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山梨県の郷土料理を紹介 特産品もあわせて解説

シェアダイン編集部
作成日:2022/10/07
更新日:2022/12/20

目次

山梨県の農産物ではぶどうとワインが有名ですが、ほかにも野菜や米、食肉などさまざまな特産品が山梨のブランドとして確立されています。もちろん農産物だけでなく郷土料理も豊富。そこでこの記事では山梨県の農産物と郷土料理をご紹介します。

山梨県の生産高が高い農産物の紹介

山梨県は八ヶ岳や富士山の麓に広がる標高1200m級の高冷地から標高200mの平野部まで高低差が大きく、農業に適した気象条件に恵まれています。甲府盆地などの平野部は日照時間が長く、春先にはハウス栽培のスイートコーンやトマトなどが生産されています。

夏場は冷涼な高原地帯でトマトやキュウリ、キャベツなどが栽培され、平野部では、ナスの栽培が盛んです。ほかにも日本一の生産量を誇るクレソンをはじめとする西洋野菜や、大塚にんじん、「やはたいも」などの伝統野菜や「あけぼの大豆」などが人気です。

「あけぼの大豆」は明治以降に関西から伝わった大豆の品種で、十粒並べると長さが六寸になるほど大粒なことから「十六寸」という別名もあります。山梨県では南部に位置する身延町内で手作業で栽培されている希少価値の高いブランド大豆です。
フルーツでは桃の生産量が日本一。山梨県は文字通りの「桃源郷」といえるでしょう。またブドウとスモモの生産量も全国第1位。桜桃(おうとう=サクランボ)と干し柿は全国第3位の生産量を誇るなど、フルーツ王国としても知られています。
「山梨県なのに梨はなし?」と思われるかもしれません。山梨県における梨の生産量は全国40位前後と少数ですが、中道地区などで「幸水」を中心に栽培されています。
米ではコシヒカリやひとめぼれ、「あさひの夢」などが生産されています。「あさひの夢」は愛知県で開発された品種。中央高地式気候に属する山梨県の気候に適したおいしいお米として近年人気が高まっています。
畜産業では、富士山や八ヶ岳の広大な山麓を利用した草地酪農と、甲府盆地を中心とした水田酪農がメイン。乳製品では北杜市の「清里ミルクプラント」の製品各種、富士河口湖町の高原地帯で生産される「富士ヶ嶺(ふじがね)高原牛乳」が人気です。
肉牛では高品質な黒毛和種の「甲州牛」や、飼料にワイン用ブドウの絞り粕を加えた「甲州ワインビーフ」が生産されています。養豚では、山梨県畜産試験場が開発した品種の「甲州富士桜ポーク」が山梨県独自ブランドとして高い評価を得ています。
水産業ではニジマスなど淡水魚の養殖がメイン。富士山と八ヶ岳の湧き水が豊富な山梨県はミネラルウォーターの出荷量が全国第1位。その豊かな天然水を利用して飼料にぶどうの皮の粉末を加えた「甲斐サーモンレッド(ニジマス)」は鮮やかな赤い身が特徴です。
多摩川の源流部にあたる小菅村では民間で初めてヤマメの人工養殖に成功。清流で養殖するため寄生虫がなく、刺し身でも安心して食べられます。2020年に新型コロナの感染拡大を受けてヤマメを生きたまま通販で発送するサービスを開始して話題となりました。

山梨県の郷土料理

ほうとう

「ほうとう」は山梨県を代表する郷土料理のひとつ。小麦粉を練って平らに切った「ほうとうめん」を野菜やキノコとともに味噌で煮こんだ料理で、山梨地方では中世の後期ごろにはすでに「ほうとう」の起源に近い麺類が食べられていたものと考えられます。
近世に入ると養蚕が盛んになり山間部の水田を桑畑化する一方、裏作で麦を栽培したことから、「ほうとう」や「みみ」など小麦の粉食料理が発達。特に「ほうとう」は野菜の具を加えるために小麦粉の使用量が少なく、おいしいことから主食として広まりました。

作り方
まず煮干しと水を鍋に入れてだし汁を作ります。つぎに小麦粉にぬるま湯か水を少しずつ加えながらよくこねて、もち状に練って30分ほど寝かせてから、打ち粉をまぶししながら薄くのばして1cmほどの幅で切り、ほうとうめんを作ります。
具材はじゃがいやかぼちゃ、ニンジン、大根、白菜、ネギなどの野菜と椎茸、油揚げなど。それらを適当に切って固い物から順にだし汁に入れ、柔らかくなるまで煮込みます。野菜が柔らかくなってきたら油揚げと少量の味噌とほうとうめんを入れて煮こみます。
ほうとうめんの色に透明感が出てきたら味噌を加えて味をととのえましょう。最後にネギを入れて火を止め、2~3分蒸らしてできあがりです。

みみ

「みみ」も「ほうとう」と同じ小麦粉を練って切り分けた素朴な粉食料理のひとつ。ほうとうと違って長く切らず一口大の正方形に切った生地の端を折ってチリトリのような形にしたもの。それを野菜などの具とともに味噌煮込みにした郷土料理です。
「みみ」の語源は諸説ありますが、形が農機具の「箕(み)」というザルに似ていることから「福をすくうザル」の意味で「福箕」と呼ばれ、転じて「みみ」となったといわれています。古くから縁起の良い料理として正月や祝いの席に食されました。

作り方
ボウルに小麦粉を入れ、ぬるま湯を加えてよく練ります。30分ほど寝かせてから板の上で薄く広げて一口大の正方形に切りわけ、「箕(み)」のような形に折り合わせます。次に具材の野菜とみみをだし汁で煮て、最後に味噌を加えて完成です。

あわびの煮貝

「あわびの煮貝」は山梨県の郷土料理として知られています。海がない当地であわびが名物料理となった理由は定かではありません。一説には静岡産のあわびを醤油漬けにして馬で甲州まで運ぶうちに味がしみてうまみが増し、甲州の名物となったといわれています。

作り方
あわびの煮貝は固いので、できるだけ薄くスライスします。肝も小さめに切り、薄切りのキュウリやシソなどを盛り付けていただきましょう。近年ではサラダやカルパッチョなどさまざまなレシピが紹介されています。

まとめ

山梨県の農産物ではぶどうや桃などのフルーツが有名ですが、ほかにもトマトやキュウリ、クレソンなどの野菜や牛肉の「甲州ワインビーフ」など、さまざまな特産品があります。郷土料理では「ほうとう」「みみ」「アワビの煮貝」が有名です。

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