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アメリカ料理 その特徴や種類を解説

シェアダイン編集部
作成日:2022/08/19
更新日:2022/12/05
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目次

アメリカ料理と聞いて多くの人が連想するのはハンバーガーやホットドッグ、フライドチキンなどのファストフードや巨大なビーフステーキ、ローストチキンといった高コレステロール高カロリー食かと思います。でもそれが全てではありません。

アメリカは移民の国としてさまざまな国の伝統料理をミックスした独自の食文化を形成しています。一方で、先住民の食文化を反映した素朴な料理も少なくありません。この記事では魅力に満ちたアメリカ料理の特徴や種類、歴史と伝統料理について解説いたします。

アメリカ料理の特徴や種類

アメリカは世界最強の経済大国ですが、国としての歴史は浅く、コロンブスがアメリカ大陸を発見した1492年が事実上の起源となります。それ以降、アメリカには世界各国から多くの移民が入植して先住民の土地を侵略。移民を中心とする多民族国家を形成しました。

アメリカ合衆国の面積は日本の約26倍。アラスカとハワイをのぞく合衆国本土(CONUS)も日本の約21倍の面積があります。国土の40パーセントを占める広大な農地では小麦や大豆、トウモロコシなどを大規模に生産しており、酪農や畜産も盛んです。

アメリカ料理は、ヨーロッパ諸国やアフリカ系の移民が持ち込んだ郷土料理とアメリカ先住民の伝統料理が融合する形で成立しました。伝統料理では南部料理やテクス・メクス料理などが知られています。

古典的なアメリカ料理はイギリスやドイツ、北欧などの家庭料理や先住民の伝統料理が融合しています。アメリカは国土が広く、地域によって食材や調理方法、味つけなどが大きく異なるのも特徴です。

アメリカ料理とは

アメリカ料理とはアメリカ合衆国で創作された料理のこと。またはアメリカ以外の料理がアメリカ国内で独自の進化をとげた料理や、アメリカ人の間に広く普及して常食となっている料理を意味します。

アメリカ料理の歴史

アメリカ合衆国が位置する北米大陸は1492年にクリストファー・コロンブスによって発見されました。それ以前のアメリカはナバホ族、チェロキー族、イロコイ族など600を超える先住民族(インディアン)の領土でした。

インディアンの多くは狩猟や漁労を行いながら農業を営み、トウモロコシやインゲンマメ、ウリ、カボチャなどを栽培して生活していました。16世紀後半からヨーロッパの列強国がアメリカの植民地化を本格化。イギリスが主導権を握るようになります

その後、北東部を中心とする13州が独立戦争を経てイギリスから独立。アメリカ合衆国を建国しました。アメリカはその後も多民族国家として発展し、多くの人種や民族がそれぞれの伝統料理を継承しながら「アメリカ人」として暮らしています。

アメリカには王朝が統治した歴史がないため宮廷文化も存在しません。独立以前のアメリカではイギリスが政治経済の主導権を握っていたため、古典的なアメリカ料理はイギリスの家庭料理が基礎になっています。

地域別の伝統料理

アメリカの伝統料理で有名なのは南東部地域に伝わる南部料理です。古典的な南部料理はアフリカ系やヨーロッパ各国、および先住民の食文化の影響が強く、ルイジアナ州のケイジャン料理やクレオール料理、フロリダ州のフロリビアン料理などが知られています。

また北東部のニューイングランド地方ではイギリス人入植者が伝えた郷土料理が定着しています。沿岸部のボストンではロブスター料理やクラムチャウダーが人気です。同じクラムチャウダーでも、300km離れたニューヨークではイタリア色が強くなります。

西部地方では、開拓時代に「チャックワゴン」と呼ばれる幌馬車の移動キッチンで作られたシンプルな炭火焼きの「カウボーイディナー」が人気。テキサス州の「テクス・メクス料理(Tex-Mex cuisine:メキシコ風テキサスの意味)」が伝統料理として知られています。

南西部の砂漠地帯は多くの先住民が暮らしていたため、トウモロコシや干し肉などが食されました。 一方、中西部はドイツや北欧からの移住民が多かったため、現在でもドイツ風のジャガイモ料理が根づいています。

アメリカ料理でよく使われる食材やその特徴

多民族国家のアメリカでは世界中の料理が食されていると言っても過言ではありません。またコマーシャリズムの発達により料理の進化と普及が早いこと、バーベキューのように料理をコミュニケーションツールとして活用する外交的な食文化も特徴といえます。

アメリカの国民的な飲み物やスイーツ

アメリカでは夏になると子供たちがレモネードスタンドという屋台を作ってレモネードを販売する風習があります。衛生面で問題視されることもありますが、幼い頃から店舗を持つことで起業と経営を学ぶ機会にもなるとして多くの州で容認されています。

酒ではトウモロコシを原料とするバーボンウイスキーが有名です。同じ原料のコーンウイスキーもアメリカらしい酒のひとつ。飲みやすく度数が高いため、コーンウイスキーで酔いつぶれて「目が覚めたら埋葬されて3日目だった」というジョークもあります。

スイーツではアップルパイが人気です。りんごだけでなくサクランボやカボチャなどを使ったパイは「アメリカンパイ」とも呼ばれ、映画や音楽の題名にもなるほど広く愛される国民食となっています。

主なアメリカ料理紹介

「インディアン」や「ネイティブ・アメリカン」と呼ばれる先住民族の伝統料理では、ドライフルーツや干し肉を動物性脂肪で固めた「ペミカン」、トウモロコシやインゲンマメを煮込んだ「サコタッシュ」、パンを油で揚げた「フライブレッド」が有名です。

またタコスなどに使われる「トルティーリャ」という薄焼きのパンは中米インディアンの伝統料理。トウモロコシ料理の「グリッツ」はアメリカ南部のインディアンに伝わる粥状の料理で現在もアメリカ南部を中心に朝食のメニューとして愛されています。

日本でも人気のクラムチャウダーはニューイングランド地方が発祥地。フランス人の漁師が最初に考案したとする説や、当時フランス系移民と友好的な関係にあった先住民の料理とフランスの調理法が融合したとする説があります。

まとめ

アメリカ料理は、ヨーロッパ諸国やアフリカ系の移民が持ち込んだ郷土料理とアメリカ先住民の伝統料理が融合して根づいたもの。国土が広大なアメリカでは地域によって調理方法や味つけが大きく異なるのも特徴です。

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