デリバリーの仕事とは 雇用形態と提供サービスの解説
目次
宅配ピザをはじめ、Uber Eatsなどコロナ禍でデリバリーの需要が高まっています。宅配ピザやお寿司は昔からありましたが、最近海外ではドローンを使ったデリバリーまであります。
今回の記事では、デリバリーの仕事内容、雇用形態、メリット・デメリットなどについて解説いたします。
デリバリーとはどんな仕事か
デリバリーはお客さんから注文が入ったら、お店で注文商品を揃えて、自転車やバイクで指定の場所まで届けるサービスです。注文が入ったら、あまり時間をかけず、注文先に料理を届けることが大事なので、調理している間にスマートフォンなどでお届け場所を確認しておくとスムーズにデリバリーができます。
商品(料理)の受け渡しの際、お客さんとのやりとりが発生するので、接客業の側面もあります。ただ、最近では、置き配(スタッフが商品を指定の場所に置いて、立ち去る)を希望する人も増えており、支払いもオンラインで済ませてしまうことが多いため、必ずしもお客さんとのやりとりがあるとは限りません。デリバリー会社によっては、配達まで時間を要する場合や運ぶ途中でトラブルが起こった際にお客さんに連絡できるようにチャットでやりとりができる仕組みを取り入れているところもあります。その場合、デリバリースタッフは最低限の連絡事項をお客さんに伝える必要があります。
デリバリーの仕事とは
デリバリーの需要が高まっている昨今、デリバリーの会社も急激に増えました。昔のようにピザや蕎麦、お寿司だけではなく、ラーメン、中華、カレー、ハンバーガー、コンビニメニュー、スイーツまでデリバリーしてくれます。
デリバリーを仕事にする際、知っておきたいことはフードデリバリーサービスにはいくつかの形態があるということです。大きく分けて、自店注文配達型、マーケットプレイス型、注文・配達代行型の3つです。
自店注文配達型は自社店舗で注文を受けて、調理し、配達する本来のデリバリーの形です。自店注文配達型のデリバリーを担当する際は、そのお店のメニューのみを配達します。デリバリーの規模が小さい場合には、店内での調理や接客までもお願いされることがあります。
マーケットプレイス型は、飲食店以外のフードデリバリープラットフォーム事業者が飲食店を集めて注文を取り次ぐサービスです。このタイプの場合、注文が既存の顧客以外からも入ることが予想されるため、広範囲への配達を任される可能性があります。
注文・配達代行型のサービスはマーケットプレイス型と同様、プラットフォームから注文をし、配達も外部や個人に頼むシステムです。このタイプでは、デリバリースタッフは特定のお店の料理を配達するわけではなく、その都度依頼がきたものを運ぶため、業務時間中、配達のみを任されることが多いでしょう。業務時間も雇用形態によっては、空き時間の2〜3時間だけの対応でも良いというパターンもあります。
雇用形態の種類
デリバリースタッフの雇用形態は、大きく分けて、社員、アルバイト、個人事業主の3種類です。
社員やアルバイトは特定のお店と雇用契約を結び、雇用されて業務時間内に配達をするのが業務です。社員の場合は、デリバリー専門ではなく、業務の一つとしてデリバリーを担うパターンが多いでしょう。一方、アルバイトの場合はデリバリー専用で雇われる場合もありますが、配達がない時はチラシ配りや雑務を任されることもあるでしょう。
個人事業主のデリバリースタッフは業務委託で働くタイプを指します。ある一定のお店と契約する場合もあれば、デリバリープラットフォーム事業者と契約する場合もあります。後者の場合は、様々なお店の商品を届けます。業務委託の場合は個人で動くため、業務時間というものが設定されていません。事前に予定を出して、空き時間を利用して働けます。自由度が高いというのが良い面です。しかし、完全出来高制で、配達の際のバイクや自転車、スマホなどは自分で揃える必要があります。
給与相場
雇用形態によって給与の相場は異なります。社員やアルバイトの場合、業務時間内に行う業務のため、特別手当てなどはなく、一般的な飲食店の給与と同じくらいです。他の業務も担当する可能性がある反面、配達が少ない日でも安定した給与がもらえます。
一方、業務委託の場合は配達した分だけの給与しかもらえない完全出来高制です。注文の多い時間帯や地域でデリバリーをすれば、その分給与は高くなります。また一定の配達量をこなすことでインセンティブが出る会社もあります。全体として、通常のアルバイトよりは高く金額が設定されていますが、配達量によって左右されるため、自分がどのくらい稼ぎたいかによって地域や配達量を工夫する必要があるでしょう。
必要な資格、経験
必ずしも必要とされる資格はないものの、バイクで配達するお店も多いため、バイクの運転ができる原付運転免許はあった方が仕事を選ぶ上で幅が広がります。もちろん、普通自動車の運転免許があれば、原付は運転可能なので、こちらでも構いません。
もし原付運転免許がない場合でも、自転車デリバリースタッフを募集しているお店もあるため、最初は自転車で始めて、原付の運転免許を取得後、バイクに切り替えることも可能です。「ドミノピザ」や「銀の皿」などで募集があります。自転車デリバリーなら高校生でも働けます。
デリバリーを始めるにあたって、特別な経験は必要ありません。基本的に仕事内容はマニュアル化されており、研修などを受けてすぐに働けます。しかし、配達地域の地理をよく知っていると、道に迷わず、時間通りに届けられるので、有利でしょう。また、届けた際にお客さんとのやりとり(支払い、受け渡し、時には配達状況の報告など)が必要な場合もあるため、コミュニケーション能力と最低限の接客マナー(言葉遣い、態度など)は身に付けておくと良いでしょう。
メリットとデメリット
- デリバリーの仕事には以下のようなメリットがあります。
- 給与が比較的高い
- 接客スキルが身に付く
- (お店、場合によっては)まかないが食べられる
- 運動になる
- (お店、場合によっては)接客がなく、黙々と仕事ができる
- (お店、場合によっては)服装や髪型、髪色などの自由度が高い
お店での立ち仕事も良い運動になりますが、自転車でデリバリーする場合は数時間自転車に乗っているため、しっかり運動ができます。またデリバリーのみを担当する場合、常識の範囲内であれば、服装も自由、髪型や髪色なども規則がないため、自由な格好で働けます。
お店でアルバイトという形でデリバリーの仕事をする場合は、お店のまかないがもらえることもあるので、大学生などには人気があります。
- 一方、デリバリーのデメリットは以下のようなものです。
- 配達量が日によってまちまち(業務委託の場合は給与が不安定)
- 悪天候のときほど、配達が多く、忙しくなる
- わかりづらい場所に届けるときに時間がかかったり、道にまよったりする
- 配達時間が決められており、プレッシャーがかかる
暑い日、寒い日、天候が悪い日にはデリバリーの需要が高まるため、どうしても忙しくなる傾向があります。道も良くない状況でデリバリーをするのはきつい作業です。
また、配達時間に遅れるとお店や本人に苦情がくることもあり、道に迷ったりした場合には精神的にプレッシャーのかかる仕事でもあります。
デリバリー代行サービス会社
デリバリー代行サービス会社は最近の需要に伴って増えてきています。以下のようなデリバリーが人気です。人気のサービスであれば、仕事も多いため、業務委託の場合、給与が高くなるでしょう。
- Uber Eats(都市圏が中心、約150,000店舗)
- 出前館(全国、約120,000店舗)
- menu(メニュー)(33都道府県、約87,000店舗)
- Wolt(全国22都道府県38エリア、約27,000店舗)
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まとめ
デリバリーの求人は年々増えており、時間の自由度が高い上に給与が良いことから働きたい人も多くなっています。しかし、一方で配達時間のプレッシャーから危険な運転をしたり、社員と違って責任感がなく、お客さんとのトラブルが発生したり、という問題も起こっています。
学生にも人気のある仕事(アルバイト)なので、事故やトラブルに注意しながら、自分にあったデリバリー代行業者を探すのが良いでしょう。