アフリカ料理とはよく使われる食材と代表的な料理について
目次
日本人にとってアフリカ料理はそれほど馴染みのない料理で、どのような食材が使われ、味付けされているのか、想像しづらいかと思います。
この記事では、アフリカ料理の特徴や由来、代表的な料理について解説いたします。
アフリカ料理の特徴や種類
アフリカは54の国からなる広大な大陸です。地域によって地形や気候、歴史的背景が異なることから、食文化も多彩です。アフリカ料理は一括りに特徴を言い表すことは難しく、北、南、東、西それぞれ異なる食文化があります。
北部アフリカは地中海に面しており、エジプトやモロッコなどの国があります。砂漠があり乾燥しているイメージがありますが、地中海性気候に恵まれ、小麦やオリーブの栽培が行われています。ナイル川が流れるエジプトでは、川の水を引いて穀物の栽培が盛んです。そのため主食にはパンやクスクスが食べられています。イスラム圏であるため、ハラルに沿い、豚肉や酒類は禁じられています。
南部アフリカは、南アフリカをはじめ、ボツワナ、ナミビアなどの国があります。肉をバーベキューで食べる習慣があり、乳製品の生産も盛んです。
東部アフリカには、エチオピア、ケニア、ウガンダ、ルワンダなどの国があります。インド洋に面する沿岸部と内陸部では、食文化の違いが大きく、内陸部では、牧畜や農業が盛んです。沿岸部では外国からの影響を受けた食文化になっています。レンズマメなどの豆類や香辛料がよく使われるでしょう。
西部アフリカは、大西洋に面し、セネガル、ガーナ、ナイジェリアなどの国があります。唐辛子などの香辛料を使った料理が多く存在し、キャッサバなどのイモ類、トマトや落花生、固く甘みの少ないプランテンと呼ばれるバナナをよく料理に使います。
アフリカ料理とは
アフリカ料理の歴史
数多くの先住民族で構成されているアフリカ大陸では、古くからの民族の食文化と外国から持ち込まれた食文化が融合し、地域ごとに独自の食文化が形成されてきました。
北部アフリカはアフリカの要衝であり、長年人々の出入りが多く、ヨーロッパやアジアの料理やイスラムの文化など外国から多くの食文化が持ち込まれました。
南部アフリカは古くからの民族の素朴な食文化と、植民地時代に持ち込まれたヨーロッパやアジアの文化が混ざり、多様な食文化を形成しています。
東部アフリカは沿岸部で外国からの文化の影響を受けてきました。古くからアラブの商人が出入りし、アラブの文化を持ち込みました。イギリスの植民地時代には、イギリス人やインド人から大きな影響を受けました。
西部アフリカでは、大航海時代や奴隷貿易の頃、ポルトガルなどのヨーロッパの文化やアメリカの文化が入ってきました。
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北部アフリカ
北部アフリカ発祥で主食として食べられている「クスクス」は、世界最小のパスタといわれ、小麦をこねて粉状にし、蒸して作られます。煮込み料理など、様々な料理と合わせて食べられています。
日本でもブームになった「タジン鍋」は山のような形の土鍋に野菜などを入れて作るスープです。野菜から効率よく水分を取れるよう、特徴的な鍋の形をしています。
その他、チュニジア料理の「ブリック」は春巻きのような料理で、中にはじゃがいもや卵、ツナ、ひき肉などが入れられることが多いでしょう。
南部アフリカ
主食として主に食べられているのは、トウモロコシを粉状にして水と練りあわせて作る、お餅のような「パップ」です。
南アフリカの国民食「ボボティ」はミートローフのような料理で、スパイスが効いています。植民地時代にマレーシア人によって広められた料理であり、アジア料理らしさを感じる味わいです。
「ポイキ」は肉や野菜がゴロゴロ入った煮込み料理で、シンプルな味付けになっています。
バーベキューにかかせない「ボーアウォース」は渦巻き状の長いソーセージで、複数人で切り分けて食べる大きさだそうです。
東部アフリカ
内陸部を中心に主食は「ウガリ」が食べられています。南部アフリカで食べられている「パップ」と同じもので、呼び名が異なっています。
ウガンダでは「マトケ」と呼ばれるデンプン質の豊富なバナナが料理に使われます。
沿岸部ではインドから持ち込まれたカレーや「チャパティ」が食べられています。「チャパティ」は平べったいパンで、カレーなどと一緒に食べられます。
エチオピアやエリトリアでは、同じくクレープのように平たい形状のパンの「インジェラ」を「ワット」というシチューにつけて食べます。
西部アフリカ
「フフ」と呼ばれるキャッサバなどのイモを中心とした材料で作られる餅状の食べ物が主食です。
「チェブジェン」「チェブヤップ」はピラフのような炊き込みご飯で、チェブジェンは魚、チェブヤップは肉を使ったものを言います。
煮込み料理の「マフェ」はピーナッツペーストとトマト、香辛料で作られます。プランテンはメイン料理や付け合わせ、おやつとして調理されます。
コートジボワールではプランテンを角切りにして揚げた「アロコ」が食べられています。
アフリカ料理でよく使われる食材や特徴
アフリカ料理では小麦やトウモロコシなどの穀物、キャッサバやタロイモなどのイモ類、バナナは主食としてお餅やパンに使われることが多いです。野菜はトマトやオクラなどが生産されており、よく使われます。牧畜は食用肉としてではなく、乳や乳製品の生産のために飼育されています。
アフリカ料理での飲み物やスイーツ
アフリカ南部ではブドウが栽培され、ワインが生産されています。日本でもノンカフェインの飲料として人気のルイボスティーは南アフリカでのみ生産されています。エチオピアやルワンダ、ケニアなどではコーヒー豆の生産が盛んで、日本でもよく飲まれているコーヒーです。
ケニアで食べられている「マンダジ」は揚げパンのようなスイーツで、朝食やおやつに食べます。「ミルクタルト」はポルトガルとオランダの文化の影響を受けて発展してきた南アフリカを代表するスイーツです。タルトに牛乳がメインのカスタードクリームが乗っています。
主なアフリカ料理紹介
アフリカ料理の中で有名な料理といえば、モロッコ料理です。タジンやケバブ、クスクスなどは、日本でも馴染みがあります。地中海料理の一つとしてユネスコ無形文化遺産に登録されています。
セネガル料理はアフリカ料理の中でも特に洗練された料理と言われ、フランスの文化が大きな影響を与えています。日本と同じく、主食に米を食べることも多いです。
まとめ
アフリカ料理は先住民族の古くからの食文化と様々な外来文化が融合して生み出され、地域ごとに異なる多彩な食文化を形成しています。未知のイメージが強いアフリカ料理ですが、日本人にも馴染みやすい料理も多くあります。
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