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料亭を利用する際の服装マナーとは 気をつけるべきポイントを解説

シェアダイン編集部
作成日:2022/08/21
更新日:2022/10/24
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目次

料亭と聞くと、グルメ漫画に出てくるような高級なイメージや、入りにくそうなイメージを持っている方も多いかもしれません。
今回は、そんな料亭を楽しむためのポイントを紹介いたします。

料亭へ行く際の服装やマナーとは?

なんとなく高級そうなイメージのある料亭なので行く際のマナーが気になる方もいらっしゃるかと思います。
ホテルや高級フレンチ等とは違い、料亭には決められたドレスコードは存在しません。
料亭といえば、重厚な店構えでサービスも行き届いていて、料理も高級、その分料金も高く設定されています。

では、なぜわざわざ料亭を利用するのか。
例としては仕事の重要な商談や大切な取引先との会食、結婚の両家顔合わせ等、きっと何かここぞという重要なポイントで利用することが多いのではないでしょうか。
わざわざ料亭に行くということはそれなりの理由があると推察し、行く理由に沿った服装をするのがよいでしょう。

そもそも料亭とはどんなお店か解説

そもそも料亭といえば、高級そうな店構えで、日本料理が提供しているお店というイメージが強いかと思います。
日本料理を出す飲食店は日本料理店や、割烹、天ぷらやウナギの専門店等数多く存在しますが、実は、総務省の「日本標準産業分類」が料亭とその他の料理店との違いを明確に定めているのです。

料亭と割烹の違いとは

料亭とは、主として日本料理を提供し客に遊興飲食をさせる事業所のことをいいます。
遊興とは広辞苑によると「遊び興ずること。料理屋などで遊ぶこと」とあり、「料理屋で遊ぶ」というのは、舞妓さんや芸妓さんをお座敷に呼んで芸を楽しんだり歓談したりすることをさします。

個室で料理を提供されるのも特徴のひとつです。
そして「お客様に遊興させる、深夜0時以降も営業している、酒類を提供している」の3点がそろっている為、食品衛生法の他に風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の規制を受ける可能性もあるのです。

一方で割烹は、主として特定の日本料理(そば、すしを除く)をその場所で飲食させる事業所に分類され、割烹の「割」は包丁で切ること「烹」は火を使って煮るという調理法をさしています。
また、個室は設けず、カウンター席やテーブル席で目の前で板前さんが調理したものを提供してくれるのも特徴です。

参考:総務省|統計基準等|日本標準産業分類(平成25年10月改定)(平成26年4月1日施行)-目次 (soumu.go.jp)

押さえておくと良いポイントを紹介

ここまでは料亭の服装についてのマナーや料亭と割烹やその他日本料理店との違いについて解説させていただきましたが、ここからは実際に料亭を利用する際に気をつけておきたいポイントをご紹介いたします。

服装に明確なルールはない

前述したとおり、料亭にはドレスコードはありません。
その為、高級レストランのような、ハーフパンツ、サンダルはNG等の服装に関する明確なルールは存在しないのです。
だからこそ、「服装選びに迷う!」「NGな服を明示してくれる方が助かる」と思われる方もいらっしゃるでしょう。
ここでは、明確なルールはないにしても、気をつけたいポイントをご紹介いたします。

・雰囲気に合った服装を選ぶ
料亭を訪れる際の服装を考えるときは、料亭の利用目的から考えることが大切です。
例えば、お店側としてはデニム等を禁止してはいませんが、料亭を利用する理由が仕事の商談や会食だった場合、デニムでは不適切な印象を与えます。
また、お祝いの席などでは、全員がスーツだと固く重苦しい雰囲気になってしまうため、色を取り入れた華やかな服装が合うかと思います。
このように、利用するシーンによって服装を選ぶとよいでしょう。迷った時はスーツやワンピース等ビジネス寄りの服装だと無難でが、女性の場合はミニスカートや露出の高い服装は避けましょう。

・強い香りの香水は避ける
身だしなみを整えるのはとても重要ですが、強い香りの香水や整髪料は控えるということが重要です。
日本料理は5感で楽しむ為、強い香りは食事にも影響を与えます。香りに気を配るのもマナーの内です。

特に普段使い慣れているものは、自分では気づかないうちに香りに慣れてしまうため、自分が感じるよりも香りが強いことが多々あります。
普段から香料入りの整髪料を使っている方、香水を常用している方は、整髪料は無香料タイプを使用する、香水は控えるなど対策をしましょう。
また、普段何気なく使用しているものが実は香料入りだったということも考えられますので、料亭へ行くことが決まったら、一度日常使いしているものをチェックして香りが強くないかを確かめてみるものよいかと思います。

・足元は座敷かどうか事前にチェック
料亭は個室であることが多いですが、個室がお座敷の場合は、靴の脱ぎ方も気をつけたいポイントです。
紐靴やブーツ等脱ぎにくい靴の場合、玄関先で時間がかかってしまい、同伴者を待たせてしまう可能性もありますので、料亭を利用する際は事前に席が座敷か、椅子席でも靴を脱ぐのかなどを事前に確認しておくといいでしょう。お店に電話で確認すると快く教えてくれます。

基本のマナーについて解説

料亭における基本のマナーについて解説いたします。

入店の際に気を付けるマナー

どのお店でもそうですが、まず受付で予約時間と予約名を伝えると、係りの方が案内してくれますのでその指示に従いましょう。
冬の場合、コートを預かってくれたり、大きな荷物は受付で預かるか尋ねられる場合もありますので、声をかけられたら預けるとよいでしょう。

お座敷の場合や、靴を脱いで上がるお店の場合、玄関の上がり方にもポイントがあります。
まず、後ろを向いて上がるのは訪問先にお尻を向けてしまうことになるので、あまりよろしくありません。正面を向いて上がり、その後向き直って靴を揃えましょう。もし下足係やお店の方から「そのままで」といわれたら、遠慮なくサービスを受けましょう。

上座・下座など座る場所に関するマナー

座る場所は「席次」といいますが、和食の席では上座と下座があり、上座には目上の方やゲストが座り、もてなす側の人間は下座に座ります。
上座は、床の間のある席だとわかりやすく、床の間に近い方が上座となります。また、上座は入り口から一番遠い席というのがセオリーです。
床の間がない席では、「一番目上の方が入り口から遠い席、もてなす側は入り口の近く」と覚えておくとよいでしょう。

食べ方のマナー

料亭で提供される料理は、アラカルトや御前もありますが、会席料理などのコースが多いです。
会席料理とは先付から始まり、椀物、お造り、焼き物などが続き最後に甘味がでるコース仕立ての料理で、提供されるお料理は季節や作り方にこだわるのはもちろん、器にもこだわっていることが多く、食べ慣れていないと圧倒されてしまうこともあるかと思います。

食事時に気をつけることは、音を立てて食べない、箸で料理を刺す等、基本的なことに注意するのはもちろんですが、今回は会席料理で気をつける点について解説いたします。

会席料理では高価な器を使うことが多々あるため、器は丁寧に扱うことが大切です。
特にお椀などは高価な塗のものを使用しているお店も多く、少し当たっただけでも塗装が剝がれてしまいますので、蓋を開ける際はゆっくりと、そして食べ終わった後は、蓋はひっくり返さず、元のように蓋をして戻しておきましょう。

焼物で頭付きのお魚が提供された場合には、焦らずに、まずは箸を寝かせて軽く魚の身を押します。すると、魚とみの間に隙間ができ骨から外れやすくなるため、食べやすくなります。ポイントはなるべく手を汚さないようにすることです。
下の身を食べる際に、魚を裏返すのはマナー違反なので、骨を外したら邪魔にならないよう、お皿の端にまとめておきましょう。

お酒を止めるタイミングも、料亭での食事における気をつけるべきポイントです。
洋食は料理提供のタイミングに合わせてワインが提供されますが、会席料理はお酒を楽しみながら食事を楽しむことが多いかと思います。その為、会席料理には止め椀と呼ばれるお酒を止めるタイミングを知らせる料理が用意されています。
「止め椀」とはご飯と漬物のことで、止め椀が出てきたらコースも終了間際です。残すところ甘味のみなので、お酒を止め、お茶をいただくといいでしょう。

料金、支払いに関するマナー

会も終焉にちかづいてくると、「いつ、どのタイミングでお会計をしようか」が気にかかるかと思います。
料亭での支払いは基本的には、現金、クレジットカードが多く、法人企業であれば請求書を郵送してこともできます。
料亭では、居酒屋やファミリーレストランの様に席を立ってお会計に行くことはあまりありません。
お料理が落ち着いて、歓談している時などを見計らって、仲居さんにクレジットカードを渡すといいでしょう。

まとめ

今回は敷居が高いイメージのある料亭について解説いたしました。

料亭は普段あまり利用するものではないかもしれませんが、お店側もそのことは十分承知しています。
その為、わからないことやあらかじめ気になるところがあれば、事前にお店に電話などで確認すると快く教えてくれます。

ここぞという大事な時が素敵な時間になるよう、お店側もバックアップしてくれるはずですので、必要最低限のマナーに注意して料亭のサービスを満喫してみるのもよいかと思います。

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