ソムリエールとはどんな仕事?ソムリエの資格取得の方法とは
目次
「ソムリエ」とはワインを中心とした飲食等の専門知識を持ったスペシャリストです。「ソムリエ」と「ソムリエール」の違い、そしてどのような人のどのような資格なのかご紹介します。
ソムリエールとは?
ソムリエールは一言でいうとソムリエと同じでワインの専門家のことを指します。ヨーロッパの言語圏には男性名詞と女性名詞があることが多いです。「ソムリエ」が男性名詞で「ソムリエール」が女性名詞です。つまり男性の資格を持ったワインの専門家は「ソムリエ」で、女性が「ソムリエール」と呼びます。ちなみに、パティシエにも女性名詞があり女性のパティシエは「パティシエール」となります。
実際、現在フランスでも日本でも「ソムリエール」という名称は使われておりません。男性も女性もワインの専門知識を持って資格を有している人は皆「ソムリエ」と呼ばれます。彼らはお客様に食事を楽しんでもらうために、料理に合ったワインやお客様の要望に合ったワインを中心とする飲み物を提供し、サーブ(Serve=給仕する)職種です。それにかかる仕入れ、管理、清潔で衛生的な食事環境の維持もソムリエの役割の一つです。
元々フランス国王の旅行の際の飲み物の荷物のことを「ソミエル」といい、その後それらの飲み物の管理をし、毒味役をする役職の名前が「ソムリエ」になったといわれています。
現代のような形になったのは、フランス革命後に貴族専属の料理人が街中にレストランをオープンした際にワインの専門知識持った毒味役の「ソムリエ」がお客様に給仕してお店を助けたのが始まりとされています。
ソムリエール(ソムリエ)になるには
先にもお話ししたように、ソムリエールになるにはソムリエの資格を取得しなければなりません。「ソムリエ」の資格には、1次試験から3次試験まで通過してようやく取得できる「日本ソムリエ協会(JSA)」と通信講座を修了するだけで取得できる「全日本ソムリエ連盟(ANSA)」の2種類あります。日本ソムリエ協会の試験は難易度が高いので独学で試験を受ける方もいれば、専門学校に行って勉強して取得される方もいます。しかしながらこちらの試験の合格率は
※過去5年間の平均で31.4%となかなか厳しい結果となっているので専門学校に通っている方はもちろんのこと、独学の方は相当な気合と覚悟が必要です。1次試験は筆記試験、2次試験はテイスティング(味の鑑定・識別)3次試験はサービスの実技審査と論述試験です。これだけの厳しい審査を通過しなければならないのですから取得後の資格としては箔がつくといえるでしょう。ちなみに、専門学校に通った際の学費はおおよそ15万円から20万円ぐらいで、費用はかかりますが、試験の内容を考えれば学校に通った方が有利かもしれません。ワインに触れる機会が多い人や、お客様にワインをサーブする環境に常日頃いる方は独学でも取得可能だと思います。
参照ソムリエ試験、ワインエキスパート試験の合格率 | ワイン受験.com (wine-jyuken.com)
ソムリエールは資格が必要?
ヨーロッパのソムリエ資格は国家資格でハードルも地位も高く、持っているだけで就職に有利です。しかしながら、日本のソムリエール(ソムリエ)は「国家資格」ではなく、民間の団体によって管理される「民間資格」です。ですから、資格を取得せずに「ソムリエ」を名乗っても法律的には問題はありません。ですが、近年日本の飲食業界やホテル業界では従業員に資格取得を奨励して有資格者の採用を積極的に行っているところが多いです。有資格手当として給料もアップする可能性もあります。物流が発展し、世界中のさまざまなワインに触れる機会が多くなった現代ではワインの専門知識や管理、サービスができる人が重宝されるのです。
格式が高く難易度も高い「日本ソムリエ協会」も、通信講座を修了することで取得できる「全日本ソムリエ連盟」もすべての過程を通過した者には金色のブドウバッジと認定証が発行できるようになります。そのバッジを胸につけて「ソムリエ」として給仕した際のお客様に与える安心感と説得力は言わずと知れたものがあります。
ソムリエールの就業先・勤務先
資格を取得したらワインの専門家として謳い働くことができます。金色のブドウのバッジがその証明となるのです。
ホテル、レストラン、ビストロ、酒販店などの様々な場所でスキルを発揮することができます。颯爽とした身のこなしでスマートに振る舞うソムリエ・ソムリエールは飲食業に携わる者としてはみんなからの憧れの職業であり資格であります。個人としての実力がつけばホテルやレストランのチーフソムリエやワインバーの開業、レストランのオーナーソムリエ、など多岐にわたる活躍をされています。知識を活かし卸業として販売している方もいます。
また、日本ソムリエ協会が主催するソムリエコンクールもあります。3年に1度開催され、ソムリエたちの知識・技量を競う大会です。予選・準決勝・決勝とスポーツの大会のような工程を踏み優勝者が決まります。これはワインの知識だけではなく語学力も試される大会です。そもそもソムリエはフランス発祥の資格なので、フランス語の知識も必要です。一流レストランや一流ホテルでは海外のお客様に飲食を提供する機会が増えます。したがって、英会話技術も必要になってきます。ソムリエという職業・資格が持つ「可能性」はグローバルな土俵の上にあるのです。
まとめ
「ソムリエール」とは女性名詞で女性の「ソムリエ」を指す言葉です。ソムリエールになるということは「ソムリエ」になるということです。フランスや日本では女性のソムリエールも男性のソムリエも、ワインを中心とした知識を持ってお客様に給仕する資格取得者を総称して「ソムリエ」といいます。
日本でソムリエの資格をとる場合は、難易度が高いが格式が高い「日本ソムリエ協会」の資格か、「全日本ソムリエ連盟」の通信講座で取得できるものの2種類あります。両方とも取得後には金色のバッジを取得することができます。
「ソムリエ(ソムリエール)」はホテルやレストラン、ビストロ、ワインバー、卸業としての可能性を広げる事ができる資格の1つといえるでしょう。
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