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富山県の郷土料理について解説 特産品や伝統料理のレシピも紹介

シェアダイン編集部
作成日:2022/10/09
更新日:2022/12/20
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目次

富山県は標高3,000m級の北アルプス立山連峰から水深1,000mを超える富山湾まで、陸海の高低差が4,000m以上に及ぶ変化に富んだ地形をしています。自然が豊かで気候もよく富山県ならではの海の幸、山の幸に恵まれているのが特徴です。

この記事では、富山県の実り豊かな農産物と、おいしい郷土料理について解説しています。

富山県の生産高が高い農産物の紹介

富山県は面積が全国第33位のコンパクトな県です。耕地面積が少なく農産物の生産高も多くありません。野菜生産量の都道府県ランキングでは第6位のエシャレットが最上位。以下、みょうが12位。タマネギ13位。うど14位などとなっています。

米の生産量は全国第12位。第1位は隣の新潟県ですが、農業就業人口100人あたりの生産量では、富山県が全国第1位。品種はコシヒカリが約7割を占め、ほかには富山県独自ブランドの「富富富(ふふふ)」や「てんたかく」などが栽培されています。

花卉球根ではチューリップの球根出荷量が日本一となっています。富山でチューリップ栽培が始まったのは大正時代のこと。冬は積雪が多い寒冷地帯で二毛作が難しく、冬場の田畑を有効利用できる作物として導入されました。

畜産では乳用牛、肉用牛、豚、採卵鶏とも生産規模が少なく、知名度も高いとはいえませんが、近年では高品質化とブランド化を推進。肉用牛の「とやま牛」や「とやま和牛」、豚肉の「とやまポーク」などの魅力的な食肉を生産しています。

漁業ではブリやホタルイカなどの定置網漁が富山県の漁獲量の8割以上を占めています。そのほか小型の底びき網によるシロエビやアカエビ漁、刺網のヒラメ漁なども盛んです。沖合ではベニズワイガニのかご網漁や、マグロやカツオの一本釣りなどが行われます。

富山県の海面漁業漁獲量は39都道府県中の第20位と決して高くはありませんが、立山連峰を源流とする栄養豊かな河川水と、最深部が1000mを超える富山湾の複雑な海底谷によって形成される日本屈指の豊かな漁場が、富山県の高品質な漁業を支えています。

内水面漁業ではアユとサケが主要な漁獲品種。養殖ではコイやイワナなどが生産されています。

富山県の郷土料理

ぶり大根

ぶり大根は寒ブリの旬の冬場に家庭や飲食店で食される富山の名物料理。全国に広く認知されているご当地グルメの代表格です。ブリは成長に従って呼び名が変わる出世魚。縁起がよい魚として正月やお祝いの席でも供されます。

富山沖で獲れるブリは春から夏にかけて産卵場の東シナ海から北海道沖に北上し、秋になると再び東シナ海へ南下。11月から1月にかけての冬場に獲れるブリは「寒ブリ」と呼ばれ、身が締まって脂がのり、味が良いことで知られています。

作り方

ぶりの身とアラを水洗いして熱湯にさっとくぐらせ、血とヌメりを取って水気を取ります。次に大根を厚めに輪切りして、少し柔らかくなるまで下ゆでしましょう。鍋にぶりと大根、日本酒を入れて、アクを取りながら煮立てます。

大根に箸が通るほど柔らかくなってきたら、醤油や砂糖などを加えて味がしみるまで煮込みます。できたてもおいしくいただけますが、一晩置くとさらに味がしみて、こってりとしたおいしさに。お好みで味噌を加えて味付けするのもおすすめです。

いとこ煮

いとこ煮は浄土真宗の門徒に伝わる精進料理のひとつ。富山県は浄土真宗の信仰文化が深く根づいた土地柄で「真宗王国」とも呼ばれます。いとこ煮は浄土真宗の開祖とされる親鸞聖人の祥月命日の前後に行う「報恩講」という法要の際に作られる料理です。

「いとこ煮」という名前の由来については、いとこのように近い品種の根菜を使うから、とする説や、親鸞聖人の遺徳(いとく)を忍ぶためにいただく「いとく煮」が訛った、とする説などがあります。

いとこ煮は地域によって具材や味付けが微妙に変わりますが、どの地域でも小豆は必ず入ります。県東部の黒部市周辺では「にざい」とも呼ばれ、栄養豊富で体が温まるため冬場の寒い季節にぴったりの煮物料理として今も昔も人気のメニューです。

作り方

小豆を多めの水で5分ほど中火で煮てから水を換えて固めに茹でましょう。コンニャクは手でちぎって湯通します。大根やニンジン、ゴボウ、里芋などは皮をむいて輪切りや角切りに。里芋は下ゆでしましょう。鍋に大根とゴボウを入れて煮込みましょう。

根菜が柔らかくなったらニンジン、里芋、小豆、コンニャクを加えて味噌と醤油で味つけします。煮すぎると小豆が割れるので気をつけましょう。最後に厚揚げと焼き豆腐を加えて3分ほど煮ながら味を調えて火を止めます。

昆布〆(こぶじめ)

「昆布〆(昆布締め)」は新鮮な刺身を昆布ではさんで熟成させる伝統的な調理方法。江戸時代に北前船が北海道から運んできた昆布と、富山湾で獲れる新鮮な魚を組み合わせた富山県ならではの料理です。

生魚の切り身を昆布で包むことで余分な水分が吸収されて日持ちが良くなる効果があります。冷蔵庫がなかった時代は生魚の保存に用いましたが、昆布のうまみが魚にしみ込み、熟成によって味と食感が良くなることから現代まで受け継がれています。

作り方

真昆布の片面に酢を塗って、魚の刺身を敷き詰めましょう。そのうえにショウガをきざんで乗せます。さらに、下に敷いた昆布と同サイズの昆布を上にかけて魚を昆布でサンドイッチ状にしてラップで包み、上に重しを置いて一晩寝かせましょう。

まとめ

豊かな自然と変化に富んだ気候風土を持つ富山県は海の幸と山の幸に恵まれています。生産高こそ多くありませんが、野菜ではエシャレットやタマネギなど。米では地元ブランドの「富富富」や「てんたかく」が人気です。

畜産では「とやま牛」や「とやま和牛」、豚肉の「とやまポーク」など高水準の食材を生産しています。

水産物ではブリとホタルイカが高い人気を誇っています。郷土料理もぶり大根やいとこ煮、昆布〆など海の幸と山の幸を味わえる素朴料理が豊富です。

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