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ベトナム料理の特徴と主な料理の解説

シェアダイン編集部
作成日:2022/09/12
更新日:2022/10/04

目次

ベトナムは南北に長い国であり、地域によって気候が違うことから食習慣も異なります。味付けや食材にも地域差があり、大きく北部・中部・南部の3つに分けられます。
また、ベトナム料理は中国文化の影響を色濃く受けていて、フランスの植民地統治を受けていたことからお米やフランスパン、コーヒーを日常的に摂る習慣があり多彩な食文化です。
この記事ではベトナム料理の特徴をはじめ地域別の伝統料理・飲み物・スイーツについて解説いたします。
 

ベトナム料理の特徴や種類

ベトナム料理といえば麺料理の「フォー」をイメージするかもしれませんが、実は日本と同様にお米が主食になります。
しかし、お米の種類は日本と少し違い「インディカ米」と呼ばれる細長いお米が主流で、粘りが少なくパラパラしていて香ばしい香りが特徴。
食べ方は炊いたお米の上にスープをかけたり、おかずをのせて食べます。また、お米から作った麺料理のフォーやライスペーパー等もあり食べ方のバリュエーションも多くあります。
調味料はベトナム料理には欠かせない「ヌクマム」と呼ばれる、小魚と塩を発酵させた魚醬を様々な料理に使います。
ヌクマムはうま味物質の元であるグルタミン酸を豊富に含む為、料理に使うと素材のうま味を引き出し、料理に深みやコクを引き出してくれます。
また、バジルやコリアンダーなどの香草をよく使用するため、爽やかで食欲をそそる料理を楽しむことができます。
 

ベトナム料理とは

ベトナム料理は多くのエスニック料理のように辛すぎたり、甘すぎるといった味わいではなくさっぱりとマイルドな味付けが特徴です。
海に面したベトナムは新鮮な海鮮料理も豊富でそれに加え、生野菜や香草をたっぷりと使っているため、ヘルシーな料理が多くあります。
 

ベトナム料理の歴史

ベトナム料理は米や大豆、緑茶が親しまれ、ヌクマムという発酵調味料を使いますが、これは歴史の中で中国による支配を受けていた為です。それ以外にも食事の際はお箸や茶碗を使うのも中華料理の影響を強く受けています。
さらにフランスにより植民地化されていたこともあり、フランスパンにハムや野菜を挟んだ「バインミー」のサンドイッチはベトナム料理の定番です。フランスによりカフェ文化も浸透しコーヒーを飲む習慣も生れ、現在ではブラジルに次いで世界第2位のコーヒー輸出国となり、コーヒーが愛好される国になっています。
 
 

地域別の伝統料理

東南アジアといえば年中常夏の気候をイメージするかもしれませんが、ベトナムは南北に長い複雑な地形を持つ国であり、地域によって気候が大きく異なります。
気候が異なることでその地域で食べられているものに違いがあり、北部、中部、南部の料理の味の違いについてご紹介します。
 
ベトナムの首都「ハノイ」がある北部では米を使った麺料理「フォー」の発祥の地と言われています。フォーはベトナム料理の定番で全国的に食べられていますが、地域によって味付けが異なります。
北部では、しっかりとだしの味を感じることができますが、後味はさっぱりとしています。一方、南部では砂糖を使用した甘辛いスープが特徴。中部では唐辛子が効いた辛い味付けと地域により違いがあり、各地域の味を楽しむことができます。
 
続いてベトナムの第三の都市「ダナン」がある中部では、南シナ海で獲れる新鮮なシーフードが名物料理です。新鮮な魚を調理する以外に魚を練ってすり身にし、油でこんがりと揚げたさつま揚げ風の「チャ・カー」という料理もベトナムで人気です。
中部の味付けはベトナム料理の中で最も辛いと言われていて唐辛子をふんだんに使った料理が多くあります。辛い物を好む方は中部の味付けは病みつきになるかもしれません。
 
ベトナムきっての商業都市「ホーチミン」がある南部は近年都市発展が盛んに行われています。南部の定番料理といえば、「バインセオ」が有名です。米粉を使用した皮にエビや肉、もやしなどの具材が入ったベトナム風お好み焼き。屋台などで手軽に食べられるのも魅力です。
その他にはライスペーパーにエビや豚肉、生野菜、香草などを入れた「生春巻き」も名物料理です。北部では油で揚げた揚げ春巻きが主流であり、生春巻きを食べる習慣があまりない為、大きく異なる点です。
南部では砂糖やココナッツミルクを使用した料理が多いため、他の地域と比べると甘い味付けになります。
北部はさっぱりとしたヘルシーな味付け、中部は辛い味付け、南部は甘い味付けの料理が多いのが特徴です。
 

よく使われる食材や特徴

ベトナム料理では香草が必ずと言っていいほど使用されていますが、コリアンダー、バジル、ミント、ディル、シソなどをエビや魚に巻いて食べるのが一般的です。ベトナムでは料理に応じて様々な調味料が使用されています。
 

ヌクマム

小魚と塩を発酵させた魚醬。
 

チリソース 

唐辛子の辛さを効かせた赤い液状の調味料。
 

スイートチリソース 

チリソースを砂糖などで甘く味付けした調味料。
 

ニョクトゥン

大豆やピーナッツが原料のベトナム醤油。
 

エビ塩 

エビを粉末し、唐辛子と塩などで作ったオレンジ色の顆粒状の調味料。
 

ベトナムの飲み物やスイーツ

ベトナムはかつてフランスの植民地であったことからコーヒーを飲むようになりました。ベトナムコーヒーと言われ、一般的なコーヒーとは違いがあります。
コーヒーを入れる際、ベトナムでは独自のフィルターを使い、コーヒーを抽出します。そこにコンデンスミルク(練乳)を入れて作る為、甘く濃厚な香りや味を楽しむことができます。
 
ベトナムスイーツの定番といえば、「チェー」が国民的スイーツ。
様々な種類のチェーがあり季節や地域によって具材が異なるのが特徴です。ひんやりと冷たくして食べたり、温かくして食べたりとバリュエーションも豊富。豆類やお餅、タピオカ、タロイモ、蓮の実、竜眼などの具材に温かいシロップやココナッツミルクをかけていただくぜんざいのようなスイーツです。
 

まとめ

ベトナム料理はお米を主食とする食文化ですが、お米から作るフォーやライスペーパー等の食べ方がありバリュエーションに富んだ料理が特徴です。また、新鮮な海鮮や生野菜、香草をたっぷり使ったヘルシーで風味にある料理が魅力です。歴史的には中国やフランスの支配を受けていたことから中華料理とフランス料理のまったく異なった食文化が組み合わされています。地域によって気候が大きく異なることから、北部・中部・南部の地域で味付けや食材が違うことも特色の一つです。日本でも馴染みのあるベトナム料理ですが本場に行かれた際はその地域の郷土料理を味わってみてください。
 

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