ナイフレストとは 使い方や導入する際のポイントを解説
目次
ダイニングテーブルの上を飾るおしゃれな小物として人気のナイフレスト。コロナ禍の影響によって衛生意識が高まる中でカトラリーをテーブルの上に直接置かずにすむことも、レストランやカフェなどの飲食店に導入が広がる理由となっています。
この記事では飲食店の業務用テーブルウエアとしても人気が高いナイフレストに着目。「ナイフレスト」という外来語の意味と由来をはじめ、使い方や選び方などについて解説いたします。
ナイフレストとは? 概要を解説
「ナイフレスト」とは、ナイフの刃先がテーブルやテーブルクロスに直接触れないようにナイフの下に置く器具のこと。機能としては日本の箸置きと同じです。
ナイフレストはイギリスで発達したテーブルウエアで、名称は英語の「knife rest」に由来します。日本語に直訳すると「ナイフを休ませるもの」という意味です。
ナイフレストは種類が多く、ナイフとフォーク、スプーンなども合わせて置けるタイプでは「ナイフを含むカトラリーを置くもの」という意味で、「カトラリーレスト」とも呼ばれます。
ナイフレストの使い方を紹介
ナイフレストはイタリア料理やフランス料理などのレストランでよく使われます。西洋料理のコースメニューでは複数の料理を順番に出すのが基本。カジュアルなレストランでは料理が変わるたびにカトラリーをいちいち交換することはありません。
食事を中断するときはカトラリーを皿の上に置けますが、食べ終えた皿を下げるときにカトラリーを皿に置いたままにすると、次の料理で使えるカトラリーがなくなってしまうことも。そこで皿を下げるときはカトラリーをテーブルに戻すことになります。
食事に使ったカトラリーは汚れているため、テーブルに置かずにナイフレストを使います。そうすればテーブルやテーブルクロスを汚さずにすみますし、カトラリーを衛生的に保つ効果も。そのような理由から西洋料理のテーブルウエアとして定着しました。
ナイフレストにナイフとフォークを置く際はナイフを右側に、刃を内側にして置くのが基本。フォークは背を下にして左に置きましょう。食事中にカトラリーをナイフレストに置くと、「食べ終えたので皿を下げてください」という合図になります。
これはフランス料理で料理を食べ終えたあとでナイフとフォークを皿の中央に並べて置くのと同じです。ちなみにフォーマルなフランス料理のレストランでは料理ごとにカトラリーを変えるため、ナイフレストは用いません。
ナイフレストの選び方を解説
飲食店で使うナイフレストを選ぶ場合にチェックすべきポイントとしては以下の項目があげられます。
ポイント1:サイズ
ナイフレストにはナイフとフォークを置けるものと、スプーンも合わせて3本を置けるものがあります。飲食店で使う場合はカタログのサイズ表だけで判断せず、実際に店のテーブルに人数分の料理とグラス、カトラリーなどを並べてチェックしましょう。
チェックポイントはテーブルの上でナイフレストがじゃまにならないこと。店のカトラリーのサイズやデザインと合っていることです。収納性のチェックも忘れずに。飲食店では最低でも客の定員分のカトラリーを用意しなければなりません。
ナイフレストのデザインやサイズによっては意外と大きな収納スペースを要します。かさばる製品を選んでしまうと収納に困ることも。サイズがやや大きめでも重ねてコンパクトに収納できるデザインのナイフレストなら、あまり場所を取りません。
ポイント2:デザイン
ナイフレストのデザインは店舗や客層の雰囲気とマッチするかどうかがチェックポイント。単体では良いデザインに見えてもテーブルに置くと他のカトラリーや店のスタイルとマッチしない場合があります。お客様に違和感を与えないものを選びましょう。
またデザインが凝りすぎて実用性を犠牲にしている製品も業務用品としてはNGです。テーブルウエアは洗いやすく手入れが簡単なものを選びましょう。
ポイント3:素材と耐久性
業務用のテーブルウエア選びでは素材と耐久性も重要なチェックポイントです。ナイフレストの素材としては樹脂、天然木、陶磁器、ガラス、ステンレスなどの金属類があげられます。
樹脂製のナイフレストにはアクリルやABS、ポリエステルなどの製品がメインです。メリットは安価で軽くて丈夫なこと。デメリットとしては細かい傷がつきやすいことがあげられます。
天然木のナイフレストは見た目に温かみがあり、北欧調やヴィンテージテイストの店舗スタイルにマッチします。テーブルから落としても壊れにくいメリットもありますが、劣化が早いのがデメリット。木製品が劣化すると汚れたように見えるのも難点です。
ステンレスなどの金属製は丈夫で扱いやすいのがメリット。種類やサイズ、デザインの選択肢も豊富ですが、デザイン偏重でカトラリーを置きにくかったり手入れがしにくいものもあります。デザインの美しさにとらわれず実用性重視で選びましょう。
陶磁器製のナイフレストは滑らかでモダンな印象を与えます。他の陶磁器と調和しやすいのもメリットです。デメリットは割れやすいこと。ナイフレストはお客様がテーブルから落とす可能性が高いので、割れやすい素材やデザインはNGです。
ガラス製のナイフレストはクリアで清潔な印象を与えます。グラスとの調和もとれますが、陶磁器製と同様に割れやすいのがデメリット。ナイフレストを含むテーブルウエアはお客様が粗雑に扱ったり、落としたりしても壊れにくいものを選びましょう。
まとめ
ナイフレストは西洋料理のコースメニューで料理を変える際にカトラリーを置くために用いる器具のこと。おしゃれで衛生的なテーブルウエアとして近年人気が高まっています。
ナイフレストは英語で「ナイフを休ませるもの」という意味の「knife rest」に由来します。素材は樹脂、天然木、陶磁器、ガラス、ステンレスなど。種類が豊富なのでデザインや雰囲気、使い勝手や耐久性を考慮して選びましょう。
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