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ハラールフードとは 概要と食べても良いものの解説

シェアダイン編集部
作成日:2022/07/31
更新日:2022/11/28

目次

最近、ハラルフードという言葉をよく聞くようになってきました。そもそもハラルという言葉の意味自体がわからない人も多いかと思います。実はハラルとは、イスラム教と大きく結びついている言葉です。
この記事では、ハラルフードとは、どういうもので、どんな食品でどういうルールがあるかなど、ハラルフードについてまったく知識がない方でもわかるように解説いたしますので、是非最後まで読んで知識を深めてください。

ハラルフードとは 概要

ハラルフードとはイスラム教の戒律によって、食べることが許されている食べ物のことです。
ハラルとはアラビア語で「許されている」という意味の言葉です。反対語のハラムは「禁じられている」という意味の言葉で、ハラルと合わせて使うことが多々あります。イスラム教では、食べて良いものと食べてはいけないものが細かく定められており、食べることを許されている食べ物のことをハラルフードと呼ばれています。
イスラム教では聖典コーランに記されている通り、神の良いとしているものだけ食する、それ以外の行為をすることは背信行為になりかねないとされているようです。イスラム教徒(ムスリム)にとって、ハラルではないものを口にすることは罪をおかすこととされているため、イスラム教徒(ムスリム)の方は食生活にとても気を遣っています。
現在、全世界では18億人以上のイスラム教徒(ムスリム)がいます。
日本でもイスラム教徒(ムスリム)が増えており、観光客や居住者は増加傾向です。
ハラルフードについて知識を深めることは、世界を知ることにも繋がると言えます。

ハラルで禁止されている食品一覧と解説

では、具体的にハラルで禁じられている食品とはどんなものがあるのでしょう。
全面的に禁じられている豚肉とアルコールですが、他にも細かいルールがあります。

豚肉

豚肉は特に厳しく禁止されている食べ物です。なぜなら豚はイスラム教で「不浄のもの」とされており、体に入れてはいけないものだからです。豚肉そのものだけではなく、豚から繋がるすべてのものが禁止されていて、もちろん豚と接触した食品も食べることを禁じられています。
原材料や保管場所など輸出方法などにも気を配る必要があるので、購入する前、食べる前によく確認しなくてはいけません。
豚肉そのものではなくても、食べるのが禁止されているもの

  • 豚を調理した道具を使って調理した食材
  • 豚が使われた調味料や出汁
  • 豚を使用したことのあるトラックや冷蔵庫を使って保管された食材
  • 豚が使われた餌を食べた家畜
  • ゼラチン、乳化剤、動物性油脂、グリセリン

アルコール

アルコールも豚肉同様、強く禁じられています。もちろん、飲料としては全面的に禁止されていますが、消毒用アルコールや生産過程で、アルコールが生産される調味料も使用することができません。
一定量の濃度が規定値以下なら食べても良いとする人もいるようなので、食べて良いかの判断は個人差があるかもしれません。日本食に多く使われる醤油やみりんも生産過程でアルコールが生成されるのでハラルフードには使えないことが多いです。日本食も注意が必要ですね。
もちろん基本的にアルコールが入っている料理は、すべてNGとされています。

その他(イスラム教で禁じられているもの)

牛や羊などの肉は食べてもよいとされていますが、イスラムの教えに従った方法で食肉処理された肉ではなければ食べてはいけないようです。血を抜いてから解体するなどの細かいルールがあり、一般的な食肉処理をされた肉は、イスラム教徒(ムスリム)は食べることができません。
他にも肉食動物や爬虫類、昆虫類、水中でも陸上でも生きられるカエルや亀、カニなども食べることができません。
遺伝子組み換えをした植物なども禁じられています。
無農薬野菜であってもイスラムの法で不浄とされる(豚と関与するものなど)肥料を用いて、栽培されたものは食べることができません。

ハラルで食べられる食品一覧と解説

ではどんなものがハラル(許されている)食品なのか、具体的に解説いたします。

動物

イスラム教により禁じられていない動物であることが前提です。鶏や牛、羊などは自然な状態で育成され、イスラム法に問題がない食肉処理をしたものであれば食べても良いとされています。

穀物、野菜、きのこ類、豆類、果物

穀物、無農薬野菜、きのこ、豆類、果物などの植物由来の食べ物は、自然な状態で栽培されたものであれば食べても良いです。肥料には注意が必要で、イスラム教で不浄とされるものを使っていないかどうか確認する必要があります。遺伝子組み換えをされた植物は強く禁じられています。

魚介類、海藻類

天然の魚、エビなど、自然な状態で育成されたものは食べても良いです。ただ、餌の面も配慮が必要で、イスラム教で禁じられたものを継続的に食べていないかどうかも気をつける必要があります。

天然水、果実100%のオレンジジュースなどの飲み物

人体に有害でないかは確認する必要がありますが、天然由来の飲み物であれば飲んでも良いとされています。

卵、牛乳などの動物性食品

動物性のものでも、卵や牛乳、ヨーグルト、バターなどの乳製品は食べても良いです。もちろん、他の食品と同様、豚肉、アルコールなどが関わっていないことがポイントとなります。

わかりやすい指標であるハラル認証

ハラル認証とは、1970年にマレーシアで始まった制度で消費者がハラルフードを見分けるために作られた証明のことです。認証機関によりイスラム教の教えに則って、安全かという点から判断され、認定されます。
スーパーやデパートなどでも、ハラル食品が売られることがありますが、ハラル認証を受けた商品には、マーク、ロゴがついています。
認証を受けるには厳しい検査があり、ハラムの食品が使われていないか、豚の成分がどこかに混入していないかなどが細かく検査されており、合格したものだけが認証を受けることができるのです。
このマークやロゴがあればイスラム教徒(ムスリム)の方も安心して食事をすることができますね。

まとめ

ハラルフードとはイスラム教徒(ムスリム)が食べることを許されている食品のことです。
無農薬野菜や天然の魚など、自然な状態で育成された食べ物があたります。
ハラルフードを購入する際に、わかりやすい指標にはハラル認定というものがあります。
ハラルフードの反対語でハラム(禁じられている)という言葉があり、イスラム教徒(ムスリム)には沢山の禁じられた食品があるのです。とくに厳しく禁止されているのは豚肉とアルコールですが、その他にも細かい禁止事項があります。
イスラム人口は世界規模で増加中です。実は米国調査CNNでは2100年にはイスラム教徒の数がキリスト教徒の数を抜き、世界最大の人数になると予想されているのです。
日本国内にも同じことが言え、イスラム教徒(ムスリム)の数は年々増えることが想定されます。もちろんイスラム教徒(ムスリム)の増加に合わせてハラルフードの需要は上がります。
習慣や考え方を含め、イスラム教徒の生き方を理解して、共生していくためにもハラルフードについて学ぶのは必須ですね。

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