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寿司職人の仕事内容となるためのプロセスの解説

シェアダイン編集部
作成日:2022/07/01
更新日:2022/11/10
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目次

お寿司屋さんのカウンターでお寿司を握ってくれるのを見て、寿司職人に憧れる人もいるでしょう。寿司職人として一人前になるには、手際の良さと握る熟練の技術が必要です。この記事では、寿司職人になりたい人がどのように目指せば良いか、就職先にはどんなところがあるか、などを解説いたします。

寿司職人とは

日本食の代表である「お寿司」を作るのが仕事です。特に、ご飯(お米)と魚介類を一緒に調理する人が寿司職人です。
もちろん、お寿司を作るだけが仕事ではありません。以下のような仕事があります。

  1. お寿司のネタとなる魚介類を魚市場で仕入れる。
  2. 仕入れた魚介類をお寿司用に捌き、ネタにする。
  3. ご飯を炊き、酢などで味をつけ、シャリ(酢飯)を作る。
  4. カウンターで接客をしながら、握り寿司をつくる。

 また、巻き寿司、ちらし寿司などあらゆるお寿司を注文に応じて作る。
①の魚介類の仕入れはお寿司の味を決めるポイントの一つになるので、慎重にかつ新鮮なものを仕入れることが大切です。
②の魚の捌き方によっても、魚の旨みが変わってくるので、筋などを丁寧に取り除き、食べやすく、旨みを逃さない切り方をしなければなりません。
③の酢飯づくりは一見、難しくないように思われますが、実はご飯の味付けの重要ポイントです。酢が効いていないと味が締まらないし、酢が効きすぎていると魚の旨みが消えてしまうので、絶妙な分量で味付けをしています。
④の寿司作りは技術が必要なのは言うまでもありませんが、それ以外にお客さんの注文をカウンターで受けて、素早く握らなければクレームにつながります。また、お客さんからの質問にも答える、といった職人技以外のスキルも必要なので、寿司職人を目指す人はこの点も覚えておく必要があるでしょう。

寿司職人になるには

寿司職人になるには、技術を身につけることが最も重要です。
技術を取得するには以下のような方法があります。

  • 寿司店の寿司職人に弟子入りする
  • 専門学校に行く

どちらかというと、寿司店で寿司職人に弟子入りする人が圧倒的に多いです。職人見習いとして、寿司店で働かせてもらい、技術を習い、練習して、慣れる訓練をします。
けており、接客がうまい傾向があるため、女性の寿司職人の多いお寿司屋さんもあります。寿司職人を養成する専門学校ができたことが、女性の寿司職人の活躍に一役買っていると言えるでしょう。

寿司職人資格が必要?

寿司職人になるために資格は必要ありません。また、学歴も不問です。しかしながら、学歴や資格以上に技術が必要で、職人技を身につけるには時間がかかります。
寿司店を自分で開店するには、食品衛生管理者の資格などはあった方がいいでしょう。しかし、寿司店で寿司職人として働くには、特に資格は必要ありません。
寿司職人として長く活躍するための秘訣は大きく2つ。1つ目は健康であることです。長時間労働にも耐えられるよう日頃から心身の健康に気をつかい、体力をつけておくことが大切です。基本的に立ち仕事で、早朝から市場に出かけたり、閉店後に片付けたりと動き回ることが多いため、体調管理は仕事に大きく影響します。
2つ目は、食で人をおもてなししたいという気持ちが強いことです。長年修業をし、一人前になってからは、毎日お寿司を握り、ハードな立ち仕事にも耐えなければなりません。食を通して、人を笑顔にしたい、喜ばせたい、という想いがないと、続けていくのは厳しい仕事かもしれません。自分自身も食(特に魚)に関して興味があり、いつまでも美味しさを追求し続けられる熱意がないと技術も向上しませんし、仕事を続けていくのが辛くなってしまうでしょう。

寿司職人の就業先・勤務先

寿司職人として働く場所は大きく分けて2つ、「一般・高級寿司店」と「回転寿司」です。
一般・高級寿司店で働く場合には、見習いの修業と同じく、魚の仕入れから仕込み、握りや接客まで一連の流れを担当します。従業員が多い店舗では、朝の早い魚の仕入れや仕込みは当番制で行うこともあります。あるいは、魚の目利きが優れている職人がいる場合は、その職人が専属で魚の仕入れを行うこともあります。魚の仕入れは重要な役割です。
魚の仕入れは魚市場で競りが行われる朝4時頃から始まります。魚を仕入れたら、朝は魚の下ごしらえや卵焼きづくりなどを分担して行い、非常に忙しい時間です。準備が整った11時頃からランチの時間となり、午後3時頃になってようやく休憩がとれます。そして、午後5時頃は夜の開店時間です。夜はお酒も進み、お客さんとの会話も多い時間なので、接客と寿司作りで忙しくなります。閉店したら、お店の清掃や片付けを行い、一日の業務が終了です。
回転寿司に就職した場合は、一般の寿司店とは少し異なります。魚を仕入れるところは省かれる場合が多く、魚は本部が一括で仕入れ、チェーンの回転寿司店の場合は、どの店舗でもほぼ同じメニューが並びます。一般・高級寿司店は夜の時間帯が圧倒的に忙しくなりますが、回転寿司の場合、ランチの時間もお客さんが並んでいるところが多く、ランチタイムから忙しいことが多いでしょう。スピードが求められるので、回転寿司の寿司職人は一般・高級寿司店の職人よりも握るのが速くなる傾向があります。
注文を受けて握るお寿司とレーンに流すお寿司の両方を同時進行で行うのも、通常のお寿司屋さんとは異なる点です。レーン上でどのネタが少なくなっているかを判断し、握っていくというのも回転寿司ならではの重要な仕事です。修業期間はおよそ10年とも言われています。「シャリ炊き3年、合わせ5年、握り一生」と言われるほど、握りは生涯を通じてスキルアップしていく必要があります。
そして、修業をしたいと寿司店で働けても、最初から握りの練習をさせてもらえるわけではないのです。まずは皿洗いや出前など職人技とはかけ離れた仕事から始まります。先輩の仕事や手さばきを間近で見て学ぶところから始め、3年くらい経つとようやく魚に触れるようになります。シャリ炊きや握りの技術を併せて学び、修業から5年以上経って、初めてお客さんの前に立てると言われており、修業には時間がかかります。
寿司店で修業する以外には専門学校に行く、という手段があります。受講費は1〜3ヶ月コースで30〜70万円程度です。例えば、「東京すしアカデミー」は寿司職人育成のための学校です。学術と技術の両面からお寿司について学べます。「東京すしアカデミー」では、未経験から始めて、最短2ヶ月で寿司職人に必要な技術が学べます。寿司店での皿洗いや出前といった見習い時期に行う過程が専門学校にはないため、すぐに魚を捌き、シャリを作るような実践を行えます。修業に比べて圧倒的に短期間で基礎を学べるのが専門学校です。
また、働きながら通える、ライフスタイルに合わせて習得期間が選べるといったことも専門学校を選ぶメリットです。他の仕事を続けながら、先に寿司職人としての技術を身につけられる、週末だけ通って、6ヶ月〜1年かけて技術を習得するなど、自分の仕事プランや将来に合わせ、無理なく続けられます。寿司店に見習いとして入った場合は、先輩たち同様、勤務時間や休みが決まっており、他の仕事を掛け持ちするのは厳しいです。
寿司職人というと、男の世界のイメージがありますが、最近では女性の寿司職人も少しずつ増えてきました。家業がお寿司屋さんでも昔は男性が職人を継ぐことが多かったのですが、今の時代、男女関係なく、女性でも職人として家業を継いでいます。また、女性の方がコミュニケーションに長
就職先によって、必要なスキルが少し異なるので、どの就職先が自分のスキルにあっているか、どの就職先なら自分の持ち味を出せるかを考えて、就職先を探すのが良いでしょう。

まとめ

寿司職人は伝統的な日本の食文化を伝える役割を持っています。だからこそ伝統的な修業で身につけなければならないという縛りが強く、男性社会でした。しかし、会社員からでも職人を目指せる養成学校ができたことにより、社会人や女性にも門戸が開かれ、様々な形態のお寿司屋さんができてきています。
お寿司文化は今や世界中に広まっているので、職人不足解消のためにも、多くの人が挑戦できる環境があるのは嬉しいことです。

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