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ベジタリアンとは ベジタリアンの種類とメリットデメリットの解説

シェアダイン編集部
作成日:2022/08/03
更新日:2022/11/29

目次

健康志向が高まる現在、ベジタリアンやヴィーガンなど野菜を中心に取り入れる方が増えてきています。
ベジタリアンと一言でいっても沢山の種類があり、植物性食品のみを食べ、動物性食品を一切食べない“ヴィーガン”や、植物性食品に加えて牛乳やチーズ・ヨーグルトなどの乳製品を食べる“ラクト・ベジタリアン”など様々です。今回はそのベジタリアンについて、5つの分類、ベジタリアンを選択する理由、メリット・デメリット、そしてベジタリアンの現状について詳しく解説いたします。

ベジタリアンとは

ベジタリアンとは一般に「動物性食品を避け、穀物、豆腐、種実類、果物などの植物性食品を中心に摂る人々」と定義されています。ベジタリアンという言葉は、19世紀のイギリスでつくられ、「心身共に健康で生き生きしている」という意味のラテン語Vegetusが由来です。
ベジタリアンの中には、動物性食品を一切摂らない人もいれば、乳製品や卵などを摂る人など様々で、「野菜だけしか摂らない」という訳ではありません。
ベジタリアンにも様々な種類があり、主に下記5つの分類に分けられます。
・ヴィーガン(完全菜食)
米、小麦などの穀物や、豆、野菜などの植物性食品のみを食べ、肉、魚、卵などすべての動物性食品の他、蜂蜜も食べないタイプ。
・ラクト・ベジタリアン(乳菜食)
植物性食品に加えて牛乳やチーズ・ヨーグルトなどの乳製品を食べるタイプ。
・ラクト・オボ・ベジタリアン(乳卵菜食)
植物性食品と牛乳・乳製品、卵を食べるタイプ。欧米のベジタリアンの大半がこれに該当します。
・ペスコ・ベジタリアン(魚乳卵菜食)
植物性食品と乳・卵・魚を食べるタイプ。このタイプには、植物性食品の他に魚は食べるが乳・卵は食べない人たちもいます。
・ポーヨー・ベジタリアン(鶏魚乳卵菜食)
植物性食品と乳・卵・魚・鶏肉を食べるが、畜肉は食べないタイプ。
参考:ベジタリアンの種類 | 日本エシカルヴィーガン協会 (ethicalvegan.jp)

ベジタリアンを選択する理由とは

ベジタリアンを選択する理由は様々で、下記のようなものがあります。
宗教上の理由
イスラム教は豚肉を食べない。ヒンドゥー教は牛肉を食べないなど宗教によって様々です。
健康志向
野菜中心の食事をすることで、病気のリスクの軽減や肥満の予防などが目的とされています。
環境問題
家畜における温室効果ガスの排出が地球温暖化の一因とされることなどが問題視されています。
アニマルウェルフェア(動物福祉)への配慮
動物は感受性のある生き物なので、できるだけ肉体的・精神的苦痛を減らそうというものです。

ベジタリアンの食生活のメリット

ベジタリアンの方は、これまでにも権威ある学会誌や学術誌で、ガン・心筋梗塞・脳卒中などの生活習慣病予防効果があることが度々紹介されており、その中でも具体的なメリットをいくつか示します。
加工肉の摂取が減ることでガン発症リスクが下がる
WHO(世界保健機関)では、2015年に「ハム、ベーコン、ソーセージなど加工肉を1日50g摂取すると大腸ガンの発症が18%アップする」と警告しています。加工肉は、塩漬けや燻製などの加工方法によってニトロソ化合物などの発がん性物質が形成することや、焼く・揚げるなど高温で肉類を調理した場合もヘテロサイクリックアミンなどの発ガン性物質が形成されるといわれています。
 参考:ハムやソーセージを食べるとがんリスク上昇 肉類は「発がん性あり」 | ニュース | 一般社団法人 日本生活習慣病予防協会 (seikatsusyukanbyo.com)
心筋梗塞や脳卒中のリスク軽減
ベジタリアンは飽和脂肪酸を含む動物性脂肪の摂取が少なく、逆に食物繊維の摂取が多いので、血中コレステロール値が低く保たれるために動脈硬化症を予防し、結果的に心筋梗塞や脳卒中の発症リスクを減らしてくれます。
腸内環境の改善
肉類など、動物食品は腸内悪玉菌の大好物で、多く摂ると悪玉菌がそれを食べて大増殖し腸内環境が悪くなります。一方で食物繊維が豊富な野菜類を多く摂取することで、腸内環境を整えてくれます。

ベジタリアンの食生活のデメリット

ベジタリアンの食生活では、動物性食品に多く含まれている栄養素を十分に摂るのが難しいというデメリットがあります。例えば、骨の健康維持に大切なカルシウムやビタミンD、タンパク質などです。植物性食品には含まれないという訳ではありませんが、意識して摂取する必要があります。また、ビタミンB12は植物性食品にはほとんど含まれず、動物性食品に多く含まれるので、不足に注意が必要です。

ベジタリアンが不足しがちになる栄養を補う食材

 ベジタリアンに不足しやすい栄養素をいくつかご紹介します。
ビタミンB12
ビタミンB12は、赤身肉などの動物性食品に多く含まれており、神経や血液細胞の健康を保つ作用があります。
ベジタリアンの方に中には、肉を食べない為、サプリメントで補う方もいるようです。
1食あたりの含有量は少ないですが、植物性食品では海苔に比較的含有量が多いです。
鉄分
植物性食品にも鉄分が含まれるものがありますが、動物性食品の鉄分の方が体内に吸収されやすくなります。
そこで、鉄分を含む植物性食品はビタミンCを多く含む食材と組み合わせて摂取することで、鉄分の吸収が高まります。
例:豆類(鉄分)+ブロッコリー(ビタミンC)
   ほうれん草(鉄分)+赤ピーマン(ビタミンC)など 
カルシウム
カルシウムは骨を作るだけでなく、筋収縮の調整をする働きがあります。
動物性食品である乳製品に豊富に含まれていますが、植物性食品では豆類やケール・アーモンドなどにも豊富です。

 ベジタリアンの現状

令和2年に発行された観光庁「飲食事業者等におけるベジタリアン・ヴィーガン対応ガイド」の資料によると、ベジタリアンの人口比率は、インドが28%の他、台湾14%、ドイツ10%、カナダ9%、イタリア7%、英国5%、フランス4%、アメリカ3%となっており、インドが宗教上の理由から高めの比率となっています。
また、日本は、2021年に株式会社フレンバシーが2413人(男性1,208人・女性1,205人)に行った調査によるとベジタリアンの割合は3.8%と言われています。
 参考:ベジタリアン・ヴィーガンの旅行者をおもてなし!~「飲食店等における外国人ベジタリアン・ヴィーガン対応ガイド」を作成しました~ | 2020年 | 報道発表 | 報道・会見 | 観光庁 (mlit.go.jp)

まとめ

現在、健康志向が高まる中、ベジタリアンやヴィーガンなど野菜を中心に取り入れる方が増えてきています。
ベジタリアンには、植物性食品のみを食べ、動物性食品を一切食べない“ヴィーガン”や植物性食品に加えて牛乳やチーズ・ヨーグルトなどの乳製品を食べる“ラクト・ベジタリアン”など様々です。
ベジタリアンを選択する理由としては、宗教上の理由・健康志向・環境問題などがあげられます。
ベジタリアンを選択することで、病気のリスクを減らしたり、腸内環境を整えたりするなどのメリットがある反面、動物性食品からしか摂取が出来ない栄養素を補うのが難しいというデメリットもあります。
現代の食生活の中で、完全に動物性食品を食べない。というのは、なかなか難しことではありますが、時には野菜中心の食事を取り入れ、自身の健康に目を向けることも良いのかもしれません。

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