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バリスタとは なるためのステップとバリスタから転職するには

シェアダイン編集部
作成日:2022/06/14
更新日:2022/11/09

目次

「バリスタ(BARISTA)」はイタリア語で「バール(BARのイタリア語読み)」でエスプレッソやカプチーノなどのコーヒーを淹れて客に提供する人およびその職業のこと。バールは日本の「バー」と違ってコーヒーや軽食も提供する「カフェ」に近い店舗です。

日本で「バリスタ」というと喫茶店やカフェでエスプレッソやマキアートを提供する人、またはその職業の意味ですが、イタリアでのバリスタはパニーニ(サンドイッチのような軽食)やアルコール類を提供するなど、喫茶店のマスターに近い一面もあります。

スターバックスをはじめとするカフェブランドの浸透とともに日本でも注目度が高まるバリスタ。ここではバリスタになる方法や必要な資格、就職・転職など職業としてのバリスタについて解説いたします。

バリスタになるには

バリスタになるにはさまざまな方法があります。実地で学ぶ方法としてはカフェで働きながらバリスタに求められる知識やスキルを実地で習得する方法があげられます。しかし目的にかなうカフェが未経験の求職者を雇ってくれるとは限りません。

資金や時間に余裕がある人はバリスタ専門学校に進学するのがベスト。ここでいう「専門学校」とは学校教育法第124条が定める専修学校で専門課程を置く教育機関のことであり、バリスタになるために必要な知識やスキル、資格修得などを支援する学校です。

専門学校の入学資格は「高等学校卒業程度」の学歴が必須。修業年数は1年以上かかりますが、プロのバリスタに必要な実践的技能だけでなくカフェを開業するための企画知識やフードビジネスを成功させるために必要な運営ノウハウなども習得できます。

専門学校以外では、プロのバリスタやカフェチェーンなどが運営する私的な「スクール」があります。スクールは認可校ではないので法律のしばりがなく、趣味としてコーヒーを楽しめるワークショップから、プロの育成講座までさまざまなカリキュラムを選択可能です。

スクールの受講期間は数ヶ月から半年程度が一般的。バリスタに必要なスキルと知識を週1回程度の講座で短期間に習得できるのがメリットです。スクールは選択肢が多く、選ぶ際には自分が思い描くキャリアデザインを踏まえたうえで慎重に判断しましょう。

バリスタ経験者でさらなるステップアップをめざす方はイタリアやオーストラリアなどカフェ文化の本場に渡って修行を積むという選択肢も。イタリアはカフェラテやエスプレッソ発祥の地。世界のカフェ文化をリードする国で多くの一流バリスタを排出しています。

またオーストラリアはイタリア移民の影響によって独自のカフェ文化が花開いた国。メルボルンを中心に多くの語学学校が日本人向けのバリスタコースを併設しており、英語と同時にバリスタの知識とスキルを学習できます。

バリスタは資格が必要?

バリスタになるために必要な資格はありません。カフェなどの飲食店を開業するには食品衛生責任者の資格が必要ですが、職業としての「バリスタ」に法律的な定義はないので、アルバイトのカフェスタッフを「バリスタ」と呼んでも違法にはなりません。

そこでバリスタの職能レベルを示す呼び名として、コーヒー業界の法人団体が独自の認定試験によって授与する民間資格がいくつかあります。中でも権威が高いとされるのが、日本バリスタ協会(JBA)が発行する「JBAバリスタライセンス」です。

このライセンスはJBAの認定スクールで2日間のカリキュラムを受講した後、試験に合格すれば取得できます。ライセンスはレベル1から3までのランク制となっており、スクールと試験はレベル1から順に受けなければなりません。

JBA認定スクールの受講資格は受講する時点でバリスタの仕事に従事しているか、またはコーヒー関連企業に勤務しており、エスプレッソを抽出した経験がある人。またはJBA認定校のカリキュラムの必要課程を修了して1年未満の人に限られます。

バリスタの就業先・勤務先

バリスタの進路にはどのような就業先(職種)あるいは勤務先(企業)があるのでしょうか。就業先ではカフェやレストランなど飲食店が多く、都市部を中心にマキアートやラテアートなど「映えるカフェ」が人気化しており、バリスタの求人も増えています。

ただし一般のカフェやレストランでは、バリスタとして就職しても、時期や時間によってはホールスタッフやキッチンスタッフの業務も兼ねるケースも。バリスタの意味が法律ではっきり定義されていないことが職務の曖昧さを助長している側面もあります。

一方、バリスタの勤務先(企業)としてはカフェチェーンやレストランの運営会社、ホテルの料飲部門、コーヒー焙煎会社などコーヒーに関連する外食産業が多く、企業によっては総合職と一般職を選択できるケースもあります。

平均的な就業年数

飲食業界はバリスタに限らず就業年数は長くありません。勤務時間が不規則で祝祭日に休めないことも多く、アルバイトスタッフの平均的な就業年数は2年以内が70%以上というデータも。バリスタの場合は職人気質の人が多く、就業年数は人それぞれです。

一方、正社員として勤務するバリスタの平均的な就業年数はアルバイトよりも長く、5年以上勤務している人も少なくありません。また正社員の場合、コーヒー関連会社に就職したことでバリスタの仕事に興味を持った、という一般とは逆のケースも見られます。

バリスタがカフェのオーナーを兼ねる場合は、店舗を維持するために廃業まで仕事を続けることも珍しくありません。

転職を志すとき・どんな理由?

バリスタへの就職や転職を志望する理由は人によってさまざまですが、バリスタの多くが「コーヒーが好きだから」「1人でも多くの人においしいコーヒーを味わって欲しいから」という理由をあげています。

同じ飲食業界に従事する人でバリスタに転職した人は「ホールスタッフや調理補助で培った知識と経験を活かしてバリスタ資格を取得した」という理由や「バリスタの美しいマキアートに感動して自分もやりたくなった」といった動機があげています。

前述したように日本ではバリスタの民間資格はいくつかありますが、バリスタになるために必要な国家資格はありません。そのため飲食業の従事者にとっては比較的転職しやすいのがポイントです。

一方、他業種から転職してバリスタになったケースでは「趣味としてコーヒーを学ぶうちに、その奥深さと難しさに引きつけられた」という人や、「仕事で行き詰まって悩んでいるときにカフェで美しいマキアートに心が癒された」という声も聞かれます。

逆にバリスタを辞めて他業種に転職した人の動機では、「コロナ禍でカフェの経営基盤の不安定さが露呈した」「ライバル店の乱立により安定的な成長が望めなくなった」「休暇・休日が少ない」といった飲食業界に共通する問題があげられます。

まとめ

カフェ文化の浸透によって日本でも職業として認知されるようになったバリスタ。コーヒーに関する高い知識と技術を持ち、客に上質なコーヒーを提供することがバリスタの仕事です。バリスタになるために必要な資格はありません。

未経験者でもバリスタを名乗ることはできますが、客の信頼を得るためにも「JBAバリスタライセンス」などの民間資格の取得は必須。就職先はカフェやレストラン、コーヒー関連企業がメイン。志望理由は「コーヒーが好きだから」という人が多くを占めています。

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