インドネシア料理とは その特徴と伝統料理を解説
目次
広い国土を持つインドネシアには、たくさんの種類の料理があります。
一口にインドネシア料理と言っても、各地域によって味付けや使う食材も異なり、その多様性には驚かされるでしょう。
この記事では、インドネシア料理の歴史や各地域の伝統料理について解説いたします。
記事を通して、インドネシア料理について詳しく知ることができれば幸いです。
インドネシア 料理とは
インドネシアは国土面積が日本の5倍以上もある広大な地に、多民族が暮らす国です。
たくさんの島によって構成された共和国の中には、様々な信仰宗教や民族が存在しています。
気候風土や文化、採れる食材もインドネシアの各地域によって大きく異なります。
インドネシアは気温が高いので、食欲を維持するために香辛料を使った料理が多いです。
インドネシア 料理の歴史
インドネシアは、海外との貿易を機に、各国の食文化も受け入れてきました。
特に影響を受けたのは周辺国であるイスラム、インド、中国等です。
現在も、地域によって様々な伝統料理が顕著に存在しています。
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地域別の伝統料理をご紹介
以下に、地域別の伝統料理を紹介いたします。
辛さが特徴のパダン料理
パダン料理は、スマトラ島のパダンという地方の料理で、辛い味付けが特徴です。
香辛料・ココナッツミルクと一緒に、肉や魚を長時間煮込む料理が代表的です。
煮込み料理には、牛肉を香辛料とココナッツで煮込むビーフシチューのような「ルンダン」等があります。
他にも、香辛料で味付けした魚の炭火焼「イカンバカール」、香辛料で味付けした鶏肉を揚げた「アヤムポップ」等があります。
甘い味付けのジャワ料理
ジャワ料理は、ジャワ島の東部と中部の料理です。
甘い味付けの料理が多いことが特徴で、ココナッツミルクやピーナッツがよく使われています。
東ジャワの代表的な料理は、カニのカレーである「カレ・ラジュンガン」です。
また、中部ジャワの代表的な料理は、ジャックフルーツという南国の果物の実と鶏肉を、ココナッツミルクや砂糖で煮込んだ「グドゥッ」です。
さっぱりヘルシーなスンダ料理
スンダ料理は、ジャワ島の西部エリアのスンダと呼ばれる地域の料理です。
他の地域のインドネシア料理に比べて、さっぱりとした味付けでヘルシーであることが特徴です。
スンダの気候は比較的涼しく、高原野菜がふんだんに採れるので、野菜も多く使います。
スンダ料理の代表的なものに、バナナの葉に包んだ魚や野菜等の具を蒸し焼きにした「ペペス」という料理があります。
スパイスの効いたバリ料理
「バリ料理」は、インドネシアの中でも観光客が多い、バリ島の料理です。
香辛料のサンバルやスパイスをたくさん使用した塩辛い料理が多いです。
食材は、豚肉や魚がよく使われています。
代表的な料理には、野菜のみじん切り・香辛料・ココナッツフレークの和え物である「ラワール・サユール」、子豚の丸焼き「バビ・グリン」、肉や魚のミンチを串焼きにした「リリット」等があります。
現在は、観光客の口に合うような味付けの料理を提供するお店も多いです。
よく使われる食材や特徴を解説
インドネシア料理でよく使われる食材と特徴を、一部紹介いたします。
国民的調味料「サンバル」
唐辛子、玉ねぎ、にんにく、エビ等で作られたチリソースのようなものです。
民族を問わず、一般家庭や飲食店等で広く使われていて、地域や家庭によって味に違いがあります。
辛さの度合いも様々で、中には甘めに作られたサンバルもあります。
用途が非常に幅広く、炒め物やスープに愛用されている、インドネシア料理には欠かせない調味料です。
「ケチャップ・マニス」
甘みのある調理用ソースで、サンバル同様、インドネシア料理に多用されています。
発酵させた小麦と大豆に塩等で味付けをした、醤油に似た調味料です。
トマトを原料とした調味料「ケチャップ」と名前は似ていますが、ケチャップ・マニスは粘りのある黒いソースです。
インドネシアではソース全般のことを「ケチャップ」と呼びます。
主食の「米」
インドネシアの主食は米で、世界的に見ても米の消費量が多いです。
基本的に、白米と濃い味付けのおかずを食べることが好まれています。
麺やパンもありますが、食事としてではなく、間食として食べることが多いです。
調理法は様々「魚介類」
魚介類もよく使われる食材ですが、暑い気候のため、魚介類の腐敗を防ぐ必要があります。
唐辛子で味付けをして殺菌効果を高める方法や魚に塩味を付けて干して食べる方法、燻製にして保存性を高める方法等が使われています。
欠かすことができないのが「油」
インドネシアの暑い気候では、生ものではなく焼き物や揚げ物をよく食べる習慣があるので、油は欠かせない食材です。
豆腐や肉、魚介類等、様々な食材を揚げ物にしています。
インドネシアの飲み物やスイーツについて
インドネシアの飲み物やスイーツを一部紹介いたします。
インドネシアはお酒の輸入関税が高いので、お酒の値段が高額な傾向があります。
しかし、バリ島の北部にあるブドウ園のブドウを使った国産の「ハッテンワイン」は、インドネシアでもリーズナブルに購入することができるので人気です。
また、インドネシアではアボガドをそのまま食べるのではなく、飲み物にする文化もあります。
アボガドに砂糖やチョコレートを加えたアボガドジュースや、アボガドとコーヒーを混ぜたアボガドコーヒーもあります。
健康や美容に良いとされる飲み物は、「ジャムウドリンク」です。
ジャムウは、植物の葉や実、根の部分を調合させてつくられた漢方薬で、少々癖のある独特な味わいです。
スイーツにも、様々な種類があります。
代表的なスイーツは、バナナの揚げ物「ピサンゴレン」です。ホットケーキミックスにバナナをくぐらせて揚げたものです。
他には、粗く砕いた氷の上に様々なフルーツを乗せたかき氷「エス・ブア」や、食パンにチーズやジャム等をはさんで焼いた「ロティ・バカール」等があります。
インドネシアでは、間食の習慣も根付いており、スイーツも好んで食べる文化があります。
主なインドネシア 料理紹介
最後に、主なインドネシア料理を紹介いたします。
鶏肉や野菜と、米を一緒に炒めたチャーハンのような料理「ナシゴレン」は、インドネシア料理として他国にも知られています。クルベックと呼ばれる揚げせんべいや目玉焼きを添えることもあります。
野菜や鶏肉と、細い中華麺を一緒に炒めた焼きそば「ミーゴレン」も、代表的なインドネシア料理です。
ナシゴレンと同様に、クルブックや目玉焼きを添えることもあります。
他に、スパイシーな味つけをした肉にピーナッツソースをかけた料理「サテアヤム」や、温野菜にピーナッツソースをかけたサラダ「ガドガド」等があります。
まとめ
インドネシアは広い国土面積を持つ分、食文化や料理にも多様性があります。
同じ国の中でも、地域によって大きな差があることを知ると、面白いでしょう。
食欲をそそるような辛めの味付けや保存性の高い料理方法等に、インドネシア料理の工夫を感じることができます。
日本でもよく知られているインドネシア料理は「ナシゴレン」や「ミーゴレン」等ですが、インドネシア料理の種類は、実に豊富で奥深いのです。
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