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飲食店における原価率とは

シェアダイン編集部
作成日:2022/09/06
更新日:2022/09/14
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目次

原価率は商売をやる上で、非常に重要になる比率です。より良い売上げを立てるには、この原価率を常に意識して、物を売ることが大事です。
もちろん飲食店も例外ではなく、原価率を加味して、食べ物や飲み物の予算や売値を決めて商売をすることが成功の鍵となります。
この記事では、そんな飲食店と原価率の関係性や仕組みなどをわかりやすく解説いたします。

飲食店における原価率とはなにか

飲食店にとって原価率とは、売上に対してのメニューの材料費の比率のことで、利益を出す上で、とても重要な比率です。
原価率が高すぎると利益が上がらず、飲食店にとっても危機的な状況となります。
飲食店経営において、原価率の目安は30%がよしとされています。
それは一般的にメニュー全体の比率が30%くらいで調整できれば、「儲かるレベル」とされているからです
後ほど解説いたしますが、食べ物と飲み物は違ったり、業態によって原価率はまた違うので、何をどういう形で提供するのかによって違うので、30%はあくまでも指標の数値となるでしょう。

原価とは

原価とは、サービスや商品を作るためのコストのことです。
飲食店であれば、食べ物、飲み物に対する材料費のことをさします。原価が下がれば利益は上がり、原価が上がれば利益は下がります。商売をやる上では、このバランスをどうするかがとても大事なことです。

原価率の計算方法

原価率=原価÷売値×100
原価の他にかかる費用としては、人件費率、家賃、光熱費、消耗品、広告費などがあり、残りが利益となります。
原価率も大事ですが、残りの費用をどう使っていくかも大事なことです。

原価率の目安についての考え方

原価率の目安を考える上で理解するべき言葉があるので、1つずつ説明をいたします。

FLコスト

原価と人件費を合わせた費用のことをFLコストといいます。
原価をフードコスト(FOOD)、人件費をレイバーコスト(LABOR)と表し、FLとは2つの単語を合わせた言葉です。
売上に対するFLコストの割合をFL比率と言います。FL比率は利益を判断することができるので、お店の経営状態を判断するのに有効です
お店の業態にもよりますが、FL比率は50〜60%が良いとされています。
ただしその数値はあくまでも指標です。
人件費が安いと原価を増やせることになるため、従業員が少ないお店、家族経営などでは原価を高めに設定しても、人件費を減らせるのである程度の売上が見込めるでしょう。

歩留まりとは

歩留まりとは仕入れた材料のうち、使えない部分を差し引き、実際に使用できる部分のことを言います。
食材の使えない部分とは、野菜の葉や根、肉や魚の骨などのことです。
仕入れた食材から利益を除いた材料費のことを歩留まり原価と呼びます。

廃棄率についての概要

歩留まりとつながる部分ですが、食材の捨てる部分の比率のことを廃棄率と言い、廃棄率が上がると、原価率は上がってしまうため、廃棄率についても意識する必要があります。
お客様に提供されることなく食材が廃棄されることによって、売上が減ってしまうので、その分原価率は上がってしまうからです。

原価率は業態により異なる

カフェや喫茶店では、ドリンク中心となるため原価率は低めです。反対にレストランはフードメニューが多いので、原価率は高めとなります。
居酒屋はドリンクが多いので原価率が低いように思えますが、ドリンクの種類により原価率が変わるので、売り出すメニューのバランスが大事です。
例えば、生ビールの原価率は高くなりやすいです。
フードメニューも種類により原価率は違い、パスタやピザは原価率は低いのに対し、寿司は原価率が高くなります。
メニューのバランスやお店の形を考えながら、メニュー作りや価格設定をすることがとても大事です。

原価率が高くなる理由

商品の価格設定

原価率が高くなる原因として、メニューの価格設定がうまくいっていない可能性があります。
例えば、商品の値段を下げすぎてしまっている場合、原価率が高くなります。
メニューの価格競争を強く意識しすぎて、値段を下げすぎることは利益が確保できないため、売上が上がらない要因の1つです。
価格設定する場合は、原価率も考えて価格競争ばかりではなく、雰囲気やコンセプトなどで差別化できるように工夫した方がお店の経営としては、プラスにつながるでしょう。

廃棄が多い

廃棄量が多くなるのも原価率が高くなる要因です。
廃棄量を少なくすることで、コストを抑えることになります。
メニュー開発などの必要な廃棄はやむを得ませんが、使えないだけの廃棄をできるだけ減らすように努力することが大事です。
例えば、廃棄部分を減らすようにメニュー開発をしたり、効率的に食材を利用できるように使用する食材をある程度限定したり、過度な仕入れを避けたり、食材を廃棄させる分量を確認したり色々な工夫ができます。
経営者や従業員で廃棄を減らせるよう、努力をしましょう。
また、近年は新型コロナウイルスの流行により、お客様の入りを判断するのが難しくなっています。小ロットでの仕入れなど、状況に合わせて廃棄を減らす努力をすることは大事です。

原価率を抑える方法

価格設定の見直し

色んな方面から売上と原価を見直し、常に価格設定を見直すことは大事です。
価格設定を見直しながら、複数の解決策や対策を実行すると良いです。
例えば、売上面と原価双方が適正なのか、他の方法やセットにする売り方はないのかなど、考えられる対策はいくつかあるはずでしょう。

各コストの把握

原価率を抑える方法として、各コストをきちんと把握することは大切です。
材料を一つとっても仕入れルートを少し変えることで、仕入れ値や原価は変わります。
季節やお店の状況など、細かい状況を把握して、状況に合わせて適当な判断をしながら各コストを変えていくのが、原価率を抑えることにつながります。

業務の効率化

業務の効率化も原価率を抑える上では大事なことです。
仕入の話でも各コストを把握した上で、ある程度まとめて発注する、同じ業者でお願いできるもの、送料などの面や契約の見直し、原価が下がる方法は色々な手段があります。
意識しながら効率的に発注をすることは、原価率を下げるだけではなく、従業員の負担も減らせる可能性があります。

まとめ

飲食店にとって原価率とは、売上に対して、メニューの材料費の占める比率のことです。原価が上がれば、その分利益が下がってしまいます。
原価率はもちろん大切ですが、その中でもFLコスト、歩留まり、廃棄率などを意識・調整していくことが大事です。
価格設定や各コストの把握、業務の効率化を常に考えましょう。
原価はかかるけど、売るために販売価格を安くしたい考えはあるかもしれませんが、利益はある程度確保しないとお店が潰れてしまいます。
ある程度の原価率は守りつつ、その物のサービス、雰囲気、オリジナリティなど色んな面で勝負できるといいでしょう。

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