滋賀県の郷土料理について 特産品や伝統料理のレシピも合わせて紹介
目次
滋賀県は、日本一の湖である琵琶湖が県の面積の6分の1を占める自然豊かな県です。
さらに、文化・経済の先進地として栄えた県でもあるので、歴史ある寺院や歴史文化があり、全国の中でも観光として訪れる人も多い県です。
滋賀県の郷土料理を琵琶湖を活かして発展した農産業と合わせて、紹介いたします。
滋賀県の農産業の特徴
滋賀県の農地の約4割が、琵琶湖を用水源に用いるため、琵琶湖からの揚水である灌漑が古くから使われてきました。
また、琵琶湖で獲れた魚も水産業の中心となっています。
滋賀県の農産業の中心は琵琶湖といっても過言ではないでしょう。
滋賀県の生産高が高い農産物の紹介
野菜・米
滋賀県で多く生産されている野菜は、かぶ、キャベツ、大根などで、とくにかぶの生産量は全国的にも上位となっています。
また、かんぴょうも全国2位の生産量で、滋賀県では沢山作られている野菜です。
果物では、なし、ぶどう、いちじく、ブルーベリーなどが生産されています。
また、ボイセンベリーという果実が多く生産されているのも滋賀県の特徴と言えるでしょう。
滋賀県では、水田比率が高く、米、麦、大豆などの生産量がとても高いです。
滋賀県の農産物の中で水田比率は、約60%を占めるほどです。
米の品種では、「みずかがみ」と言われる滋賀県のブランド米やコシヒカリなどが作られており、滋賀県独自の方法でこだわって育てられています。
畜産
近年、滋賀県ではとくに肉用牛の飼育に力を入れており、年々大規模化が進んでいます。
また、近江牛の生産量は多く、全国的に有名です。古くから飼育されてきた黒毛和牛で、霜降りの度合いがとても高い肉質をしているため、口の中に入れるととろけるような食感が楽しめます。
水産
滋賀県の水産業は、琵琶湖や河川での漁業、養殖や水産加工業などがありますが、琵琶湖での漁業は滋賀県特有の漁業と言えるでしょう。
琵琶湖では、独特な漁法がされていて、アユやフナ、ホンモロコ、ビワマスなどが漁獲されています。とくにアユの漁獲量は多いです。
そのほか、スジエビや貝類も多くとれます。
滋賀県の郷土料理
琵琶湖を中心とした農産業が発展した滋賀県に、どんな郷土料理があるのか、いくつか紹介いたします。
いさざ豆
いさざ豆とは、エビ豆や大豆と琵琶湖の川魚であるイサザを甘めに煮た佃煮のことです。
まず、イサザと調味料と合わせて煮ます。イサザに火が通ったら、茹でた大豆を加えてさらに煮ます。最後にみりんを加えて完成です。
イサザは独特の味と歯応えが特徴的な小魚で、丸ごと醤油煮されたり、佃煮にされることが多いです。
いさざ豆がよく食べられる湖北地域では、イサザがとれる9月〜4月の間に行われる冠婚葬祭の行事では、必ずと言っていいほど登場します。
飲食店や道の駅などでも提供されているため、手軽に食べることができます。
じゅんじゅん
じゅんじゅんとは、滋賀県の湖北地方や琵琶湖にある沖島で食べられる鍋料理のことです。魚や牛肉、鶏肉などをすき焼き風に味付けした料理です。
魚や肉をすき焼き鍋で炒めて、野菜と調味料を加え、汁気が出てきたら、糸こんにゃくや豆腐などの鍋の具材を入れて煮込んで作られます。正月やお盆などのハレノヒに食べられることが多いようです。
また、じゅんじゅんという言葉は、具材を鍋で煮る時の音から由来していると言われています。
近江牛や琵琶湖で採れるイサザやうなぎ、豊浦ねぎ、滋賀県の特産物である丁字麩や赤こんにゃくなど滋賀県の食材をたっぷり使って作られるため、滋賀県の名物を色々味わいたい方には、おすすめの料理と言えるでしょう。
赤こんにゃく煮
赤こんにゃく煮とは滋賀県の特産品である赤こんにゃくを使った煮物のことです。
赤こんにゃくを湯で水にさらし切ります。赤こんにゃくを洗ってから鍋の中で炒り、花カツオと醤油、ミリンなどを加えて混ぜ、唐辛子を加えて作られます。
三二酸化鉄という鉄分で赤く染められたもので、煮ても脱色せず、健康にも良いとされています。
滋賀県では現在も家庭で作られており、学校給食や飲食店、スーパーマーケットでも提供されてる料理です。
鯖そうめん
鯖そうめんは、滋賀県長浜市に昔から伝わる麺類で、焼いた鯖を甘辛いしょうゆ味のだし汁で煮込み、煮汁で味付けしたそうめんと一緒に食べる料理です。「焼鯖そうめん」とも呼ばれます。
長浜で鯖そうめんが定着したのには、「鯖街道」と呼ばれる若狭湾から京都へ魚介が運ばれる街道があったことから、鯖を入手しやすかったことが大きな要因でしょう。
鯖そうめんは麺類ですが、滋賀県では鯖そうめんは、あくまでもおかずという位置付けでご飯と一緒に食べる料理のようです。
幸福豆
幸福豆とは、滋賀県を代表とする、大豆で作ったお菓子のことです。
小麦粉、砂糖、塩を混ぜて水に溶き、炒った大豆を加えます。生地をフライパンやホットプレートなどに落として両面を焼きます。炒った大豆をトッピングして出来上がりとなります。
米は昔から滋賀県の農業の中心だったため、昔は小麦粉ではなく、米粉を使う機会も多かったようです。
滋賀県では、米を使った料理やお菓子がよく食べられており、米粉と砂糖と水を混ぜ合わせて炒った大豆を加えて作る幸福豆は、甘いおやつが少ない時代でもよく好まれていました。
昔は、農作業のおやつという位置づけで食べられていましたが、今は手軽に作ることができるため、基本的に年中食べることができます。
まとめ
滋賀県は、日本一の湖である琵琶湖が県の面積の6分の1を占めた自然豊かな県です。
代表的な農産物としては、かぶ、キャベツ、大根などの野菜、畜産面では肉用牛、水産面ではアユやフナ、スジエビなどがあります。
また、豊かな水源である琵琶湖があることから、水田が多く、米、大豆、麦は沢山収穫されます。
滋賀県独自の料理にはいさざ豆、じゅんじゅん、赤こんにゃく煮などがあり、滋賀県独自の食材が使われる料理が多いようです。
野菜や魚を中心にした郷土料理も多く、体にも優しい料理も多いのが魅力の1つといえるでしょう。