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明太子とたらこの違いとは 原材料や作り方の違いも合わせて解説

シェアダイン編集部
作成日:2022/08/28
更新日:2022/12/08

目次

明太子やたらこは、食卓に並ぶ機会も多く、コンビニのおにぎりの具の売り上げでも上位に入ってくる食材です。
しかし、明太子とたらこは見た目も似ており、なんとなく違うのだろうけれど、明確に何が違うか知らないという方も多いのではないでしょうか。

この記事では、明太子とたらこの製法の違いや、名前の由来について解説いたします。

明太子とたらこについて

明太子とたらこは、見た目にはほとんど違いがありません。
明太子とたらこは、どちらも原料は同じで、スケトウダラの卵巣です。

たらこはスケトウダラなどの卵巣を塩蔵したもので、明太子は塩蔵したスケトウダラを、唐辛子などを混ぜた調味液でさらに味付けしたもののことをいいます。この調味液の味付けの際に、唐辛子の赤みが加わることから、明太子の方が、色が赤く鮮やかなものが多いです。

明太子とたらこの違いを解説

明太子とたらこの違いは、唐辛子が入っているかどうかということになりますが、賞味期限なども異なりますので、解説していきます。

明太子の名前の由来、産地、保存期間は?

スケトウダラの韓国語名を「明太(ミョンテ)」といいます。その明太の子だから明太子(韓国名だと「明卵漬(ミョンナンジョ)」)という名称になりました。明太子はスケトウダラの卵巣のみを使うこととされていますが、たらこはスケトウダラの他にマダラの卵巣を使っても良いとされているところにも違いがあります。

もともと、明太子は韓国のスケトウダラの卵巣のキムチを福岡の商人が改良して広めたものです。福岡の名物として有名な明太子ですが、原料は九州では獲れず、多くが北海道やアラスカ、ロシアで水揚げされたスケトウダラの卵巣を使っています。ちなみにロシア語ではスケトウダラのことを「минтай(ミンタイ)」といい、「明太」と発音もほとんど同じです。

国内でのスケトウダラの漁獲量のうち、約9割は北海道が占めています。1975年に山陽新幹線が博多駅まで繋がったことから、福岡県を訪れる人が増加し、全国へ明太子が広まりました。

明太子は使用する唐辛子の量や種類によって、辛みの強さが変わり、激辛から甘みの感じられるものまで、様々な明太子が販売されています。

ほとんどの明太子は、冷蔵保存で2週間ほど美味しく食べることができ、冷凍の場合は、1~2ヵ月保存可能です。最近では、より賞味期限の長い、からすみ風に明太子を乾燥させて熟成した明太子なども販売されています。

たらこの歴史、原材料、保存期間は?

たらこの名前の由来はその名の通り「タラの子」です。
たらこを最初に食したのがいつの時代かなどは明確な資料は残っていませんが、様々な文献から1700年代には食べられていたと推測されています。北海道でスケトウダラが多く水揚げされることから、昔から北海道や東北では食べられていたようです。

たらこは明太子とは異なり、スケトウダラの卵巣ではなくマダラの卵巣でも作ることができますが、昔はマダラのたらこが主流でした。しかし1900年初頭からマダラ漁よりもスケトウダラ漁の方が盛んに行われるようになったことと、マダラの卵巣がスケトウダラの卵巣よりも黒っぽく、見た目が良くないことと鮮度の問題から、スケトウダラが主流になっていきました。現在でもマダラのたらこは、未熟なものであれば柔らかく、スケトウダラよりも大きいため、煮つけや焼き物にして食べる地域もあります。

たらこの原料のスケトウダラの卵巣も、明太子と同じく北海道やアラスカ、ロシアで水揚げされたものです。
ほとんどのたらこは、冷蔵保存で1週間ほど美味しく食べられ、冷凍の場合は1ヵ月程度保存できます。

明太子とたらこの旬は?

明太子とたらこは通年販売されていますが、実は旬とされる時期があります。原料であるスケトウダラ漁が最盛期を迎える11〜1月に合わせて、最も新鮮な卵で明太子とたらこが作られます。北海道産の明太子とたらこであれば、冬が旬です。アラスカ産などの外国産の商品は、原料も冷凍で保管されていることから、1年中販売されています。

スケトウダラの卵は、未熟なうちは皮が厚く、粒も小さいため食べた際に粒感があまりありませんが、逆に成熟しすぎると味が水っぽくなり、皮のハリもありません。購入する際には、皮が薄く、しっかりとハリがあって、粒がしっかりと見えるものがよいとされています。また、明太子とたらこはメーカーや商品によって、味わいや塩分が異なりますので、料理に使う際は味を確認しましょう。

明太子とたらこの作り方の差について解説

ここでは、明太子とたらこの作り方と、2つの差について解説いたします。

明太子の作り方は?

明太子は、まずたらこを作るところから始まります。たらこの作り方は後述しますが、たらこの塩の漬け込みの後にさらに調味液に漬ける「二次漬け込み」が明太子の味の決め手となり、調味液に漬ける時間は企業によって24時間~168時間程度と様々です。漬け込みの後、魚卵が吸収しきれなかった液を切って、卵の大きさ・色・形などで選別して、包装後に流通します。

また、たらこを作る際には塩漬けの工程のみですが、明太子は塩漬けの後に、唐辛子を使った調味液に漬込む際に、乳酸発酵を伴います。明太子の原型となったのは韓国の「明太(ミョンテ)」を使用したキムチですので、明太子もキムチと同じく発酵食品ということになります。実は塩辛やくずもち、焼きまんじゅうなども発酵食品です。

たらこの作り方は?

まずはスケトウダラの卵巣を採取して、季節や卵の質に合わせて調味の食塩の量を変えて作った、漬け込み液に浸します。その後、手返しと呼ばれる漬け込み液を浸透させるための作業を行って、低温での熟成の工程に入りますが、熟成の期間は製品によって異なります。熟成の後、卵の質や形状ごとに選別と計量が行われ、包装後に流通となるのが一般的です。選別の段階で皮が切れているものは安価で販売されたり、「バラ子」として皮を取った状態で調理向きの商品として販売されます。

まとめ

明太子とたらこの違いについて解説してきました。
明太子は、韓国のキムチが原型となっている発酵食品ですが、たらこを一旦作ってからさらに加工をして作られるという手間暇のかかった食品です。
見た目は似ていても、商品によって味わいや塩分が異なりますので、食卓に並べたり、料理に使う際は味を確認してから使うとよいでしょう。

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