中華料理でよく使われる調味料、食材について解説 購入方法も紹介
目次
中華料理の世界は非常に奥深く、古くから続く長い歴史があります。
この記事では、中華料理で使われる特徴的な食材や、中国料理の歴史などついて解説いたします。
本記事を通して、4つの地域に分類される中国料理、中華料理と中国料理の違いなどについて知識を深めていただければ幸いです。
中華料理で使われる食材について解説
中華料理で頻繁に使用される、特徴的な調味料と食材について解説いたします。
特徴的な調味料について解説
中華料理では、味付けの中心的な役割を担う「醤(ジャン)」と呼ばれる調味料があります。
代表的な5つの醤と原材料、使われる料理などについてご紹介します。
・豆板醤(とうばんじゃん)
唐辛子を発酵させて、麹や豆などを蒸して麹にするという丁寧な製法で作られています。
代表的な料理は、麻婆豆腐、エビチリなど。
・甜麵醤(てんめんじゃん)
小麦粉と塩で作られた麹から作る味噌がベースになっています。
代表的な料理は、北京ダック ジャージャー麺など。
・豆鼓醤(とうちじゃん)
豆鼓という黒豆に似た豆とニンニク、ショウガなどをペースト状にした調味料です。
さまざまな炒め物などに使われています。
・芝麻醤(ちーまーじゃん)
ごまやネギ、ショウガなどを加えてペースト状に練りこんだ調味料です。
代表的な料理は、棒棒鶏 担々麺など。
・XO醤(えっくすおーじゃん)
香港の高級調味料。海鮮や干しエビ、紹興酒などから作られた香り高い調味料です。
代表的な料理は、チャーハンなどの炒め物など。
・オイスターソース
おもに牡蠣から作られ、牡蠣油ともいいます。料理の漬けダレや炒め物などに使われます。
オイスターソースは、日本の醤油のように中国全土で幅広く使われます。
特徴的な食材について解説
中国で三大珍味と呼ばれるフカヒレ、干しアワビ、ツバメの巣についてご紹介します。
・フカヒレ
フカと呼ばれるサメのヒレを干したもの。フカヒレの姿煮やスープや餃子の餡にも使われます。
・干しアワビ
蒸したアワビを干して乾燥させたもの。姿煮や炊き込みご飯などに使われます。
・燕の巣
アナツバメという種類のツバメが作った巣。スープやしゅうまいの具などに使われます。
その他の特徴的な食材を紹介
その他に特徴的な食材として、豆腐があげられます。
中華料理で豆腐は、煮る、揚げる、乾燥するといった、幅広い加工法で食べられています。
その中でも、家常豆腐(じあちゃんどうふ)は、中国全土で食べられている最もポピュラーな料理のひとつです。
家常豆腐は、揚げた豆腐、つまり厚揚げと野菜の炒め物。栄養バランスが良く、安く手に入りやすい食材で作られているため、中国では広く食べられています。味付けは地域や家庭ごとに、オリジナルの味付けで食べられています。
その他に中国でよく食べられている豆腐に、干豆腐があります。漢字から日本の高野豆腐をイメージするかもしれません。干豆腐はお餅のような四角い形で、戻して冷菜に使われます。
また、豆腐干絲(とうふかんす)と呼ばれる麺状のものもあり、歯ごたえのある触感で、ジャージャー麺や炒め物にして食べます。
豆腐干絲(とうふかんす)は、豆腐でできているためカロリーが少ないのが特徴、高たんぱくで低脂肪のため、日本でもダイエット食として人気があります。
中華料理の種類について解説
中国では、「中国四大料理」と呼ばれる4種類に分けられます。
それぞれの特徴や代表的な料理などについてご紹介します。
「北京料理」の特徴と代表的な料理を紹介
北京は古くは明や清の時代から都があり、宮廷料理が栄え、美食の地として知られています。北京は、ニューヨークと同じ緯度に位置し、寒さが厳しいエリア。また、万里の長城や渤海、黄海が近いことから、山の幸と海の幸に恵まれた地域です。そのため、多種多様な料理が作られてきました。
おもな食材は、北京ダックに代表されるアヒルや羊肉がよく使われます。また、地域の特性として、米がとれないことから、小麦粉を使った料理、その中でも水餃子が有名です。
「上海料理」の特徴と代表的な料理を紹介
上海の歴史は19世紀からで、中国の中では歴史が浅い都市。気候が温暖で米や野菜などがたくさんとれる地域です。上海周辺の江蘇省や浙江省の地域のことを「魚米之郷」(ぎょまいのさと)と呼び、魚介類や農産物に恵まれたエリアがあります。また、中国を代表する大河、長江の河口が近く、都会と田舎、世界との貿易が盛んで多種多様な食文化が融合しているのが特徴です。
おもな食材は、紹興酒、老酒に代表される酒や醤油、黒酢などの醸造された調味料です。醤油や砂糖の甘辛い味付けが特徴。
代表的な料理は、長江流域で捕れる上海蟹を使った姿蒸しや、農作物の栽培が盛んなことから、野菜をふんだんに使った八宝菜、上海風かた焼きそばの両面黄などです。
「四川料理」の特徴と代表的な料理を紹介
四川は中国の内陸部に位置し、温暖で米の栽培が盛んに行われる地域です。海に面していませんが、中国最大の湖である瀘沽湖(ろここ)が巨大な水がめとなり農作物の栽培や水産物に恵みをもたらしています。四川料理は、辛い味付けで有名ですが、辛みの中でもしびれるような辛さ「麻辣」(まーらー)という味付けが特徴です。「味は四川に在り」という言葉があるように、酸味、苦味、香り、塩味といった味付けの豊富さにも特徴があります。
おもな食材は、唐辛子、花椒、胡椒の3つ。その他に豆板醤、豆鼓醤が有名です。代表的な料理は、麻婆豆腐、回鍋肉、青椒肉絲、棒棒鶏など、日本でもおなじみの料理が多いです。
「広東料理」の特徴と代表的な料理を紹介
広東とは、香港に近い中国南部のエリア。温暖湿潤気候の影響により数多くの野菜が育ち、海に面している地域です。「食は広州に在り」と伝えられ、その食の多様性は、「飛行機、船、人間以外の生き物はなんでも食べる」といわれるほどです。そのような地域性もあり、中国一流の料理人を多く輩出する地域でもあります。
おもな特徴は、素材の味を生かしたあっさりとした味付けです。フカヒレやツバメの巣、飲茶やワンタンなどが有名です。
中華料理と中国料理の違いを解説
中国料理とは、中国で食べられている本格的な料理で、中華料理は、本場の味を日本人が食べやすいように改良した料理のことをいいます。中国料理は「四川料理」「広東料理」のように、地域ごとに分類されているのも特徴です。
中華料理は、中国の地域に関係なく日本人になじみがあるメニューがおもで、味付けも本場とは異なります。日本では、中国料理は高級店が多く、中華料理は町中華のように庶民的な店が多くあります。
中華料理の食材が揃うお店を紹介
中華料理は日本に根付いているため、豆板醤やオイスターソースなどの一般的な調味料であればどこでも気軽に手に入れられます。
フカヒレやツバメの巣などの専門的な食材は、横浜や神戸の中華街周辺にある特別な食材を扱う専門店で購入することが可能です。
最近では、どんな食材もWEB上に専門店があり、横浜や神戸に行かなくても入手することができるでしょう。
まとめ
中国の料理や食材について詳しくご紹介しました。
中華料理は世界3大料理のひとつとして世界で認知されています。
中国の地域別に分かれ、特産や地の利を生かした食材が使われているのが特徴で、長い歴史があります。
今回ご紹介した調味料や食材を使って、本格的な中華料理を楽しんでいただければ幸いです。
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