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飲食店における喫煙可の条件とは 喫煙室の種類も合わせて解説

シェアダイン編集部
作成日:2022/08/05
更新日:2022/11/29
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目次

最近、喫煙できる場所がどんどん減ってきていると感じている喫煙者の方は多いのではないでしょうか。そもそも喫煙者の人数は年々減少していますが、2020年4月の健康増進法の改正に加えて、新型コロナウイルスの感染防止対策として、感染の場になりうる喫煙所の閉鎖も相次いでいます。路上喫煙も基本的に禁止されていますので、たばこを吸いたい場合は喫煙所を探さなければいけません。この記事では、喫煙が可能となる施設の条件や喫煙室の種類について解説します。
参考:国立がんセンター:喫煙率

喫煙可能な喫茶店とは

2020年4月1日の健康増進法の改正によって、様々な施設の屋内での喫煙が原則禁止となりました。改正前は屋内の禁煙・分煙は努力義務でしたが、改正により義務化され、違反すると罰則も課されます。しかし例外もあり、一定の条件を満たせば屋内でも喫煙可能です。
喫茶店では以前まではたばこが吸えて当然でしたが、今は全面禁煙で店舗の入り口に灰皿が設置されているだけという店舗や、店内の分煙化も進んでいます。
「喫煙可能」という言葉だけだと、どこでも吸って良いという認識になってしまいます。しかし屋内なのか、屋外なのかでそれぞれ基準がありますので、屋内の基準については後述しますが、ここでは屋外の基準について解説していきます。
まず、屋外の喫煙場所は設置されているのが第1種施設か第2種施設なのかで基準が異なります。第1種施設は、学校や病院、行政機関などで、第2種施設は飲食店やオフィスビルなどです。
第2種施設の場合は、屋内の喫煙場所には様々な基準がありますが、屋外の喫煙場所については特に基準がありません。灰皿を置いておくだけなど、特に受動喫煙の対策をしなくても問題ないということになります。
しかし第1種施設の場合は、以下の3つの条件が定められており、全てを満たさなければいけません。

(1)喫煙をすることができる場所が区画されていること。
(2)喫煙をすることができる場所である旨を記載した標識を掲示すること。
(3)第1種施設を利用する者が通常立ち入らない場所に設置すること。

引用:厚生労働省:健康増進法における技術的基準等の概要
第2種施設と比べると、かなり厳しい条件です。「通常立ち入らない場所」に設置するという点は、公共性の高い施設ということで、屋外とは言っても受動喫煙への対策をしっかりとらなければならないでしょう。

屋内喫煙可能な喫茶店とは

健康増進法の改正では、2020年の4月1日以前に開業していて、資本金が5000万円以下で、客席の面積が約30坪以下の店舗であるという条件を満たし、なおかつ「全面喫煙可」と「20歳未満立入禁止」という文言を明記した標識などを掲示しておくことで、屋内での喫煙が可能になります。
古くから経営している喫茶店で屋内喫煙可の店舗が多いのは、この条件を満たせる店舗が多いからということになります。
また、このような条件があることから、2020年4月1日以降に開業する飲食店は、自動的に禁煙・分煙の義務が発生しますが、こちらも一定の条件を満たすことで屋内喫煙が可能です。

喫煙室とは

喫煙室を設置する事業者や、たばこの喫煙の方法で、4つの種類に分けられます。前提として、すべての種類の喫煙室は、従業員であっても20歳未満の人は立ち入り禁止です。
そもそも喫煙可能場所の制限が厳しくなったのは、健康増進法の改正によって、国民の健康の向上を目的として、たくさんの人が利用する施設などで受動喫煙を防止するための対策をとる必要があったからです。喫煙者が吐いた煙によって、非喫煙者が受動喫煙しないように、排気されるよう基準を満たさなければなりません。
すべての喫煙室で、設置には以下の基準があります。

(1) 出入口において、室外から室内に流入する空気の気流が、0.2メートル毎秒以上であること。
(2) たばこの煙が室内から室外に流出しないよう、壁、天井等によって区画されていること。
(3) たばこの煙が屋外又は外部の場所に排気されていること。

以上の3点に加えて、20歳未満の立ち入り禁止などを明記した標識の掲示が必要になります。
引用:厚生労働省:職場における受動喫煙防止のためのガイドライン
なお、健康増進法は違反した場合の罰則規定があります。違反した事業者には過料が科されることがありますが、違反が発覚したからといって唐突に過料が科されることはほぼありません。最初に指導、義務違反の程度に応じて勧告や命令などが行われ、そうしても改善されないという場合には過料が課されることになります。

喫煙室の種類

喫煙専用室

喫煙専用室は、事務所や工場、ホテル、飲食店、オフィスなどに設置が可能です。たばこを吸う為だけの専用の場所となっていますので、飲食などのサービス提供を行うことはできません。

喫煙目的室

喫煙目的室は、公衆喫煙所やたばこの販売店、シガーバー、スナック、バーなどの、喫煙をすることを主な目的としている店舗や施設に設置することができます。喫煙目的室では、喫煙に加えて飲食することも可能です。
ただし、飲食可能とはいっても米やパン、麺などの主食の提供はできません。これは、あくまでも喫煙目的室は喫煙が目的の施設なので、主食を提供してしまうと、飲食をすることが目的になるとみなされてしまうためです。しかし、ご飯やパスタを電子レンジで温めたものを提供するなら問題なし、というように基準があいまいになっている部分もあります。

喫煙可能室

喫煙可能室は、2020年の4月1日以前に開業している小規模飲食店にのみ設置ができる喫煙室です。先述した「2020年の4月1日以前に開業していて、資本金が5000万円以下で、客席の面積が約30坪以下の店舗である」という条件を満たしている場合に設置可能となります。
他の喫煙室とは異なり、喫煙可能室は、たばこの喫煙と飲食が認められる上、店内のすべてを喫煙可能室とすることや店内の一部を喫煙可能室とすることが可能です。ただし、店舗の全体を喫煙可能室とする場合は、店舗自体を20歳未満入店禁止にしなければなりません。
また、期間は定められていませんが、喫煙可能室は法改正の経過措置として設置が可能となっています。設置する場合は、施設の名称や住所などを、管轄の県や市に届け出をする必要があります。

指定たばこ専用喫煙室

加熱式たばこのみを喫煙できる喫煙室です。紙巻きたばこなどは喫煙することができません。飲食店やオフィスなどに設置でき、飲食も可能です。屋内施設の一部に設置できますが、喫煙可能室のように、その施設の全てを指定たばこ専用喫煙室にするということはできません。

まとめ

喫煙可能な喫茶店や、喫煙室について解説してきました。飲食店や施設などで、2020年4月の健康増進法の改正によって受動喫煙を防止する対策をとることが必須となりましたが、どのような喫煙室を設置できるかは施設の条件によって異なります。
これから新規開業する方は、あらかじめ全面禁煙にするのか、分煙にするのかを考えた上で屋外の喫煙所や喫煙室の設置をしなければいけません。自治体によって、受動喫煙防止対策に必要となる経費の一部を助成してくれる制度などもありますので、検討する場合は詳しく調べてみると良さそうです。

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