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パン職人になるためのステップとパン職人から転職するには

シェアダイン編集部
作成日:2022/08/07
更新日:2022/11/10

目次

今の時代パンがお米の消費金額を上回るほどのパンブーム。総務省の過程調査によると、1世帯あたりの平均消費量は年間45.087gで、食パンに換算すると113斤に及びます。街のパン屋さんをはじめ、ホテルやスーパー・コンビニなどでもレベルの高いパンが食べれるようになった今、パン職人の需要が増えています。
 
厳しい世界といわれるパン業界ですが、難しいからこそ夢中になる人が多く一度技術を習得すると一生の財産になるでしょう。
そこでこの記事では、パン職人になる方法をはじめ、条件や環境に合わせて選ぶ就職先について解説いたします。
都道府県別パン消費量 - とどラン (todo-ran.com)

パン職人とは

フランス語でブーランジェとも呼ばれるパン職人の一日は朝早く、夜が明ける前から作業をすることも珍しくありません。
計量・配合・捏ねる・発酵・焼き上げまでの工程を行い、さまざまな種類のパンを同時に製造しています。基本的に立ち仕事で重い粉袋を運んだり、オーブンの出し入れなど体力勝負です。
季節によって温度や発酵時間を変えるなど細かな調節が必要で、同じ材料でも全く同じパンを提供することが1番難しく経験と知識が必要。まずは10年といわれるほど技術習得には時間がかかるため、コツコツと努力できる方に向いています。
旬の食材を使用したり新商品を考えることで、お客さんを飽きさせない工夫も大切です。
パン職人は大変なイメージですが、やりがいが多い仕事です。オリジナルで開発し、納得いくまで試作を繰り返し、その商品を購入したお客様から「おいしい」とその一言で報われるのです。

パン職人になるためには

パン職人になるためには学歴は関係ありません。
専門学校・短大・大学に行き基礎知識を学んだうえで就職する方法と働きながら経験と知識を積む方法の2つです。
専門学校などに通うとパンを作るだけではなく、食品衛生学や栄養学を学べることがメリットの一つです。一通りの基礎知識や技術を身につけることで就職にも有利になります。
基本的には1、2年コースが多く、社会人専門スクールもあり、働きながら通える範囲での受講も可能で週1や週末のみのコースを提供している学校もあります。
学校へ通うことで費用がかかってしまいますが、学べることは多く実際の実習で一通りの作業の流れをつかむこともできます。
働きながら経験を積むメリットは知識・経験豊富なパン職人の近くで学べることです。
働く場所や規模によって作業内容も異なり決まりがあるので、実用的なスキルを働きながら身につけていくことができます。パン職人の仕事はすぐに作業を任せてもらえることは少ないですが、積極的に学ぶ姿勢が大切です。製造作業だけではなくお客様への接客や経営のノウハウを学ぶことができますが、学校のように1から細かく教えてもらうことは難しいです。
金銭的な事情や時間の使い方など自分に合った方法で学ぶことをおすすめします。

パン職人には資格が必要?

パン職人になるために資格や免許は必要ありません。
持っていなくても全く問題ありませんが、パンに関する知識と技術が身についている証明になる「パン製造技能士」は都道府県職業能力開発協会が実施する国家資格で、持っていると就職にも有利です。
年に1回行われていて資格区分は特級・1級・2級と受ける階級ごとに数年の実務経験が必要ですが、厚生労働大臣指定の専門学校などに通っている場合は卒業時に2級受験資格を得ることが可能です。
その他にも「パンコーディネーター」や「パンアドバイザー」など複数の資格があります。
一般社団法人 日本パンコーディネーター協会(JPCA)|パンコーディネーター資格について
パン製造技能士【試験日】合格率や難易度 | 資格の一覧 JQOS.jp

パン職人の就職先・勤務先

パン職人の就職先は街なかのパン屋さん・ホテルのベーカリー・大手パンメーカーなどさまざまです。
将来開業を目指すのであれば勤務時間が長いデメリットもありますが、個人店で修業することが1番の近道といえます。スキルを学ぶだけではなく、接客や経営のノウハウなどの勉強になります。
ホテル・レストランで働く場合は料理に合わせたパン作りを行うため、商品開発の発想力が鍛えられます。
コンビニやスーパーに並ぶパンを作っているパン工場や大手メーカーで働く場合すでに労働環境が整っていることが多く、作業工程も役割ごとに分けられていることが多いです。研修や指導にも力を入れているので未経験でも応募可能ですがその分細かな知識習得は難しいです。
将来自分がどこを目指すのか考えて就職先を選ぶことがポイントです。 

平均的な就業年数

働きかたにより雇用形態もさまざまありますが、個人のパン屋には定年はありません。
冒頭で解説した通りまずは10年といわれる世界で一生の仕事として働くことができます。
年齢や事情によって自分に合った条件の場所で働くことが理想といえますが、厳しい労働環境のため離職率も高いのが現状です。

パン職人に転職を志すときとはどんな理由

体力が必要で技術習得に時間のかかるパン職人ですが、何歳までという決まりはありません。ただ未経験でいきなり開業はハードルが高いうえ、初期資金もかかるのでよく考えたいところ。お店を出すだけでなく最近はお店を持たない無店舗型ベーカリーやインターネット販売・移動式のパン屋など選択肢は豊富です。
働く場所により給与は異なりますが、厚生労働省の賃金構造基本統計調査をもとに計算すると勤続年数が11年程のパン職人の平均月収は24万程度で年収にすると年間賞与を含み330万~400万程度と言われています。
賃金構造基本統計調査令和元年以前 職種DB第1表 | 統計表・グラフ表示 | 政府統計の総合窓口 (e-stat.go.jp)

まとめ

パン職人とは、街のパン屋をはじめさまざまな場所でパンを製造している人のこと。新型コロナウイルスの影響で外食が減った今、持ち帰れる手軽さとお店ごとのオリジナル商品の販売でパンブームに拍車がかかっています。
パン職人になるために必要な学歴や資格はありません。ただし持っていると有利な資格はあるので状況によって取得しておくことをオススメします。

技術習得に時間のかかるパン職人ですが、就職先の選択肢も多いため自分に合った条件や将来の目的をはっきりしたうえで考えるといいでしょう。

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