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食品移動販売業者について 仕事内容や資格、気になる年収についても解説

シェアダイン編集部
作成日:2022/10/15
更新日:2022/11/01

目次

最近キッチンカーや移動スーパーをよく見かけるという人も多いでしょう。コロナ禍のステイホームやテイクアウト需要の高まりをきっかけに、キッチンカーや移動スーパーといった食品販売業者を利用する人が増えています。そのため、飲食店業界では食品移動販売を始めようと考える人も多くなっています。

本記事では、食品移動販売業者になるための方法について、詳しくご紹介します。

食品移動販売業者とは?仕事内容や概要を解説

食品移動販売業者とは、車で食品を販売する業者のことをいいます。街中で見かけるフードトラック、キッチンカーのことをさし、店舗を構える必要がないため低コストで開業できる利点があります。食品移動販売では、カレーやピザ、スイーツなど車内で調理する方法と、菓子パンのような調理済みの食品を販売する方法があります。

車1台で開業できる手軽さで家賃がなく、少ない人数で営業ができ人件費を抑えられるのも魅力。その他に、イベントなどで人が多く集まる場所に移動しながら販売ができるのも大きな特徴です。近年、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、屋外で営業ができることと、都心から離れた場所でも営業ができることで人気が高まりました。

また、食品移動販売には調理した食事を販売する方法だけでなく、生鮮食料品や生活必需品を販売する方法もあります。近くにスーパーやコンビニがない地域や、高齢者が多い地域ではこのような食品移動販売が注目を集めています。

食品移動販売業者になるための資格と方法を紹介

食品移動販売には以下の2種類があります。

・食品営業自動車業
車内で調理や食品加工を行い、販売する
調理を業を行うキッチンカー、フードトラックをさす

・食品移動自動車
調理済みの食品を販売する
移動スーパーや菓子パンの移動販売などをさす

食品営業自動車業で必要な営業許可は、販売するメニューによって3種類に分かれます。

  • アイスクリームやソフトドリンクなど:喫茶店営業の許可
  • スイーツやデザートなど:菓子製造業の営業許可
  • 生ものを除く食事全般:飲食店営業の許可


食品移動自動車業で必要な営業許可は、4種類に分かれます。以下のいずれの営業許可も、「包装された食品」を取り扱うことが条件です。

  • パンやおにぎり:食料品等販売業の許可
  • 牛乳や乳飲料:乳類販売業の許可
  • 鳥獣の肉:食肉販売業の許可
  • 魚介類:魚介類販売業の許可


移動販売の営業許可の申請は、販売地域の保健所で行います。営業許可は、都道府県ではなく市区町村の管轄となり、地域をまたぐ場合はそれぞれの市区町村への申請が必要です。

営業許可は、車1台ごとに申請が必要ですが、車1台で複数の営業許可を申請することもできます。例えば、サンドウィッチとケーキを販売する場合は、飲食店営業と菓子製造業の許可が必要になります。

上記であげた営業許可の有効期限は5年で、5年ごとに更新が必要です。

食品移動販売業者になるために必要な学歴・資格について解説

食品移動販売業者になるには、食品衛生責任者、食品営業許可、運転免許の資格が必要です。

食品衛生責任者は、飲食店や喫茶店などを営業するために必要な資格です。取得方法は講習を受講するだけ。学歴などの条件はなく、講習は各都道府県の食品衛生協会が開催しています。

食品衛生責任者になるための講習には「食品衛生学」「衛生法規」「公衆衛生学」の3つがあり、内容と時間は以下の通りです。

  • 食品衛生学(商品の取扱い、施設の衛生管理、食品事故など):3時間
  • 衛生法規(環境衛生、伝染病、疫病予防など):2時間
  • 公衆衛生学(商品衛生法、施設基準、規格基準など):1時間


受講料は1万円。以下の免許を持っていれば講習を受ける必要がなく、申請のみで取得できます。

  • 栄養士
  • 調理師
  • 製菓衛生師
  • 畜場法に規定する衛生管理責任者
  • 畜場法に規定する作業衛生責任者
  • 食鳥処理衛生管理者
  • 船舶料理士
  • 食品衛生管理者
  • 食品衛生監視員となることができる資格を有する者


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食品移動販売業者の年収について解説

食品移動販売業者の年収は、個人ビジネスのため大きな差があります。

事業が成功している人では年収1千万円以上という人も。一方で、一日数百円または売上がまったくない場合や、経費を引いたら赤字という場合もあります。順調に成功している中間層では、年収400万円〜500万円ほどといわれています。

食品移動販売を成功させるためには、経営を学び、店のファンを獲得するための方法を追及する努力が必須です。
キッチンカーでは、食のトレンドや販売する場所の顧客のニーズを把握し、求められるメニューと品質を維持する努力が稼ぐ力につながります。ただトレンドや人気店の模倣をするのではなく、独自のメニューを開発するといった他店との差別化が欠かせません。
SNSを活用したり、地域の人へチラシを配ったりする積極的な宣伝活動も重要です。

このような努力を重ね、成功すれば年収はどんどん上がっていくでしょう。

食品移動販売業者の勤務体系と休日について解説

食品移動販売業者は、個人事業主として一人または夫婦二人で営業するといったパターンが多くあります。また、フランチャイズ店としてパート、アルバイトで勤務するという方法もあります。

出店したい時に出店し、それ以外は休む勤務体系となります。食品移動販売は地域ごとに許可が必要なため、許可が下りた地域で開催されるイベントに合わせて出店し、イベントがないときに休むという人も多いでしょう。

一方で、月ごとまたは数か月ごとに人が集まる場所を探し出店する手続きをするために、休みの日に活動することもあるでしょう。

その他に、移動販売車が常設されている場所に勤務しに行ったり、キッチンカーを借りてフランチャイズ店をして運営することもあります。その場合、休みは比較的取得しやすいでしょう。

食品移動販売業者を採用する有名な企業を紹介

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、生活様式がガラッと変わりました。外食が避けられる状況が続き、食品移動販売業の需要が一気に高まりました。最近では個人だけでなく大手有名外食企業も、食品移動販売業を採用し急成長を遂げています。

食品移動販売業に参入している企業は、おもに以下のとおりです。


その他に、ハウス食品グループ本社は、「街角ステージ weldi(ウェルディ)」という、プラットフォームをはじめました。飲食店にキッチンカーを貸し出し、出店地を提供するスペースオーナーとの橋渡しをします。飲食店は利用料を支払うだけでキッチンカーでの営業を始められます。 街角ステージweldi|ハウス食品グループ本社 (housefoods-group.com)
 
シンクロ・フードは、キッチンカーのシェアやマッチング事業を始めています。キッチンカーの営業は、イベント会場や売上が見込めるオフィス街の駐車場が高く、開催されるイベントが不定期ということも。そのため、キッチンカーとスペース提供をつなぐマッチング事業に注目が集まっています。 株式会社シンクロ・フード (synchro-food.co.jp)

移動スーパーとくし丸は、地域のスーパーを契約した個人事業主がそのスーパーから商品を積み込み、移動販売をするというビジネスモデルを成功させています。この事業は、買い物できる場所が住宅から離れている買い物弱者が多い地域でニーズが高まっています。特に、北陸の「アルビス」、東北の「ヤマギワ」、四国中国地方の「おまかせくん」といった、地方で有名な食品移動販売業者もあります。 移動スーパーとくし丸 (tokushimaru.jp)

まとめ

食品移動販売業者についてご紹介しました。新型コロナウイルスの影響でのステイホームやテイクアウト需要の高まりで、キッチンカーやフードトラックなどの食品移動販売は大きく成長しました。店舗を構えることなく少ない人員で営業ができるため、参入する人も多くいます。

キッチンカーの年収は、0円から1千万円と大きく異なります。出店が不定期になりがちなのと、大手の参入も盛んで売上を上げるためには地道な努力が必要です。しかし、買い物弱者のための移動スーパーにもニーズが高まっており、やり方次第で成功も夢ではありません。コロナの影響で変わった生活様式との相性が良く、今後ますます注目度が高まっていくでしょう。

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