コロナ禍における飲食店の経営アイデアを紹介
目次
世界中でコロナウイルスが蔓延し、休業を余儀なくされた飲食店は2年以上にわたり、苦労と我慢を強いられてきました。感染者が増えるたびに、さらなる時短営業や休業に追い込まれることも。客側も外出自粛の要請の流れから、デリバリーサービスの利用も増え、食べに行く人も減少してしまいました。
自粛ムードの中でコロナ禍に立ち向かうために、試行錯誤でアイデアを生み出して頑張る飲食店を応援したくなります。
この記事では、飲食店の現状について、集客と売上げ上昇のためのアイデアや、コロナ禍で注意すべきポイント、アイデアの成功例をご紹介します。
コロナ禍の飲食店の現状を解説
コロナ禍におかれた飲食店の現状は、コロナ禍以前の売上げや賑わいまでには戻ってはいません。
2021年秋以降は緊急事態宣言も全面解除となり、年末年始で多少の客足が戻ってきた飲食店もありました。
しかし、大人数での会食は控えられたうえ、新たなウイルスが拡大してくると、まん延防止措置が多くの都道府県でも適用されました。飲食店にとっては、売上げも上がらず、アルバイトなど従業員の確保も難しいという厳しい現状が続きます。
東京商工リサーチによると、居酒屋チェーンの上場主要14社の店舗は、コロナ前は2019年12月時点で7200店ありましたが、2021年末では5844店と1356店舗(18.8%減)減ったことがわかりました。
参考:居酒屋運営の主要14社、コロナ前比で1356店が閉店 ”保守的”な店舗政策続く : 東京商工リサーチ (tsr-net.co.jp)
コロナ禍で飲食店が取り入れているアイデアを紹介
コロナ禍で飲食店が取り入れた集客と、売上げに繋がる新しいアイデアが生み出されています。
コロナ禍で生活様式や働き方も変わってきました。通勤が当たり前の会社が、在宅勤務を推奨する会社に変わり、大学でもオンライン授業が増えています。その結果、ランチを食べに行く客数は減ってしまいました。
厳しい状況のコロナ禍で、飲食店が取り組んだアイデア例を以下に紹介します。
アイデア1:テイクアウトの種類を増やす
テイクアウトを実施していなかった飲食店が、お弁当にして販売したり、総菜を販売したり、あるいはスイーツを開発・販売して売上げに貢献しました。プロの料理人が作るお弁当やスイーツは好評です。
アイデア2:デリバリーサービスを活用する
Uber Eatsや出前館など、ネットから商品を注文して、配達してもらうサービスに登録した飲食店も増えました。外出を自粛する人が多かった時期には、利用者が拡大しました。
アイデア3:有名料理店の味を家庭で楽しむ、ミールキットの通信販売
外食や旅行ができない代わりに、いつもより少し高めの商品をお取り寄せする人も増えました。なかなか行くことができない名店のものもあり、レストランやフレンチの味が自宅で楽しめます。
アイデア4:支払方法の多様化
従業員とお客様との接触を減らすために、キャッシュレス決済を導入する飲食店も増えてきました。現金の支払いも手渡しは止めて、必ずトレーに置いて渡すなど対策も取られています。
コロナ禍で飲食店が注意すべきポイントを紹介
飲食店では、コロナ禍にお客様に安全に利用してもらうために、さまざまな感染防止対策を講じています。
さらに、従業員やその家族が安心できる職場を確保することにも努めてきました。
コロナ禍で注意するべきポイントとして、どのように感染防止対策をしているのか、以下に紹介します。
・来店時の発熱のチェックを実施する
入店時に発熱(37.5度以上)がある方は、入店をお断りさせていただく旨を掲示して、入口に手指消毒液を用意しておきます。
・飛沫防止のため、マスク着用のお願いを掲示する
飲食以外では、マスク着用をお願いする旨を掲示しておきます。
・3密の防止(密閉、密集、密接)を徹底する
換気を十分にして、人数制限も行い、密接しないように間隔を開けて座ってもらうようにします。
・店内の消毒を行う
お客様が入れ替わるタイミングや繁忙時間帯前後で、店の中をアルコール消毒します。
・レジで接触回数を減らすため会計処理の方法を増やす
レジとお客様の間に仕切りを設けるなどの工夫をします。可能ならキャッシュレス決済を導入して、現金受け渡しの機会を減らします。
・テイクアウトやデリバリーサービスを利用してもらう
テイクアウトは、滞留時間を短くするために事前予約を受けつける、食中毒を防ぐために注意書きを入れるか、早めに食べてもらうように促します。デリバリーの配達員も、容器に直に触れないよう袋に入れ、配達に使用するボックスなども使用のたびに消毒するなどの対策をします。
コロナ禍における飲食店のアイデア成功事例を紹介
コロナ禍に立ち向かう飲食店の、アイデアの成功事例をご紹介します。
参考:コロナ禍に立ち向かう事業者の取組み事例の紹介 (jfc.go.jp)
成功事例1:猪肉を使ったペットフード発売
ジビエ料理が名物の飲食店「和心伝酔DA‛dA 」では、コロナ禍で以前ほど客足を望めないなか、害獣駆除された猪肉を使ったペットフードを開発しました。
猪は農作物を荒らすため、害獣として駆除されています。駆除された猪肉の活用方法が少ない現状があるなか、社会課題の解決に貢献したい店主が開発。
猪肉は栄養価も高くヘルシーなので、ペットの高齢化により、食事に悩む愛犬家のニーズとマッチしたことで人気に火がつき、今や全国展開を果たしました。
公式サイト:ワンコメシ(ワンコ飯)|ワンちゃんのためのジビエ-猪(イノシシ)肉:秩父 (wankomeshi.pet)
成功事例2:地元原料にこだわったスピリッツ(ジン・ウォッカ)造り
株式会社南部美人では、消毒用エタノール代替品を製造した過程で得た技術と設備を活用し、スピリッツ類(ジン、ウォッカ)の製造を開始しました。
飲食店や宿泊施設も休業で、酒米の大量廃棄も懸念されていたことから、スピリッツ類のベースには酒米を使用しています。
酒米生産を担う地元農家も支えているスピリッツ造りは、多方面から注目されています。
公式サイト:株式会社南部美人 | 岩手の日本酒 南部美人(NanbuBijin)
まとめ
コロナ禍に置かれた飲食店の現状は、コロナ禍以前のような売上げや賑わいまでは戻っていません。
人々の働き方も多様化し、食事に来る人の流れも変わりました。外出自粛が要請されて以来、テイクアウトできる店やデリバリーサービスの利用は増加。支払いもキャッシュレス決済が選択できるなど便利になりました。
困難な中でも飲食店は感染対策を実施しながら、お客様を呼び込むためのアイデアを考え実行しています。
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