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接客における料理の出し方・バッシングの仕方の解説

シェアダイン編集部
作成日:2022/09/25
更新日:2022/11/01
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目次

初めて飲食店で仕事をする際には、接客や料理の出し方の基本など知らないことが多く不安になると思います。
お店によってもそれぞれのルールが定められていますが、基本的な接客の流れや料理の出し方には共通のマナーがあり、それらを事前に身につけておくと、即戦力としても活躍出来る一つの強みとなります。
お客様の目線でみると、教育の行き届いたお店へ飲食へ行くと、最後までスムーズな流れで料理やドリンクを堪能することができるため、料理の味以外でもお客様の満足度は高くなりリピート率も上がることでしょう。
ホールスタッフのマナーはその店の印象を左右するといえます。技術面はもちろんですが、様々な観察力を必要とする飲食店での料理の出し方について、ご紹介します。

料理やドリンクの出し方の流れ

お水の提供

まず始めにお客様を席までご案内し、お水を提供します。注意点としては、お水の量と置き方です。
お水の量はコップのふちになみなみになっていないか、あるいは少なすぎないようにしましょう。
置き方では、必要以上に音を立てないように置く意識や、溢す危険のあるテーブルの端に置くことは避けましょう。特に小さなお子様のいるお客様の場合には、お子様の手に触れない位置へ置いたり、置く位置を尋ねるなどの気配りが必要です。

カトラリーの提供

カトラリーをテーブルに並べる場合には、左にフォーク、右にナイフを置きます。
フォークは歯が上向き、ナイフは刃部分を内側に向けて並べるのが正解です。
カトラリーを持つ際は、柄の部分を持つようにし、お客様の口が触れる部分には触らないようにしましょう。

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おしぼりの提供

基本的に右側に置きます。利き手でおしぼりを持つためです。左利きと分かっている場合には左へ置くと良いでしょう。
大人数の場合には、平等に右側へ置くようにします。

料理やドリンクの出し方

アルコールを提供するお店では料理の前に乾杯ができるよう、先にお酒を提供するのが一般的です。ジュースやコーヒーなどを注文された場合には、食前、食事と同時、食後、どのタイミングで提供を希望されているか事前に確認を行うと、お客様の良いタイミングで提供が出来ます。
基本的に、料理は人数分を同時に提供することが望ましいですが、出来上がりには多少の時間差は出てしまうものです。出来立ての料理を素早く運び、温度が変化しないようにしましょう。
また、家族連れのお客様には先にお子様のメニューから提供することで、お子様の食事を先に行うことができます。厨房へのメニューの伝え方も工夫することで、料理提供の順番がスムーズになります。テーブルに料理を運ぶ際は、「お待たせ致しました。〇〇です。」と持ってきた料理をお伝えし、注文したお客様の正面に置くようにしましょう。

料理を提供後

料理の提供後は、お水の補充や中間バッシングの状況を観察することが大切です。
お水に氷が入っている場合には、お水がなくなったタイミングでカランカランと氷がグラスの中で転がる音がします。その音を聞いた際には瞬時に反応し、お水の補充希望を伺いに行くようにすると、お客様から要求される前に対応が出来るでしょう。中間バッシングとは、お客様が席についている状態でお皿を下げる行為です。
失礼と思われがちですが、テーブルをお客様の使いやすい状態に保てるサービスのため、食事が済んでいるお皿であることを確認し、「お下げしてもよろしいでしょうか。」と声をかけて行うようにしましょう。
確認する視線が多いと、お客様も落ち着いて飲食を楽しめなくなってしまうため、他テーブルの注文や片付けをした後に、回って戻るなど自然な形で確認ができるとお客様にも気づかれず、かつ適切なタイミングでお皿を下げることが出来ます。
中間バッシングを行うことで、お客様が帰られた後の最終バッシングの際に皿数が少なくて済むため、お店の回転率を上げることができ、より多くのお客様に料理を楽しんでもらえることも利点です。
最後のバッシングは、お客様が帰られた後に行います。
お盆を使い、両手を使用してお皿やグラスをのせましょう。
その際に、周りのお客様の迷惑とならないよう、音に気をつけるようにします。
お客様の忘れ物がないかを確認しながら行うことも大切です。

お皿やグラスの持ち方、置き方 

お皿の持ち方

左手のひらを開き、親指と小指をやや上向きにして中3本の指を下にし挟むようにして持ちます。2枚目のお皿は、親指と小指、手首の3点で支えます。
3枚目のお皿は、右手の親指近くにある生命線で挟み、親指を浮かせて指紋が付かないように持つことが大切です。不衛生な印象を与えないように注意しましょう。
料理の向きがお客様の正面になるように、向きを考えて持ちます。

お皿の置き方

先ほども述べたように、料理の向きをお客様の正面に合わせて置きます。
テーブルに置いてから料理の向きを変えることは良くないので、やめましょう。
できるだけ音を立てないように、静かに置くようにします。
お皿の位置は、食文化により異なります。
日本食の場合
左手前がご飯茶碗、右手前が汁椀、奥がおかず(左から副菜・主菜)
西洋料理の場合
正面にメインの料理を置き、右にスープ皿、左にライスやパン皿

グラスの持ち方

グラスの半分から下を持つようにします。
上部を持つことで、飲み口に手が触れ不衛生な印象を与えてしまうからです。
ワイングラスの場合には、ステムと呼ばれる足の部分を持つようにしましょう。
ボウルと呼ばれるグラス部分を持つことにより、手の温度でワインを温めてしまい風味を損なってしまうためです。
テーブルセッティングの場合に空のワイングラスを複数持つ方法は、グラスを逆さまにして左手の親指と人差し指の間、人差し指と中指の間、薬指と小指の間にそれぞれ2つずつ挟み合計6つのグラスを片手で運ぶことが出来ます。右手はそのままステムを持ち、両手で7つ目を持ちましょう。
どのグラスにおいても、上部ではなく下部を持つのは共通しています。

グラスの置き方

お皿と同様、音を立てないように置くことが基本です。
グラスの底に小指を添えて、テーブルに置く際に小指をクッションにすることで、音が最小限に抑えられます。

料理やドリンクはどこから提供するか

ドリンク

ドリンクは右側から提供します。
右利きの人であれば、右手でドリンクを飲むことが多いためです。
あらかじめ左利きと分かっている人には、左に置いても良いですが、基本は右側に置くことが良いでしょう。

料理

注文した人の左側から提供します。
右利きであれば、右手でドリンクを飲んだり、箸を使って料理を食べたりするため、動作の妨げになるのを防ぐためです。

料理を出す・下げる際に注意すること

料理を出す際の注意点

お皿に指紋がつかないように、指の腹がお皿の内側に触れないように持ちましょう。
左側から提供するため、左手に料理を持ちお客様の正面に料理の向きが整うようにします。
お皿の置き方でも述べたように、できるだけ音を出さないようにして置くことが大切です。

下げる際の注意点

下げて良いお皿か確認をする必要があります。
一般的に言われているのが、ナイフとフォークが時計の4時20分の位置に置いてある場合や、ナプキンが丸めて置いてある場合には食べ終わっているという合図なので、下げても構いません。
下げる時は、お客様の右側から右手でお皿を取り、左手に持ち替えます。
左手の親指と小指がお皿の上部にくるようにして持ち、フォークとナイフはお皿の上で十字に重ねて差し込んでいくことで、お皿の上でずれることなく持ち運びが可能です。
逆にナイフとフォークが八の字になっている場合には、途中という合図なので下げることは控えましょう。
料理がお皿に残っている状態で長い時間が経過している場合には、「お下げしてもよろしいでしょうか。」と声掛けを行い下げると良いです。
次の料理やデザートのまでのスムーズな提供ができるようにしておきます。

まとめ

飲食店では、料理だけでなくお水やおしぼり、カトラリーの提供など様々な基本的マナーが存在します。
お客様の口に触れるコップのふちや、カトラリーの先、お皿の表面には手を触れないようにし、提供することが大切です。
料理を提供する際には、料理の正面がお客様の前に向くように、できるだけ音を最小限にして置くようにしましょう。
ドリンクを提供する場合には、小指をクッションにすることで、音を最小限にできます。

料理は左側から、ドリンクは右側から提供します。
右利きの人が多いため、食事動作を妨げないようにするために料理は左側からの提供が基本です。
ドリンクを右側に置くのも、利き手が理由で右利きの人は右手で飲み物を持って飲むことが多いためです。
お皿を下げる時には、カトラリーの向きが時計の4時20分の方向であれば、下げて良い合図になります。
八の字の場合は、途中を意味するため下げないように注意しましょう。
コース料理の場合は、デザートの提供時にテーブルが空いていないとスムーズに提供が出来ないため、お皿に料理が残った状態で長時間経過している場合には、「お下げしてもよろしいでしょうか。」と一声かけてから、下げるようにすると良いです。
基本的なマナーを身につけることで、飲食店での業務をスムーズに行うことができます。

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