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栄養士とは? 業務内容や必要資格、おもな就業先についても合わせて解説

シェアダイン編集部
作成日:2022/10/01
更新日:2022/11/09
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目次

食のスペシャリストとして活躍する栄養士。栄養士という言葉は知っていても、栄養士と管理栄養士との違いや栄養士になる方法、詳しい業務内容などについて、知らない方がほとんどでしょう。

本記事では、そもそも栄養士という職業はどのようなものなのか、また、栄養士になるために必要なことやおもな就職先などについて、詳しくご紹介します。栄養士の平均就業年数や転職についても触れていますので、参考にしていただければ幸いです。

そもそも栄養士とは?

栄養士とは、都道府県知事から交付される国家資格で、おもに健康な人に対して栄養指導を行います。栄養士は活躍の場は多く、行政から民間企業まで就職先はさまざま。

例えば、糖尿病や動脈硬化といった生活習慣病予防のための食事は、栄養士の専門知識が必要とされます。高齢者や介護が必要な人のために、栄養バランスが良く飲み込みやすい調理法の指導も、栄養士の仕事です。

栄養士は栄養学に基づいて、栄養バランスの取れた食事の提案や献立開発、調理法などを行う「食のアドバイザー」として重要な役割を果たしています。

医療現場や介護の現場など、健康のための食生活を支える栄養士の仕事はニーズが多く、超高齢化社会の日本では、ますます需要が高まる職業といわれています。

栄養士になるには?

栄養士になるには、厚生労働大臣が指定する栄養士養成施設や管理栄養士施設で2年以上学び、卒業しなければなりません。栄養士養成施設、管理栄養士養成施設には、四年制大学や短大、専門学校などがあります。食物栄養学科や家政科などを専攻し、栄養についての学科を履修し実技なども学習します。

高校卒業後に、入学試験を受けて進学する方法が一般的ですが、社会人になってから栄養士を目指すことも可能です。栄養士養成施設、管理栄養士養成施設には、通信教育や夜間学校がありません。学ぶべき内容が膨大で、実習が欠かせないためです。

社会人になってから栄養士を目指す場合は、昼間の学校に通う必要があるため、仕事を辞めたり、休職したりする必要があります。

栄養士養成施設、管理栄養士養成施設でおもに学ぶ学習内容は、以下のとおりです。

  • 栄養指導論 人の栄養状態や食行動など
  • 給食管理  給食についての栄養や食材の検収、下処理、衛生など
  • 臨床栄養学 乳幼児から高齢者、病気の進行防止など、健康状態に合わせた栄養など
  • 食品加工学 レトルト食品や缶詰、味噌やチーズなどの発酵食品について
  • 調理学実習 包丁の使い方から実際の調理、四季の食材、日本や世界の料理について

栄養士は資格が必要?

栄養士を名乗るには、資格が必要です。栄養士は、栄養士養成施設を卒業すると同時に資格が取得できます。栄養士は、都道府県知事から交付される国家資格ですが、管理栄養士は、管理栄養士国家試験に合格し、厚生労働大臣の免許を受けることが必要になります。

栄養士が管理栄養士の国家試験を受験するためには、いくつかの条件をクリアする必要があります。
管理栄養士の国家試験の受験条件は以下のとおりです。

  • 栄養士養成施設の修業年数:2年 + 実務経験:3年以上
  • 栄養士養成施設の修業年数:3年 + 実務経験:2年以上
  • 栄養士養成施設の修業年数:4年 + 実務経験:1年以上  

  ※管理栄養士養成施設の修業年数が4年の場合、実務経験なしも可

管理栄養士は、栄養士よりも業務面でも、報酬面でも好待遇が見込めます。また、一度資格取得すれば一生使えるため、栄養士から管理栄養士を目指す人は多くいます。

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栄養士のおもな就業先・勤務先を紹介

栄養士の修業先は、その専門性の高さから多岐にわたります。
栄養士は健康な人向けの、管理栄養士は健康な人と患者のための栄養指導を行います。

栄養士の修業先のひとつである老人介護福祉施設では、食が細くなった高齢者が十分な栄養を取るための献立を考えたり、飲み込みにくさを解消する調理法などの提案をします。

児童養護施設や保育園では、未就学児の栄養指導を実施。離乳食や幼児、食物アレルギーを持つ子供のための食事の提案をします。

その他に、栄養士は学校給食や学食、社員食堂などの食事を提供する施設でも活躍の場があり、それぞれの年代の人が十分な栄養補給ができる食事指導をしたり、献立を考えたりします。

その他に、地方公務員として自治体の保健所や保健センターで健康推進に関わる仕事も。

民間企業では、アスリートのための献立を考えたり、運動機能を上げる効果的な栄養補給についての指導も。また、食品業界や外食業界では、商品や新メニューの開発などでも活躍の場があります。

その他に、研究や教育の現場にも活躍の場があります。大学や研究機関で、食品研究と健康に対する科学的根拠を作りだすといった仕事も。また、未来の栄養士、管理栄養士を育てる教育者を目指すこともできます。

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平均的な就業年数を紹介

栄養士の平均勤続年数は、7年ほどといわれています。栄養士の9割が女性のため、22〜23歳で卒業し、就職したあと30歳前後で結婚出産といった人生の大きなイベントを迎えることも、平均勤続年数に関わりがあるでしょう。

また、栄養士の平均年収は就業1年未満では250万円、15年以上勤務で400万円ほど。勤続年数に合わせて緩やかに上昇する傾向があります。

栄養士は国家資格のため、専門的な知識が必要とされる現場は数多くあります。そのため、ブランクがあっても比較的再就職しやすい職種。また、正社員だけでなく、派遣社員やパート、アルバイトといった雇用形態もあり、働き方の選択肢が多いのも特徴です。

おもな転職理由は?

栄養士は、離職率が高いといわれています。栄養士は栄養学に基づいて食材や栄養バランスの良い食事の提案をします。しかし、実際の仕事では、調理や仕入れなどを任されることも。栄養バランスが良くても食材にお金がかかりすぎては、経営が成り立ちません。お金の管理まで任されると、負担に感じることが多くなるでしょう。

また、仕入れた食材を運んだり、管理したりといった仕事は身体的にも重労働であり、仕事を続けるのが難しいと感じることも。

献立に従った調理技術を求められる場合、調理が苦手だとストレス過多に繋がるでしょう。栄養バランスが良くても、おいしくなければ食べてもらえないからです。このように、栄養士として求められる業務の中でミスマッチが起こると、転職を考えるきっかけになるでしょう。

栄養士の仕事は、5年続けるとベテランの域に達します。ベテランになると栄養士としての業務も頭打ちになり、なんでもこなせるようになります。自分の作業量に対して給与が低いと感じると、転職を考えるでしょう。

企業の規模によっては、栄養士として採用される人数が多いことがあります。時には、栄養士としての大切な仕事を先輩が行い、重要な仕事をほとんど任せてもらえず雑用ばかりになるといったことが発生します。スキルアップができないと感じると、転職を考え始めるでしょう。

また、栄養士と管理栄養士では、給与に大きな差があります。管理栄養士のほうが高給与になるため、栄養士として活躍してから管理栄養士の資格を取る人も多くいます。

まとめ

栄養士について解説いたしました。栄養士は食のスペシャリストとして、人の健康のために重要な役割を果たす仕事です。栄養士は、国家資格として専門知識が必要とされる現場での需要は高く、活躍の場も多岐にわたります。幅広い働き方ができ、ブランクがあっても復帰しやすい職業であることも魅力。栄養士は、超高齢化社会の日本で今後もニーズが高まる職種として注目が高まっています。

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