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ベトナム料理とは その特徴や歴史を地域別の伝統料理を合わせて解説

シェアダイン編集部
作成日:2022/09/06
更新日:2022/12/13
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目次

ベトナム料理といえば、米粉の麺を使ったフォーが有名ですが、様々な国の食文化の栄養を受けているベトナムには他にもたくさんの美味しい料理があります。

この記事では、ベトナム料理の特徴や歴史について解説いたします。

ベトナム料理の特徴や種類を解説

ベトナム料理は、中国文化や植民地統治時代のフランス文化などの影響を受けており、東南アジアの中では比較的マイルドな味付けが特徴です。刺激的な辛さや独特なスパイスをあまり使用しないことから、日本人にも食べやすい料理が多いといわれています。

ベトナムの主食は日本と同じく米ですが、日本米とは違って、ほとんどが在来種のインディカ米で、細長くパラパラとしているのが特徴です。

日本のように国土が南北に長いベトナムでは、地域によって気候や環境が大きく違うため、食文化も大きく異なります。
ホーチミンなどの南部では、ココナッツミルクや砂糖を多く使い、全体的に甘い味付けで、生野菜やパクチーなどの香草が食材として使われています。
ダナンやホイアンなどの中部では、唐辛子などを使った比較的辛い味付けの料理があり、米粉の蒸し料理や、宮廷風の料理が名物です。
中国に隣接している、首都ハノイなどの北部は、塩や醤油を使った料理が多く、シンプルな味付けの料理が多いです。

また、ベトナム料理は「五味・五彩・二香」を一皿にできるだけ多く取り入れることで美味しい料理が作れるとされています。「五味」は、塩気、酸味、辛み、甘み、コク。「五彩」は、黒、赤、青(緑)、白、黄。「二香」は、よい香りと香ばしさをさします。

ベトナム料理とは 歴史や伝統料理を紹介

ベトナム料理の歴史や伝統料理を紹介いたします。

ベトナム料理の歴史を解説

ベトナムの食文化は、約1000年もの間、中国の支配下に置かれ、19世紀にはフランスの植民地となるなど、諸外国からの支配の歴史の中で築かれました。
中国の支配下であった時代は、米食文化や、炒める・蒸す・煮るなどの料理工程が定着し、フランスの植民地時代には、パンやサンドイッチなどのパン食の文化や、コーヒーが根付きました。
当時のフランス人が、胡椒などの香辛料の栽培をベトナムで始めたことで、ベトナム料理にも多用されるようになったという背景があります。
料理には様々な国の要素を取り入れていますが、テーブルマナーはフランスのように厳しくありません。

ベトナムでは肉も食べられますが、海に隣接しているので魚の方が好んで食べられ、油は多用せず、野菜も多くヘルシーな料理が多いです。

地域別のベトナム伝統料理を紹介

ここではベトナムの伝統料理について、地域別に紹介させていただきます。

【北部】
ベトナム北部の料理は、シンプルであっさりとした味付けのものが多いです。中国と隣接している為、ベトナムのヌックマム(魚醤)よりも、塩や醤油を使って薄味で仕上げます。日本人にも馴染みのある米粉の麺を使った「フォー」の発祥は北部です。「チャーカー」という白身魚を揚げて味付けしたおつまみのような料理や、「ブンダウ」という麺料理も有名です。日本では「フォー」が有名ですが、ベトナムでは「ブン」という麺の方が一般的です。フォーは切って作る麺ですが、ブンは押し出して作る麺で、フォーよりも細く、ストレート麺やちぢれ麵があります。

【中部】
中部は、唐辛子やスパイス類の生育に理想的な地域であり、それらを使った刺激的な料理が特徴です。古代ベトナム宮廷料理の影響が残っているダナンやホイアンといった中部の料理は、他の地域に比べて非常に手が込んでいます。フランスバケットを改良したパンを使った「バインミー」というサンドイッチや、「バインナム」という、小麦粉や米粉、タピオカ粉などの粉を、エビや豚と一緒にバナナの葉っぱに包んで蒸した料理も有名です。

【南部】
南部では、蒸し暑い気候のため、砂糖やスパイスを多用した甘い味付けが特徴です。様々な果物や、野菜、肉も魚も手に入る地域なので、多様な料理を楽しめます。生春巻きや、「バインセオ」いう米粉にココナッツミルクやターメリックを混ぜて作った生地を、野菜や肉などを具に挟んで焼き上げた料理が有名です。

ベトナム料理によく使われる食材や特徴を紹介

ベトナム料理でよく使われる食材と、その特徴をご紹介いたします。

・肉
日本と同様に、牛肉、豚肉、鶏肉が主流です。

・魚介類
カートゥー(サバ)やカバサ(ナマズ)などの他、エビやカニもよく使われています。

・野菜
トマト、ゴーヤ、サツマイモ、たまねぎなど、日本でも一般的な野菜の他に、パクチーなどの香味野菜もベトナム料理によく使われ人気です。

・調味料
ヌックマム(魚醤)という、小魚と塩を漬け込んで作る調味料はベトナム全域で使われており、他にもチリソースや、トゥオンデンという甘味噌のたれも好んで使われます。

ベトナムの国民的な飲み物やスイーツを紹介

ベトナムの人々に愛される飲み物やスイーツをご紹介いたします。

・ウォッカ
ベトナムではウォッカと焼酎の区別がありません。アルコール度数の高いものが多く、ほとんどが30~40度程度です。

・カカオリキュール
ベトナムでは広くカカオの栽培が行われており、カカオを使ったリキュールも生産されています。

・ビール
「333(バーバーバー)ビール」や「ビアサイゴン」というビールが有名で、日本のビールに比べるとすっきりした飲み口のものが多いです。

・ベトナムコーヒー
コンデンスミルクが入ったグラスの上からコーヒーを注いで作る、甘いコーヒーです。コーヒーの抽出には、カフェ・フィンという特殊なフィルターを使います。

・チェー
チェーは、ぜんざいとかき氷を合わせたようなスイーツです。冷たいものだけではなく、温かいチェーもあります。トッピングが豊富で、寒天ゼリーや甘く煮た豆、蓮の実、果物、白玉などがあり、これらのトッピングとココナッツミルクが入っているチェーが一般的です。

・プリン
フランス植民地時代の影響で、今でもよく食べられています。プリンの上にかき氷がかかっているものも人気です。

まとめ

ベトナム料理の特徴や歴史を解説いたしました。
中国とフランスの食文化の影響を受けて、パンや米、肉、魚、野菜やスパイスなどたくさんの食材を使った料理が発展しています。
ベトナムは南北の距離が長く、地域によって気候も異なるので、その地域ごとに様々な料理が楽しめることが魅力です。

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