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ひな祭り何食べる?代表的な行事食の解説

シェアダイン編集部
作成日:2022/07/23
更新日:2022/11/08

目次

ひな祭りは、女の子の健やかな成長を願う行事です。3月3日が近づくと、ひな祭りに食べるものを市場でもよく見かけるようになるでしょう。この記事では、ひな祭りに食べるものとはについて紹介いたします。記事を通して、ひな祭りに食べるものの意味や由来を詳しく知ることができます。

ひな祭りに食べるものとは

ひな祭りに食べるものは、「春を連想させる彩りであること」や「縁起の良さを意味する食材が使われていること」が特徴です。
食事、お菓子、飲み物など多くの種類の食べ物があります。

ひな祭りとは

なぜひな人形を飾るのか

ひな人形は、女の子の健やかで美しい成長を願い、飾られる人形です。
「ひな人形には厄除けの効果があり、人間を災厄や病気などから守ってくれる」と考えられています。
一般的にひな人形は2月の中旬頃から飾り、ひな祭りが終わったらすぐに片付けることになります。
片付けるのが遅くなると、「女の子のお嫁に行く時期が、遅れてしまう」という考えがあります。
女の子が生まれてから初めて迎えるひな祭りは「初節句」と呼ばれ、生まれたばかりの女の子の成長を願い、厄除けを行うための行事です。
初節句以降の毎年のひな祭りも、ひな人形を飾り、引き続き女の子の成長を祈ります。

ひな祭りの代表的な行事食

白酒、甘酒

白酒と甘酒は、ひな祭りの伝統的な飲み物です。白くてとろみがあるのが、特徴として挙げられます。白酒は、蒸した白米と米麹の中に酒を混ぜて作られるお酒です。甘酒は、米麹で作られます。白酒にはアルコールが含まれるため、子どもたちが飲めるようにと作られたのが甘酒です。両者は見た目が似ているので、子どもに飲ませる際は、白酒と甘酒の混同に注意する必要があります。ひな祭りはもともと「邪気を払うための行事」だったと言われています。桃の花が咲く季節の行事のため、桃は、邪気を払い長寿への効果があるとされました。また、桃が百歳を表す「百歳(ももとせ)」に通じることから、桃の花を酒に浸す「桃花酒(とうかしゅ)」という名のお酒が飲まれていました。桃の花の色と白酒の色で紅白となるので縁起が良く、色が白い「白酒」が、ひな祭りのお酒として定着したのです。

ひなあられ

ひなあられの色は、ひし餅と同じ「桃、白、緑」の3色もしくは、「桃、白、緑、黄」の4色です。4色のひなあられは四季を意味しており、「四季を通して健康でありますように」という祈りが込められています。江戸時代には、晴れの日に女の子がひな人形を持って外に出掛け、外の景色を見せてあげる風習がありました。お出掛けの際に食べたお菓子が、ひなあられだったと言われています。
ひなあられを食べるようになった由来には、下記のように諸説あります。

  • 貴族の食べ物であった、ひし餅を細かくして煎ったおかきがひなあられになった
  • お釈迦様の命日のお菓子がひなあられになった

菱餅
菱餅は、桃色、白色、緑色の三色の餅が、重なってできたお菓子です。色の順番にもきちんと意味があります。下から「緑・白・桃」の菱餅は、雪の下に新芽が芽吹き梅の花が咲く情景を表しています。一方、下から「白・緑・桃」の順番のときは、雪の中から新芽が出て桃の花が咲く情景です。
菱餅の色は、桃色はクチナシ、白色はヒシの実、緑色はヨモギによるものです。菱餅が作られた初期の頃は、菱餅の色は白と緑の2色でした。後にクチナシの実を混ぜた桃色の段が加わることにより、3色になったのです。桃色は、「魔除け」を期待して追加されたと考えられています。菱餅に使われている3色には、以下のような効能があるとされています。

  • 桃:魔除け・先祖を尊ぶ
  • 白:子孫繁栄、健康、厄除け
  • 緑:魔除け、健康

ちらし寿司

お米に色とりどりの具材を乗せたちらし寿司は、ひな祭りの食卓を華やかにします。ひな祭り以外でも、お祝い事の際に寿司を食べるのは日本の根強い風習です。ひな祭りのちらし寿司には、以下のような縁起の良い食材を散らす特徴があります。
先の見通しを良くする「れんこん」

  • 腰が曲がるまでの長寿を意味する「海老」
  • 黄身と白身で金銀の財宝を意味する「錦糸卵」
  • マメに働けることを意味する「豆類」

はまぐりのお吸い物

 はまぐりは春に旬を迎える二枚貝です。「同じ個体の殻同士のみが隙間なく重なり合う」という特徴から、仲の良い夫婦の象徴となっています。「女の子が将来良縁に恵まれ、生涯一人の人と添い遂げるように」という願いを込めて、はまぐりをお吸い物に入れます。

関東と関西で違いのあるものも

ひなあられ

 ひなあられは、下記の2種類に大別されます。

  • 関東 ポン菓子を砂糖でコーティングした甘い味付けにしたもの
  • 関西 おかきを塩や醤油でしょっぱい味付けにしたもの

両者は、見た目も味も大きく異なります。関東と関西で違いが生じた理由は、諸説あるものの明確ではありません。

桜餅

桜餅も、下記の2種類に大別され、お寺の名前で区別されます。

  • 関東 小麦粉の生地で餡を包む「長命寺」
  • 関西 道明寺粉の生地で餡を包む「道明寺」

関東で広く知られる「長命寺」は、小麦粉の生地と餡で作られます。小麦粉を水で溶いてクレープ状に薄く焼き、餡を包み、最後に塩漬けした桜の葉で全体を巻いて完成です。「長命寺」は、隅田川のほとりに桜の木が植樹された際、長命寺という寺の門番だった人物(山本新六)が考案したものです。山本新六は、桜の落葉掃除に悩まされた結果、桜の葉を使った桜餅にして門前で売り始めました。たちまち江戸の名物として普及した桜餅は、江戸時代の後期に隅田川名物として広まりました。一方、関西で広く知られる「道明寺」は、道明寺粉で作った皮で餡を包んで作られた饅頭状のお菓子です。お湯を使い水気を含ませた道明寺粉に、餡を包みこんで丸め、最後に桜の葉で包んで完成です。道明寺粉は、もち米を蒸して乾燥させ粗挽きしたもので、大阪の道明寺で保存食として作られました。関西の桜餅が道明寺と呼ばれる由来も、お寺の名称にあるのです。上記のように、ひなあられと桜餅は東西で大きく異なるため、初めて違いを知ったときに驚く人が多いです。

まとめ

ひな祭りに食べるものの深い意味を把握すると、ひな祭りの意義を今まで以上に強く感じられます。ひな人形に加え、「食」を通してひな祭りを感じられる行事食は、今後も代々受け継がれていくでしょう。同じ日本でも関西と関東で違いがある食べ物はたくさんあります。本記事で紹介したひなあられ、桜餅も代表的な例になります。「ひな祭りに食べるもの」を通じ、関東と関西で異なるものについて知る機会にもなるでしょう。

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