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スペイン料理といえばこれ!特徴とおすすめの解説

シェアダイン編集部
作成日:2022/07/26
更新日:2022/11/28
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目次

日本で人気の西洋料理といえばフランス料理とイタリア料理がツートップですが、スペイン料理も内容では引けを取りません。2010年にはイタリア料理やギリシア料理、モロッコ料理などとともに地中海料理としてユネスコの無形文化遺産に登録されました。
米や魚など日本人にとってもなじみが深い食材が多く、調理法がシンプルで、レストランはもちろん一般家庭でも手軽に作って楽しめるスペイン料理。この記事では飲食店の新メニュー導入にも役立つおいしいスペイン料理の情報をお届けします。

スペイン料理の特徴

スペイン料理の特徴としては、各地方の農産物や海産物の特長を生かした郷土料理が多いことがあげられます。スペインはヨーロッパ南端のイベリア半島に位置する国で、内陸部はピレネー山脈やシエラ・ネバダ山脈などの山岳地帯に占められています。
山脈からはタホ川などの河川が流れ、沿岸部に広大な沖積平野を形成。東部と南部は地中海に、西部と北部は大西洋に面しています。地中海沿岸は一年を通じて温暖な地中海性気候。北部は西岸海洋性気候で降水量が多く、多彩な農産物や水産物を産出しています。
歴史的にもスペインは古くからさまざまな民族や文化、宗教が交錯しており、食文化も気候風土や歴史・文化など地政学的な特徴を反映して、地域ごとにさまざまな調理方法が発達しています。一口にスペイン料理といっても地域によってその特長は大きく変わります。
スペインでは地域ごとに違う調理法を、「北部では煮込み、中部では焼きもの。南部ではフライ」という言葉であらわします。ただしスペインの地方料理の分類については定説がなく、戦後の観光産業の発展とともに各地域の名物料理として広まった経緯があります。
全ての地方に共通する特徴としては、オリーブオイルがたっぷり使われることがあげられます。オリーブオイルの生産量はスペインが世界一。スペインの食文化を支えるだけでなく、主要な輸出品目のひとつとして国の経済を支える基盤にもなっています。
また「スペイン人は1日5食昼寝付き」と言われるように、スペインでは軽食を含めて1日5回食事をとることも特徴のひとつ。食事の頻度が多いため食文化が豊かで料理のバラエティにも富んでいる、といえるでしょう。

肉料理の特徴

スペインの肉料理としては内陸部のカスティーリャ州やマドリード州などの地域に伝わる伝統料理が有名です。マドリード州はスペインのほぼ中心部に位置する比較的小さな州で、名前からもわかるとおり首都マドリードの所在地でもあります。
マドリードの北に隣接するカスティーリャ州はスペインで最も広い面積を誇る州。イベリア半島の内陸部は大陸性気候で雨が少なく、乾いた赤土の荒野や平原が広がる地域です。夏は気温が上昇しますが夜は気温が下がり、冬場は厳しい寒さに襲われます。
人々は冬が来る前に肉や魚やミルクなどをハム、燻製、ひもの、チーズなど保存可能な食品に加工して食糧に乏しい厳冬期を乗り切りました。カスティーリャ地方の肉料理は体が温まる煮込み料理や、調理と暖房を兼ねた炭火焼きなどの調理法がメインです。

代表的な肉料理の紹介

マドリード地方を代表する伝統料理としてはカジョス(callos)があげられます。カジョスは牛の胃袋とガルバンゾ(ひよこ豆)をトマトソースで煮込んだ料理です。調理には「カスエラ」という土鍋が使われます。
煮込み以外の料理では「コルデロ・アサード(Cordero Asado)」という子ヒツジの骨付き炭火焼きも人気の名物料理です。草を食べる前の幼いヒツジは臭みがなく、柔らかくてジューシーな味わいが特徴。味付けはシンプルに塩やニンニクで行います。
セゴビア地方の伝統料理ではコチニージョ(Cochinillo)という子豚の丸焼きが有名です。コチニージョに使われる子豚は生後2~3カ月、体重5キロ前後。肉の柔らかい子豚を炭火やオーブンで丸ごと焼いて切り分けるのが一般的です。

魚料理の特徴

魚料理も肉料理と同様に地方色が豊かで多様性に富むのがスペイン料理の特徴です。よく知られているのはカタルーニャ料理。カタルーニャはスペイン北東部の自治州で、地中海に面した沿岸部では豊富な魚介類料理があります。
たこやマテ貝など日本人になじみ深い魚介類も人気です。調理法は炭火やオーブンなどで焼いたり、フライなど揚げ物にしたり煮込んだりなど。スペインの伝統的な地方料理は家庭料理に近い素朴でシンプルな調理法に特長があります。
海のない内陸部ではマスやウナギなどの淡水魚をはじめ、保存が利く塩ダラやマグロの燻製を使った料理が人気です。

代表的な魚料理紹介

スペイン料理を代表する魚料理と言えばバレンシア地方の名物「パエリア(paella)」でしょう。「パエリア」とはバレンシア語でフライパンのこと。バレンシア地方のパエリアは猟師が獲物の肉と野菜と米をフライパンで煮込んだのが始まりとされています。
その調理法が全国に広まるうちにパエリアはフライパンではなく料理の意味として浸透しました。バレンシアは地中海西部のバレンシア湾に面しており、面積は広くありませんが、豊富な海の幸と温暖な地中海性気候がもたらす野菜や果物に恵まれています。
パエリアの本場のバレンシア地方では今でもウサギや鶏の肉など「山の幸」のパエリアが一般的。日本でも人気の海の幸を使ったパエリアは、山の幸のパエリアから派生したものといわれています。
シーフードを使ったパエリアの食材はムール貝やハマグリ、ロブスター、カニなどの貝や甲殻類がメイン。大きめのパエリア鍋で米や野菜とともに調理します。

野菜料理の特徴

スペインでは土壌や気候などの地域差によって多様な農産物が生産されています。食文化もこれらの特性を反映して地域色豊かなものとなっています。

代表的な野菜料理

スペインの代表的な野菜料理としてはエスカリバーダ(escalivada)があげられます。エスカリバーダはカターニャ地方の伝統料理で、パプリカやナースをこんがり焼いて作る野菜です。日本の焼きなすと同じように。強火で丸ごと焼いていただきます。
そのほか野菜を炒めてコンソメやトマトソースで煮込んだラタトゥイユ。大きなマッシュルームのカサにチョリソーやニンニク、パセリなどを詰めて焼いたチャンピニョーネス。ポテトフライにブラバというピリ辛ソースをかけたパタタスブラバスなども人気です。

その他(飲料・デザート類)

「1日5食昼寝付き」のスペインでは、「バル(bar)」という軽食中心に飲食と立ち飲みができる庶民的な居酒屋が普及しています。バルではコーヒーや「スーモ(zumo)」というジュースをはじめ、「ビノ(vino)」という地元のワインなどを楽しむことができます。
デザートでは「クレマカタラーナ(crema catalana)」が有名です。カタルーニャ地方の伝統的な洋菓子で、卵黄と牛乳、小麦粉などで作るカスタードの上に砂糖をまぶしてバーナーで炙り、パリパリにキャラメリゼしたスイーツです。

まとめ

スペインはヨーロッパ南端のイベリア半島に位置する国で、内陸部はピレネー山脈やシエラ・ネバダ山脈などの山岳地帯に占められ、東部と南部は地中海に、西部と北部は大西洋に面しています。
スペイン料理の特長は、各地方で産出される多彩な農産物や水産物を農産物や海産物を使った郷土料理が多いこと。スペインでは軽食を含めて1日5回食事をするのが一般的。そのため食文化が豊かで料理のバラエティにも富んでいます。

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