飲食店経営失敗例はどんなものがある?失敗の典型的な例
目次
料理人としての技術や経験を重ね、いつかは自分の理想とするお店を開業したいと考える人は多たくさんいるでしょう。
しかし、飲食店経営の成功への道のりは想像以上に厳しく、奥深いものです。
本記事では、飲食店経営の失敗する主な理由や実際の失敗例、成功するためのポイントについて詳しく解説いたします。
飲食店経営が失敗するおもな理由とは
飲食店の年間開業件数はおおよそ2000件とされています。しかし、飲食店の多くは3年以内に50%以上の割合で経営に失敗してしまうといわれています。
経営のいろは
経営のいろはをよく知らずに経営を失敗するケースはたくさんあります。
お客様の集客方法や、経費の把握など、飲食店経営にはさまざまな知識を身につけておかなくてはいけません。
お店を経営する上で重要なことは、『誰に向けて料理を提供するのか』を明確にする事です。例えば、ケーキ屋さんであれば20代から30代の女性、または、ファミリー像に向けてターゲットを絞ります。そして、ターゲットとなる消費者に向けて『どのような商品をどのように提供するか』コンセプトを考えることが重要です。
また、ターゲット像が若い世代やファミリー像であれば、お店の立地にも考慮しなくてはいけません。商品やサービスに応じて、どんな年齢層のお客様に利用していただきたいのか慎重に調査する必要があるでしょう。
資金調達がうまくいかない
飲食店の経営には多くの費用がかかります。長く経営するためには、資金をできるだけ多く確保しながら運営していく必要があるでしょう。しかし、資金調達のために融資の申請をしても、審査が通らない場合もあります。飲食店開業資金の主な集め方は、以下の4つです。
- 日本政策金融公庫からの融資制度
- ネット銀行やクラウドファウンディングを用いた新たな資金調達
- 地方銀行・信用金庫の制度融資
- 親族や友人からの資金調達
飲食店開業時の初期投資で安全と言われる金額は1000万円ほどと言われています。しかし、この金額は、お店のコンセプトに合った内装やお店の広さによっても変わってきます。『不動産資金』『設備資金』『運転資金』などを考慮した上で初期投資資金の設定ができているか、経営計画は建てられているかが重要です。
これらの計画が万が一漏れてしまった場合や、計画以上に金額がかかってしまった場合に経営破綻に陥る場合が多い傾向にあります。具体的な資金内容を確認し、いち早く計画を見直しましょう。
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人手不足
人手が不足していれば、お客様に十分なサービスや料理を提供することができません。
アルバイトの採用をしてもなかなか人員が集められない、採用しても継続性がないといった場合、やむ追えずお店を閉業しなくてはなりません。飲食店の人手不足はコロナ前からも飲食業界の体質として陥りやすい問題とされていました。人手不足が深刻化してしまうと、一人の従業員にかかる業務の負担が増えてしまうなどの問題が出てきます。そのような状況が続くことで、労働環境の悪化から従業員の離職率が増え、お店の経営状態が不安定となってしまいます。
飲食店経営に失敗してしまう共通パターン
飲食店経営が失敗してしまうお店の傾向として、共通している点をいくつか紹介します。
資金計画・管理がずさん
資金計画とは、お店のコンセプトに向けて実際にかかる資金や、今の資金で開業できるかなどの計画を行うことです。資金計画を行う上で大切なのは、計画を何度も練り直し、客観的な視点から計画を見直すことです。計算上は赤字だったが、開業後なんとかなるだろうと考えていたら想定していた程の利益がで出ず廃業するケースが多くみられます。
飲食店を開業する時は『投資計画』『売り上げ計画』『損益計画』『返済計画』これらを十分に考慮した上で開業しなくてはいけません。
自分本位になってしまう
飲食店の経営を成功させるには、顧客高い満足度を提供する必要があります。しかし、顧客のニーズに気がついていない場合や、消費者の意見を取り入れず、自分本位の考えでお店を経営してしまうと経営失敗につながってしまいます。第三者の目線から、客観的な視点でお店の商品やサービスを見直し、柔軟な対応を行うことが大切です。
計画・リサーチ不足
飲食店の経営失敗の例に、計画不足や計画通りに進められない、計画通り進まない原因を追求しなかったというケースが挙げられます。必ずしも全てが計画通りになるとは限りませんが、その原因を追求しようとしなければ経営もうまくいきません。
また、店舗のリサーチなども念入りに行う必要があります。家賃が高額で、利益が残らなくなれば長期的な営業が困難になってしまいます。
店舗周辺の環境や特徴を事前に知っておくことで、念入りな計画や方針を決められるでしょう。
宣伝方法や宣伝不足
お店を開業する際、必ずしも人目につきやすい好立地な場所にお店を構えられるとは限りません。駅から離れた場所や、路地裏、住宅地など、お店を経営する場所はさまざまです。お店を続ける上で重要な事は顧客にリピートしてもらう事です。
顧客に認識してもらう→実際にお店を利用する→リピート顧客
というように、経営当初はまず自分のお店をお客様に認知してもらう必要があります。宣伝がしっかりできていないと顧客を集客することができません。SNSや広告などの宣伝方法をあらかじめ用意し、集客に力を入れる必要があります。
スタッフの教育や採用に積極的ではない
スタッフの教育や採用に積極的でなければ、人手不足や接客対応などの不十分により、顧客に高品質なサービスを提供することができません。飲食店は料理も重要ですが、料理を提供するスタッフも顧客は評価します。スタッフの対応やサービスが不十分であれば、お客様は定着しないでしょう。
また、経営者がスタッフに対して業務内容に応じた待遇や気遣いをしなければ、スタッフの定着率に影響し、運営は困難になってしまいます。
飲食店経営の失敗例
飲食店開業に失敗してしまった事例をいくつか紹介します。
売り上げが夏場しかなく、オフシーズンに利益がでない
かき氷店やアイスクリーム店などの、主に夏に利益が出やすい商品を取り扱うお店の失敗例です。
夏場は顧客のニーズに合った商品を提供し、うまく集客できていました。しかし、夏のイメージが強い商品を提供していることから、冬場はお客様が定着せず、冬ならではの限定商品の開発、宣伝がうまく行かず利益を得られませんでした。
オーナーが他人の意見やアドバイスを全く聞き入れず自己主張ばかりだった
自分の主張が強よく、第三者の意見を軽んじていたオーナーの失敗例です。
顧客のニーズに合った商品の提供や、従業員の意見を全く聞き入れず自己満足で運営しました。お客様が定着せず、従業員の離職が増え、経緯困難となってしまいました。
想像以上に利益が出ず、経営が息詰まる
正確な資金計画や、計算ができておらず経営に失敗してしまった例です。
経営当初用意していた資金を大幅に上回る運営資金が必要となり、顧客の集客に手が廻らず廃業せざるを得ない状況に陥ってしまいました。
飲食店経営に失敗しないためのポイント
飲食店経営に失敗しないためのポイントは、顧客のニーズに合った経営方針を築き、安定した利益を出しながら経営を続けていくことです。
- コンセプトや立地を検討する
- 集客のための宣伝や販促を行う
- 店舗の動線などオペレーションの確認
- スタッフの採用と教育
- 顧客目線の内装やサービス
飲食店経営は、お客様の心を掴めなければ営業を続ける事は困難です。
飲食店を経営する上で、さまざまな障害や問題はつきものでしょう。経営に失敗しないためには、問題点をそのままにせず、都度クリアできる流れを作ることが大切です。
常に、流行りの傾向や従業員や顧客の意見を柔軟に取り入れ、参考にすることが重要です。
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飲食店経営の成功例
飲食店開業に参考となる、成功例をいくつか紹介します。
- 宣伝・販促・接客に力を入れて取り組む
- 事前に出店地域の環境を分析した
- 時代や情勢の変化に合わせ、都度考え行動をした
- 従業員や顧客の意見を取り入れる
- 店舗からリーダー格となる人材が育ったことが起点となった
飲食店経営に成功している店舗は『お客様へのおもてなし』『宣伝や販促を怠らない』『継続的に研究し、リサーチする』といった共通点があります。経営がうまくいっていても慢心せず、お客様のニーズを洗い出す作業を定期的に行うことが大切です。
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まとめ
飲食店経営で、大切な事は計画性を持った運営を行うことです。安定した経営を付けるためには、継続的な努力と工夫が必要です。人気店や繁盛店を参考にヒントを探してみるのもいいかもしれません。飲食店経営を成功させるために、しっかりとリサーチし、準備した上で開業を迎えましょう。