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飲食店における業務用食材の仕入れについて 仕入れ先の選び方や流れも合わせて解説

シェアダイン編集部
作成日:2022/09/03
更新日:2022/12/13

目次

業務用食材の仕入れは、飲食店経営の要です。お客さまに満足して頂き、継続的に足を運んでもらうためには、鮮度や質のよい料理の提供が必要になります。しかし、開店当初は「どのような仕入れ先があるのか」「自店の業態に合う仕入れ先はどれなのか」手段や適切な判断が難しい場合もあるでしょう。仕入れ先がお店に合っていないと、利益が出ないなどの問題が生じる可能性もあります。

本記事では、飲食店の業務用食材の仕入かたやそれぞれの仕入れ先の特徴、仕入業者の選び方について、詳しく解説いたします。

飲食店における業務用食材の仕入れについて解説

飲食店の仕入れ先は、八百屋さんから総合食品卸まで様々です。
飲食店の仕入れ先の代表例は以下の通りです。

  • 業務用スーパー
  • 一般のスーパーマーケット
  • 輸入食品
  • 食品総合卸
  • ネットショッピング
  • 生産者直売


上記の手段以外にも、仕入れ先の選択肢はたくさんあるでしょう。
仕入れ先には、それぞれ「得意分野」と「不得意分野」があります。お店の業態によって、上手に使い分けることが重要です。

利便性に長けた「小売店」

小売店は、近隣商店やスーパーマーケットのことをさします。
店舗の近所にあるお肉屋さんや八百屋さん、スーパーであれば、気軽に訪問することができるでしょう。また、実際に商品を見て確認することができるため、自分の目で商品を選ぶことが可能です。しかし、一般的な小売店の場合、配送サービスを行なっている店舗は少なく、店舗のメニューを全て補うことはできません。また、お店に近く気軽に足を運べる一方、お客さまに仕入れ先がわかってしまい、原価を知られる場合もあるでしょう。

小売店のメリット

  • 店舗に近い小売店であれば、急な買い足しなどの対応がしやすい
  • 商品を自分の目で確かめて購入することができる
  • 近隣のお店とのコミュニケーションを築くことができる


小売店のデメリット

  • 一般的に卸売業者よりも高く、価格競争がない
  • 配送サービスを行なっている店舗が少ない
  • クレジットカードでの支払いや、掛け払いに対応していない場合が多い

新鮮な食材が手に入る「市場」

市場は、新鮮な食品の仕入れ先によく利用されます。
魚や野菜の種類が豊富で、仲卸さんとのコミュニケーションも取れるでしょう。最近のトレンド食材についても教えてくれる場合もあります。しかし、市場には独自のルールや支払いのシステムがあり、分かりずらいことも多々あります。また、多くの市場では1週間に2日程の休日があり、市場の休みに合わせて在庫を管理する必要があるでしょう。

市場のメリット

  • 市場ならではの食材や希少な商品が揃っている
  • 割安に仕入れることができる
  • 新鮮な食材を手に入れることができる


市場のデメリット

  • 一般的に週2日ほど定期的な休日があるため、仕入できない日がある
  • 市場の人との関係性を築く場合が多く、関係者でないと入りづらい場合がある
  • 支払いや購入までの流れが分かりにくい

安定性に長けた「生産者直売」

生産者と直接契約することで、食材を維持することができるでしょう。
新鮮な状態で直送されるため、安定した品質を維持することが可能です。また、有機栽培や無農薬野菜などを取り扱っている農家も多く、生産地ならではの食材を手に入れることができます。しかし、お店のニーズに合った生産者を全国各地から探すには多くの時間を必要とします。また、気象状況によっては、食材の供給が不安定になる場合も稀にあるでしょう。

生産者から仕入れるメリット
・鮮度を保ったまま直送される
・安定した料理の品質を維持することができる
・その地域ならではの食材を遠方から取り寄せることができる

生産者から仕入れるデメリット
・全国各地から生産者を探すため時間がかかる
・実際に足を運んで契約に至る場合が多い
・台風や災害時に供給が困難になる場合がある

業務用食材の仕入れ先選びを慎重にするべき理由とは

仕入れ先を慎重にするべき理由は下記の通りです。

・原価率に直結する
原価率とは、販売価格に占める材料費(原価)の割合のことをさします。
飲食店でメニューを考える際は、原価率を設定することが重要です。食材の原価率を抑えることは、お店の利益上げる近道でもあります。同じ材料を仕入れる場合、仕入れ価格は仕入れ先によって異なります。総合的な視点から、仕入れ先を選定する必要があるでしょう。

・料理の質を左右する
素材の品質は料理の品質に大きく直結します。料理の品質は、お店の看板にもつながるため、質のよい仕入れ先を見つけることが求められます。
さらに、仕入た食材を無駄なく使い切ることも重要です。どんなに安く仕入ても、廃棄ロスが発生すれば原価率は上がってしまいます。適切な量を確認し、仕入れる必要が重要です。

業務用食材の仕入れ先の選び方をご紹介

食材の品質は、お店のイメージに関わります。
そこで、業務用食材の仕入れ先を選ぶポイントを3つご紹介いたします。

・お店のコンセプトに合う食材を扱っているか
お店で提供しているメニューの中で、コンセプトに合った食材をリストアップすることが大切です。そのためには、必ず必要な食材や長期的に安定した仕入ができる業者を探すことが重要となります。
例えば、お店のコンセプトがオーガニックや地元の食材にこだわったメニューであれば、オーガニックを取り扱う農家や地元の生産者から仕入る必要があるでしょう。

・価格や安全性
お店のメニューに合った、適切な食材を検討することが大切です。利益を上げるために食材の価格を抑え、安価で品質の悪い食材を選んでしまえば、お店の安全性を保つことができません。お店全体の評価も下がってしまうでしょう。
反対に、品質を安定させるために原価の高い食材を仕入れてしまうと、長期的な仕入が難しくなってしまいます。
例えば、お店のイチオシメニューだけ原価を高く設定し、その他のメニューは原価を抑えるなどのバランスを考えるとよいでしょう。

・配送先や仕入の安定性を考慮する
安定したメニューを提供するためには、営業日に合わせて必要な食材の在庫管理することが大切です。仕入業者の日程や配送手段を事前に確認しましょう。タイミングによっては、、団体での予約が入り、大量の食材を必要とする場合もあります。突発的なスケジュールにも柔軟に対応してもらえる仕入業者も抑えておくとよいでしょう。

業務用食材の仕入れの流れを解説

業務用食材の仕入れを行う流れは大きく分けて3つの作業によって成り立ちます。

1. メニューに必要な食材の原価を定める
食材を仕入れる前に、まずメニューに必要な食材を定める必要があるでしょう。提供する料理に使われる食材を洗い出し、あらかじめ原価を決めておきます。
経営を圧迫しない原価率は30%が上限といわれており、原価に収まる仕入をする必要があります。

2. 仕入れ先を比較する
仕入れ先を選ぶ際のポイントをいくつか紹介します。

  • お店のニーズに合う商品を取り扱っているか
  • メニューに合う品揃えはあるか
  • 掛け払いやクレジット決済に対応しているか
  • 試食ができるか
  • 小ロットに対応しているか
  • 配送サービスを行なっているか

仕入れ先によって、取り扱う商品やサービスはそれぞれです。
お店の条件に合った仕入れ先をいくつか確認し、比較してみるとよいでしょう。

3. 取引を開始する
仕入れ先が決まったら、いよいよ取引開始です。
ひとつの仕入れ先にこだわるのではなく、仕入れ先を複数用意しておくことでコストを抑え、安定した品質を維持することができます。

まとめ

仕入業者の選定は、お店の経営・品質を左右する大事な作業です。飲食店の仕入れは、お店のニーズやコンセプトによって様々です。どのような仕入業者があるのか事前にチェックすることで、自店にはどの仕入れ方が向いているのか把握することができるでしょう。
また、仕入れ先もひとつに絞らず、複数用意しておくことで、お店の品質を安定して維持することができます。バランスよく取引を行い、お店に合った最適な仕入方法を見つけることが重要でしょう。

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