千葉県の郷土料理について 特産品や伝統料理のレシピも合わせて紹介
目次
日本各地で伝統として受け継がれている「郷土料理」。旅行に行ったときなどに、その土地ならではの料理を食べるのが楽しみのひとつだという人もいるのではないでしょうか。
今回は「千葉県」の郷土料理に注目し、使われる食材や作り方に加え、料理が誕生した背景も合わせてご紹介します。
その土地でよく取れる農産物や海産物が使われているのも郷土料理の特徴のひとつ。千葉県の生産高が高い農産物も合わせて紹介します。
千葉県の生産高が高い農産物の紹介
千葉県は、農業総産出額で全国4位(令和2年)と、全国でも有数の農業県です。
特に落花生は、全国生産量のうち約85%が千葉県で生産され、特産品として全国的に知られています。加工品はお土産ものとしても親しまれています。
また、県土の三方を海に囲まれた千葉県は漁業も盛んで、サバ、アジ、イワシなど、私たちの食卓になじみが深い魚の漁獲量も多くなっています。
千葉県が全国上位を占める農産物
1位
野菜:だいこん、さやいんげん、マッシュルーム、かぶ、みつば、しゅんぎく、落花生
果実:日本なし
水産物:きんめだい、このしろ、たちうお、すずき類
2位
野菜:ねぎ、ししとう、さつまいも、にんじん、とうもろこし、さといも、すいか、しょうが
果実:びわ
畜産:鶏卵
水産物:いせえび
3位
野菜:えだまめ、キャベツ、やまのいも、ほうれんそう
水産物:まかじき、まあじ、あわび類
4位
野菜:じゃがいも
5位
野菜:トマト、きゅうり、ごぼう、にんにく
畜産:豚、生乳、乳牛
水産物:ぶり類
千葉県の郷土料理
太巻ずし
着色したすし飯や具材で、花や文字などの模様が切り口に現れるように細工された巻きずしです。
巻きずしといえば周りを海苔で巻くのが一般的ですが、千葉県のふと巻きずしは薄焼き卵で巻かれたものもあります。
ふと巻きずしはお祭り、桃の節句、お花見、入学式などの年中行事や冠婚葬祭などのイベントに合わせて食べられてきたもので、宴の場を華やかに彩ります。
歴史は古く、寛政年間(1789年-1801年)頃まで遡り、イワシを追いかけて来た紀州の漁師の弁当のめはりずしをそのルーツとする説もあるといいます。
材料
※材料や作り方はふと巻きずしの絵柄によって違ってきます。今回は桜の木をデザインした太巻きずしを例にしています。
すし飯
米
調味料(酢・砂糖・塩)
卵焼き
卵
調味料(砂糖・だし汁・塩・片栗粉・酒)
かんぴょう
かんぴょう
調味料(砂糖・醤油・みりん)
海苔
紅しょうが
作り方
桜の花をピンクのすし飯、木の幹をかんぴょうで作り、周りは薄焼き卵で巻いて仕上げます。
- 米を固めに炊いて調味料を合わせて作ったすし酢を混ぜてすし飯にする。ピンクのすし飯は市販の寿司粉を混ぜると手軽にできる。
- ピンクのすし飯には紅しょうがのみじん切りを混ぜておく。
- 卵に調味料を混ぜて溶き、玉子焼き機で四角い薄焼き卵を作る。
- 下茹でしたかんぴょうを調味料で煮つける。
- 海苔にかんぴょうをはさみ、木の幹を作っておく。
- 巻き簾に薄焼き卵を置き、白のすし飯、ピンクのすし飯、かんぴょうを組み合わせて、巻いたときに桜の木になるように配置し、巻きあげる。
- ・本を8等分に切り分ける。
なめろう
なめろうは魚のたたきの一種で、千葉県で漁獲量の多いアジを使った郷土料理です。漁師が船上で調理するために、こぼれやすい醤油ではなく味噌を味付けに使ったといわれます。
なめろうという名前は、「皿をなめるほどうまい」という意味や、粘りが強く皿にこびりついて「なめないと食べられない」と意味があるとされます。
アジで作ったなめろうが最もぼひゅらーですが、季節によってはイワシ、サンマ、トビウオでも作られます。
材料
アジ
長ねぎ
おろししょうが
しそ
味噌
作り方
- アジを3枚におろして皮をひき、1cm程度の幅に切る。
- アジの上に長ねぎ、おろししょうが、しそ、味噌をのせ、包丁でアジの形がほとんどなくなり、ふわっとするまでたたく。
さんが焼き
漁師が船の上で作って食べる「なめろう」を山へ仕事に行くときにアワビの殻に入れて持っていき、山小屋で焼いたり蒸したりして食べたのが始まり。
名前の「さんが」は「山の家」という意味で、千葉の古い方言で「〇〇の家」のことを「〇〇が」ということからきています。
材料
アジ
みそ
しょうが
たまねぎ
ピーマン
しその葉
アワビの殻
作り方
- アジは3枚におろして皮をひき、包丁で細かくたたく。
- たたいたアジを細かく切ったしょうが、たまねぎ、ピーマン、調味料と混ぜる。
- アワビの殻に具を詰め、しその葉で蓋をして網にのせて焼く。
- アワビの殻がないときは皿で代用したり、具だけをしその葉で包んで焼いてもよい。
かき餅
海苔やごまなどを混ぜた餅を乾燥させて保存し、揚げたり焼いたりして食べるものです。旧暦の正月に、餅と一緒にかき餅を作っていたのが由来とされます。
千葉県は東日本一の早場米の産地。利根川流域の穀倉地帯でのもち米は粘り気があり美味しい餅になります。
材料
もち米
混ぜ合わせの材料
里芋(皮をむいてすりおろしたもの)
塩
黒ごま
海苔
重曹
作り方
- 蒸したもち米と混ぜ合わせの材料を餅つき機に入れてつく。
- つきあがったらかまぼこ型にのばす。
- ついてから2日ほどして固くなったら包丁で2~3mmの厚さに切る。
- 1枚ずつ並べて2日陰干し、または網の袋に入れて風通しの良いところに吊るしておく。
- 半月ほどおくと乾くので保存しておき、都度、揚げたり焼いたりして食べる。
まとめ
千葉県は、農業総産出額で全国4位、また県土の三方を海に囲まれていて漁業も盛んな土地です。
郷土料理としては、祝いの食卓を華やかに飾る「太巻きずし」、漁獲量の多いアジを使った「なめろう」「さんが焼き」、保存食の「かき餅」などがあります。
全国生産量のうち約85%を千葉県が占める落花生は、収穫時期の秋口には茹でて食べるのも千葉県ならではです。