飲食業界の用語を解説 それぞれの専門用語の意味とは
飲食店には、業界でしか使われない専門用語が多くあります。アルバイトで働いたときなどに、聞いたことのない言葉が飛び交って戸惑った経験がある人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、飲食店の業界用語を、ホール・キッチンの担当別に解説します。
飲食店で働くにはぜひ覚えておきたい用語ばかりですので、業界に携わっている人はひと通り覚えておきましょう。
業界用語が使われるのはなぜ?
飲食店では仕事の指示に業界用語が使われます。では、なぜ業界用語が使われるのでしょうか。
お客様に聞かれたくない言葉があるから
ひとつめの理由は、お客様に聞かれることが好ましくない言葉を置き換えているケースです。
トイレ、ゴキブリ、といった言葉を食事中に耳にするのは気分がよいものではないので、違う表現を使っているのです。
聞き取りやすい短い言葉を使う
飲食店の営業中は、ホールもキッチンも常に言葉が飛び交っています。そんな中でのやり取りですから、「言いやすい」「聞き取りやすい」言葉を使うことが間違いの防止になります。
プロ意識やチームワークの形成のため
その業界でしか使われない特別な用語を使うことで、業界人としてのプロ意識を持たせたり、チームワークを強くし士気を高めることにつながります。
飲食店でよく使われる業界用語
それでは、飲食店でよく使われる業界用語を、ホール・キッチンに分けて説明していきます。
飲食店の業界用語:ホールで使う道具・物編
ダスター
テーブルなどを拭く布巾。Dust(ほこり)が語源とされています。
トレンチ
食べ物を乗せて運ぶお盆。そもそもは銀の丸いトレーのことですが、お盆全般をそう呼ぶ店もあります。
ハンディ
お客様の注文を登録する小型の機械「ハンディターミナル」を略してハンディと言います。キッチンやレジと連動して情報共有ができるようになっています。
ヒヤタン
お水を提供するグラス。お冷(お水)を入れるタンブラーなのでヒヤタンと言います。
シルバー
ナイフ・フォーク・スプーンなどのカトラリーのこと。もともとはこれらが銀製だったことから、今は銀製でなくてもシルバーと呼ばれます。
太郎さん、花子さん
ゴキブリのこと。お客様に気づかれないための隠語です。店によって言い方が違うことがあります。
〇番
トイレのことを〇番(3番としている店が多い)と言います。トイレの点検を「3番チェック行きます」のように使います。
飲食店の業界用語:ホールの仕事内容、動作編
バッシング
食べ終わった食器をテーブルから下げること。お客様の食事中に開いたお皿を下げるのは中間バッシングと言います。
デシャップ
キッチンで作られた料理が上がってくる場所のこと。または料理の出来上がりや進捗をチェックする担当やその作業のこと。Dish up(ディッシュアップ)が語源です。
ウェイティング
満席で、お客様に待っていただいている状態。「ウェイティング〇名様です」のように使われます。
ラウンド
お客様のテーブルを回り様子を見て、お水の追加やバッシングをするとこと。
ヤマ
品切れのこと。「今日は〇〇がヤマだから」のように、ホール、キッチンの両方で使われます。
山ほど売れて売り切れた、が語源と言われています。
アイドルタイム
お客様の少ない時間帯のことで、人が働いていないという意味のIDOLが語源です。仕込みや休憩時間にあてられます。
飲食店の業界用語:キッチンで使う道具・物編
チャンバー
食品貯蔵用の大型の冷蔵庫や冷凍庫です。
リーチイン
ビールジョッキやグラスを冷やしておく冷蔵庫です。扉がガラス製で中が見える作りになつています。
フライヤー
フライドチキンやポテトなどの揚げ物をするための器具。一定の温度に保たれた油が常に張ってあります。
ストーブ
ガスコンロが設置された調理台のこと。下部にオーブンが設置されたタイプも多くあります。
ホテルパン
食材を種類ごとなどに分けて入れておけるような四角い器で様々なサイズがあります。材はステンレスが一般的。食材や調味料を入れて作業台に並べておくほか、オーブンで調理する際の器としても使われます。
レードル
家庭ではお玉と呼んでいる、汁物をすくう器具のことです。
飲食店の業界用語:キッチンで使う仕事内容・動作編
先入れ先出し
先に仕入れた食材を出していくという、食材を使う時の基本です。First in First Outを略してFIFOと言われることもあります。
兄貴・弟
食材の新しさを示す用語で、兄貴が古い食材、弟が新しい食材を指します。「兄貴から出して」と言えば、古いものから使えという意味です。
掃除
野菜の皮むき、肉や魚の下ごしらえをして、すぐに使える状態にしておくことです。
蹴る
フライパンや鍋で食材を炒めること、食材を動かすことを言います。「その肉蹴っておいて」のように使われます。
ポーション
人更に盛り付ける料理の量のこと。量が多すぎることをオーバーポーション、少なすぎることをアンダーポーションと言います。
同時同卓
同じテーブルのお客様が注文した料理を、同じタイミングで提供すること。別々のものを注文しても同時に食事につけるようにする配慮です。
せきまえ
お客様から料理はまだか催促されている状態のことです。「急き前」が語源と言われています。
まとめ
飲食店では、仕事の指示などに業界特有の言い回しが使われます。
飲食店のスタッフとして働くには、この業界用語を理解しておかないと、指示内容が理解できずに仕事についていけなくなることもありますので、いちいち考えなくてもわかるように覚えてしまいましょう。
意味や語源と合わせて覚えると、理解しやすくなるのでお勧めです。
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食中毒発生の際の損害賠償について 飲食店向け補償や食中毒対策についても解説
飲食店を経営するうえで、食中毒の予防は非常に重要です。
食中毒は、徹底した衛生管理などによりリスクを下げることは可能ですが、どの飲食店においても「発生リスクがゼロである」といいきることは難しいでしょう。そのため、万が一自店において食中毒が発生した場合に備えておくことが必要です。
この記事では食中毒の基本情報、飲食店で食中毒が発生したときの対応の流れについて解説いたします。
本記事を通して、食中毒の損害賠償などについて詳しく知ることができます。
食中毒が発生した場合の損害賠償はどうなる?
飲食店で提供されたメニューが原因で食中毒になった場合、損害を受けたお客様は、飲食店に損害賠償を請求することができます。
損害賠償に含まれる対象として、医療費や通院費、慰謝料、休業補償(食中毒が原因で仕事を休んだ場合)、逸失利益(食中毒にならなければ本来得られていた収入)などが該当します。
そもそも「食中毒」とは?
食中毒は、飲食物を摂ったことによって起こる健康被害の総称です。
食中毒のおもな原因は、細菌とウイルスです。
夏の時期は、細菌が増殖しやすい暑い環境であるため、細菌性の食中毒の発生率が高くなります。
冬の時期は、低温・乾燥の環境下を好むウイルスによる食中毒が多くなります。
細菌・ウイルス以外による食中毒の例は、キノコなどに含まれている毒を摂取したことによって起こる自然毒食中毒や、アニサキスという寄生虫による寄生虫食中毒などです。
食中毒の症状としては、腹痛・下痢・吐き気・嘔吐が見られ発熱を伴うこともあり、大きな苦痛を味わうこととなります。
症状の重さは一概ではありませんが、最悪の場合は死に至る危険な病気です。
食中毒が発生した際の店舗への影響を解説
食中毒が発生した場合、損害を受けたお客様には損害賠償金を支払わなければいけません。
損害賠償は、お客様へ及ぼした影響の大きさによって金額が決まります。
食中毒発生が認められた飲食店には、保健所による介入が始まり、その際は保健所の指示に従うことが必要です。
保健所は、地域の住民の健康・衛生を守るための公的な機関です。
飲食店の過失の度合いによって、行政指導(口頭指導・書面指導)・行政処分のうち、いずれかを受けることとなります。
口頭指導の場合は、食中毒の原因となった可能性のある設備や調理法について調査が入り、飲食店に対して自主的な改善や営業の自粛が求められます。
口頭指導による改善が見られない場合は、書面指導となります。したがって、書面指導を受けないように口頭指導の段階での改善が重要です。
書面指導を受けた場合のデメリットは大きく、食中毒を起こした飲食店として店名や食中毒発生に至った状況、指導内容が自治体のHPにて公開されることとなります。
さらに食中毒発生における過失の度合いが重い場合は、行政処分を受けることになります。
具体的な処分の種類は、営業停止・営業禁止・営業許可取り消しなどです。
営業停止は、定められた期間のみ営業ができない処分ですが、営業禁止の場合は無期限で営業を禁止されます。
改善の見込みがないと判断された場合は、営業許可取り消しとなり営業自体ができなくなってしまうこともあります。
インターネット上で、食中毒を発生させた店として名が広まってしまうと、大きな評判低下になってしまうことは間違いありません。食中毒被害の規模が大きい場合はニュースにも取り上げられることもあります。
「生産物賠償責任の補償」について解説
他者に対して何らかの損害を与えてしまった場合に補償をしてもらうための保険として、「生産物賠償責任の補償」があります。
例えば、飲食店側が提供した料理をお客様が食べたことで食中毒になってしまった場合や料理への異物混入によりお客様が被害を受けた場合にも生産物賠償責任の補償が適用されます。
生産物賠償責任の保険への加入は、先々の経営のためにも重要です。
補償内容は、以下のようなものです。
- 損害を被ったお客様への迷惑料、通院費などの損害賠償金
- 損害の再発防止対策に掛かった費用
- 裁判に発展した場合の裁判に掛かる費用
「生産物賠償責任の保険」注意するポイント
生産物賠償責任の保険は、いざトラブルが起きた時に補償をしてもらえる保険であることを上述しましたが、補償の対象にならないケースがあることにも注意しておきましょう。
補償のケースにならないのは、故意による過失・重大な過失です。
例としては、食材が傷んでいることを把握していながらも料理に使い提供し、食中毒が発生したケースなどが該当します。
さらに注意しておきたい点は、補償の対象となるケースでも全ての金額を補償してもらえるとは限らないことです。そのため、自己負担で賄う金額が発生する場合もあります。
そのほかの補償を紹介
食中毒の発生により、営業が不可能になった期間の補償として、「食中毒見舞金」という保険もあります。
営業不可能な期間の収入の埋め合わせや、営業再開に向けての準備金に充てる用途で使われるのが一般的です。
生産物賠償責任・食中毒見舞金は、飲食店経営者にとって加入が必須である保険といえるでしょう。
食中毒を未然に防ぐための対策を紹介
食中毒が発生した場合の実際の流れについて解説してきましたが、食中毒の発生リスクを抑えるために日常的にできることもあります。
食中毒予防において、重要な3原則は「菌を付けない」「菌を増やさない」「菌を殺す」です。
以下に、それぞれの対策について詳しく解説いたします。
「菌を付けない」予防策
- 調理をする前には手をよく洗い、なるべく食材には直接触れず使い捨て手袋や箸を使う
- 調理中も、魚や肉・卵などに触れた後は、手をよく洗ってから次の調理に移る
- 魚や肉を切るのに使った包丁やまな板には菌が付いている可能性があるので、使うたびに洗剤でよく洗う
「菌を増やさない」予防策
- 食品は調理する直前まで冷蔵庫で低温保管し、冷蔵庫から出した後はすぐに調理する
- 冷蔵庫の温度を下げないように、食品は詰め込みすぎない程度に入れる
- 冷蔵庫のドアを開ける時間を短時間にする
- できあがった料理を放置する時間をつくらず、速やかに提供する
「菌を殺す」対策
- 生焼けや半熟状態での提供にならないように、十分加熱して菌を殺す
- 調理が終わった後は、調理器具を塩素剤や熱湯を使って確実に消毒する
以上の対策を徹底し、食中毒の発生を予防することは、飲食店の円滑な経営にとって大変重要なことです。
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まとめ
食中毒の発生により、飲食店・お客様はともに甚大な影響を被ることになります。
つい他人事のように考えてしまいがちですが、食中毒発生時の損害賠償や保健所による指導などについて一通り把握しておくことは大切です。
保険については、安心のための必要経費として、確実に加入しておくことが望ましいです。
食中毒を発生させないための予防策と万が一の場合に備えての対策を両輪とし、飲食店の経営を守ることが重要でしょう。
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posレジのおすすめと導入のメリットの紹介
飲食店を経営するうえで会計は接客や調理と同様に大切な業務です。しかしながら開業時に会計システムにまで注意が届かず「レジスターは安物でいい。経費削減が重要だ」などとコストだけで選んでしまい、後で後悔するケースも少なくありません。
飲食店の経営者にとってレジスター選びは意外な盲点と言えるでしょう。そこでこの記事では最新のPOSレジに着目。POSレジの機能やメリット・デメリット、種類などについて多角的に解説いたします。
POSレジ(POSシステム)とは
POSレジとは、POSシステムを搭載したレジスターのこと。「POS」は英語の「Points of Sales」の略語で、日本語では「販売時点情報管理」と呼ばれます。POSシステムは店舗の売上や消費者の購買活動などの情報を集計するハードとソフトを総称した名称です。
POSレジはお客様が代金を支払った時点で飲食した日時と店名、メニューの数量と代金、お客様の人数などを記録します。また店舗側で会員カードやポイントカードを発行している場合はお客様の年齢性別などの個人情報も合わせて記録可能です。
POSレジが収集した情報はネットワーク経由でPCやサーバーに送って蓄積されます。それを元にマーケティング分析を行うことで店舗ごとの売上や在庫、顧客情報などの管理と分析を自動で行い、経営状態をリアルタイムで可視化することができます。
POSシステムのないレジスターでは、会計時に売上代金と釣り銭を計算して記録したり、レシートを発行したりすることはできますが、販売情報を蓄積したり、複数の店舗の経営情報を一元的に管理したり、自社の会計システムと連動したりすることはできません。
クレジットカードやQRコードによるキャッシュレス決済も、オンラインによる外部の決済システムとの連携が必要です。キャッシュレス決済の選択肢が増えた現在では、事業規模を問わずPOSレジが必要不可欠となっています。
POSレジの機能
POSレジはレジスターにIoT技術を搭載したオンラインネットワーク端末のひとつ。以下に示すようにレジスターとしての基本機能に加えて、販売に関する情報を本部のPCやサーバーに転送して集計分析する機能を備えています。
会計機能
レジスターとしての基本機能は現金決済による会計機能と、レシートやクーポン券などの印刷機能が基本。POSレジではテイクアウトと店内飲食の税率の違いや割り勘なども分割決済も自動で対応可能です。
キャッシュレス決済対応
POSシステムはネットワーク経由で外部の決済システムと連携可能。近年多様化が進むキャッシュレス決済にもスムーズに対応できます。
売上情報の管理分析機能
レジの売上情報の管理分析はPOSレジが得意とする機能のひとつ。日々の売上情報を蓄積して店舗ごとの売上を分析してデータを可視化する機能です。情報分析によって売上が低い店舗の課題を洗い出すことで経営改善効果が高い戦略の策定ができます。
そのほか従業員の勤怠管理など人事給与システムとの連携機能や、在庫状況の管理機能を搭載した複合型のPOSシステムも人気です。多店舗展開の飲食店では全店舗の予算実績や原価、勤怠、予約状況、確定申告など全ての管理業務を一元化することができます。
POSレジを導入するメリットとデメリット
POSレジは業務の効率化に欠かせない多機能レジスターとして多くの小売店に採用されています。最新機種には使いきれないほど多くの機能がありますが、使えなければデメリットになることも。ここではPOSレジのメリットとデメリットについて解説します。
メリット
会計処理の効率化
POSレジの最大のメリットはレジによる会計処理を効率化できること。お客様に提供するメニューや商品の情報をあらかじめ登録できるので、会計作業に要する時間と労力が削減され、計算ミスの防止にもつながります。
コストの削減
POSレジを導入することで会計業務と事務管理の効率化が可能。飲食店のレジ業務や売上管理は一般の小売店ほど煩雑ではありませんが、そのためにスタッフが兼任する場合が多く、POSレジの導入で事務的な業務を効率化できれば人件費削減にもつながります。
デメリット
費用が高額になる
POSレジ導入のデメリットとしては導入時の初期費用が高額なことと、ランニングコストがかかること。初期費用はレジ本体に通信機器と管理ツールの導入費用が必要です。ランニングコストは通信費用とシステムの保守費用などが必要になります。
トラブル時に会計業務が全停止する危険性がある
POSレジに限らず全ての電子機器に共通する問題として、停電や通信障害、故障などのトラブルが発生すると会計業務が全停止してしまう危険性があります。台風や地震などのリスクに備えて、緊急時の業務対応マニュアルを用意するなどの対策が必要です。
POSレジの主な種類
POSレジにはさまざまな種類があります。飲食店でよく使われるのは以下の3種類です。
ターミナル型
ターミナル型は一般的なレジスターにPOSシステムを搭載したもの。見方を変えるとPOSシステムの端末にレジスターを一体化したもので「筐体一体型」「一体型」とも呼ばれます。最近では小型で高機能なモデルも多く、省スペース化にもつながります。
パソコン型
パソコン型またはPC型はパソコンに専用アプリをインストールしてPOSシステムに利用するタイプ。レジの会計処理に必要なスキャナーやレシートプリンター、キャッシュドロワーなどは周辺機器としてパソコンに組み合わせます。
パソコン用のメールソフトや経営・勤怠管理ソフトなども併用できるため、個人経営の飲食店でも人気が高まってきています。
タブレット型
タブレット型はAndroidやiPadなどのタブレット端末やスマートフォンに専用アプリをインストールしてPOSレジとして利用するタイプです。携帯可能なPOS端末は飲食店で接客時に注文内容をその場で入力できるため、会計業務の効率化が可能です。
よく利用されているPOSレジ
手軽に導入できるPOSレジとして、パソコンやタブレット、スマートフォンに専用アプリをインストールしてPOSシステム化するサービスが人気です。ここでは人気のPOSレジサービスとしてスマレジ、ポスタス、ユビレジの3製品を紹介します。
スマレジ
株式会社スマレジが提供する「スマレジ」はiPadやiPhone用のアプリを使ったクラウド高機能タブレットPOSレジサービスです。通常のレジ機能もタブレットで対応。自動釣銭機との連動も可能です。前会計と後会計、割り勘、テイクアウトなどにも対応します。
参考:高機能クラウドPOSレジ「スマレジ」 - iPad/iPhoneアプリを使った無料で始められるPOSレジ (smaregi.jp)
POS+(ポスタス)
POS+はポスタス株式会社が提供する高機能クラウドPOSサービスです。設置と初期設定はサポートが担当するため、初めての方でも安心です。売上や顧客管理などの基本機能はもちろん、飲食店に特化した基本機能を搭載。365日無料の電話サポートも利用できます。
参考:POSレジならクラウドPOSのPOS+(ポスタス) (postas.co.jp)
ユビレジ
株式会社ユビレジが提供する「ユビレジ」はiPadに専用アプリをインストールして利用するタブレット型POSレジサービスです。操作が簡単で初心者でも直感的な操作で使用可能。予約管理やクラウド会計などのソフトやキャッシュレス決済とも連携できます。
参考:ユビレジ | カンタン操作で高性能iPad用POSレジアプリ (ubiregi.jp)
まとめ
POSレジとは、POSシステムを搭載したレジスターのこと。レジが収集した売上情報をネットワーク経由でPCやサーバーに送って店舗ごとの売上や在庫、顧客情報などの管理と分析を自動で行い、経営状態をリアルタイムで可視化することができます。
パソコンやタブレット、スマートフォンに専用アプリをインストールしてPOSシステムとして利用するサービスも人気です。
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飲食店のplの見方・書き方を解説 損益計算書の各項目とは
飲食店の経営をはじめたのはいいが、どうも財務系の話は苦手でよくわからないという人も少なくないでしょう。
しかし、利益を出しながら店を長く続けるためには、経営状況を把握することは大変重要です。
損益計算書は経営状況を測る指標とされる帳票です。大企業だけに必要なものじゃないの?と思う人もいるかも知れませんがそうではありません。
今回は、損益計算書からわかることや、どうして飲食店で損益計算書が重要かといったことを解説いたします。
損益計算書のことを初めてきいた人でも理解できるようまとめております。
損益計算書(P/L)とは (P/Lの意味、何を表す計算書かにてついて)
損益計算書とは財務諸表のひとつです。簡単にいうと「損」と「益」、すなわち「入ってきたお金」と「出て行ったお金」を計算した書類です。
英語表記の「Profit and Loss Statement」を略して「P/L(ピーエル)」とも呼ばれています。
損益計算書には、一定の期間内にどれだけの収益がありどれだけの費用を使ったのかが記載されています。
売上はいくらでその売上げをつくるためにいくらかかったのかがひと目で確認できるのです。
損益計算書と同じく財務諸表のひとつに「貸借対照表」があります。こちらは「B/L(ピーエル: Balance sheetの略)とも呼ばれる書類で、名前を聞いたことがある人も多いでしょう。
こちらは現時点における会社の資産と負債が記載されたものです。
損益計算書と貸借対照表の違いを簡単にすると、損益計算書は会社の経営成績を示すもの、貸借対照表は会社の財務状況を示すものということになります。
どちらの書類も、青色申告をしている企業や個人事業主は、決算書類として提出する必要があります。
飲食店で損益計算書が重要な理由とは
では、損益計算書が飲食店の経営に必要な理由を考えていきましょう。
確定申告時に必要になるから、というのはもちろんですが、それ以外にも損益計算書を作成することによる利点があります。
自店舗の経営状況をしっかりと把握するため
損益計算書を作成することで、なににどれだけ費用がかかったのかが一見してわかります。
原価、人件費、家賃などの費用が項目別に記載されますので、どの費用がどれだけを締めているのかが明確に確認でき、改善すべき点が見えてきます。
今後の戦略を立てるにあたり、損益計算書はおおいに役立つのです。
競合他社との比較ができる
損益計算書を同業種の会社と比較することで、自店舗との違いが見えてきます。そこから経営のヒントを見つけることもできるでしょう。
上場企業や大企業は、決算報告書を開示することが義務付けられています。
決算書類は企業のホームページ上に公開されています。規模が大きい会社の情報にはなってしまいますが、見ておいて損はないでしょう。
融資申し込みの際に必要
飲食店を経営していく中では、店舗拡張などで金融機関からの借り入れを検討することもあるでしょう。
融資申し込みの際には、会社の経営状況等を確認するために、損益計算書を含む決算書類の提出が必要になります。
損益計算書の見方について
では、損益計算書の各項目と何をあらわすかを紹介いたします。
- [売上]本業の収益:料理やドリンクの売上額
- [売上原価]売上に直接関係する費用:材料費、容器の仕入れ代金など
- [販売費及び一般管理費]間接的に売上げに関係する費用:店舗の家賃、人件費など
- [営業外収益]本業には関係のない収益:株の配当金など
- [営業外費用]本業には関係のない費用:借入金の利息など
- [特別利益]臨時で発生する収益:設備や道具の売却費など
- [特別損失]臨時で発生する費用:災害による損失など
- [法人税等]税金:法人税、住民税など
この各項目から利益を計算していきます。
【売上総利益】
売上総利益 = 売上げ - 売上原価
料理の代金から材料費などの原価を引いたものが売上総利益です。
【営業利益】
営業利益 = 売上総利益 - 販売費及び一般管理費
売上総利益から家賃や人件費などを引いたものが営業利益で、飲食店として利益がどれくらい出ているかを示すものです。
【経常利益】
経常利益 = 営業利益 + 営業外収益 - 営業外費用
営業利益に営業に関係のない損益を差し引きしたものが経常利益で、事業としての成績を表すものです。
例えば借入金が多い場合は支払利息が大きくなり、経常利益が減ります。
【税引前当期純利益】
税引前当期純利益 = 経常利益 + 特別利益 - 特別損失
経常利益から特別損益を差し引きしたものが税引前当期純利益で、税金を支払う前の最終的な利益です。
特別損益は定例的に発生するものではないため、大きな出入りがあった年は純利益に影響が生じます。
【当期純利益】
当期純利益 = 税引前当期純利益 - 法人税等
税引前当期純利益から税金を差し引いたものが当期純利益で、最終的な経営成績になります。
飲食店では特に「営業利益」「売上総利益」に着目すると改善すべき点が見えやすくなります。
損益計算書の作成方法
損益計算書の作成方法は大きく3つ「手書き」「表計算ソフト」「会計ソフト」があります。それぞれの特徴をご紹介いたします。
帳簿に手書き作成
ノートなどに手書きで作成する方法です。
手書きで作成する利点は、簿記や財務の知識が自然と身につくということでしょう。簿記の経験がある人や、パソコンが苦手な人は手書きで作成するのも一案です。
半面、作成に時間がかかるのが手書きのデメリットです。記載ミスや計算ミスが起こる恐れもあります。
また、意外に保管がしにくいということもあります。保管場所がわからなくなったり、うっかり廃棄してしまわないよう注意が必要でしょう。
表計算ソフト
EXCELなどの表計算ソフトを利用して損益計算書を作成するのもスタンダードな方法のひとつです。
いったんフォーマットを作ってしまえば、あとは数字を入れていくだけなので都度計算する手間が省けます。計算ミスの心配がないのもメリットでしょう。
デメリットとしては、初期段階の準備に多少時間がかかることがあります。フォーマットを自分で作成しなくてはならないので、表計算ソフトを使ったことがない人はとまどうかもしれません。
その場合は、インターネット上で無料配布されているフォーマットを利用してもよいでしょう。
会計ソフト
会計ソフトを使うメリットは、システムが組まれているので使う側は数字を打ち込んでいくだけでよいという点です。
他の財務諸表も合わせて、会計ソフトが自動的に作成をしてくれるので時間短縮になりますし、簿記の知識も必要ありません。
会計ソフトを利用する際のデメリットは大きく2つ考えられます。
ひとつめは費用がかかることです。無料で使えるものもありますが、基本的には利用料が必要になります。
ふたつめは、別のソフトに移行したくなった場合、引継ぎが出来ない場合があることです。
何かの事情で会計ソフトを変える必要が出た場合には、不便を感じることがあるかも知れません。
まとめ
損益計算書は入ったお金と出たお金が記載された帳票で、飲食店の経営状況を把握するのに役立ちます。
売上げと経費のバランスを見ることで、経営が上手くいっているかの判断や、どこを重点的にテコ入れしたからよいかなどを考える材料になります。
会計ソフトを利用すれば簿記が苦手な人でも容易に作成することができます。
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急なシフト変更は違法?勤務時に気をつけるべきことの解説
コロナ禍で時短営業や休業要請があり、飲食店などを中心に急にスタッフのシフト変更が起こっています。会社側もやむを得ずシフトを変更せざるを得ない状況ですが、スタッフにとっては調整が大変ですし、生活がかかっている場合は死活問題になることもあります。
この記事では、急なシフト変更は違法になるのか、急にシフトがなくなり休みになった場合は手当が出るのか、など従業員側として知っておきたいシフトに関する法律を解説いたします。
店側都合の急なシフト変更は違法か
原則として、お店や会社側の急なシフト変更は違法です。労働の契約で定められた労働条件を会社都合で変更することは法律で禁止されています。
違法となるケース
- シフト決定後に従業員の同意がなく、休みにする。
- 従業員の同意を得ずに、従業員に不利となる労働条件に変更する。
(勤務時間のカット、勤務日数分働かせないなど)
コロナ禍で休業要請が出たり、客足が遠のいたりして、会社側としては従業員の人数を減らしたい場合もあるかもしれません。会社にとっては、正当な理由のように思えますが、これらの理由でシフトや労働日数、労働時間を変更することはできません。やむなく変更する場合は従業員に理解してもらえるよう丁寧に説明をし、「従業員の同意」を得なければなりません。
シフト制の中でも変形労働時間制の場合は、元々、繁忙期と閑散期で業務量に差があるため、シフトの組み方自体も変則的になりがちです。しかし、変形労働時間制であっても初めから決められたシフトのまま遂行される場合は問題ないのですが、急な変更は原則として認められていません。
もちろん、天災やお店の設備の故障など避けられない理由で業務の遂行が難しい場合については、正当な理由となります。適切な手続きを踏んだ上で、急なシフト変更(休業)などは違法にはなりません。
急なシフトカットは休業手当の対象になる
会社都合でシフトを変更する場合は、従業員の同意が必要です。従業員の同意が得られた上で、休業手当を支払う必要があります。
労働基準法第26条によると、「休業手当とは、会社側の都合(使用者の責に帰すべき事由)により、 労働者を休ませた場合に支払わなければならない、 平均賃金の6割以上の額の手当」と書かれています。
休業手当の支払いが必要な場合
- 経営難による休業(親会社の経営が悪い場合も含む)
- 業務量の減少に伴う休業
休業手当の支払いが不要な場合
- 天災事変のような不可抗力によるやむを得ない休業
(地震、洪水、落雷などの自然災害や、計画停電、緊急事態宣言による休業、コロナに感染した従業員の休業など)
※コロナに感染した従業員の休業については、休業支援金・給付金の対象となるケースがあります。
では、休業手当はいくら支払えばよいのでしょうか。休業手当は以下の式で計算します。
休業手当 = 平均賃金 ×0.6以上(※) × 休業日数
※労働基準法においては、休業手当について、平均賃金の6割までを支払うことが義務付けられています。6割というのは最低限のラインであるため、従業員が安心して休めるように6割以上(10割)支払うのが望ましいとされています。なお、休業手当を支払った場合、支給要件に合致すれば、雇用調整助成金の支給対象になります。(厚生労働省資料より)
また、平均賃金は労働基準法第12条によると、「算定すべき事由の発生した日以前の3か月間にその労働者に対し支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除した金額」と定められています。
平均賃金=算定期間中の賃金総額÷3か月間の総日数(※)
※算定すべき事由の発生した日(=休業日)の前日から3か月間。ただし、賃金締切日がある場合には、直前の賃金締切日から3か月間
なお、次の期間の日数及び賃金は控除して計算します。
- 業務上の負傷・疾病の療養のための休業期間
- 産前産後の休業期間
- 使用者の責に帰すべき事由による休業期間
- 育児・介護休業期間
- 試みの使用期間
日給制・時給制・請負給制の場合は以下のように計算します。
①平均賃金=算定期間中の賃金総額÷3か月間の総日数
②算定期間中の賃金総額÷算定期間中に労働した日数 × 0.6
①の式と②の式で算出した額を比較し、より高かった額が平均賃金になります。
引用資料:厚生労働省 休業手当について
休業手当と休業補償の違い
休業手当は労働基準法第26条に「会社側の都合により労働者を休業させた場合、休業させた所定労働日について、平均賃金の6割以上の手当(休業手当)を支払わなければなりません。」と記載されています。
一方、休業補償は労働基準法第76条に「労働者が第75条の規定による療養のため、労働することができないために賃金を受けない場合においては、使用者は、労働者の療養中平均賃金の百分の六十の休業補償を行なわなければならない。」と記載されています。なお、第75条は療養補償(労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかった場合においては、使用者は、その費用で必要な療養を行い、又は必要な療養の費用を負担しなければならない。)についてです。
つまり、休業手当は会社側の都合や責任で従業員を休ませた場合に支払う手当です。急なシフト変更や休業に伴い、従業員の最低限の生活を保障するために支払うのが目的です。会社側の都合以外にも、業務上の負傷や疾病による休業、産前・産後・育児・介護による休業においても休業手当は支払われる可能性があります。また、自然災害などによって事業所や作業場所が被災して稼働できず、休業せざるを得ない場合は休業手当の対象になります。
一方、休業補償は、業務上の負傷や疾病に対する治療費だけではなく、休業せざるを得なくなった分の予定賃金も併せて給付されます。休業補償は、労災保険から支払われる補償です。休業補償は所得扱いにならないため、給付を受けた補償金額には所得税は課されません。
急なシフト変更をする際の注意するポイント
急なシフト変更を会社側の都合で行うことは原則として認められていません。しかし、どうしてもやむを得ない事情がある場合は、スタッフの個々の事情を考慮しながら、シフト変更の理由を説明をします。スタッフが納得して変更に応じてくれた場合はシフト希望を聞き、できるだけ希望に沿った変更を行います。
会社側の都合でシフト変更を行う場合はスタッフの同意が必要なので、必ず事情を説明しなければなりません。シフト変更の同意が得られない場合は休業にして、十分な手当を支払うことで納得してもらえることもあるので、お互いが納得する形でシフト変更を行いましょう。また、休業にした場合は手当についても事前にきちんと知らせて納得してもらう必要があります。
トラブル回避のためにやるべきこと (労働条件通知書の確認、コミュニケーションなど)
急なシフト変更や休業で困るのは従業員です。適切な手続きで、かつ納得してもらえない場合、不満が募り、トラブルにもつながりかねません。
やむを得ない場合は、労働条件通知書を再度確認し、従業員とも密にコミュニケーションをとって、従業員が納得する形でシフト変更や休業を行います。会社都合で休業したのに十分な報酬が得られず、生活ができないとなると大問題です。労働基準法に則り、裁判沙汰になることもあります。
会社側はトラブルを回避するために、十分すぎるくらいの説明と誠意をもって対応することが重要です。
まとめ
会社都合で、急なシフト変更や休業要請は法律違反となってしまいます。コロナ禍で休業を余儀なくされたという飲食店等も多いですが、休業する場合は従業員への休業手当を支払う義務が生じます。シフト変更の場合も、できるだけ従業員への負担が少なくなるように考慮しましょう。従業員に説明して納得、同意してもらうことが一番大切です。
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シェアダイン編集部
飲食店における原価率とは
原価率は商売をやる上で、非常に重要になる比率です。より良い売上げを立てるには、この原価率を常に意識して、物を売ることが大事です。
もちろん飲食店も例外ではなく、原価率を加味して、食べ物や飲み物の予算や売値を決めて商売をすることが成功の鍵となります。
この記事では、そんな飲食店と原価率の関係性や仕組みなどをわかりやすく解説いたします。
飲食店における原価率とはなにか
飲食店にとって原価率とは、売上に対してのメニューの材料費の比率のことで、利益を出す上で、とても重要な比率です。
原価率が高すぎると利益が上がらず、飲食店にとっても危機的な状況となります。
飲食店経営において、原価率の目安は30%がよしとされています。
それは一般的にメニュー全体の比率が30%くらいで調整できれば、「儲かるレベル」とされているからです
後ほど解説いたしますが、食べ物と飲み物は違ったり、業態によって原価率はまた違うので、何をどういう形で提供するのかによって違うので、30%はあくまでも指標の数値となるでしょう。
原価とは
原価とは、サービスや商品を作るためのコストのことです。
飲食店であれば、食べ物、飲み物に対する材料費のことをさします。原価が下がれば利益は上がり、原価が上がれば利益は下がります。商売をやる上では、このバランスをどうするかがとても大事なことです。
原価率の計算方法
原価率=原価÷売値×100
原価の他にかかる費用としては、人件費率、家賃、光熱費、消耗品、広告費などがあり、残りが利益となります。
原価率も大事ですが、残りの費用をどう使っていくかも大事なことです。
原価率の目安についての考え方
原価率の目安を考える上で理解するべき言葉があるので、1つずつ説明をいたします。
FLコスト
原価と人件費を合わせた費用のことをFLコストといいます。
原価をフードコスト(FOOD)、人件費をレイバーコスト(LABOR)と表し、FLとは2つの単語を合わせた言葉です。
売上に対するFLコストの割合をFL比率と言います。FL比率は利益を判断することができるので、お店の経営状態を判断するのに有効です
お店の業態にもよりますが、FL比率は50〜60%が良いとされています。
ただしその数値はあくまでも指標です。
人件費が安いと原価を増やせることになるため、従業員が少ないお店、家族経営などでは原価を高めに設定しても、人件費を減らせるのである程度の売上が見込めるでしょう。
歩留まりとは
歩留まりとは仕入れた材料のうち、使えない部分を差し引き、実際に使用できる部分のことを言います。
食材の使えない部分とは、野菜の葉や根、肉や魚の骨などのことです。
仕入れた食材から利益を除いた材料費のことを歩留まり原価と呼びます。
廃棄率についての概要
歩留まりとつながる部分ですが、食材の捨てる部分の比率のことを廃棄率と言い、廃棄率が上がると、原価率は上がってしまうため、廃棄率についても意識する必要があります。
お客様に提供されることなく食材が廃棄されることによって、売上が減ってしまうので、その分原価率は上がってしまうからです。
原価率は業態により異なる
カフェや喫茶店では、ドリンク中心となるため原価率は低めです。反対にレストランはフードメニューが多いので、原価率は高めとなります。
居酒屋はドリンクが多いので原価率が低いように思えますが、ドリンクの種類により原価率が変わるので、売り出すメニューのバランスが大事です。
例えば、生ビールの原価率は高くなりやすいです。
フードメニューも種類により原価率は違い、パスタやピザは原価率は低いのに対し、寿司は原価率が高くなります。
メニューのバランスやお店の形を考えながら、メニュー作りや価格設定をすることがとても大事です。
原価率が高くなる理由
商品の価格設定
原価率が高くなる原因として、メニューの価格設定がうまくいっていない可能性があります。
例えば、商品の値段を下げすぎてしまっている場合、原価率が高くなります。
メニューの価格競争を強く意識しすぎて、値段を下げすぎることは利益が確保できないため、売上が上がらない要因の1つです。
価格設定する場合は、原価率も考えて価格競争ばかりではなく、雰囲気やコンセプトなどで差別化できるように工夫した方がお店の経営としては、プラスにつながるでしょう。
廃棄が多い
廃棄量が多くなるのも原価率が高くなる要因です。
廃棄量を少なくすることで、コストを抑えることになります。
メニュー開発などの必要な廃棄はやむを得ませんが、使えないだけの廃棄をできるだけ減らすように努力することが大事です。
例えば、廃棄部分を減らすようにメニュー開発をしたり、効率的に食材を利用できるように使用する食材をある程度限定したり、過度な仕入れを避けたり、食材を廃棄させる分量を確認したり色々な工夫ができます。
経営者や従業員で廃棄を減らせるよう、努力をしましょう。
また、近年は新型コロナウイルスの流行により、お客様の入りを判断するのが難しくなっています。小ロットでの仕入れなど、状況に合わせて廃棄を減らす努力をすることは大事です。
原価率を抑える方法
価格設定の見直し
色んな方面から売上と原価を見直し、常に価格設定を見直すことは大事です。
価格設定を見直しながら、複数の解決策や対策を実行すると良いです。
例えば、売上面と原価双方が適正なのか、他の方法やセットにする売り方はないのかなど、考えられる対策はいくつかあるはずでしょう。
各コストの把握
原価率を抑える方法として、各コストをきちんと把握することは大切です。
材料を一つとっても仕入れルートを少し変えることで、仕入れ値や原価は変わります。
季節やお店の状況など、細かい状況を把握して、状況に合わせて適当な判断をしながら各コストを変えていくのが、原価率を抑えることにつながります。
業務の効率化
業務の効率化も原価率を抑える上では大事なことです。
仕入の話でも各コストを把握した上で、ある程度まとめて発注する、同じ業者でお願いできるもの、送料などの面や契約の見直し、原価が下がる方法は色々な手段があります。
意識しながら効率的に発注をすることは、原価率を下げるだけではなく、従業員の負担も減らせる可能性があります。
まとめ
飲食店にとって原価率とは、売上に対して、メニューの材料費の占める比率のことです。原価が上がれば、その分利益が下がってしまいます。
原価率はもちろん大切ですが、その中でもFLコスト、歩留まり、廃棄率などを意識・調整していくことが大事です。
価格設定や各コストの把握、業務の効率化を常に考えましょう。
原価はかかるけど、売るために販売価格を安くしたい考えはあるかもしれませんが、利益はある程度確保しないとお店が潰れてしまいます。
ある程度の原価率は守りつつ、その物のサービス、雰囲気、オリジナリティなど色んな面で勝負できるといいでしょう。
シェアダイン編集部
飲食店におけるオペレーション改善について 重要性や改善方法を解説
円滑な飲食店運営に欠かせないオペレーションは、顧客満足度や売り上げにかかわる重要な役割を担っています。
この記事では、オペレーションに滞りを感じている方、オペレーションの構築の仕方を知りたい方に向けて、オペレーション改善のメリットや方法を解説いたします。
飲食店におけるオペレーションとは?
飲食店におけるオペレーションとは、店舗運営を円滑に行うための手順や仕組みのことです。
オペレーションが適切に構築されていると、業務を効率化し、売り上げの向上を図ることができます。
オペレーション改善の目的、重要性を解説
オペレーションの改善とは、必要のない業務を整理して減らし、効率的で円滑な業務の流れを作ることです。
飲食店運営には様々な業務がありますが、業務は独立して行われるものではなく、連動しています。一つの業務に問題が起きれば、他の業務にまで支障をきたします。正しいオペレーションが構築されていれることは、飲食店の健全な運営にとって重要な要素です。
オペレーションに改善が必要な理由とは?
オペレーションが改善されると、業務の効率化、スタッフの負担の軽減、売り上げの向上を図ることができます。
必要のない業務を整理して減らし、業務の流れを作ることで、業務を効率化することができます。必要のない業務が減ると、スタッフの負担は軽減され、人件費などのコストを削減することが可能に。業務の効率化により、速やかに料理が提供でき、接客の質もあがり、顧客満足度の向上、ひいては売り上げの向上に繋がるのです。
オペレーションの改善のポイントを紹介
オペレーションは役割ごとに、フロアオペレーション、キッチンオペレーション、バックヤードオペレーションの3つに分けて考えることが一般的です。
以下に、役割ごとのオペレーションの改善を図る際に、意識するポイントをご紹介いたします。
フロアオペレーションの改善ポイントを紹介
フロアオペレーションは、お客様への一連の接客に関するオペレーションです。お客様の目につきやすく、飲食店の印象にもっとも影響を与える部分です。
お客様第一のサービスすることを念頭に、お客様の来店からオーダーの受け取り、配膳、会計、退店までの流れをスムーズにすることが必要になります。お客様に気持ちのよい時間を過ごしてもらうにはどうしたらよいかをポイントにオペレーションを構築し、スタッフも業務がしやすくなるようにしましょう。
例えば、店内の座席の配置や導線の確保は重要なポイントです。スタッフが店全体に目が届き、店内を行き来しやすい座席の配置にすることで、「お客様のアクションが捉えやすくなる」「スタッフが客席とキッチンの間の移動をスムーズに早くできる」などのメリットがあります。お客様が求めていることをすぐにキャッチでき、料理提供が少しでも早くなれば、お客様にとって満足度は向上するでしょう。
スタッフ間で役割やポジションを分担して無駄な動きを減らすことも大切です。ホールスタッフには様々な業務があり、やみくもに業務に取りかかることは時間のロスや混乱を招くこともあります。数人のスタッフがいる場合は、「フロアを分割して担当エリアを決め、担当エリア内の業務に集中するようにする」「業務の内容ごとに担当者を決めて取り組むようにする」など、店舗の規模や形態、スタッフの人数に応じて業務を分担することが有効な場合もあります。
当然ながら、飲食店業務はイレギュラー対応が生じやすく、臨機応変な行動が求められるといった点も加味しながら、オペレーションを構築することが必要です。また、フロアリーダーを決めておくこともポイントです。フロアリーダーは全体を見渡し、スタッフを取りまとめて連携を図る役割を持ちます。中心人物を立てることで一貫性をもって運営することができます。
キッチン担当者との連携も欠かせないポイントです。オーダーが入った時、料理を提供する時などにキッチン担当者とのかかわりが発生します。オーダーの食い違いや提供ミスがないよう、フロアからキッチンへオーダーの通し方や、料理の提供方法を統一し、わかりやすく簡潔にして、お互いに配慮することが大切です。
キッチンオペレーションの改善ポイントを紹介
キッチンオペレーションは、調理にかかわる作業のオペレーションです。高い品質を維持し、スピード感を持って調理することが求められます。特に、混雑時でも品質が低下することのないよう、複数の注文にも混乱せず効率よく対応できる体制を整える必要があります。営業時間中の調理そのもののオペレーションだけでなく、事前の準備や調理環境の整備なども重要なポイントです。
例えば、調理中には、効率よく調理するために役割分担を決めておくことは重要なポイントになります。注文を受けスタッフがバラバラに調理を進めていくよりも、調理内容ごと、料理の種類ごとなどに役割を分けた方が効率が良くなります。店の形態に合わせ最適な方法で分担を決めることが大切です。
限られたスペースの中での調理は、時間短縮や他のスタッフとの接触の軽減、衛生面への配慮のため、無駄な移動がない導線づくりが必要です。食材や器具を扱いやすいように配置に気を付け、作業のしやすい調理スペースを確保するように配慮します。
事前の食材の仕込みや器具の準備、衛生管理も大切なポイント。仕込みは、過去の売り上げデータなどをもとに、最適な仕込み量を見極めることができると良いです。適切な仕込み量であれば調理しやすく、食品ロスを防ぐことができます。器具の準備は、破損や不備がないかを事前に確認しておくことです。作業しやすい環境を整えるために、整理や清掃を徹底し衛生面にも配慮しておきます。
バックヤードオペレーションの改善ポイントを紹介
バックヤードオペレーションは、飲食店の支え役となる裏方業務に関するオペレーションです。食材の在庫や備品・設備の管理、労務管理のオペレーション改善がポイントになります。
例えば、食材の在庫管理は、適切な量の在庫を揃えておくために行います。在庫が少なすぎては品切れとなり十分な提供ができず、多すぎては食品ロスを招く恐れがあります。
備品・設備の管理は、必要な備品が適切に揃っているかや、フロアやキッチンの設備に不備がないかなどの管理を行うことです。管理しやすい仕組みづくりをしておく必要があります。
労務管理は、人材採用やシフト管理など、飲食店運営に欠かせないスタッフの管理です。店の規模や業態、繁忙期や閑散期などの来客数の波に合わせたスタッフの管理が必要になります。
バックヤードオペレーションを円滑にするためには、過去の売り上げデータに基づき、最適な在庫数やスタッフ配置を見極める必要があるため、経験や労力を必要とします。データをもとに在庫やスタッフの管理ができるシステムを活用することで、効率よく正確な管理ができるようになるため、システム導入を検討してみるのもおすすめです。
オペレーション改善の方法を紹介
オペレーション改善のポイントを実行するには、マニュアルを作成する必要があります。マニュアルがあることで、スタッフの教育の効率化やサービスの質の均一化を望むことができます。
ポジションや業務内容ごとに「いつ、誰が、何を、どのような順番で、どのように」取り組むのかを軸に、明確かつ具体的に示します。マニュアルを実行し、スタッフにとって取り扱いやすいかどうか確かめること、予測のつかない事態やお客様のニーズの変化に対し、現場スタッフの声をもとに柔軟に改善していくことが重要です。
まとめ
飲食店におけるオペレーションの改善とは、必要のない業務を減らし、円滑な業務の流れを作ることです。
オペレーションが改善されると、業務の効率化、スタッフの負担の軽減、そして売り上げの向上が期待できます。
各ポジションごとにポイントを押さえてマニュアルを作成し、実行・改善を繰り返していくことが、円滑な店舗運営に繋がるでしょう。
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シェアダイン編集部
後を絶たない無断キャンセルの原因と対処法の解説
「飲食店の無断キャンセル」とは、前もって予約をして席の確保をお願いしたにもかかわらず、予約日時に連絡もせず来店をしないことです。「No show」(ノー ショウ)とも呼ばれます。無断キャンセルは飲食店に大きな損失を与えますが、その影響について知らない人は少なくありません。多くの人が飲食店の無断キャンセルについて詳しく知る必要があります。
この記事では飲食店の無断キャンセルが発生する理由について解説いたします。
記事を通して、飲食店の無断キャンセルに対する知識をつけ、無断キャンセルの被害防止策について学ぶことができるでしょう。
飲食店の無断キャンセルが発生する理由とは
現在はインターネットの普及により、飲食店の予約はかなり手軽に行うことができるようになりました。飲食店の予約サイトやアプリなども数多く登場し、老若男女問わず簡単にネットで飲食店の予約を行うことができる時代です。ゆえに、急速に無断キャンセルの発生件数が増加しています。従って、無断キャンセルが発生する最大の理由は「予約の手軽さ」にあるでしょう。さらに、予約時に事前決済が必要なく、キャンセル料が発生しないことが多くあります。予約をする側に何の被害も損失もないため、「軽い気持ちで予約をし、軽い気持ちで無断キャンセルをする」ということが起こってしまうのです。
また、予約したこと自体を忘れているケースもあります。
無断キャンセルによる飲食店の被害
2018年11月に経済産業省から発表された「No show(飲食店における無断キャンセル対策レポート)」によると、無断キャンセルが飲食業界に与えている損額は、年間でおよそ2,000億円と想定されました。
さらに無断キャンセルでなくても、1日前、2日前に生じるキャンセルを加えると、被害額は年間でおよそ1.6兆円にも及ぶと推計されます。
その上、飲食店には本来得られたであろう利益のみでなく、食材費や食材の仕込みに要した人件費や光熱費などの損失も発生します。
さらに予約を受けた飲食店側は、席を確保して来店を待っているために、予約がないお客様が来店した際に入店を断っている場合も。無断キャンセルによる損失のみならず、新たな損失が生まれている可能性も考えられるでしょう。
参考: 東京都料理生活衛生同業組合 No show(飲食店における無断キャンセル対策レポート)
飲食店への損失補償サービス
近年は飲食店の無断キャンセルが増加する一方で、損失補償サービスが充実しつつあります。
無断キャンセルが発生した際に泣き寝入りすることの無い様に、どのようなサービスがあるのかを知っておく必要があります。飲食店予約サイトとして代表的な「ぐるなび」と「食べログ」の補償サービスについてまとめたものが下記になります。
・ぐるなび「無断キャンセル保険」
対象条件:
①「ベーシックプラン(月額3万3,000円)に加入し、キャンセル規定を設定した飲食店
②ぐるなび経由の予約
補償金額:1人につき上限4,000円
・食べログ「ネット予約無断キャンセル保証」
対象条件:
①有料掲載をしている飲食店
②1組10名以上の食べログ経由の予約団体
③適切なキャンセルポリシーを設定した予約
補償金額:1人につき上限3,000円
その他に、飲食店の代わりにキャンセル料を回収してくれる「回収代行サービス」も登場しています。「ノーキャンドットコム」という回収代行サービスは、弁護士に回収をお願いでき、着手金が無料で成果報酬型のため、安心して利用することが可能です。
また、そもそも無断キャンセル自体を事前に防ぐための「事前決済サービス」を取り入れることも重要です。事前決済のシステムとは、お客様のクレジットカードの情報や携帯電話の情報を事前に登録してもらい、予約と支払いを同時に行うことができる仕組みです。前金の支払いのみ行うことができるサービスもあります。また、無料で利用可能なものから有料のサービスまで様々なシステムが存在するため、条件の合うサービスを選ぶと良いでしょう。
飲食店がとるべき対策
無断キャンセルを防ぐためには、電話やSMSメールなどでの事前確認を行うことが最も重要です。さらに、事前決済サービスを利用することで、無断キャンセルが発生しても料金を受け取ることができます。
電話予約の場合は「言った、言わない」をさけるために、お客様との会話は録音しておくことも必要かもしれません。
また、お店側がキャンセル料金の設定をしておくということも一つの手段です。
まとめ
飲食店の無断キャンセルが発生する理由とは、「予約の手軽さ」にあります。飲食店の予約時は事前決済が必要なく、キャンセル料が発生しないことが多くあります。予約をする側に何の被害も損失もないため、「軽い気持ちで予約をし、軽い気持ちで無断キャンセルをする」ということが起こってしまいます。また、予約したこと自体を忘れているケースもあります。
無断キャンセルによる飲食店の被害は2018年11月に経済産業省から発表された「No show(飲食店における無断キャンセル対策レポート)」によると、無断キャンセルが飲食業界に与えている損額は、年間でおよそ2,000億円と想定されました。
飲食店への損失補償サービスが充実しつつあります。ぐるなびの「無断キャンセル保険」や食べログの「ネット予約無断キャンセル保証」、飲食店の代わりにキャンセル料を回収してくれる「回収代行サービス」、そもそも無断キャンセル自体を事前に防ぐための「事前決済サービス」などがあります。
飲食店がとるべき対策として、電話やSMSメールなどでの事前確認を行うことや事前決済サービスを利用することが大切です。
無断キャンセルを防ぐための対策と補償サービスの利用によって、被害を少しでも抑えなくてはなりません。泣き寝入りすることの無い様に、様々なサービスや対策をを知ることが重要です。
関連記事:
飲食店での電話対応の基本!どのような電話が多いかなどの解説
飲食店経営失敗例はどんなものがある?失敗の典型的な例
キャッシュレス決済を利用する方法を解説 種類やメリットも合わせて紹介
飲食店に関するトレンドについて解説
シェアダイン編集部
個人事業の開業・廃業等届出書の書き方について解説 提出するメリットや注意点も合わせて紹介
確定申告の際、青色申告をする場合には、事前に税務署に個人事業主としての届出を提出しなければなりません。それが「個人事業の開業・廃業等届出書」と呼ばれるものです。
この記事では、煩雑でわかりにくい「個人事業の開業・廃業等届出書」の書き方についてポイントを解説いたします。
個人事業の開業・廃業等届出書 書き方と申請について解説
「個人事業の開業・廃業等届出書」は国税庁のホームページからダウンロードできます。
[手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続|国税庁 (nta.go.jp)
各項目の書き方についての解説は以下の通りです。
①左上に提出先を記入します。
・○○税務署長→開業届を提出する管轄の「税務署名」を記入します。納税地を所轄する税務署に提出します。所轄の税務署がわからない場合は国税庁のホームページで調べることが可能です。
・○年○月○日提出→提出日を記入します。
②右側には納税地を記入します。
・納税地→「住所地・居所地・事業所」の中から該当するものを選び、丸を付けます。対象となる郵便番号、住所、電話番号を記入てください。
住所地とは、実際に住んでいる住民票と同じ場所のことです。自宅兼事務所(店舗)の場合には住所地を選択し、自宅の住所を記入します。
居所地とは、住民票の住所ではない場所に一時的に住んでいる場合、これに該当します。
事業所とは、事務所や店舗として事業を行う場所のことで、自宅以外の場所を借りて事業を行う場合は事業所を選択します。
・氏名、生年月日、個人番号、職業→氏名、生年月日、個人番号、職業を記入してください。氏名の横には押印が必要です。個人番号はマイナンバーカードに記載されている12桁の個人番号を記入します。屋号がある場合には、職業の隣に記載してください。
・届出の区分→所得の種類→「開業」を選択します。
・所得の種類→基本的には「事業所得」を選択。不動産投資がメインの収入の場合は「不動産所得」を選択します。
・開業・廃業等日→開業日を記入します。
・開業・廃業に伴う届出の提出の有無→「青色申告承認申請書」も同時に提出する場合は、上段で「有」を選択。下段は消費税課税事業であるかの確認のための書類です。
・事業の内容→具体的な事業内容を記載します。(カメラマン、翻訳など簡潔に)
・給与等の支払の状況→青色事業専従者、従業員に給与を支払う場合は記入してください。
開業・廃業届とは 概要を解説
開業・廃業届は、新たに事業を開始したとき、事業用の事務所・事業所を新設、増設、移転したとき又は事業を廃止したときの手続きです。個人が事業を始めたこと、または廃止したことを税務署に知らせる書類と考えるとわかりやすいでしょう。
開業・廃業届の概要を以下に解説いたします。
・提出が必要な対象者
手続きを行うのは、事業を始めた本人です。届出書を税務署に持参するか、送付により提出します。持参した場合は、本人確認のため、マイナンバーの提示が求められます。郵送の場合は、届出書とマイナンバー確認書類のコピー、返信用封筒を同封して税務署宛に送ります。後日、受付印が押印された開業届の控えが返送されます。
・開業届書の入手方法
税務署のホームページから「個人事業の開業・廃業等届出書(提出用・控用)」をダウンロードできます。
[手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続|国税庁 (nta.go.jp)
・手数料
不要
・提出期限
事業を開始して1か月以内
・提出先
納税地を所轄する税務署長
開業届を提出するメリットを紹介
開業届を提出することは義務付けられていますが、提出しなくても罰則はありません。
しかし、開業届を提出することで得られる様々なメリットがあります。以下にご紹介いたします。
・税金の優遇
事業を始めると青色申告事業者になる人が多く、開業届を提出する際、青色申告承認申請書を併せて提出します。青色申告事業者になると、税金面で白色申告事業者よりも優遇措置を受けられます。具体的には、令和2年より適用要件が変更になり、「e-Taxによる電子申告または電子帳簿保存」を行った場合は65万円の控除を受けられます。
・赤字を繰り越せる
青色申告事業者は、赤字を最長で3年繰り越せます。
・屋号で銀行口座が作れる
個人事業主として事業を行っていると、取引先とのやりとりで銀行口座を提示することがあります。個人の銀行口座で対応するより、屋号の銀行口座の方が信頼が高まります。経理処理の面でも「屋号付きの銀行口座」を開設する方が便利です。
・法人用のクレジットカードが作れる
銀行口座と同様、開業届を出せば法人用のクレジットカードが作れます。事業を始めたときは信用度も低く、準備のための出費が多くなるため、法人用のクレジットカードが役に立つでしょう。
また、法人用のクレジットカードには様々なサービスが付帯されています。交通費、交際費の面では、JALやANAの航空券、JR新幹線の予約、じゃらんでの法人限定の安価なシークレットプランなどが利用可能です。また、オンラインの会計ソフトに利用明細データを取り込み、会計処理を自動的に行うことができます。小規模な個人事業者にとっては、会計業務が大きな負担となることもあるため、その作業を大幅に軽減することができるでしょう。
提出にあたり注意するポイントを紹介
様々なメリットのある開業届ですが、そもそも、配偶者の扶養に入っている人が開業する場合は注意が必要です。
おもな注意点について以下に解説いたします。
・所得税に関して
所得が年間で38万円を超えると、扶養から外れてしまいます。所得は(収入ー必要経費)で求められます。例えば、年間100万円の売り上げがあり、必要経費が70万円だった場合、所得は30万円となり「扶養内で収まる」ということになるのです。
・社会保険に関して
扶養主が加入している健康保険組合によって、条件が異なります。開業届を出して個人事業主として働くだけでも扶養と認められない組合もあれば、一定の収入までなら個人事業主として働くことを認めている組合もあります。開業届を提出する前に扶養認定の基準を調べておきましょう。
また、扶養面以外で開業届を出すにあたって注意が必要なのは、失業保険が受けられなくなる点です。開業届を提出した時点で、その人は個人事業主となります。失業保険は、失業した人が次の仕事に就くまでサポートする保険です。そのため、個人事業主になった時点で失業しているわけではないため、失業保険を受けることはできません。
個人事業主か会社に就職するかで迷っている場合は、開業届を急いで出さない方がよいでしょう。開業届を出して、失業保険を受給した場合は不正受給となります。
開業届に関する、よくある疑問点についてお答えします
開業届を出す際によく出てくる疑問点がいくつかあるので、お答えさせていただきます。
・副業の場合も開業届を提出するべきかどうか
開業届は本業か副業かは関係ありません。事業を始めた場合は開業届を提出するという義務が発生します。原則として開業届は提出しましょう。ただし、会社に就職する可能性がある場合は、すぐに提出せずに様子を見るという選択肢もあります。
・開業届の提出が期限を過ぎた場合はどうなるか
開業届は開業から1か月以内が提出期限です。しかし、もし遅れてしまっても後から提出することもできます。その場合は税務署の担当者にただし、確定申告の期限である3月15日以降に提出した場合は、その年度の青色申告はできないため、白色申告を行います。控除額が変わるため、青色申告を行う場合には早めに提出しましょう。
まとめ
個人事業主の開業届の書き方や提出ポイントについて解説いたしました。
税務署に提出する書類なので難解な印象があるかもしれませんが、基本的には事業の内容や拠点場所などを記載して提出すれば良いので、そこまで難しくはありません。
青色申告の控除を受ける場合は早めに開業届を提出する点に留意しましょう。
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飲食店の開業に必要な届けと資格の解説
飲食店開業資金についての解説 開業に必要な資金と資金調達について
お店を開くのに必要な資金とは 相場と資金調達例も合わせて解説
飲食店における開業資金の平均額とは 必要な資金もあわせて解説
飲食店経営に役立つ資格を紹介
シェアダイン編集部
グルメサイトに掲載するメリットと大手グルメサイトの比較
インターネットでの検索が日常となっている現在、飲食店経営をするうえで、やはりグルメサイトへの掲載を検討することもあるでしょう。
グルメサイトは複数存在しますが、各サイトによって特徴が異なるので、お店に合ったサイトを見極めることも必要です。
この記事では、グルメサイトの特徴や選び方のポイントについて解説いたします。
記事を通してグルメサイトの特徴を把握し、グルメサイトを選ぶ際に役立てることができます。
集客におすすめのグルメサイト比較
グルメサイトは、飲食店の情報を専門に提供するサイトです。
お客様が飲食店を探す際に参考になる、お店の基本情報や写真、口コミ等が掲載されています。
グルメサイトはインターネットを使える環境であれば閲覧できるため、現在、飲食店を探す手段として浸透しています。
主要なグルメサイトを特徴あわせてご紹介
現在の主要なグルメサイトである「食べログ」「ぐるなび」「ホットペッパーグルメ」「Retty」の特徴を紹介します。
各グルメサイトには、無料プランと有料プランがあります。
食べログ
掲載店舗数、ユーザー数が一番多いグルメサイトです。
知名度が高く、幅広い世代に利用されています。
検索結果に対して上位表示されやすい対策も、強化されています。
したがって、食べログに掲載中の店名を検索した際は、食べログのページが一位に表示されることも多いです。
有料プランには、ネット予約機能やゴールデンタイムの表示を強化する機能等もあります。
ぐるなび
歴史あるグルメサイトで、30~40代の男性ユーザーが多いです。
食べログと比べて店舗掲載数は少ないですが、知名度は高いです。
インバウンドへの対応も充実しており、外国語でのページの作成もできます。
有料プランでは、経営に役立つサービス「ぐるなびPRO」が利用できます。
コンサルトによる経営戦略検討、経営者に必要な知識の講座を受講できるプランもあり、お店側に寄り添うグルメサイトです。
ホットペッパーグルメ
若者や女性の圧倒的なユーザー数を持つグルメサイトです。
他サイトよりもクーポンが多数掲載されており、クーポン利用を考えているお客様に積極的に利用されています。
有料プランは、掲載可能なクーポン数や掲載順位等の要因で、料金が変動します。
Retty
実名登録制であるFacebookと連携する仕組みを利用して、ユーザーは実名で口コミを書きます。
実名制でないグルメサイトは、サクラによる口コミが問題になることもありますが、Rettyは口コミの信憑性が高いです。
また、SNSの機能を備えており、ユーザー間でのフォロー機能やタイムライン投稿機能もあります。
他にも、特定の地域やジャンルのグルメ情報に詳しいユーザーを「トップユーザー」として認定するシステムがあります。トップユーザーによる口コミは上位表示され、多くのユーザーから参考にされています。
有料プランには、Google・Yahooの連携、広告の非表示等の機能があります。
お店がグルメサイトを選ぶ際のポイント
グルメサイトを選ぶ際の主なポイントとしては「ユーザー層」「料金」があげられます。
まず、ユーザー層については、世代を問わずにお店を知ってもらうことを重視する場合、食べログは有効でしょう。
Googleの検索結果でも、特に食べログは上位表示されやすいので、多くの人の目に触れやすくなります。
ぐるなびは、30~40代男性のユーザーが多い点を考慮し、該当層のユーザーの来店数を増やしていきたいお店には適しています。
ホットペッパーグルメは、若者・女性、クーポンを重視しているお客様をターゲット層とする場合におすすめです。
Rettyは比較的新しいグルメサイトになりますが、現在、ユーザー数は着実に増えています。
信憑性やSNS機能といった他サイトにない新奇性から今後も需要が高まる可能性が高く、今後開業するお店にとって、有効な選択肢になり得るでしょう。
料金も、重要なポイントとなります。
有料プランは、最安で月額1万円程度から用意されており、機能が充実するにつれて料金が上がります。
ホットペッパーグルメは、最安の有料プランでも金額が高い傾向があります。
「最低限必要な機能を利用できるプラン」と「月々の支払い可能な料金」のかね合いを熟考した上で、プランを選択しましょう。
掲載料に加えて、ネット予約が成立した際に掛かる「予約手数料」も課される場合があることにも要注意です。
有料プランの契約に不安がある場合は、まず無料プランから始めるのも選択肢です。
グルメサイトを利用するメリット
一つ目のメリットは、インターネット予約機能、ポイント還元機能、クーポン掲載機能等、便利な機能を利用でき経営を効率化できる点です。
高額なプランになるほど、機能も充実します。
二つ目のメリットは、お客様の動向のデータを収集できる点です。
例えば、「クーポン発行時にどの世代のお客様が利用したのか」等の履歴がわかります。
収集データを分析し、今後の経営指針のヒントにすれば、売上げの向上に役立てることができるでしょう。
三つ目のメリットは、お店の認知度を上げられることです。
グルメサイトにアクセスしたユーザーに対してお店の露出度を高めることができます。
知名度の低さが理由で売上げに悩んでいるお店は、グルメサイトへの掲載を機に認知度が上がる可能性も期待できます。
グルメサイトを利用するデメリット
一つ目のデメリットは、費用が掛かることです。
有料プランは条件が良いプランになるにつれて高額になります。しかし、無料プランには機能制限があり、やはりグルメサイトを利用する醍醐味は、有料プランの利用にあるでしょう。
二つ目のデメリットは、否定的な評価や口コミを書かれる場合もあることです。
否定的な評価を見たユーザーは、来店意欲をなくす可能性も十分あります。
しかし、否定的な意見をきっかけに、改善点が明確になるという捉え方もできます。
お店のサービスをより良くするための意見として取り入れれば、一転してお店のメリットにもなるでしょう。
Googleビジネスプロフィールとは
Googleビジネスプロフィール(旧:グーグルマイビジネス)とは、Google検索結果やGoogleマップにお店の情報を掲載できるシステムです。Googleマイビジネスに登録すると、検索結果に、お店の基本情報がコンパクトにまとまった「ナレッジパネル」が表示できます。
登録できるお店の情報は、電話番号・住所・営業時間・写真・ウェブサイトのURL等です。お店側からの投稿や、お客様による口コミ機能等も利用可能です。
Googleビジネスプロフィールは、Googleアカウントを所有していれば無料で利用できます。
現在、検索エンジンとしてトップクラスのユーザーを持つGoogle上にお店の情報を掲載しておくことは、有効です。
グルメサイトへの掲載はためらう場合も、Googleマイビジネスへの登録は是非しておきましょう。
まとめ
グルメサイトへの掲載は、プランの選択や掲載料等、悩ましい側面もありますが大きな集客効果を期待できます。
まずは無料プランでの契約から始めて、今後の方針を決めるのも良いでしょう。
本記事で紹介した主要なグルメサイトの中にも複数のプランがあり、選択肢は多く用意されています。
グルメサイトを利用する際は、自分のお店に合ったプランをよく検討し、サイトの機能やデータを最大限活かすことが大切です。
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