増加する飲食店のサブスク導入 そのメリットデメリットを事例と合わせて解説
目次
今や生活に身近なサービスの一つとなり、様々な業界で耳にするようになった「サブスク」。
近年、消費者のライフスタイルは変化し、物やサービスに対する考え方が「所有」から「利用」へと変化してきました。
サブスクは時代のニーズに沿ったビジネスモデルとして関心が高まっており、飲食店においてもサブスクの導入が広がっています。
この記事では、飲食店におけるサブスク導入について解説いたします。
飲食店でのサブスク導入が増加中
サブスクを導入する業界が増えている中、飲食店においてもその流れに乗り市場を拡大させている企業が増えています。
それらの飲食店は、飲食店ならではの「月額〇〇円で食べ放題」「月額〇〇円でドリンク全品△△円」といったお得感のあるサービスを展開しているのです。
お得感やコスパの良さを求める消費者のニーズに合致し、飲食店でのサブスク利用者が増えています。
サブスクリプションとはそもそも何なのか
「サブスク」とは「サブスクリプション」の略で、商品やサービスごとに買い切りで代金を支払うのではなく、一定期間、定額で利用できる権利に代金を支払う仕組みのことです。「定額制」と似た意味合いを持ちます。
サブスクリプションの代表例の一つに、新聞や雑誌の定期購読があります。以前から利用されたきたシステムであり、馴染み深い人も多いです。音楽や動画の配信サービスもメジャーになり、利用者も多くなっています。現在では、サブスクのビジネスモデルを取り入れる分野が一層広がっており、ファッションや美容、自動車、ソフトウェアなど、多岐に渡って活用されています。
飲食店がサブスクを導入するメリットと成功例を紹介
リピーターと新規客の獲得につながる
サブスクは一定期間に物やサービスを利用できる権利を得られるという特性から、利用客は損せずお得に利用するために、頻繁に来店するようになります。魅力的な商品やサービスを継続して提供することができれば、利用客がリピーターになりやすくなります。
サブスクを導入している飲食店は、増えつつもまだそれほど多くはなく、目新しいと感じる方もいるでしょう。サブスクを活用することで、お得感やコスパの良さが伝われば、他の競合店との差別化を図ることができ、新規客の獲得に繋がります。
顧客の増加や来店回数の増加が期待できることが、サブスクの一番のメリットです。実際に、月額制で食べ放題や飲み放題などのお得なサービスを導入したラーメン店や居酒屋、焼肉店などで、サブスク加入者が殺到し、新規顧客も増加した事例が多くあります。
収益の安定につながる
飲食店は季節や天候などの外的要因によって、集客にばらつきが出やすく、月の売り上げが不安定になりやすいという側面があります。
サブスクは定額制で料金を支払うことになっているため、毎月一定の売り上げを見込むことができます。繁忙期や閑散期に左右されずに、収益の安定化が期待でしょう。
実際の例では、サブスクを導入したことで収益が安定化することに加え、利用客がサブスク以外のメニューを注文する可能性が増え、客単価がアップし、収益の増加に繋がった飲食店もあります。メニューの多い居酒屋やサイドメニューがあるカフェなどがその事例です。
客層などの情報収集に活用
消費者がサブスクを利用する際には、オンライン上で名前や連絡先などの会員情報の登録や継続課金決済を行っています。飲食店側は顧客情報を取得することができるため、顧客情報をマーケティングに活用することができるでしょう。
例えば、顧客の年齢や性別などの客層や購入履歴などを把握することで、サービスの改善や向上に役立てることができます。連絡先を把握していれば、お店から情報を配信することができます。また、お得な情報やキャンペーンの案内、など、また来店したい、今後も継続利用したいと思われるような働きかけを行うこともできるでしょう。
気を付けたいポイントと失敗例を紹介
システム導入のためのコストは避けられない
サブスクを活用するにあたって、決済や顧客管理のためのシステムの導入が必須になります。
飲食店では、支払いは現金のみ取り扱っているお店もあるため、クレジットカードやスマホ決済など自動課金システムの導入にコストがかかることは避けられません。初期費用だけでなく、ランニングコストもかかります。
システム導入にあたりかかる費用を見積り、資金計画を立てておくことが大切です。
システムの構築や継続してサービスを運用するコストが多くかかり、コストが回収できる利益を見込めず、事業全体として黒字化に繋がらないことを理由に、サブスクから撤退してしまった企業もみられます。
採算を合わすため一定数以上の集客が必要になる
費用や時間をかけてサブスクを導入したにもかかわらず、集客が少ない場合、採算が合わなくなってしまいます。集客を見込めるように魅力的な商品やサービスを打ち出し、顧客離れを防ぐためにサービスの改善や向上に継続して取り組んでいかなければなりません。
集客に失敗した事業の例としては、サービス内容が顧客のニーズに合わなかった、顧客ターゲットが想定していたものと異なっていた、一定期間利用した後必要性を感じなくなり解約されることが多かった、などが理由としてあげられます。
在庫管理を適切に保つことが必要
食品を扱う飲食店では、適切な在庫管理は通常でも重要なことではありますが、サブスクを導入する上では、集客が少なく在庫が余ってしまうという問題だけではなく、在庫が足りず商品やサービスを提供できなくなってしまうことも問題となります。
定額を支払っている顧客に対して、提供ができなくなるということは、顧客満足度を下げ、結果的に顧客離れに繋がるでしょう。
在庫に限らずとも、店側の問題でサービスを提供できない状況となり、サブスクを中断せざるを得なくなった企業もあります。
おもな飲食店向けサブスクサービスの一例を紹介
飲食店のサブスクを支えるツールとして、活用できるサービスを以下に紹介いたします。
モンスターパス
店舗のサブスクのポータルサイトです。飲食店を始め、美容やエンタメなど1600店以上の店舗が掲載されています。
利用者はサイト内でサブスク導入している店舗を探すことができ、サイト上でサブスク加入をして店舗で利用できます。店舗は、簡単にサブスクを開始させることができ、サイト内に掲載されることで消費者の目に留まりやすく、集客の増加が期待できます。
サブする
飲食店のサブスクのシステム構築を一からサポートするサービスです。サブスクプランの作成、決済や顧客情報の管理などを一括して行うことができます。
GMOおみせアプリ
自社の店舗アプリを作成できるサービスです。顧客管理と分析、顧客への販促、ポイントカードやクーポン機能、予約システム、決済など、様々なサービスをデジタル化、効率化することができます。
まとめ
飲食業界でも注目を集めているサブスクのサービスには、顧客やリピーターの増加、収益の安定化、顧客情報の収集などの大きなメリットがあります。
サブスクを導入して収益の増加に繋げるためには、独自の魅力的なサービスを打ち出し顧客満足度を高めることに加え、システムを確立させ体制を整備すること、継続的にサービスの改善をすることが重要です。
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