イタリアンパスタとは 種類やそれぞれの特徴を定番パスタ料理と合わせてご紹介
目次
パスタの種類は、およそ500種類あるといわれています。
パスタの原点であるイタリアでは、それぞれの地域の特色や文化に応じてパスタの種類が異なります。
本記事では、イタリアンパスタの定番や種類、乾麺と生麺の違いについて詳しく解説いたします。
イタリアンの定番「パスタ」とは
「パスタ(pasta)」は、イタリア語で「小麦粉を使った生地」という意味です。そのため、イタリアではケーキの生地やパンの生地も「パスタ」と呼ぶことが一般的です。
イタリアンパスタは、地域ごとの産物を使用したご当地パスタや古くからイタリア人の間で愛されているパスタがあります。イタリアでは、地域ごとに気候や環境、文化が異なるため、調理法や使用される食材によって特色が違うのが特徴です。
イタリアンパスタの起源
パスタの誕生には諸説がありますが、古代ローマ時代に食べられていた、穀物をブレンドさせてお粥状に煮込んだ「プルス」が発展し、現在のパスタになったとする説が、最も濃厚な説としてあげられます。
現在食べられているソースと絡めて食べるパスタが普及したのは、大航海時代に持ち込まれたトマトとの出会いがきっかけです。トマトとパスタを組み合わせたパスタは、ナポリ地方を中心に人気を高め、その後イタリア全土に広がりました。
パスタの種類について解説
イタリアンパスタの種類は、北部・中部・南部に分かれ、それぞれの地域によって味や特徴が異なります。
また、パスタの形状によっても種類分けされます。
イタリアンパスタの種類について、以下に詳しくご紹介いたします。
イタリア北部の定番パスタをご紹介
イタリア北部は、湖や地中海が多く、魚介類が豊富に獲れる場所として知られています。特にヴェネチアなどは、水の都として世界的にも有名な観光地でもあります。そのため、多数の湖や地中海で獲れるイカやボラは、イタリア北部の定番魚介類として古くから愛されている食材で、パスタにも多用されます。
以下に、イタリア北部の代表的なパスタをご紹介いたします。
・ジェノベーゼ(Genovese)
イタリアのリグーリア州のジェノバという地で誕生したパスタです。
この地域の名産である「バジル」を使用したソースのジェノベーゼペーストを絡めたパスタをさします。
・ペスカトーレ(Pescatora)
「Pescatora」はイタリア語で「漁師」をさす言葉です。
北の漁師たちが魚介類とパスタをトマトソースで煮込んだことが由来とされています。
・イカスミパスタ(Nero di seppia)
イタリア北部の地中海で獲れた新鮮なイカを使用したパスタです。近年では、健康に良い食材として、全国から注目を集めています。
イタリア中部の定番パスタをご紹介
日本でも馴染み深いパスタの多くは、イタリア中部地方発祥といわれています。ローマやフィレンツェなどの有名都市が多数存在するイタリア中部では、世界中から様々な料理が集まる場所です。そのため、郷土料理や最先端の料理など、多種多様なパスタがあるのが特徴です。
以下に、イタリア中部の代表的なパスタをご紹介いたします。
・アラビアータ(Arrabbiata)
アラビアータはローマ発祥のパスタです。香辛料を多く使用し、イタリア料理の中でも辛い料理といわれています。ローマでは、ペンネに具材を絡ませるアラビアータが人気です。
・ボロネーゼ(Bolognese)
ボロネーゼは、イタリアのボローニャ地方が発祥の地といわれています。ミートソースと似ているイメージがありますが、使用する食材は同じでもトマトの量が違います。一般的には、トマトの量を半分に減らしたソースを使用するのがボロネーゼです。
・カルボナーラ(Carbonara)
濃厚なチーズソースと胡椒で味付けされるカルボナーラは、日本でも人気の高いパスタです。カルボナーラのレシピの定番は、チーズ・黒胡椒・グアンチャーレ・卵を使用したものです。
イタリア南部の定番パスタ
イタリア南部の地域は、火山やポンペイ遺跡などの観光名称が数多く存在します。地中海と広大な山で獲れる食材を使用した料理が豊富です。イタリア南部のパスタは、比較的あっさりとした味付けが特徴といえるでしょう。
以下に、イタリア南部の代表的なパスタをご紹介いたします。
・ペペロンチーノ(Aglio olio e Peperoncino)
ペペロンチーノは、ニンニク・唐辛子・オリーブオイルの3つの具材で構成される料理です。シンプルなパスタであるだけに、料理人の腕前がわかる料理とされています。
・ボンゴレ(Vongole)
ボンゴレは、イタリア語で「あさり」という意味をさします。ナポリ海岸で獲れるあさりを使用したパスタは、ナポリ海岸の伝統パスタのひとつです。ボンゴレには大きく分けて、ボンゴレッソ(赤色のトマトソース)とボンゴレビアンコ(出汁や白ワイン)の2種類があります。
・ウニパスタ(Riccio di mare):イタリア南部でしか獲れないウニを使用したパスタです。そのため、この地域でしか味わうことができないパスタとして知られています。日本のウニパスタは、ウニの風味が濃厚なイメージですが、イタリアでは「ソース」としてパスタと一体化しています。口に入れた瞬間に広がるウニの味と、地中海の香りを楽しむことができるパスタです。
日本でもなじみ深い「ロングパスタ」
ロングパスタとは、麺状のパスタのことで、形状や太さなどによって食感が大きく変化するため、異なる魅力を楽しむことが可能です。一般的には、スパゲッティの太さが1.6mm~1.9mmで、断面が円形のものをロングパスタと称します。料理人は、パスタの特徴や太さに応じて相性の良いレシピを選定します。
ロングパスタの代表例は以下の通りです。
- スパゲッティ
- スパゲッティーニ
- フェデリーニ
- ヴェルミチェッリ
- カペリーニ
- カペッリ・タンジェロ
- フェットチーネ
ロングパスタは、日本でもなじみ深いパスタとして幅広く使用されます。
特に、スパゲティは最も代表的なパスタとしてあげられるでしょう。日本でのスパゲッティの規格は「1.2mm以上の太さの棒状、または2.5mm未満の菅状」とされています。スパゲッティは、どんなソースとも相性がいいパスタで、クリーム系やオイル系、トマト系など、幅広く使用できるロングパスタです。
マカロニに代表される「ショートパスタ」
ショートパスタとは、ロングパスタと比較して、短くカットされたパスタです。種類が豊富で、形状を楽しむパスタです。
ロングパスタと同様に、ソースをかけることが一般的ですが、シンプルな具材と味付けで和えて食べる方法もあります。一般的なショートパスタの定義は、直径2mm~5mm、太さ1mm前後とされています。
ショートパスタとして代表的なパスタは以下の通りです。
- マカロニ
- リガトーニ
- ペンネ
- ルマコーニ
- マニケ
ショートパスタには、マカロニやペンネなどの日頃からよく食べられているパスタが多くあります。一般家庭でも、グラタンやサラダなどで使用されることが多く、人気の高い食材です。特徴を知っておくことで、様々なアレンジができるでしょう。
その他のパスタをご紹介
ロングパスタとショートパスタの定義に収まらず、かつ日本でもよく知られているパスタとして、ラザニアとニョッキがあげられます。それぞれについて、以下に解説いたします。
・ラザニア
幅が広く、板状のパスタをさします。
ラザニアというパスタ名がそのまま料理名になっており、ホワイトソースとミートソースを重ねてオーブンでやく調理法が最も人気です。
・ニョッキ
ニョッキは、団子状でもっちりとした食感が特徴です。煮込み料理やスープなどに使用されることが多く、濃厚なクリームソースやトマトソースによく合います。じゃがいもを練り込んだニョッキが一般的ですが、ほうれん草やカボチャを練り込んだニョッキもあります。
乾麺と生麺の違いとは?
パスタには、乾麺と生麺の2種類があります。
イタリアではおもに、乾麺が多く使用され、トマトやオリーブオイルなどと一緒に調理されます。
乾麺と生麵、それぞれについて以下に解説いたします。
・乾麺
乾麺は、プリッとした食感が特徴です。麺が伸びにくく、幅広い料理に使用できます。一般的には、賞味期限も長く、常温での保存も可能です。しかし、生地を乾燥させてしまうため、その過程で風味が抜けてしまうともいわれています。
・生麺
乾麺に比べ、水分を多く含んでいることで、もちもちとした食感を楽しむことができることが魅力です。生パスタは茹で時間が短く、熱によってダメージを与えることで、パスタ本来の風味を引き立てることができます。
まとめ
イタリアンパスタは、地域の特色や文化が現れる料理です。
現在、イタリアのパスタの種類は500種類以上ともいわれています。
パスタの種類について知識を深めることで、ソースやレシピに合ったパスタ選びができるでしょう。
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