飲食店での電話対応の基本!どのような電話が多いかなどの解説
目次
席の予約をネットで手軽に行うことの出来る現代ですが、お店のシステムにおける不明点、記念日による特別な用意の問い合わせ等については、その場でやり取り出来る電話が重宝されています。
これから数時間後というような急ぎの予約、忘れ物の確認、店舗の場所や付近の目印。すぐに知りたい事に関してはレスポンスの早い電話の方が便利ですし、店員さんと直接話すことで、お店の雰囲気を感じることが出来るのも特徴です。
この記事では、飲食店に多い電話対応の種類、バイトの子に渡せる電話対応の例文について解説致します。
電話は誰にとっても身近な存在である分、かかってくる要件もそれに対する対応の仕方も様々です。
この記事を通し、飲食店にかかってくることの多い要件とその対応方法の引き出しを増やすことで、お客様へ誠実かつ丁寧な応対が出来るようになりましょう。
飲食店に多い電話対応の種類
人気な飲食店ともなれば、日々、様々な要件の電話がかかってきます。
まず、お客様が店舗に電話をかけるメリットは、
・老若男女を問わず、早く確実に予約の可否が確認できる
・手軽過ぎるネット予約よりも、直接会話することでの安心感
・メニューやコースについてなど、詳細な点もその場で聞くことが出来る
などといった点があげられます。
店舗側としても、ホームページやSNSだけでは伝えきれない魅力を、直接話すことでお客様へ届けやすい、というようなメリットがありますが、反対に、
・ピークタイム中は対応しきれない時がある
・対応出来る人間が限られてしまう
・営業時間内のみの対応
というようなデメリットも存在します。
温かみのある接客の電話対応をすることが出来れば、文面のみのネット予約時よりも、お客様の来店時の期待を上げることが可能となります。
しかし、反対に、忙しいからといって冷たい対応をしてしまったり、聞かれた事に対してはっきり答えることができなかったりすると、マイナスな印象を与えてしまい、お客様は不信感を覚えて違うお店を選ぶことになるかもしれません。
誰にとっても身近な電話だからこそ、その対応には注意が必要となってきます。
予約、空席状況やキャンセルの電話
飲食店への電話で一番多いのが、予約、空席確認、予約のキャンセルなどの席にまつわる内容です。
・席の予約の場合
席の予約であるならば、
・いつ(日時)
・誰が(お客様の名前)
・何名様で(席を決めるため)
・連絡先の電話番号(連絡が取れるよう)
これらの確認は必要不可欠です。
より丁寧な対応をするのであれば、席のタイプの希望や、苦手なものやアレルギーなど、前もって聞いておくと当日スムーズな接客が可能となる情報をメモしておくと良いでしょう。
・空席確認の場合
空席確認の電話は、当日かそれ以外かで対応が変わります。
明日以降の空席確認では、空いていればそのまま予約に入ることが多いため特に変更はありませんが、今日これから何時間後に、というような予約の場合は、その時々の状況で判断が必要です。
例えば、今現在で席がすべて埋まっていたとしても、ただ「満席です」と断るだけでは意味がありません。
お会計が済んでいる席がある場合では、
「今はまだ満席ですが、お会計がお済みの席がありますので少しお待ちいただけるようでしたら」
と一言加えるだけで、貴重なお客様を逃すことなく迎えることが出来ます。
仮にどこにも空きがない場合でも、このテーブルのお客様は来店されてから何時間経っているからもしかしたら、というように、店内の状態を把握しておくことも重要です。
・キャンセルの場合
予約のキャンセル連絡の場合、お客様やお連れ様の方に、何かしらの不具合やアクシデントが起きてしまったというケースがほとんどです。
仕事の都合上や、同席者の体調不良など、悪意があってキャンセルをするわけではありません。
残念な気持ちにはなりますが、その際の電話対応の内容によっては、次回こそはこのお店に、となるか、行かなくてもよかった、となってしまうか、大きく分かれます。
単にキャンセルを承ったことを伝えるだけでなく、
「またの機会にぜひいらしてください」
「お身体に気を付けてお過ごしください」
など、相手を思いやる言葉を付け加えることを意識しましょう。
また、相手によっては、
「次回来ていただいた際に、今日の分もまとめて飲んでもらえれば!」
「次は○○さんの好きなもの、用意しておきますので!」
と、冗談を交えて距離感を近くする対応が喜ばれる場合もあります。
電話対応の基本は、自分がどういう対応をされたら気持ちよくお店に行こうと思えるか、常に相手の立場になって考えることであるといえるでしょう。
店舗の場所の確認
ビルのテナントに入っている店舗や、近くに目印となるようなものがある店舗はあまり縁のない話ですが、駅から離れた路面店などでは店舗の場所の問い合わせが多々あります。
駅や大きな目印となるような建物から、出来るだけ口頭で説明しやすい簡単に来れるルートを、電話対応する可能性のある人達で共有しておくことが必要です。
裏道や細い路地を使った方が近道だとしても、「大通りを○分直進」のように、誰しもが分かりやすい道で表記しておくと良いでしょう。
イレギュラー対応の確認
お客様のなかには、普段行っていないサービスを特別に行ってほしい、という相談の電話をされる方もいます。
誕生日や記念日に高値なコース料理、サプライズのデザートプレート、お昼で法事利用の際の料理編成(「めでたい」を意味する事から鯛を避ける等)などが代表的です。
これらは普段行わない仕入れや仕込みを伴うことが多く、また、特別にお金を頂いて引き受ける以上、絶対に失敗は許されないため、相談の電話の時点で店舗の責任者の方へ確認をとることが必須になります。
日によっては仕入れが見込めなかったり、静かな時間を過ごしたいお客様なのに大人数での宴会が先約であったりする場合もあります。
責任者の判断を仰ぎ、楽しみにしてきたお客様を落胆させないよう、最善を尽くせるようにしましょう。
クレーム
時には店舗に対してのクレームの電話もあります。
内容によっても変わりますが、まずは相手の話を聞き、こちらの落ち度の有無はさておき、お客様が不快な思いをされた点に対しての謝罪は必要です。
その上で、こちら側に問題点があれば再度の謝罪、今後の対応策と解決法の提示、お客様に納得していただくことで、再来店に繋がる可能性もあります。
捉え方を変えて考えると、何も言わずに帰られて二度と来ないお客様に比べれば、こちらの対応の仕方次第では再来店に繋げられる可能性があるとも言えます。
ただひたすら謝り倒すことや、金銭で解決することだけが対応策ではありません。誠意をもって対応することが必要です。
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バイトの子へ渡せる、電話対応の例文
売り上げを立てていくためにはスタッフの力の底上げが必要であり、自分だけが何でも出来ればよいというわけではありません。
電話対応もその一つで、人それぞれ得手不得手はあっても、ある程度のマニュアルを作っておくことで最低限のクオリティの底上げは可能となります。
不慣れなスタッフだとしても、多少のマニュアルがあるだけで自信を持って対応しやすくなり、結果として、お客様に迷惑をかける可能性の軽減が期待できます。
予約対応の例文
「お電話ありがとうございます。○○(店名)××(名前)がお受け致します。」
「お日にちいつになりますか?
お時間とお人数様よろしいですか?お席確認いたしますので少々お待ちください。」
(席のタイプや時間制限の確認)
「お席ご用意できます。
お名前フルネームとお電話番号お願い致します。」
「では、○月○日何曜日、○時○分から○名様で、お席ご用意してお待ちしております。ありがとうございます。失礼致します。」
いつ、何時から何名、お名前、連絡先は必ず確認しましょう。
キャンセルの例文
「お電話ありがとうございます。○○(店名)××(名前)がお受け致します。」
「キャンセルでございますね。確認しますので、お日にちとご予約のお名前をお願い致します。」
「○月○日何曜日、○時から○名様でご予約頂戴していました××様でお間違いないですか?」
「では、またの機会にぜひ、お待ちしております。失礼いたします。」
同じ苗字の予約で誤った席の予約をキャンセルしてしまう可能性もあります。
予約の確認をする際はフルネームで、時間と人数も必ず確認しましょう。
イレギュラー対応の際に店長へ伝えるため連絡先を控える例文
「お電話ありがとうございます。○○(店名)××(名前)がお受け致します。」
「いま店長の××が不在でして、ご用件をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
「かしこまりました。××が戻りましたらこちらから連絡させていただきたいのですが、ご連絡先をお伺いすることは可能ですか?」
「連絡させていただく際、都合の悪いお時間などありませんか?
では、改めさせていただきます。お忙しい中申し訳ありません、よろしくお願いいたします。」
相手方と何度も連絡のやりとりをする必要がないよう、
・イレギュラー対応の要点
・相手方の連絡先
・都合の良い時間
相手の都合も確認する事を忘れないようにしましょう。
まとめ
飲食店にかかってくる電話の要件では、
・席の予約や空席状況、キャンセルの確認
・店舗の場所、イレギュラーな相談など、すぐに答えて欲しい事
・お客様がどうしても直接伝えたいクレーム
などが特に多くなります。
お客様が店舗に電話をかけるメリットとしては、
・早く確実に予約の可否が確認できる
・手軽なネット予約よりも、直接会話することでの安心感
・メニューやコースについてなど、詳細な点もその場で聞くことが出来る
などといった点が挙げられ、店舗側にも、
・ホームページやSNSでは伝えきれない魅力を、直接お話することでお客様へ届けやすくなる
・お店の雰囲気を感じ取ってもらいやすくなる
というようなメリットがあります。
しかし、反対に、
・ピークタイム中は対応しきれない時もある
・対応出来る人間が限られる
というようなデメリットも存在します。
ある程度の対応方法はマニュアル化し、店舗の誰が対応しても問題ないようなシステムを作り上げておくことで、より効率の良い店舗運営が可能となるでしょう。
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