栃木県の特産品と郷土料理を紹介
目次
日本各地には、その地方で長く愛される「郷土料理」があります。
郷土料理には、地方特有の食材が使われていたり、今まで知らなかった独特の調理法をしているものが多くあります。
郷土料理を知ることで、食に関する理解や興味を深めるきっかけにもなるでしょう。
本記事では、栃木県の郷土料理に着目し、使われる食材や作り方に加え、料理が誕生した背景も合わせてご紹介します。
郷土料理とは?
郷土料理は、地域でとれる農産物や畜産物を使って作られた料理で、昔からその土地で親しまれてきたものです。
郷土料理を知ることで、その人々の暮らしや伝統、食生活が見えてきます。
伝統文化を絶やさないよう、大気の子どもたちに郷土料理に親しんでもらう機会として、学校給食に郷土料理を取り入れている地域もあります。
栃木県でも、伝統食を子どもたちが食べやすいように工夫をして提供しています。
栃木県の生産高が高い農産物の紹介
栃木県は穏やかな気候、豊かな水資源に恵まれた県で、農業産出額は全国で9位となっています(令和2年)。
収穫量が全国上位を占める農産物も多くあります。特に、いちごは1968年から50年以上連続で全国1位に輝いており、「とちおとめ」「スカイベリー」「なつひめ」などさまざまな品種が生産されています。
また、同じく生産量全国第1位のかんぴょうは、栃木県産が国内生産量の9割を占めます。
野菜・果物だけでなく畜産も盛んで、肉用牛飼育頭数は全国で7位、ブランド牛の「とちぎ和牛」は全国コンクールで折り紙つきの品質の高さを誇ります。
<栃木県が全国上位を占める農産物>
- いちご: 1位
- かんぴょう:1位
- うど:1位
- にら:2位
- 二条大麦:2位
- こんにゃくいも:2位
- さといも:5位
- トマト:5位
- 日本なし:5位
- なす:6位
- 水稲:8位
- 生乳:2位
- 肉用牛(飼育頭数):7位
- あゆ(漁獲量):3位
- にじます(養殖量):5位
栃木県の郷土料理を紹介
ここからは、栃木県に古くから伝わる郷土料理の歴史や由来とともに、簡単な作り方を紹介いたします。
しもつかれ
栃木県を代表する郷土料理のひとつです。
塩鮭と大豆や野菜、酒粕が主な材料で、正月に食べた塩鮭の頭、節分の残りの大豆などを活用するという先人の知恵が詰まった一品です。
かつては旧暦2月初午の前日に作り、初午にお供えしていたものでしたが、家庭で食すものとして、日にちを問わず冬場に作られるようになりました。
材料
- 塩鮭の頭
- だいこん
- にんじん
- いり大豆
- 油あげ
- 酢
- 調味料(酒粕・醤油・塩・砂糖)
作り方
- 塩鮭の頭を一度茹でこぼし、圧力鍋に酢と水とともに入れて加熱する。
- 油揚げはあぶって細切に、にんじんとダイコンは鬼おろしでおろす。
- 入り大豆は皮を除いておく。
- 鍋に材料を入れて煮込み、柔らかくなったら酒粕、ほか調味料で味を調える。
干瓢(かんぴょう)の卵とじ
かんぴょうは栃木県が全国生産量の9割を占める特産品。そのかんぴょうを使った家庭料理です。
かんぴょうは、ゆうがおの果肉の皮を加工して作りますが、その際、上手く加工できなかったかんぴょうを使って汁ものを作ったのがはじまりとされています。
家庭料理として食されるほか、学校給食のメニューとしても親しまれている一品です。
材料
- かんぴょう
- 卵
- 三つ葉
- 調味料(塩・醤油)
- だし汁
作り方
- かんぴょうは塩もみしたあとに茹で、2㎝くらいに切る。
- 切ったかんぴょうを説いた卵の中に入れ混ぜておく。
- だし汁を煮立てと塩、醤油で調味したらかんぴょうを混ぜた卵を入れてふわっと仕上げる。
- 器に盛って三つ葉を散らす。
かてそば
生産量全国3位のそば、第2位のにらを使った郷土料理です。
かてそばの「かて」は増量材のことをいい、そばにだいこんやにらを加えてかさを増したものがかてそばです。
晩秋から春先にはにらを「にらそば」が、冬には「だいこんそば」が親しまれ、だいこんそばを年越しそばとして食べる地域もあります。
材料
- そば
- だいこん(だいこんそば)
- にら(にらそば)
- そばつゆ(つけ汁)
作り方
だいこんそば
- だいこんは千切りにする。
- たっぷりの湯に大根を入れて少し茹で、その中にそばを入れて茹ったらあげ、冷たくして盛る。
にらそば
- にらを食べやすい長さに切っておく
- たっぷりの湯ににらとそばを入れて茹ったらあげ、冷たくして盛る。
鮎めし
栃木県は鮎の漁獲量全国3位。那珂川は古くから鮎漁が盛んで、平成14年には「天然アユがのぼる川」に選定されています。
鮎めしは、その鮎をご飯と一緒に炊き込んだ郷土料理。
内陸の地と技研では川魚が貴重なたんぱく源とし重宝され、手軽に作れる鮎めしは庶民に親しまれてきた一品です。
材料
- 米
- 生鮎
- 調味料(酒・醤油・塩)
- 炊飯用水
作り方
- コメはあらって炊飯用水に調味料を入れたものに30分位浸しておく。
- 鮎はワタを除き、素焼きにしておく。
- 米に素焼きした鮎をのせ、炊飯器など炊く。
- 炊きあがったら鮎の頭と骨を取り除いてほぐし、ご飯と鮎の身をまぜ合わせる。
参考:栃木県 | うちの郷土料理:農林水産省 (maff.go.jp)
まとめ
栃木県は穏やかな気候、豊かな水資源に恵まれており、農業産出額は全国で9位です。
特にいちごは50年以上連続して全国1位の生産量で、さまざまな品種が作られています。
郷土料理としては、塩鮭と酒粕を使うのが特徴の「しもつかれ」、生産量2位のかんぴょうを使った「かんぴょうの卵とじ」、生産量の多いそば、にらを使った「かてそば」、漁獲量3位の鮎を使った「鮎めし」などがあります。
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