飲食店の食材の仕入れ先について 選び方や仕入れ業者別のメリット・デメリットも合わせて解説
目次
飲食店を経営する場合、仕入れ先を決めるには様々な基準があります。
安定した量の仕入れと、大量に必要になる食材や特殊な食材などの仕入れは、卸業者へ発注する必要が出てくるでしょう。
近年はネットで注文できるスーパーもあります。
こだわる点を踏まえて、価格、品質、供給の安定を考慮して選択することも必要です。
この記事では、仕入れ業者の選び方と注意点や、食材を仕入れるまでのポイントをご紹介します。
飲食店における食材の仕入れ業者の選び方を解説
飲食店において、食材の仕入れ業者を選ぶ際には、必要な材料の選択、品質、仕入れの予算を考慮して決めます。
1.必要な材料の選択
使う頻度が少ないもの、近場で購入できるものは除いて考えるのが良いでしょう。
定番で仕入れる材料、大量に仕入れる必要のあるものなどを書き出します。
仕入れる食材によって、専門業者を選択する必要がでてくるでしょう。
2.品質
品質を見極めるには、一度自分の目で仕入れ先業者まで出向いて確かめるのが良いでしょう。
信頼して取引するためには、安心安全なものでないといけません。
新鮮で質がよくなければ、料理の味にも影響してきます。
必要な量だけ購入可能なのかも確認が必要です。
初めにお試しで注文して、値段に見合う品質かを確かめてみることをおすすめします。
3.仕入れの予算
儲けをだすためには、材料費が占める原価を考えなくてはいけません。原価率が低い=儲かるとは限りません。
水道光熱費など、店舗運営にかかるそのほかのコストについても考慮しましょう。
これらを踏まえて、近くにあるスーパーで仕入れるのか、専門業者と契約するなど、仕入れ先を決める必要があります。
仕入れ先を慎重に選ぶ必要があるのはなぜか解説
仕入れ先を慎重に選ぶのは、最終的に売上にも直結するからです。
卸売業者と契約する場合は、長く付き合っていくことになります。安さだけで決めず、トラブルが起こった時にも対応してもらえるような、信頼できる仕入れ先を選ぶ必要もあるのです。
信頼できる仕入れ先を選ぶ際には、価格、仕入の安定、品質を考慮するのが大切です。
・価格
原価率を出します。飲食店の原価率の目安は、売上げのうち約30%が目安です。
原価率を求める計算式は「売上原価率(%)=売上原価÷売上高×100」です。
30%を目安に仕入れ原価を出しますが、どこまで質にこだわるかで原価も変わってくるので、利益が減らないように慎重に選択する必要があります。
・仕入れの安定
食材が安定して入らなければ、提供するメニューも安定しません。
大量に商品が必要になった場合、1社では納品が無理な可能性もあるため、複数の相見積もりを用意しておくことも大事です。
お店から近い業者を選択できれば、不測の事態にも迅速に対応できるでしょう。
・品質
仕入れ先を決定する前に、卸業者から実際に商品を取り寄せ、品質を確認するのがよいでしょう。
野菜など生鮮食品は、最小ロットがどれくらいなのかも確認する必要があります。
大量に購入する方がお得になることもありますが、廃棄ロスが増えると無駄な経費がかかることにも注意が必要です。
最終的には信頼のおける業者から仕入れができなければ、お客様に安心して提供ができません。
営業担当とコミュニケーションが取りやすい関係を作り、価格交渉や仕入れの相談などもできるとよいでしょう。
食材を仕入れるまでの流れを解説
食材を仕入れるまでの流れでは、お店の定番メニューの他に、日替わりメニューやおすすめメニューから、必要な食材を決めます。
仕入れに必要な量を決めるには、翌日の天気や気温、予約の状況なども考慮しないといけません。食材の廃棄は極力減らしたいので、日頃から適正在庫の管理も必要でしょう。
お店の営業が終わった後に残った食材の在庫を確認して、翌日の営業に必要な量を出します。当日必要な生ものなどは市場やスーパーで仕入れることも可能です。日持ちするものは、まとめて業者に頼むと配送料がかからないなど、経費の節約になるので在庫管理は必須です。
また、よく使う調味料や大量に使う食材は、業務用スーパーを利用すると安く購入できるでしょう。ただし、車がないと行けない場所にあったりするので、時間と手間はかかります。ネットスーパーの契約もできると、仕入れに時間が取られず配送も可能です。
月末に一度、定期的に棚卸を行えば、仕入れの数量を把握でき、売上原価率の計算や損益計算もできるようになります。
仕入れ先の例を紹介
仕入れ先には様々な業者があります。
総合卸業者、業務用スーパー、市場、小売店、ネットスーパーについて、メリットとデメリットをご紹介します。
【総合卸業者】
メリット
- 生鮮食品や乾物から調味料まで取り扱う商品が幅広い
- 安定した仕入れが可能
- 営業とのコミュニケーションは必須。交渉できるとお得な情報がもらえることもある
デメリット
- 直接食材を手に取れないので、商品の状態が確認できない
- 新しく食材を仕入れたい場合に、見積を取らないといけないので入荷まで時間がかかる
- 小ロットでの購入が難しい
【業務用スーパー】
メリット
- 一般的なスーパーより量が多くて安価である
- 品揃えも多く、確認して購入できる
デメリット
- 店が郊外にあることが多い
- 配送はないので車が必要
【市場】
メリット
- 新鮮な食材を仕入れることが可能
- 必要な量を仕入れることができる
- 小売店より安価に仕入れ可能
デメリット
- 独自のルールがある
- 休日が週2日あるので、仕入れる日を調整する必要がある
【小売店】
メリット
- 近くにあれば欲しい時に購入できる
- 見て選べるので安心
デメリット
- 種類が限られる
- 売り切れのこともある
【ネットスーパー】
メリット
- ネット予約ができるので、買い出しに行かなくてよい
- 希望日に配送サービスが利用できる
- 小ロットの購入が可能
デメリット
- すぐ欲しい時は難しい
- 値段交渉は不可
- 一定料金以下は配送料がかかる
実際に食材の仕入れ先を決める際には、各仕入れ業者のメリット、デメリットを理解し、慎重に選択する必要があります。
まとめ
飲食店を経営するにあたり、仕入れ業者を選ぶには様々な基準を考慮する必要があります。
売上げ額を元に、仕入れ価格、品質、供給の安定を考えて慎重に選択しなければなりません。
仕入れ業者は、総合卸業者、業務用スーパー、市場、小売店、ネットスーパーなど、複数から選ぶことができます。
それぞれメリット、デメリットはありますが、お店の立地条件やメニュー内容に合わせて上手く使い分けていけば、仕入れに無駄がなくなるでしょう。
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