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インド料理とは 特徴や代表的な料理も合わせて解説

シェアダイン編集部
作成日:2022/08/22
更新日:2022/12/06

目次

インド料理店は日本にも多く出店しており、カレーなどの有名なインド料理は、身近に感じる方も多いでしょう。
しかし本場のインド料理は、地域によって多様性が見られ、味付けや使う食材は様々であることが特徴です。

この記事では、インド料理の特徴や歴史について紹介いたします。
記事を通して、インド料理について詳しく知ることができます。

インド料理の特徴や種類

インドは1つの国ですが、国土面積が広く、たくさんの宗教や民族が存在しています。

民族や信仰宗教により料理も変わってきますが、基本的にスパイスを多用する料理であることは共通しています。
スパイス以外にも、乳製品、油などがよく使われることが特徴です。

また、インドには野菜のみを食べる「菜食主義者」が多いです。
地域によって伝統料理が存在し、「北インド料理」「南インド料理」「ベンガル料理」「ゴア料理」という種類があります。

インド料理とは

ここではインド料理の歴史、地域別の伝統料理、よく使われる食材などについて解説いたします。

インド料理の歴史

インドにおけるスパイスの歴史は古く、紀元前からスパイスが使われていたと考えられています。
スパイスは、インドを流れる川「インダス川」において交易が始まった際に、近隣の国であるエジプトなどから持ち込まれました。

昔からスパイスを食文化に取り入れてきた歴史に加え、暑い気候の中でも食欲を維持するためにスパイスを使うことは、理にかなっていました。
現在でも、インド料理においてスパイスは欠かすことができないものです。

地域別の伝統料理を紹介

インド料理では、東西南北で伝統料理が異なります。
 
・北インド料理
「北インド料理」はインド北部の伝統料理。
主食は「チャパティー」や「ナン」などの小麦粉でできたパンです。米も食べることもありますが、パンを食べる機会が多いです。北インドでは小麦の栽培が盛んに行われていることからも、パンが主食として浸透しました。
北インドでは、「タンドール」という壺状の窯を使う料理が有名です。タンドールで食材を焼くと、外側は「パリッ」とした食感になり、内側は柔らかく、オーブン料理のような仕上がりになります。タンドールを設置しているお店では、タンドールを使ってナンやタンドリーチキンを焼いて提供します。
菜食主義者に関しては南インドよりも少なく、肉類も豊富に料理に使われていることが特徴です。
北部は南部よりも平均気温が5度程度低くなっているため、体温維持のために脂肪分の多いカレーが好まれています。
 
・南インド料理
「南インド料理」は、インド南部の伝統料理。
南インドは稲作が盛んで、主食として米を食べることが浸透しました。カレーとナンを食べるのが定番である北インドとは異なり、カレーと一緒に食べるのはお米です。
気温が高いので、カレーはとろみが少なく、さっぱりした味が好まれています。南インド料理は、他の地域のインド料理の味付けと比べて全体的にあっさりしている傾向です。
菜食主義者が多いため、野菜や豆類を多用し、料理に風味を出すためにはココナッツミルクがよく使われています。
南インド料理はバナナの葉の上に米やおかずを並べた「ミ―ルス」という料理が有名です。バナナの葉の上で、米やおかずを混ぜながら食べます。
 
・ベンガル料理
「ベンガル料理」は、東インドのベンガル地方という地域の伝統料理。
米が主食とされ、魚介類や野菜をが多く使われています。
カレーに魚を入れる「ベンガルフィッシュカレー」は、ベンガル料理ならではのものです。
スパイスは「マスタードシード」という、からし菜の種子を乾燥させたものが多用されます。
 
 ・ゴア料理
「ゴア料理」はインドの西海岸の「ゴア州」という地域の伝統料理。
主食は米で、魚介類も好まれています。
魚とココナッツをスパイスで煮込んだ「ゴアフィッシュカレー」や、豚肉をスパイスで煮込んだ「ポークビンダル―」などが代表的な料理です。

よく使われる食材や特徴を解説

インドでよく使われる食材や特徴について一部を紹介いたします。

 ・ガラムマサラ
数種類のスパイスを合わせて作られた、ミックススパイスです。家庭でも飲食店でも使用されています。
調合に使うスパイスに決まりはなく、各自の好みで調合されます。中でもよく使われているスパイスは、クローブ、ナツメグ、コリアンダー、ブラックペッパーなどです。

・乳製品
菜食主義者が多いインドでは、肉類に代わり乳製品でタンパク質を摂取する傾向があります。
「ダヒー」と呼ばれる酸味の強いヨーグルトのような発酵食品は、インドの食文化に欠かせません。
そのまま食べるだけではなく、調味料として使用したり、ドリンク、デザートに混ぜることもあります。
個人で手作りすることが多いので、各家庭によって味は多様性に富んでいます。

インドの国民的な飲み物やスイーツを紹介

以下に、インドの飲み物やスイーツを一部紹介いたします。

いわゆる「飲むヨーグルト」である「ラッシー」は、ヨーグルトと牛乳を基本材料としてつくられる飲み物です。甘みを足す場合は砂糖やはちみつを使用したり、果物も入れて味にバリエーションを出すこともあります。インドでは、ラッシーにも「ダヒー」を使うことが多いです。

スパイスの入ったミルクティー「チャイ」は、おもにアッサムの茶葉を煮出して牛乳と砂糖、スパイスを混ぜて作られます。
ヨーグルトやバターを作った際に分離してできる液体「バターミルク」も飲まれています。普通の牛乳と異なり、酸味の効いた味が特徴で胃を保護する効果もあり、インドでは人気の飲み物です。
 
インドのスイーツは、非常に甘い味付けが特徴です。
カレーは刺激が強くスパイシーな味付けであるため、甘みの強いスイーツを食事の後に食べるとお口直しにもなります。
糖分が高い食べ物は、暑いインドの気候でも腐りにくく保存性に優れているというメリットもあります。
例えば、丸い形に揚げたドーナツを甘いシロップに漬け込んだ「グラブ・ジャムン」が、インドの甘いスイーツの代表です。
米で作るプリン「キール」は、牛乳と砂糖、お米を煮込んでトッピングにドライフルーツなどを添えます。

おもなインド料理を紹介

ここでは、おもなインド料理を紹介いたします。
 
豆類やレーズンなどの具に、スパイスの味を効かせて皮に包んで揚げた、「サモサ」は軽食として気軽に食べられるインド料理です。
皮は薄めで小麦粉で作られた餃子の皮のようなものです。
 
野菜を多く食べる傾向にあるインドですが、代表的なインドの肉料理もあります。
鶏肉をヨーグルトスパイスに漬け込んで焼き上げる「タンドリーチキン」や羊肉をスパイスに漬け込んで焼き上げる「シシカバブ」が人気です。
 
スパイスと野菜、鶏肉、魚介類などの具で米を炊き上げる「ビリヤニ」はインドの炊き込みご飯として知られています。

まとめ

 広大な面積を持つインドは、その分だけ食文化の幅も広いのが特徴です。
北インドと南インドでも主食、味付けなどは大きく異なり、インド料理を一括りにはできないことがわかるでしょう。
スパイスの歴史に始まり、現在も各地域の色が根強く残るインド料理。
カレーだけではなく、「インドならではの味」が、たくさん存在しています。

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