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公務員の栄養士になるには 仕事内容やメリットも合わせて解説

シェアダイン編集部
作成日:2022/09/13
更新日:2022/12/08

目次

栄養士の就職先は、多種多様に渡ります。
一般的には、委託給食会社や直営施設の栄養士として勤務することが多いですが、栄養士として公務員になることも可能です。

この記事では、公務員栄養士の働き方について解説いたします。

栄養士は公務員としても活躍できる?

「栄養士・管理栄養士」は公務員として活躍できるのか。答えはYesです。

一般的に「栄養士・管理栄養士」の就職先は給食委託会社、直営施設、民間病院や保育園などが多いです。
しかし、都道府県や市区町村の専門職枠で採用されると、公務員栄養士になることができます。

一口に公務員栄養士といっても、その勤務先によって業務内容や働き方も異なってきます。事前に把握しておくことでミスマッチを防ぐことができるでしょう。

公務員として働く栄養士 タイプ別に解説

公務員栄養士として働く場所は様々ですが、国家公務員と地方公務員で勤務先が異なります。
そこで、ここでは、国家公務員と地方公務員の2つに大きく分けて、それぞれの代表的な勤務先とその仕事内容について詳しく解説いたします。

国家公務員栄養士として働く

国家公務員として働く栄養士の勤務先例には以下があります。
それぞれの仕事内容についても詳しく解説いたします。

【自衛隊駐屯地】
自衛隊駐屯地で働く栄養士は、国家公務員として扱われます。

おもな仕事内容

  • 献立の作成
  • 食事のアドバイス
  • 野外での炊事の衛生管理
  • 災害時の献立作成や食材管理


自衛隊駐屯地での仕事内容は多岐に渡ります。
自衛隊員は、日々過酷な任務やトレーニングをおこなっているため、それらに耐えられるよう健康な身体を維持しなければなりません。そのため、食事はとても重要で、栄養士は欠かすことのできない存在です。また、屋外での炊事は自衛隊員がおこないますが、献立作成や食材管理、調理指導は栄養士の仕事です。
自衛隊員を直接サポートする仕事なのでやりがいも十分にあるでしょう。

【国立病院】
国立病院で働く栄養士は、国家公務員として扱われます。

おもな仕事内容

  • 病院食の献立作成
  • 病気療養者への栄養指導
  • チームカンファレンスへの参加


国立病院での業務は、食事管理をおこなう対象が病気療養者です。
病気療養者に対しての献立作成は通常の献立作成とは異なり、一人一人の健康状態や運動量に合わせた献立を考える必要があります。また、チームカンファレンス(会議)に参加し、医師、看護師、薬剤師などの様々な業種のメンバーと治療の方向性を考えることもあります。
病院栄養士は栄養士の花形ともいわれ、栄養士としての能力も十分に発揮できるのでやりがいを求める人には向いているといえるでしょう。

地方公務員栄養士として働く

地方公務員として働く栄養士の勤務先例には以下があります。
それぞれの仕事内容についても詳しく解説いたします。

【公立学校】
公立学校で働く栄養士は、地方公務員として扱われます。

おもな仕事内容

  • 給食の献立作成、調理業務
  • 生徒、保護者、教員に対しての食育活動


公立学校で働く栄養士には「学校栄養職員」と「栄養教諭」の2種類があります。
「学校栄養職員」は献立作成や調理といった給食業務が中心となり、基本的に生徒や保護者への栄養指導はできません。一方で、「栄養教諭」は免許取得の際に教職の科目を履修しているので、給食業務の他にも家庭科などの授業で生徒や保護者、教師に対しても栄養・食事指導を行うことが可能です。

【保健所・保健センター】
保健所や保健センターで働く栄養士は、地方公務員として扱われます。

おもな仕事内容

  • 地域住民を対象にした栄養相談、栄養指導
  • 給食センターの衛生管理


保健所や保健センターに勤める栄養士は、「行政栄養士」と呼ばれ、一般的な栄養士と仕事内容が大きく異なります。
乳児健診時の離乳食指導や、集団検診時の栄養指導などが業務の中心となるため、「管理栄養士」の資格が必須であることがほとんどです。

【公立病院】
公立病院で働く栄養士は、地方公務員として扱われます。

おもな仕事内容

  • 病院食の献立作成
  • 病気療養者への栄養指導


公立病院での業務は基本的に先ほど紹介した国立病院での業務と違いはありません。
病気療養者に対しての健康指導、献立作成が業務の中心となるため、「管理栄養士」の資格が必須であることがほとんどです。

国家公務員と地方公務員の違いについて解説

​​国が運営する機関・組織で働く栄養士が「国家公務員」、自治体などが運営する機関・組織で働く栄養士が「地方公務員」です。
国家公務員と地方公務員の大きな違いは、「収入」「転勤の有無」です。以下に解説いたします。

・収入
公務員の給与は俸給表によって定められていますが、国家公務員と地方公務員では給与の水準が異なります。
より高い給与を得られるのは国家公務員であり、給与の伸び率が良いのも国家公務員です。

・転勤の有無
地方公務員は、地方の自治体が勤務先となるので、基本的に転勤はありません。
一方、国家公務員の勤務先は全国を管轄しているため、転勤の可能性があります。

公務員栄養士になるメリットを紹介

公務員栄養士になるメリットは「安定性」があることです。
公務員は民間企業と違い倒産というリスクはありません。不祥事や違法行為を行わない限り、自分の意志があれば働き続けることができます。

給料面に関しても、公務員になれば毎月決まった額をもらうことができるメリットがあります。
民間企業のように、会社や個人の実績に応じて給料がカットされる心配はありませんし、基本的に固定給よりも低い水準で給与が支払われることもないでしょう。

また、勤続年数が長ければもらえる給料の金額も比例して高くなることも、公務員の特徴です。
民間企業でも、長く勤めるほど昇給する可能性はありますが絶対ではないですし、昇給しないケースもあります。
長く仕事を続けるのであれば、確実に昇給を目指せることも公務員栄養士になるメリットといえるでしょう。

公務員栄養士になる方法について解説

公務員栄養士として働くためには、「栄養士・管理栄養士」の資格を取得し、その後「公務員試験」に合格する必要があります。
以下に詳しく解説いたします。

「栄養士・管理栄養士」の資格を取得するには?

栄養士、管理栄養士の資格を取得するためには、以下の2通りの方法があります。

  1. 短期大学や栄養士養成の専門学校に2年通い「栄養士」の資格を取得する。その後、実務経験3年以上をえて管理栄養士国家試験に合格し「管理栄養士」を取得する
  2. 管理栄養士養成施設に4年通い管理栄養士国家試験に合格し「管理栄養士」を取得する


このように、「管理栄養士」は「栄養士」の上位資格です。
「管理栄養士」の資格を取得すれば採用の幅は広がりますが、病院以外の勤務では必須ではないですし「栄養士」の資格のみでも募集は多くあります。

公務員試験を合格するためには?

「栄養士・管理栄養士」の資格を取得したあと、もしくは取得見込みの段階で各自治体の「公務員採用試験」を受験します。

公務員採用試験は、「筆記試験」「面接試験」が実施されます。筆記試験は「教養試験」「専門試験」「論文試験」の3部構成になっていることが一般的です。学習期間は、平均で半年〜1年程度をみるのが良いでしょう。
公務員栄養士の人気は高い一方で、募集は少ない傾向にあるので倍率は非常に高いです。ライバルと差をつけるためにも、余裕をもって学習に取り組むと良いでしょう。
市町村・県のホームページや公務員栄養士の募集まとめサイトなどもあるので、まずはどのような募集があるのか確認してみましょう。

まとめ

この記事では、公務員栄養士についての特徴やメリット、なるための方法について解説いたしました。
公務員栄養士は、民間施設で働く栄養士と違い「安定性」があるため、人気の高い就職先の一つです。
目指す人が多い分、倍率も高い傾向にあるのでできる限り早めから試験対策をとっておくのが良いでしょう。
さらに、栄養士という限られた職種のため応募はそれほど多くなく、欠員募集であることも少なくありません。また、年齢制限があることも多いので、自身が就職したい県・市町村の採用ページはもちろん、全国の公務員採用ページを日頃からチェックしておくことが大切です。

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