ぬか漬けの効果とぬか床の作り方を解説
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食事は毎日生きていく上で無くてはならない習慣です。現在は食の欧米化が進み、和食離れが進んできています。ですが和食にもたくさんの魅力があり、好む人も多いのではないでしょうか。そんな和食の食事の中に欠かせないものがあります。それは漬物です。私たちが普段外食するときの定食にも漬物が付いてたり、日本料理にも必ずと言って良い程、提供されます。そんなぬか漬けが健康に良い食品として注目されています。この記事ではそんなぬか漬けについて解説いたします。
ぬか漬けとは
昔、野菜は高価なものとして認識され、貴族しか食べることができませんでした。段々と外国との交流が増え、流通する調味料や食材が増えてきました。漬物の本格化は江戸時代からです。精米技術が発展し、玄米から米ぬかを分けることができるようになったからとされているのです。その余った米ぬかを活用して漬けてみたのがきっかけとされ、今では日本の伝統的な食文化として大切な存在となっているでしょう。
ぬか漬けの効果とは
ぬか漬けには乳酸菌が含まれています。乳酸菌は食材を発酵させたり、体調を整えたりと様々な働きをする菌ですが、ぬか漬けに含まれているのは植物性の乳酸菌。野菜とぬか両方に含まれる植物性乳酸菌は、胃酸の影響を受けにくいです。そのため、分解されることなく生きたまま腸に届いて作用し、腸内環境を整えてくれる効果が大いに期待できます。また、漬物の野菜には食物繊維も含まれており、一石二鳥とも言える食べ物です。腸内環境が良くなると、アレルギー予防や整腸作用にも繋がります。
腸の調子が良くなれば、免疫の細胞が活発に働き、免疫機能が上がることから風邪にかかりにくくなる、ウイルス性の腸炎にかかりにくくなるといった効果もあります。
さらにぬか漬けには、たんぱく質や脂質などの三大栄養素をはじめ、ビタミンもミネラルも非常に豊富に含まれています。江戸時代に精米技術が発展したことにより、玄米から白米文化が根付きましたが、それとほぼ同時期に脚気という病気が流行しました。脚気はビタミンB1が不足すると心不全や末梢神経障害の症状が出る病気です。江戸時代は一汁一菜が主流でしたので、野菜などからビタミン類を得ることができていませんでした。しかし、ぬか漬けを食べるようになり、症状が治まったとされているのです。ビタミンB1は糖質を分解する酵素を助ける役割を持ち、エネルギーに変化させます。
また、病気を予防するだけではなく、肌の再生力が上がり、傷が治りやすくなるなど壊れた肌の生成を促すビタミンAやB類、コラーゲンが生成され、肌にハリが出るビタミンC、肌質の改善が期待できる成分が多く含まれています。
野菜によっては調理法によって栄養素が壊れたり、抜けてしまうことがありますが、ぬか漬けは加熱などを行わないため、野菜の栄養素が壊れたり抜けることもありません。ぬか漬けには、生野菜単体で食するよりもビタミンなどの微量栄養素がアップしているのも特徴として挙げられます。
ぬか漬けが身体に良い理由
発酵食品であるぬか漬けには、一般的にぬか漬けには数十種類の善玉菌が含まれていると言われ、腸内環境を整えるには最適な食べ物です。ぬか漬けに含まれる乳酸菌は「植物性乳酸菌」と言われ、ヨーグルトやチーズに含まれる「動物性乳酸菌」とは違い、ぬか床のような塩分の多い環境でも生存可能であるため、人間の体内でも高い生存力を維持します。そのため、動物性乳酸菌は胃酸ですぐに死滅してしまいますが、植物性乳酸菌は生きたまま腸に届き、腸内で悪玉菌の繁殖を抑えてくれ、腸の働きを活発にしてくれます。腸内環境が整うことで、便秘の解消が期待できるだけでなく、免疫力アップやがんの予防、肌質の改善、中性脂肪・血中コレステロール値の低下にも役立ちます。
さらには、ビタミンB1やカリウムなどの栄養価がアップします。ぬかにはビタミンB1やカリウムなどの栄養素が豊富に含まれていて、そこに野菜を漬け込むと栄養価が上がります。きゅうりの例を挙げて比較するとカリウムは約3倍、ビタミンB1は約8.7倍の量とぬか漬けにすると栄養素の量が増えていることがわかります。
ぬか漬けの漬け方
【材料】
・米ぬか ・塩 ・水 ・昆布 ・唐辛子 ・野菜くず(キャベツなどの外の葉や大根や人参のヘタなど)
【ぬか床の作り方】
- 米ぬかと塩を容器に入れ、水を少しずつ加えながら混ぜていく。
- ぬか床が塊の状態になったら水を加えるのをやめる。そこへ昆布と唐辛子を加える。
- ぬか床に野菜くずを漬け、翌日漬けた野菜くずを捨ててぬか床をかき混ぜ、新しい野菜くずを漬ける。
- ぬか床を毎日かき混ぜる。発酵が進み、ぬか漬け特有の匂い感じられるようになったらぬか床の完成。目安は1週間。
【ぬか漬けの作り方】
- 洗った野菜をぬか床に沈める。
- 上からぬかをかぶせて隙間を無くすように少し押す。
- 夏なら6時間、春や秋は12時間、冬は1日で完成。食べるときは、表面についたぬかをさっと水で流してからいただく。
まとめ
ぬか漬けには、三大栄養素をはじめ、ビタミンもミネラルが非常に多く含まれています。便秘の解消が期待できるだけでなく、免疫力アップやがんの予防、肌質の改善、中性脂肪・血中コレステロール値の低下など良い面が多いです。しかし、漬物といえば塩分に気を付けなければなりません。ぬか漬けには塩分を排出する役目のあるカリウムが多く含まれてはいますが、食べすぎには注意が必要です。適量を食べる分には健康的に過ごすことができ、何も問題はありません。美味しさだけではなく、健康や美容への効果が期待されるぬか漬け。自分で漬けることができ、自分らしい漬物にできるのも魅力の一つです。日本の伝統的な食事の一つであり、これからもそれを受け継いでいけたら良いと思います。
引用:
こんなにあった!ぬか漬けの効果とは? | 通信教育講座・資格の諒設計アーキテクトラーニング (designlearn.co.jp)
ぬか床とぬか漬けの作り方|ぬか床の手入れ方法や野菜の漬け方もご紹介 -Food for Well-being -かわしま屋のWebメディア- (kawashima-ya.jp)
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