ドイツ料理とは 特徴や伝統料理を合わせて解説
目次
ドイツ料理といえば、ビールやソーセージのイメージが強く、ドイツを代表する定番グルメですが、他にも様々な美味しい料理が存在します。
この記事では、ドイツ料理の特徴や種類、歴史の解説と、代表的な食材や料理を紹介いたします。
ドイツ 料理の特徴や種類
ドイツは気候や土地の特性から、食材が不足しがちであることを補うための工夫が凝らされた料理が多いことが特徴で、保存食文化が発展してきました。
ドイツ人は食に関してこだわりが少なく、料理に手間をかけないため、素朴な料理が多いことも特徴です。料理よりも他の事に時間をかけたいと考える人が多いようです。
食事は昼食が一日の食事の中で一番大事と考え、温かい料理は1日1回昼食に取ることが多く、夜はパンやハム、ソーセージ、チーズなどの冷たい料理で簡単に済ませます。活動量の多い日中にしっかりと食べ、夜は少なく済ますという合理的な考え方なのだそうです。
ドイツ料理とは
・ドイツ料理の歴史
寒冷地であるドイツは、寒い冬に備え保存の効く食品が好まれ、肉を燻製して加工したソーセージやハム、塩漬けや酢漬けにした食材を使った料理が古くから親しまれてきました。ボリュームのある豪快な骨付き肉や塊肉の料理を食べる習慣も寒い冬を乗り越えるためとして根付いているようです。
牛は乳製品の生産のために家畜にしていたことから、食用として飼育されていたのは豚肉が多く、豚肉の料理や豚の加工肉が食べられてきました。
ドイツは食材が豊富に取れる肥沃な土地ではなかったものの、寒冷な地域でも育ちやすいじゃがいもが広く栽培され食べられるようになり、ドイツ料理になくてはならない食材となっています。現在では輸入により多くの食材が手に入るようになったものの、かつての名残りから料理に使われる食材のバリエーションは少ないです。
・よく使われる食材や特徴
ドイツ料理は肉やじゃがいもを使った料理が多いことが特徴です。
肉料理は豪快でおなかがいっぱいになる料理が伝統的で、肉料理の中でも豚肉料理が多く食されています。ドイツ料理として有名なソーセージは「ヴルスト」と呼ばれ、ドイツ全土で食べられていますが、地域ごとに特色が異なり、1500種類以上のヴルストが存在します。
じゃがいもは茹でる、揚げる、焼く、マッシュ状にするなど様々に調理されます。付け合わせとしてだけでなく、主食として食べられることもあります。
・地域別の伝統料理
・ドイツ南部 バイエルン地方の伝統料理
ドイツ料理として連想される料理の多くがバイエルン地方の料理です。
「シュバイネハクセ」は豚の骨付きすね肉を焼き上げた料理です。外はカリッと焼かれ、中はジューシーで、ボリュームがあり豪快な見た目はインパクトがあります。
「シュバイネブラーテン」は豚の塊肉を煮込んで作るいわゆるローストポークで、シュバイネハクセと並びバイエルン地方の名物料理です。
「ヴァイスヴルスト」は『白いソーセージ』という意味で、仔牛肉とハーブで作られた白くて柔らかいソーセージです。グリルではなくボイルで調理され、食べる時は皮を剥いて中身だけを食べます。
・ドイツ南西部 シュヴァーン地方の伝統料理
「マウルタッシェン」は袋状のパスタの中に挽肉やほうれん草、たまねぎなどを詰めてスープで煮た料理です。イタリア料理のラビオリに似た料理ですが、ラビオリよりも生地が厚くボリュームがあります。
・ドイツ東部 首都ベルリンの伝統料理
「アイスバイン」はベルリンを代表する料理で、長時間塩漬けにした豚の骨付きすね肉をたまねぎ、セロリなどの香味野菜とクローブなどの香辛料とともに煮込んだ料理です。
・飲み物やスイーツ(ワインなど)
ドイツといえばビールというほど有名なドイツビールは種類が豊富です。種類は大きく分けて「ラガー」と「エール」の2種類です。違いは製造方法で、「ラガー」は低温で長時間発酵させて作るビール、「エール」は高温で短時間発酵させて作るビールです。
ラガーに分類される有名なドイツビールは、日本人にも馴染み深く喉越しの良い、黄金色の「ピルスナー」、まろやかな味わいの黒ビール「ドゥンケル」、きりっとした味わいの黒ビール「シュバルツ」などがあります。エールに分類されるビールには、白ビールの代表格でフルーティーな味わいの「ヴァイツェン」、明るい黄金色で軽く飲みやすい「ケルシュ」、琥珀色をしており香りや味が強い「アルト」などがあります。
近年日本でもクリスマスの時期に見かけるようになってきた「シュトレン」はドイツのお菓子です。バターたっぷりの生地に、ラム酒に漬けたドライフルーツやナッツをふんだんに練りこんで焼き、表面には粉砂糖がまぶしてあります。シュトレンは熟成を楽しむお菓子で、クリスマスに向けて少しずつスライスして食べ進めていきます。
「アプフェルシュトゥルーデル」は薄く伸ばしたパイ生地にりんごやレーズンを包んで焼いたお菓子で、日本のアップルパイに似ています。生クリームや粉砂糖を添えて食べられます。
主なドイツ料理紹介
ドイツ料理の代表格であるソーセージは、数多くの種類が存在し、原材料や調理法、食べ方など特徴は様々です。
代表的なソーセージの一つ「テューリンガー」はにんにくやハーブを練りこんだソーセージで、焼いて食べます。テューリンゲン地方の名物です。
「ブルートヴルスト」は『血のソーセージ』という意味で、その名の通り材料に豚の血液が使われ、赤黒い色をしています。スライスしてパンに乗せて食べるのが一般的です。
「ニュルンベルガー」はハーブがしっかりと効いた小ぶりのソーセージで、焼いて食べます。
「メットヴルスト」は加熱せずに作られることが特徴のサラミのようなソーセージで、スライスしてパンに乗せて食べる他、料理にも使われます。
ソーセージを使った料理として人気なのが、「カリーヴルスト」です。焼いたソーセージにカレー粉とケチャップをかけて食べる料理です。屋台でよく見かける料理で、ドイツ人のファーストフードとも言われます。
ソーセージ以外にも、ドイツの代表的な肉料理に「シュニッツェル」があります。叩いて薄くした仔牛肉にパン粉をつけて揚げ焼きにした料理で、カツレツのような料理です。付け合わせにじゃがいもがついてくることが一般的です。
「ザウアーブラーテン」は牛肉などの塊肉を酢、野菜、香辛料のマリネ液に漬け込み、焼いた後蒸し煮にして作られる肉料理です。マリネ液は煮込んで酸っぱい味付けのソースになります。
「グラーシュ」は牛肉とトマト、スパイスで作るシチューのような煮込み料理です。
ドイツ料理の付け合わせの定番は「ザワークラウト」です。キャベツを発酵させて作られているため、酸味のある味付けで、肉料理やソーセージなどに必ずといっていいほど添えて出されます。
「プレッツェル」はドイツを代表するパンで、日本でもよく見かけます。リボンの結び目のような独特な見た目をしていますが、生地はシンプルで、表面には塩が振ってあります。ドイツでは朝食によく食べられます。
まとめ
ドイツは寒冷で肥沃でない土地であったことから、保存の効く料理や豪快で質素な料理が多く見られます。食材や料理のバリエーションは少ないものの、ドイツ料理として有名なソーセージやビールは1000を超える種類が存在するほど、奥の深い食文化です。他にも、肉料理をはじめパンやスイーツなど魅力的な料理が存在します。
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