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トルコ料理とは トルコ料理の特徴とおもな料理の解説

シェアダイン編集部
作成日:2022/08/19
更新日:2022/12/01
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目次

トルコ料理フランス料理や中華料理とともに世界三大料理のひとつに数えられます。日本でも大都市を中心にトルコ料理店が増えてきましたが、「トルコ料理はケバブぐらいしか知らない」という方も多いかと思います。
そこでこの記事では奥深いトルコ料理の特徴と歴史、おもな料理などをくわしく紹介いたします。

トルコ料理の特徴や種類

トルコ料理はアジアとヨーロッパ文化の影響を受けながら独自の発展を遂げた歴史性の高い食文化です。トルコ料理が世界三大料理のひとつと称されることを疑問に思う方もいるかもしれませんが、トルコ料理が世界の食習慣に与えた影響は決して小さくありません。

トルコ料理は中東や地中海料理と類似している点が多く、一般的な特徴としては食用の肉として豚肉を使わずヒツジや鶏肉が好まれること。地中海や黒海の海産物も食されること。ナッツ類とヨーグルト、オリーブオイルをよく使うことなどがあげられます。

トルコは地中海性気候の沿岸部と寒冷な山岳地方など地域によって気候が異なる国土を持ち、野菜や果物、肉や海産物などの食材が豊富です。トルコ料理は小麦粉と米の両方を併用するなど多様な文化の相互的な影響と豊富な食材によって形成された料理といえます。

トルコ料理とは

トルコ料理とは、アナトリア半島とその周辺に住むテュルク(トルコ系民族)に伝わる郷土料理のこと。ヨーロッパ、アジア、中東など広大な地域の食文化を融合した歴史性と文化性の高い料理です。

トルコ料理の歴史

トルコが位置するアナトリア半島はヨーロッパとアジアと中東の三大文化圏に接しています。13世紀末にアナトリアを治めたオスマン帝国は15世紀に東ローマ帝国を滅ぼし、全盛期には中東から北アフリカ、東ヨーロッパを含む地中海一帯を征服しました。

今もイスタンブールに残るトプカプ宮殿はオスマン帝国の王宮として皇帝一族や貴族、使用人など6,000人にもおよぶ人々が居住したといわれています。その調理場では全国から集められた数百人もの料理人が10の部門に分かれて毎日数千人分もの料理を作りました。

世界三大料理のフランス料理と中華料理がそれぞれの文化圏を代表する宮廷料理として発展したように、トルコ料理もまたオスマン帝国の宮廷料理として東ヨーロッパやギリシア、中東のアラブ諸国などさまざまな外来文化を融合して独自の発展を遂げた料理です。

地域別の伝統料理

一口にトルコ料理と言っても、地域によってそれぞれ特徴が異なる伝統料理もあります。たとえば北部の黒海沿岸では、ヨーロッパアンチョビ(カタクチイワシ)がよく採れるためアンチョビ料理が多く、内陸の南東部では遊牧民が好んだヒツジ肉のケバブが有名です。

西部では地中海沿岸特産のオリーブ・オイルを使った料理が多く、中央部ではサルチャやヨーグルトソースを使ったパスタ料理が親しまれています。ちなみにトルコの伝統料理はエスニックな香辛料をふんだんに使うイメージがありますが、実際の使用量は多くありません。

よく使われる食材や特徴

イスラム教国のトルコでは豚肉はほとんど使われません。またトルコは乾燥地帯が多く、トルコ人は古くからヒツジやヤギなどを遊牧していました。そのためトルコ料理では牛肉はあまり使わず、ケバブやシシケバブなどの焼肉料理ではヒツジや鶏の肉が使われます。

野菜ではキュウリ、タマネギ、トマト、ナス、豆類などが食されます。果物ではアンズ、イチジク、サクランボ、ブドウ、メロン、レモンなど。種実類ではアーモンド、クルミ、ピスタチオ、ヘーゼルナッツなどが一般によく使われる食材です。

トルコ料理ではオリーブ・オイルとヨーグルトの使用量が多く、食材としてだけでなく調味料としても用いられます。魚介類は黒海や地中海沿岸地域でよく使われます。イスタンブール名物のサバサンドイッチは世界的に有名で観光客にも人気です。

飲み物やスイーツ

トルコでポピュラーな飲み物はトルココーヒーとお茶の「トルコチャイ」です。トルココーヒーは「ジェズヴェ」というコーヒー専用の小鍋を使い、粉にしたコーヒーを水から煮立ててフィルターを使わずカップに入れて飲むのが特徴です。

酒では「ラク(Raki)」が知られています。トルコはイスラム教国ですが、飲酒には比較的寛容です。ラクはブドウを原料とする蒸留酒で、アニスというハーブで香りを加えています。無色透明ですが水を加えると白く濁るのが特徴です。

スイーツでは「ドンドゥルマ(Dondurma)」と呼ばれるアイスクリームが有名です。「ドンドゥルマ」は「凍らせたもの」を意味するトルコ語で氷菓全般を意味します。ドンドゥルマにサレップ粉を加えたトルコアイスは粘りが強く「伸びるアイス」として有名です。

サレップはトルコの山岳地方に自制するオルキス属のラン科の植物で、球根の粉には強い粘り気があり、アイスクリームに加えると餅のように長く伸びます。

主なトルコ料理紹介

日本で最もポピュラーなトルコ料理といえば「ケバブ(Kebap)」です。「ケバブ」は中東地域で供されるロースト料理の総称で、肉や魚、野菜などを焼いて調理します。日本では「シシカバブ」とも呼ばれる「シシケバブ」は四角く切った肉の串焼き料理です。

また味付けした細切れのくず肉を円筒形に積み重ねて回転させながら焼く「ドネルケバブ(Döner Kebabı)」も日本で人気が高い料理のひとつ。沿岸部では魚肉のシシケバブや、サバのサンドイッチが有名です。

まとめ

トルコ料理とは、アナトリア半島とその周辺に住むトルコ系民族に伝わる郷土料理のこと。ヨーロッパ、アジア、中東など広大な地域の食文化を融合した歴史性と文化性の高い料理で、フランス料理や中華料理とともに世界三大料理のひとつに数えられます。
トルコ料理はオスマン帝国の宮廷料理として形成され、東ヨーロッパやギリシア、中東のアラブ諸国などさまざまな外来文化を融合して独自の発展を遂げました。

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