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新潟県の郷土料理について解説 特産品や伝統料理のレシピも紹介

シェアダイン編集部
作成日:2022/10/11
更新日:2022/12/20

目次

新潟県は本州の中北部の日本海沿岸に位置する細長い県。海岸線は634kmにおよび、本土の山間部には2000m級の山々がそびえ立ち、信濃川をはじめ幾筋もの河川によって肥沃で広い平野が形成され、人々の暮らしにさまざまな恵みをもたらしています。

この記事では魅力あふれる新潟県の主要な農産物と、人気の郷土料理について解説いたします。

新潟県の生産高が高い農産物の紹介

新潟県の耕地面積は北海道に次ぐ全国第2位の規模を誇り、沿岸部の平野から山間部の高冷地まで変化に富んだ気候風土の恩恵を生かして、さまざまな野菜やフルーツを生産しています。

農産物の生産量ではきのこ類が特に多く、トータルでは全国第2位。品目別では、まいたけ、ひらたけが第1位。えのきたけ、ぶなしめじ、エリンギが第2位となっています。野菜類では枝豆の作付面積が全国第1位。収穫量では第6位を誇ります。

作付面積に比して出荷量が少ないのは農家の自己消費が多いから。品種別では色が薄茶色の「新潟茶豆」や黒豆の「丹波黒枝豆」が人気。時期や品種によってさまざまな味を楽しめるのが特徴です。

新潟県を代表する農産物といえばお米です。収穫量は全国第1位。魚沼コシヒカリなど人気ブランド米の産地として全国にその名をとどろかせています。新潟米の品種ではコシヒカリがトップブランド。適度な粘りと風味の良さで全国に知られています。

コシヒカリに次ぐエース米として人気が高まっているのが、2017年にデビューした「新之助」。弾力的な食感と、冷めてもおいしいのが人気のポイント。早生品種では「こしいぶき」や「葉月みのり」などコシヒカリ以外にも魅力的な品種が豊富です。

そのほかの農産物ではすいかの収穫量が全国第4位。爽やかな甘みとシャリ感が特徴の「新潟すいか」や南魚沼市の「八色(やいろ)スイカ」が人気です。柿や西洋梨などのフルーツも数多く栽培されており、花や球根などの園芸生産でも全国的に有名です。

畜産業も下越地方を中心に県全体で行われています。出荷額は新潟県の農業産出額の約2割。米に次いで高い生産量を誇ります。肉用牛では新潟県産和牛の統一ブランド「にいがた和牛」が代表格。豚肉では「阿賀北ポーク」をはじめ多くの地域銘柄があります。

水産も新潟県の重要な産業のひとつ。600kmを超える長い海岸線を持ち、海域には広い大陸棚があり、多くの魚介類が生息する世界屈指の漁場です。ほかにも信濃川や阿賀野川などの河川や湖などの内水面でも漁業や養殖業が行われています。

海産物ではヤリイカ カレイ、イワシ、スルメイカ、アジ、サバ、サワラ、ブリ、ハタハタ、ズワイガニなど四季を通じて多くの漁獲に恵まれています。河川や湖沼等の内水面ではサケ、サクラマス、アユなどが代表格。養殖では観賞用の錦鯉が有名です。

新潟県の郷土料理

海の幸山の幸に恵まれた新潟県には魅力的な郷土料理がたくさんあります。ここでは食の王国、新潟県に伝わる伝統料理の中から「のっぺ」「笹寿司」「佐渡の煮しめ」の3品を紹介します。

のっぺ

「のっぺ」は新潟県の代表的な家庭料理のひとつ。「のっぺい汁」と呼ばれる郷土料理は日本全国にありますが、新潟の「のっぺ」は名前に「汁」がつかないことからもわかるように「汁」というよりも具だくさんの煮物に近い料理です。

冬の新潟地方は雪が深く外出もままならない土地柄。そこで「のっぺ」を大量に作り、鍋ごと雪に入れて保存する習慣が生まれました。その名残りから今でも「のっぺ」を冷やして食べる地域もあります。

「のっぺ」は正月をはじめ冬の新潟料理の定番でしたが、現在では一年を通して食されています。かつては法事や催事、婚礼などの行事の宴席には必ずといっていいほど「のっぺ」が供されました。

最近では学校給食の献立に取り入れたり、惣菜店や駅弁などでも売られています。

作り方

干したホタテの貝柱と干しシイタケを水で戻します。汁は後で使うので捨てずにとっておきましょう。戻した貝柱を細かくほぐし、干しシイタケは細く切ります。タケノコの水煮とサトイモ、ニンジンを3cmほどの長さで短冊切りにしましょう。

カマボコは1cm程度の厚さで切り、コンニャクを手でちぎって湯通しします。塩サケはひと口大に切って熱湯を注ぎ霜降りしましょう。鍋に水とカマボコ以外の材料を入れ、貝柱と干しシイタケの戻し汁とだし汁を加えて、アクをとりながら煮込みます。

材料が柔らかくなってきたらカマボコやギンナンなどを加えて、醤油、酒、みりん、塩で味を調えてできあがりです。

佐渡の煮しめ

「佐渡の煮しめ」は新潟県の佐渡島で食されている伝統的な家庭料理です。アゴ(トビウオ)やスケトウダラを焼いて出汁をとり、昆布や野菜など四季折々の食材に焼き豆腐を加えて、おでんのようにじっくり煮込んでいただきます。

作り方
焼きアゴ(焼いた)で出汁をとり、鍋にコンニャク、昆布、サトイモ、ダイコン、ニンジン、カマボコ、焼き豆腐、焼きスケトウダラ、アイナメなどを入れ、出汁に砂糖やみりん、醤油、日本酒などを加えてじっくり煮込みます。

笹団子

笹団子はその名の通り笹の葉で包んだ団子のこと。新潟県を代表する伝統的な和菓子で、新潟名物の土産としても人気があります。笹団子の起源は500年以上前に遡り、戦国時代には戦などの携行食としても用いられた、といわれています。

また農家が年貢にならないくず米を食べるために団子を作り、殺菌作用のある笹で包んで保存食にした、という説も。かつては団子にきんぴらなどを入れておかず代わりにしていましたが、最近では団子にあんを入れ和菓子としても食されています。

作り方

だんごの粉によもぎと水を加えてよく練ります。生地ができたら、手に油をつけて生地の中に小豆あんを包み込み、俵型に丸めます。3枚の笹に団子を包み、スゲやイグサで縛って蒸し器で20分ほど蒸しましょう。できあがったら冷ましていただきます。

まとめ

新潟県は変化に富んだ気候風土に恵まれ、耕作地面積は全国第2位。米作りでは全国第1位の収穫量を誇り、水産業でも多くの漁獲に恵まれています。新潟県を代表する郷土料理には「のっぺ」「佐渡の煮しめ」「笹団子」などがあります。

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