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飲食店におけるバッシングとは バッシングの役割と注意すべきこと

シェアダイン編集部
作成日:2022/07/02
更新日:2022/10/19
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目次

日本政策金融公庫が行った「生活衛生関係営業の景気動向等調査」によると、2022年1月~3月までの統計結果の75.2%を占める高い割合で飲食店での顧客数の減少が問題点として上がっています。
新型コロナウイルス感染症の流行が次第に落ち着きを見せる中、感染対策や清潔感など今まで以上に配慮する必要があります。飲食店の業務で欠かせないバッシングですがお客様が快適に過ごせるのみならず、お店の効率を上げるメリットも。
そこでこの記事では、顧客数だけではなく売り上げアップに繋がるバッシングから注意点などについて解説致します。

飲食店の売り上げアップに繋がるバッシング

飲食店ごとにルールがが決まっていることの多いバッシングですが、売り上げアップに必要なことは回転率を上げて客数を増やすことです。どの飲食店でも込み合う曜日や時間帯がありますが、正しくバッシングをすることで最後の片付けが楽になるだけでなく、お客様を待たせる時間が少なく済むため効率よくホールを回すことができます。

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バッシングとは

食事の済んだお皿やグラスを下げる作業のことを飲食店の専門用語でバッシングといいます。飲食店では片付け、またはリセットともいわれていて、キレイな状態に戻し次のお客様を迎える大事な業務の一つです。食器を下げる以外にもイスやメニュー表が汚れていないか、床にごみが落ちていないかチェックしたり細かく気配りすることで清潔感を保つことができます。飲食店は料理が一番大切といわれますが、その食事をどんな環境で提供するか、それは料理に負けないくらい重要なポイントといえます。案内された席が汚れていると、いくら料理がおいしくてもリピートはしてもらえません。
バッシングには中間バッシングと最終バッシングがあり、その二つを使い分けることでより効果を得ることができます。

中間バッシング

食事中に空いたグラスやお皿を下げることを中間バッシングといいます。お皿を横にずらしていたり、なにも食材がお皿に乗っていない状況だと声をかけやすいのですが、少しでも残っていたり、食べてすぐなどは注意が必要です。タイミングを誤るとクレームにつながることもありますが、正しいタイミングで行うことでメリットも多いです。
状況に合わせて「お下げいたします」「お下げしてもよろしいでしょうか?」と一言添えましょう。
中間バッシングをすることで、自然と追加オーダーにつながり売り上げ増加を見込めます。お店によっては食後のデザートや居酒屋などではドリンクの注文など、食器を下げるときに一言あるだけでお客様は頼んでみようという気持ちになるのです。
メリットはそれだけにとどまらず、中間バッシングをある程度しておくことで最後の片付けに時間がかからないため、次のお客様をスムーズに案内できるので回転率を上げるためには必須です。

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最終バッシング

お客様が食事を終えて帰った後に食器を片付けることを最終バッシングといいます。お客様がテーブルにいる状態の中間バッシングと違い、スピーディーに席を元の状態に戻すことが求められます。食器の片付けから席全体を通してキレイにすることで次に入ったお客様が気持ちよく過ごすことができます。一度に多くの食器を運ぼうとすると落として割れたり、大きな音を立てることでお客様の会話を遮ることもあるので気を付けましょう。そのためにも中間バッシングを積極的に行うことで、余裕をもって最終バッシングを行えます。最終バッシングがきちんとできていないとそれだけでお店のイメージダウンになるため、素早く・丁寧に・隅々まで気を配りましょう。

バッシングで注意すべきこと

これまでにバッシングについて解説しましたが、大切なことは普段からお客様全体を見ることです。お客様が今どんな状況なのか、なにかサインが出ていないかを気にかけることで良いサービスにつながります。バッシングの際特に気を付けたいポイントを紹介します。

タイミング

バッシングで一番難しいことはタイミングを見極めることです。お皿に少し残っているときはすぐに声をかけず、少し様子を見ることをオススメします。中間バッシングの際には追加オーダーはもちろん、お水やおしぼりなどお客様が求めていることをこちらから気づいて声掛けしましょう。最終バッシングの際気を付けたいことは、お客様の姿が見えなくなって片付けることです。席を立ってすぐやレジで支払いをしているときに片付けているところが目に入るといい気分ではありません。

優先順位

バッシングをするときはコップから下げる、手ぶらでは戻らないなどあらかじめルールを決めておくとよりスムーズです。お店によって机の大きさや食器の数は違うので状況に合わせて従業員の中で情報共有しておくと、一連の流れが習慣となり店内が忙しいときも慌てることなく業務を行うことが可能です。

スピード

バッシングをする際のポイントに手早さは欠かせません。しかしスピードだけに気を取られてしまうことは避けたいところ。急ぐあまりフォークやナイフがお皿からずれてしまいお客様の洋服を汚してしまったり、こぼしてしまい逆に時間がかかる場合もあります。お客様がいる机の上で食器を重ねたり、大きな音を立てることも控えることが無難です。回転率を上げることも大事ですがお客様が心地よく過ごせる環境を意識した行動が回転率にも結びつくのです。

忘れ物チェック

お客様が席を立って一番にすることは忘れ物がないかチェックすることです。まだレジやもし退店していても近くにいる場合届けることができるからです。席だけではなく外の傘やトイレもこまめにチェックしておくとより確実でしょう。最近ではマスクの忘れ物も増えていて取りに戻るお客様もいるのですぐに捨てないで保管しましょう。その際は日付・時間・席・何人で来店・性別など詳しくメモを残すことでほかの従業員が対応しても困ることはありません。財布などの貴重品の場合、中身を安易に確認すると現金が減っているなどのトラブルに発展することもあるので鍵のある場所で保管しましょう。一週間程度たってもお客様から連絡や訪問がない場合は遺失物法に従い警察に相談し、預かってもらうといいでしょう。

汚れがないか客席全体を確認

机をはじめ、イス・メニュー表・床・机に置いている調味料など隅々までキレイにすることで自信をもって席へご案内できます。キレイに保つことで小さなお子様がいるご家庭も安心して外食することができますよね。席に着きイスに食べかすが落ちていたり、机がべたべたしていたりするとそれだけで嫌な気持ちになります。
忙しさからこの作業を疎かにしてしまうとクレームやマイナスな口コミにつながることも少なくないので気を付けたいポイント。ダスターで拭いた後アルコールスプレーをすることで嫌な臭いもせず除菌になるのでオススメです。

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まとめ

バッシングとはテーブルの食器をスマートに下げること。中間バッシングと最終バッシングを組み合わせることで回転率も良くなり売り上げアップが見込めます。お客様の待ち時間短縮につながるメリットにとどまらず、正しくバッシングをすることで従業員からしても負担軽減になります。
タイミングを見極め普段から素早く丁寧なバッシングを行うことで、お客様が快適に食事を楽しむことができます。
良い料理を提供する前に良い環境を心がけてみましょう。

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