飲食店のマネージャーについて 業務内容や必要スキル、給与相場も合わせて解説
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飲食店を支えているのは、店長以下、所属するスタッフですが、その店長を支えるマネージャーの存在はあまり知られていません。それは、店舗業務には直接参加せず、影で支えるプロデューサー的役割があるためです。
全国展開する規模の大きい飲食店企業は特にですが、マネージャーによる各地の店舗への細かい指示や、管理は非常に重要です。会社と店舗の意思疎通と管理を担う重要な役職という事がうかがえます。
そんな飲食店マネージャーは具体的にどの様な業務を担っているのか、また、職業としての魅力や、なるための方法について解説いたします。
マネージャーの基本業務について解説
マネージャーは通常、現場業務には参加せず、運営状況やサービスに目を光らせ、おもに店長に対して指示、アドバイスを促すべく担当店舗を巡回して回ります。本社からのある程度の業務マニュアルがあるものの、基本的には自分でスケジュールを考え、自分のペースで担当店舗を管理、監視するのがルーティーンワークです。
店舗業務が無いため、固定の拘束時間が無く自由に動くことができますが、会社と店舗のパイプ役としての役割もありますので、本社での会議や各店舗のミーティングにも多く参加し、本社と担当店舗との移動でスケジュールが過密になる事が多いです。また、担当店舗でのトラブル発生や、営業に支障が出る過度の欠員時など、イレギュラーな出勤の恐れもあります。加えて仕入先への訪問、競合店の動向調査や他マネージャーとの情報交換などの業務も加わり、更に多忙になる事もあります。
一方で、最低限の業務さえこなし、イレギュラーなアクシデントさえ起こらなければ、時間に融通が効く自由な業務ともいえます。ただ、担当店舗の業績不振も直接の責任になりますので、ルーティーンワークをこなす程度の仕事量では、自分の評価が下がる原因に直結する事になります。自分で考え、行動に移すことで結果が出る仕事なので、モチベーションは常に高くキープしていく必要があります。
求められる経験や資質を紹介
まずは飲食業界での豊富な経験は必須です。店長に対し、サービスと利益を両立させる的確な指示を出すためには、豊富な飲食経験が無ければ不可能です。また、会社の理念や方針を現場に正しく伝える必要があるため、本社の業務に対しても精通している必要もあり、現場、本社に限らず様々な部署での経験の豊富さも問われる場合があります。そのため、マネージャーポジションには、本社勤務を経てからの着任も少なくありません。
加えて、接客、調理両方において、人間力が大きく問われる飲食店ですので、スタッフのモチベーション管理にも重きを置けるかどうかも重要な資質といえます。つまり、店舗のリーダーとしての高い運営能力を持ち合わせている事が前提にあり、その現場力と本部業務の理念と視野を担当店舗に落とし込む能力が問われます。
この様に、マネージャーに問われる資質は、調理技術、サービスレベルなどを高いレベルで体現できるスタッフを作る能力、また会社の理念に沿った運営ができ、効率よく利益を上げることのできる店長を作り上げる能力が必要です。そして、幅広い経験値からの判断力、行動力で、担当店舗の店長含むスタッフを会社の理想とする方向へ導くリーダーシップも問われます。
平均年収について解説
飲食店マネージャーの平均年収は350万~600万です。
飲食店店長の平均年収が350万ですので、店長の延長線上の役職といえる平均年収という結果です。ただ、企業の規模や、担当店舗の数、担当の地域によっての変動が他の業種より大きく、担当店舗の実績などによる変動も加味すると、努力して、実績に繋がれば、それが給与として正当に還元されるという側面もあり、実力主義が強い職種ともいえます。また、店舗での拘束がない分、手を抜くことも簡単なため、確固とした強い意志が必要不可欠となります。
マネージャーになるまでの流れを解説
店長からのステップアップが最もスタンダードです。1店舗の成功実績を複数店舗に波及させる事を会社は期待しているためです。
まずは店長で実績を上げ、更に上を目指している旨をアピールする事が最も近道です。
または、本社での開発業務や仕入業務、新店開発業務などの部署でキャリアを積み、本社サイドからの目線を学んでからマネージャーを目指すのも良いでしょう。この場合は、本社サイドの仕組みを周知している分、業務がスムーズに進むというメリットがありますが、その分現場サイドの仕組みで戸惑うというデメリットも否めません。
その後のキャリアアップについて解説
マネージャーポジションは、現場業務のゴール地点に当たります。そのため、同社でのキャリアアップは、本社勤務になる事と同意です。
もしくは、キャリアアップではありませんが、あえて自分の希望する部署を選んでも良いでしょう。マネージャーまでキャリアアップして、それなりの実績も得ているのであれば、希望部署への移動は通りやすいでしょう。
また、同業態でのキャリアアップを希望するのであれば、よりレベルの高い飲食店企業を探しましょう。担当店舗のレベルが上がれば、管理者としても高い能力を問われるからです。
他業態へのキャリアアップであれば、培ったマネージメント能力を生かした販売職関係の管理職が良いでしょう。特に食品関係であれば前職の経験も生かすことができ一石二鳥。また、現場と仕入先を繋ぐバイヤー職も即戦力として活躍できる可能性が高いです。
まとめ
この様に、飲食店マネージャーは、担当店舗を会社の理念に沿った店舗に導く役割で、店舗業務以外にも、本部サイドの業務への理解も必要な、飲食業の中では高位な役職です。業務も多種多様を極め、自分のスケジュールとやるべき事を明確に精査し対応していく、柔軟な思考と行動力が問われます。
マネージャーを目指すためには、店舗での実績を上げ、一歩一歩地道な昇格を繰り返す事が、結果的に近道となるでしょう。また実際にマネージャーになった時には今までの地道な努力と経験が武器となるため、店舗での下積みは必須経験といえるでしょう。
そして店舗と本社を繋ぎ、複数店舗を管理するというという業務経験は、その後どの職種に移っても武器になりますので、努力して目指す価値のある職種といえます。
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