糠漬けの効果の解説 栄養素や食べる際の注意点も合わせて紹介
目次
糠漬けは、漬物の一種で、「糠(ぬか)」に野菜を漬け込んで作られます。
栄養価が高く、身体に与える良い効果を多数持つ食品です。
この記事では、糠漬けの作り方、栄養、身体に与える効果などについて解説いたします。
本記事を通して、糠や糠漬けのことを詳しく知ることができます。
糠漬けが身体に与える効果とは?
糠漬けは栄養価が高く、健康や美容にも良い食品です。
もとから野菜には、食物繊維やビタミン類などの身体に良い成分が含まれていますが、糠漬けにすることで、さらに身体に良い成分の量を増やすことができます。
そもそも糠漬けとは?
糠とは、白米を製造する過程で稲から取り除いた、外皮や粉の部分をさします。「米糠」と呼ばれることもあります。
糠漬けは、古くから保存食として重宝されていました。
昔から、野菜を長期保存するのに「漬物」を作ることは、理にかなっていました。
穀物や大豆などをすりつぶしたものに野菜を漬けていたものが、糠漬けの原型だと考えられています。
後に、精米の技術が上がるにつれて糠と白米を分けやすくなったので、糠を活用して糠漬けを作る文化が浸透していきました。
糠漬けは現在も、日本人の食文化に欠かせないものです。
糠漬けが完成するまでには、時間がかかります。
まずはじめに、野菜を漬けるのに必要な「ぬか床」が必要です。
糠に塩とミネラルウォーターを混ぜ、干し椎茸や山椒、昆布、唐辛子なども加えて風味を出します。
次の段階では、ぬか床の中で植物性乳酸菌による発酵を進めることが必要になります。
しかし、そのままのぬか床の状態では、植物性乳酸菌自体が少なく、発酵が進みません。
そこで、ぬか床が完成した後は、「捨て漬け野菜」と呼ばれる野菜のヘタや切れ端などを漬け込みます。捨て漬け野菜を入れることで、植物性乳酸菌の餌となり、発酵が進むのです。捨て漬け野菜は、取り出した後、食べずに捨てるのが一般的です。
捨て漬けの期間は、捨て漬け野菜を入れ替えながら、安定したぬか床を作っていきます。
捨て漬けには、2週間~1カ月程の期間を要します。ぬか床が安定したら、糠漬けを作ることが可能です。
糠漬けにする野菜としてよく使われるのは、人参・大根・ナス・かぶ・キャベツ・きゅうりなどです。
漬ける時間は野菜の種類や、食べる人の好みによっても変わります。
3時間程度だけ漬ける場合もあれば、1~2日くらい漬ける場合もあります。
水分の多い野菜や粘り気のある野菜(トマト、山芋など)は、ぬか床を傷めてしまう可能性があるので糠漬けにするのは向いてません。
糠漬けは手順を覚えれば気軽に作ることができるので、家庭でも身近な食品となっています。
糠漬けに含まれる豊富な栄養素について解説
糠漬けにすることで、野菜がぬか床の栄養を吸収する分、摂取可能な栄養の量が増えます。
糠漬けに含まれる栄養は、以下のような種類です。
・ビタミンB1
糖質からエネルギーの産生を助けるビタミンで、疲労回復にも効果があります。
・ビタミンB2
特に脂質の分解を助けるビタミンで、発育や細胞の再生に欠かせません。
・ビタミンE
強い抗酸化作用を持つビタミンです。
抗酸化作用とは、細胞を破壊し老化の原因となる「活性酸素」の働きを抑制します。
・カリウム
余分なナトリウムを排泄して、細胞の浸透圧を一定に保つ役割をもっています。
糠漬けは塩分が高いですが、塩分調節をする「カリウム」も同時に摂取することができるのです。
・フェルラ酸
植物に含まれる成分で、抗酸化作用や紫外線吸収作用があります。
・イノシトール
血管や肝臓にコレステロールや脂肪が蓄積しないように流れを良くして、動脈硬化を防ぐ効果があります。
・植物性乳酸菌
腸内環境を整える菌です。
上記の栄養素の中でも、糠漬けにすることでビタミンB1の量は8から10倍程にもなり、カリウムの量は3倍程になります。
糠漬けの効果をご紹介
健康面の効果としては、免疫力の向上、がん予防、便秘の解消、ストレス緩和があげられます。
美容面の効果としては、アンチエイジング、美肌効果、ダイエット効果、老廃物を排出するデトックス効果があります。
糠漬けは、健康面・美容面ともに、幅広い恩恵をもたらす食品です。
糠漬けを食べるときのポイントをご紹介
身体に良い糠漬けですが、注意点もあります。
ぬか床を作る際に加えた塩により、糠漬けは塩分が高い食品となっています。
多量を食べると、一日の目安である塩分摂取量をすぐに超えてしまいます。
糠漬けを食べる際は、塩分が高いことを念頭に置き、同時に塩分の高い食品を食べないことが大切です。
糠漬けの中には塩分調節の働きを持つ「カリウム」も含まれていますが、カリウムの効果を過信するのは良くありません。
塩分の過剰摂取は、高血圧や腎臓疾患の原因にもなり得るので、十分注意が必要です。
糠漬けの塩分をできるだけ減らして食べる方法として、以下があげられます。
- ぬか床に野菜を漬けておく時間を短めにした「浅漬け」にする
- 食べる前に糠が残らないように、よく落とす
- 冷蔵庫の低温環境で糠漬けを作り、植物性乳酸菌の活動を抑制して塩分を抑える
栄養価が高いというメリットはありますが、塩分の面を考慮することも、健康を維持する上では非常に大切です。
まとめ
糠漬けは、手軽に美味しく野菜を摂ることができる一品として、とても重宝されています。
野菜をぬか床に漬けておくことで、生野菜で食べるよりも何倍もの栄養素を含む食材になることに驚かれる方は少なくないでしょう。
塩分量が多い点には注意が必要ですが、過剰摂取せずに適度に食べることで、健康面・美容面ともに大きな効果を得ることができます。
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