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中華調味料の種類を解説 おすすめレシピも紹介

シェアダイン編集部
作成日:2022/09/06
更新日:2022/12/13

目次

中華料理のレシピを見ていると、見慣れない調味料やスパイスの名前を目にすることはないでしょうか。
日本人には馴染みのない調味料でも、使い方を知れば本格的な中国料理の味を再現することができます。

この記事では、中華調味料の種類や活用方法を解説いたします。

そもそも「中華調味料」とは

中華調味料とは、おもに中国料理に使用される調味料です。
その中には、日本の料理には使われない独特な風味のものもあります。

日本では四大中華と呼ばれる上海料理・広東料理・北京料理・四川料理が有名ですが、厳格には、山東料理・四川料理・広東料理・福建料理・江蘇料理・浙江料理・湖南料理・安徽料理の八大菜系(八大中華料理)に分類することができます。それぞれの地域で使用する調味料にも特徴があります。

例えば、四川料理は辛いことでも有名ですが、夏が蒸し暑く冬の晴天はほとんどない、という独特な気候に合わせた、唐辛子や山椒を使用する料理が多いです。

タレやソースなどの「醤(ジャン)」について解説

ここでは、中華料理で使用されるタレやソースにあたる、「醤(ジャン)」について解説いたします。
醤には以下のような種類があります。

・豆板醤(トウバンジャン)
そら豆や大豆、唐辛子で作られている発酵調味料です。辛みと塩味、うま味の強い調味料で、油と一緒に加熱することで香りが引き立ちます。クセがなく使いやすい調味料で、麻婆豆腐などの四川料理には欠かせません。
本来は唐辛子を入れずにそら豆だけで作ったものが豆板醤で、唐辛子を入れたものを豆板辣醤(トウバンラージャン)と呼んでいましたが、現在では、豆板辣醤を豆板醬と呼ぶのが一般的になっています。

・甜麺醤(テンメンジャン)
小麦粉に塩と特殊な麹を混ぜて作られる赤褐色の調味料で、日本の赤味噌に似ていますが、日本の味噌は大豆が原料になっており、甜麺醤は小麦が原料になっているのが大きな違いです。甜麺醤の「甜」は甘い、「麺」は小麦、「醬」は調味料を表します。
甜麵醬は甘みが強く、辛みはありません。そのままでも食べることができますが、加熱することでより強く香りが出ることから、煮物や炒め物の隠し味として使うこともできます。加熱せず、北京ダックや野菜のつけダレや、麻婆豆腐や回鍋肉に使われます。

・XO醤(エックスオージャン)
中国の歴史の中では比較的新しい調味料で、1980年代に登場した調味料です。「XO」はブランデーの最高峰を表すXO(eXtra Old)に由来します。実際には、古く熟成させる製法の調味料ではではありません。
材料はメーカーによって異なりますが、干し貝柱、干しエビ、金華ハムなどの高級食材に唐辛子、生姜、ニンニクなどが使われています。高級な食材を惜しみなく使っていることから、他の調味料と比べて値段も高額です。魚介のうま味と唐辛子の辛みが特徴で、炒め物に少量入れるだけで味が決まります。XO醤も豆板醬などと同様に、油で加熱することで香りが引き立ちます。

・豆鼓醤(トウチジャン)
豆鼓という、小粒の黒豆と塩を発酵させて水分を抜いたものに砂糖や醤油などを加えてペースト状にした調味料です。
唐辛子は使われていないので辛みはありません。塩味が強く、日本の八丁味噌に似た味わいがあります。
炒め物や煮物、蒸し料理など、幅広い料理に使うことができます。

・桂花醤(ケイファジャン)
キンモクセイの花を甘く煮詰めた調味料です。杏仁豆腐などの甘いデザートに使用されます。

・辣油(ラーユ)
日本では、ごま油に唐辛子の辛味をつけた香味油のラー油が一般的ですが、中国のラー油は、植物油に唐辛子の他、八角・花椒・生姜なども一緒に炒めて作り、沈殿した具材も一緒に使うのが一般的です。

中華料理に使われる香辛料、スパイス類について解説

ここでは、中華料理で使用される香辛料、スパイス類について解説いたします。

・唐辛子(トウガラシ)
中南米を原産とする香辛料です。唐辛子を摂取すると、唐辛子に含まれるカプサイシンが口の中に痛みを与えて、それを辛みとして認識します。唐辛子は、辛み成分のカプサイシンで食欲を増進する他に、うま味成分のグルタミン酸も多く含まれています。
四川料理に多く使われていますが、気候的に辛い物を求めた他にも、ビタミンAやビタミンCを多く含むことから、疲労回復効果も得られたという背景もあるようです。
麻婆豆腐、辣子鶏、酸辣湯、エビチリなど、様々な料理に使われます。

・八角(ハッカク)
「トウシキミ」と呼ばれる中国の木の果実を乾燥させたスパイスです。シナモンを凝縮したような独特な甘い香りで、味は辛みと甘みの両方があります。「アニス」というスパイスの香りに似ており、星形をしていることから別名「スターアニス」と呼ばれています。
独特な香りが非常に強いことから、魚や肉の臭み消しとしても使われます。八角特有の香りが苦手な人も少なくないので、使用する際には注意が必要です。
豚の角煮、トンポーロー、魯肉飯、果物のシロップ煮などに使われます。

・花椒(ホアジャオ)
サンショウ属の植物で、しびれるような辛さと、唐辛子のような辛みが特徴です。
煮込み、炒め物、蒸し料理、揚げ物などの様々な料理で活躍します。麻婆豆腐、炒め物、揚げものなどに使われます。

・五香粉(ウーシャンフェン)
中国の代表的なミックススパイスです。5種類以上のスパイスを配合したものをいいますが、一般的には、花椒、シナモン、クローブの3種類に加えて、八角、フェンネル、陳皮などを合わせます。独特な香りがあり、食材の香りづけや臭み消しに使われ、中国の他、ベトナムやインドシナ地域でも一般的なスパイスです。
豚の角煮、揚げ物、魚の蒸し煮などに使われます。

中華調味料を活用したレシピ例を紹介

上記で紹介した中華調味料を使用したレシピ例を2つ紹介いたします。

花椒香る「四川風麻婆豆腐」レシピ

【材料】

  • 豆腐 400g
  • 豚ひき肉 100g

<下味>

  • 酒 小さじ1/2
  • 砂糖 小さじ1/2
  • ごま油 小さじ1/2
  • 長ねぎ 1/3本
  • 花椒(ホール) 小さじ1
  • 唐辛子/チリーペッパー(ホール) 2本

<A>

  • 豆板醤 大さじ1
  • おろしにんにく 小さじ1/3
  • おろししょうが 小さじ1

<B>

  • 水 150ml
  • 鶏がらスープ(顆粒) 小さじ2/3
  • 甜麺醤 大さじ1
  • 醤油 大さじ1弱

<水溶き片栗粉>

  • 片栗粉 大さじ1/2
  • 水 大さじ1
  • サラダ油 大さじ1・1/2
  • ごま油 小さじ1


【作り方】

  1. 豆腐は角切りにし、ひき肉は下味をもみ込み、長ねぎは粗みじん切りにします。
  2. 花椒はビニール袋に入れ、瓶の底などでたたき、細かく砕きます。赤唐辛子は種を除きます。
  3. フライパンにサラダ油を熱して、【1】のひき肉をよく炒め、【2】の花椒と赤唐辛子、【A】を入れてさらに炒めます。
  4. 【B】を加えて混ぜ合わせ、【1】の豆腐を入れて軽く煮込みます。長ねぎを入れ、【水溶き片栗粉】でとろみをつけ、仕上げにごま油をまわし入れます。


引用:四川風麻婆豆腐|レシピ|S&B エスビー食品株式会社 (sbfoods.co.jp)

スパイシーなお肉がコメと合う「魯肉飯」

【材料】

  • 豚バラブロック 300g
  • 長ねぎ 1本
  • にんにく 1片
  • 生姜 1片
  • 塩 適量
  • 五香粉 小さじ1
  • 砂糖 大さじ2~3
  • 醤油 大さじ3
  • 酒 1/2カップ
  • 水 2カップ
  • ゆで卵 適量
  • サラダ油 大さじ2


【作り方】

  1. 長ねぎの葉身を切り分け、葉鞘を小口切りにします。鍋にサラダ油をひき、長ねぎを入れて弱めの中火で炒めます。
  2. 豚バラブロックを1cm幅に切り、棒状に切ります。
  3. 【1】にみじん切りにしたにんにく、生姜を加え、炒め、豚肉を加え、色が変わるまで炒め合わせます。
  4. 塩、五香粉を加え、全体に絡めながら炒め、砂糖・醤油・酒を加え、煮立たせます。
  5. 煮立ったら水、葉身を潰して加え、再度煮立たせ、アクを取り、ゆで卵を加えて蓋を少しずらします。弱火で、とろみがつくまで30~40分程煮詰めたら完成です。


引用:ルーローハン| Koh Kentetsu Kitchen【料理研究家コウケンテツ公式チャンネル】さんのレシピ書き起こし|TubeRecipe

まとめ

中華調味料の種類や活用方法を解説いたしました。
有名な豆板醤のほか、甜麺醤や五香粉などの調味料やスパイスも、特徴や使い方を知れば様々な料理に使うことができるようになります。
日本人には馴染みがなく独特な風味のスパイスもありますので、調整して使用するとよいでしょう。

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