長候補などで求人を募集している場合が考えられます。即戦力として発揮できる経験を具体的に書くようにしましょう。
未経験の場合
自分の持っているスキルで飲食店に有益となる部分を考えます。前職が接客業であればコミュニケーション能力や柔軟性などです。
全く別の分野でも新たなチャレンジとして飲食店で取り組めるもの、例えばIT関連で店の情報を発信し集客力に貢献するなど、今後取り入れようとしている飲食店にとっては貴重な人材となります。
他店との差別化について
日本には約14万店舗の飲食店があります。採用側は数ある中から自分の店を選んだ理由を知りたいはずです。
実際に店に足を運んでみて、その店にしかない特徴や自分に適している部分などを見つけてアピールする材料を揃えておきましょう。
企業研究を行う
企業の特徴やビジョンを理解し、自分に合っているかどうかを見極めることです。スキルや経験を転職先で発揮したいと考えていても、企業のビジョンと合わない場合は活かせない可能性もあります。事前にどのような理念や将来像を掲げているのか、リサーチすることも大切です。
飲食店の志望動機で気を付けること
意思がはっきりしない
接客や料理が好きだからというような、どの飲食店でも実現できる漠然とした理由では熱意が伝わらない場合が多いです。
採用された場合にはどのような働き方で貢献ができるか、他の人には負けないと自信を持って言えるスキルや経験を伝えるようにしましょう。
お金に関すること
厚生労働省が発表した令和3年賃金構造基本統計調査によると、産業別にみた賃金では「宿泊業・飲食業」が最も低いと報告されています。
経験を積むことにより昇給に繋がる飲食業界で、初めから給料に関する交渉などを行うことは難しい場合が多いです。採用された際にスキルや能力により、昇給などの交渉をすることが望ましいでしょう。掲載されている給料は確認をし、採用後のトラブルにならないようにしておくことが大切です。
飲食店の志望動機 例文
カフェの志望動機
私が貴店を志望する理由は二つあります。まず一つ目は、接客業をしていた経験が活かせるということです。帰る頃にはまた来たいと思っていただけるように、お客さまの表情などから気持ちを汲み取った接客を心がけています。
二つ目は貴店で味わった接客やお店の雰囲気が大好きだからです。
貴店で食事をした際、従業員の方の笑顔が素敵で細かい気配りの行き届いた接客をしていただきました。
お店の落ち着いた雰囲気、忙しい毎日を忘れさせてくれるような空間にとても癒されたのを覚えています。私も同じように、疲れている時や休日に足を運びたいと思える空間で接客がしたいと思い志望しました。
居酒屋の志望動機
私は居酒屋での経験があります。お酒を提供する場では通常の接客時とは異なり、酔ったお客さまの対処が必要です。前職では柔軟に接客の対応を行うスキルを身につけました。
また、調理の業務では効率よく時間内に料理を提供することを意識し、回転率を上げることを重視できます。チームワークを大切にし、従業員との関係性も良好に保ちながらモチベーションを上げていける働き方を目指していきたいと考えます。
日本料理店の志望動機
貴店への転職理由は二つあります。一つは貴店の料理に感銘を受けたからです。
私は中華料理の厨房で長い間、経験を積んできました。このまま中華の道を極めるつもりでいましたが、貴店の料理を食べた際、日本の伝統ある味付けの繊細さや見た目から楽しめる盛り付けに感動し、料理人として他の分野へ挑戦したいと感じました。
二つ目は根性があります。前職の下積み時代にはとても厳しい指導を受け、料理人の道を諦めたこともありましたが、業務を任されるようになった達成感や、お客さまの笑顔や美味しかったと言われる喜びは、その辛さを忘れさせてくれるものです。
そのため厳しい指導にも耐える根性と体力は人並み以上にあると思います。
テイクアウトの店
貴店の新しい挑戦として掲げている、ITを駆使した集客に大変興味があり、営業職の経験を活かせると考え志望しました。
営業職では客層や売れ筋の商品を分析し、お客さまの求めている商品を提案する仕事を主に担当しています。ツイッターやインスタグラムを通じて情報発信を行い、若い世代への客足を伸ばすことに成功しました。
その経験を新たな職種で学ぶことで、更にスキルアップを目指せると考えています。
まとめ
志望動機は、働く熱意、コミュニケーション能力や対人関係、即戦力、長く続けることができるなど、飲食店が求める人材であるということをアピールすることが大切です。
企業研究や実際に店舗に足を運び、他店との差別化を図った内容を記載することで、その店で働きたいという思いが伝わります。
あやふやな理由は採用側への不安要素となるため、漠然とした理由ではなく、他の人には負けないスキルや経験を書くようにしましょう。
お金に関することは事前にきちんと確認を行い、納得した形で応募するのが望ましいです。
経験者の場合は即戦力を、未経験者の場合は今までのスキルを飲食店でどのように貢献できるかを考え、記入例を参考に志望動機を書いてみましょう。