初鰹はいつから?初鰹の特徴と戻り鰹との違いを解説
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鰹は栄養豊富で、美味しい赤身の魚として人気です。主に太平洋側を回遊する魚で、旬の時期には各地で水揚げが行われています。
生で食べることもあれば加熱調理して食べる方法もあり、特に「鰹のたたき」は、日本人にとって馴染みがあるでしょう。
この記事では、そんな「鰹」について詳しく解説いたします。記事を通して、鰹の旬の時期や鮮度の高い鰹の選び方、おすすめの食べ方について知ることができます。
初鰹の旬はいつか
「初鰹」と呼ばれる鰹の旬の時期は、3~5月です。
鰹は、水温の高い海域を好むという特徴があり、冬季は暖かいフィリピン沖の海域等に生息する魚です。
そして、寒い時期が終わる頃からは、イワシ等のエサを求めて太平洋側を北上します。
3月頃には九州南部の地域、5月頃には本州の地域を泳ぎ、「初鰹」として水揚げされます。
鰹の旬は年二回ある
実は、鰹の旬の時期は年に二回存在します。一回目は上述したように3~5月で、二回目は8~10月頃です。
8~10月頃に水揚げされる鰹は、「戻り鰹」と呼ばれます。戻り鰹は、初鰹として捕獲されることなく北上を続けた後、北海道の海域でエサを食べ、南に戻る鰹です。鰹は、温かい水域を好む性質から、北海道の海域よりも北方面に向かうことはありません。戻り鰹の水揚げは、主に三陸沖の地域にて、鰹が南下しているときを狙って行われます。
初鰹と戻り鰹の違い (味、栄養の違い)
初鰹は、さっぱりとした味が特徴です。一方、戻り鰹は脂分が多いので、とろけるような甘味のある味で、もっちりとした食感です。身に乗っている脂が多いことから「トロ鰹」と呼ばれることもあります。戻り鰹は北の海域でエサを食べた後の状態なので、初鰹よりも身に脂が多く乗っています。
栄養に関しては、戻り鰹の方が初鰹よりも、グラムあたりのカロリーと脂質が高いことが特徴です。
タンパク質は、初鰹、戻り鰹ともに豊富に含まれています。
かつおを選ぶときのポイント
鰹を選ぶときには、切り身で選ぶ場合と一匹単位で選ぶ場合で、それぞれのポイントがあります。
まず、鮮度の良い切り身の特徴は以下が挙げられます。
血合いが鮮やかな赤色をしている
血合いとは、魚の体の一部で、色の濃い筋肉の部分です。切り身の断面の血合いの部分に着目してみましょう。
切り身の断面が透き通った色をしている
鰹は酸化すると、黒ずんだ色に変色していくので、切り身の断面の色も鮮度を知るのに役立ちます。
ドリップが出ていない
時間が経つにつれて、身の水分である「ドリップ」という液体が出てきます。ドリップは味や栄養の劣化に繋がるので、ドリップがなるべく出ていないものの方が、鮮度を期待できます。
鰹の身は酸化しやすいため、空気に触れる表面積を減らすために、切り身と柵が選べる場合は、柵を選ぶのも一つの選択肢です。
一方、一匹単位で鰹を選ぶ際に役に立つ、鮮度の良い鰹の特徴は以下が挙げられます。
目が澄んでいる
目が白く濁った鰹は鮮度が低下しているので、なるべく目が澄んだ鰹を選ぶのがおすすめです。
身に刻まれた縞模様がはっきり見えている
鰹の身には縞模様がありますが、鮮度が落ちるにつれて縞模様がぼやけていくという特徴があります。
かつおのおすすめの食べ方
初鰹、戻り鰹の食べ方に明確な決まりはありませんが、それぞれの特徴を活かしたおすすめの食べ方を紹介いたします。
初鰹は、たたきとして食べるのがおすすめです。たたきは、中は生の状態で表面を軽く炙った食べ方です。
炙った部分の香ばしい味と香りが、あっさりした魚肉の味を強く引き立てます。
醤油ベースのたれや、ポン酢、塩と一緒に食べることで、より初鰹の美味しさを感じることができます。
さらに、わさびやしょうが、ネギ、オニオンスライス、刻みゆず、大根おろし等の薬味を添えるのも良いでしょう。
また、鰹の身を乾燥させて細かく削った「鰹節」は、初鰹が材料として使われています。
脂分が少ない初鰹は脂の酸化による劣化のリスクもなく、加工がしやすいのです。
鰹節を作る際は、戻り鰹ではなく初鰹が適しています。
戻り鰹については、脂が乗った鰹であることを活かして、「戻り鰹の刺身」として食べるのがおすすめです。
戻り鰹の刺身も、醤油やポン酢等に薬味を添えることで、いっそう鰹の脂のうま味を感じることができます。
他にも、カルパッチョやサラダ、寿司、漬け丼等として食べるのも美味しい食べ方です。
戻り鰹はもとから脂分が多く加熱してもパサつきづらいので、焼き物や揚げ物・煮物として食べるのも、適しています。
焼き物の場合は、塩焼きやバター醤油焼き、ポン酢焼き、味噌焼き、照り焼き、ムニエル等、幅広いアレンジができます。
揚げ物の場合は、竜田揚げ、レアカツ、フライ、天ぷら等も良いでしょう。
煮物にする場合は、鰹の身だけで生姜煮や甘辛煮にしたり、野菜等と合わせて煮る等がおすすめです。
まとめ
鰹には、初鰹と戻り鰹という種類があり、年に二回の旬を楽しむことができます。
鰹は栄養面に優れた美味しい魚であるため、旬の時期は積極的に鰹を使ったメニューを取り入れるのも良いでしょう。
鰹を仕入れる際は、選び方には十分留意して、鮮度の高いものを選ぶのが大切です。
初鰹と戻り鰹は、脂の乗りに差はありますが、どちらにも美味しい食べ方があります。
それぞれの特徴を踏まえて、鰹の美味しさを最大限引き出す食べ方・味付けを試していくことがおすすめです。
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