オーストラリア料理とは その歴史と代表的な料理について解説
目次
オーストラリアは、カンガルーやコアラなどの動物も多く生息しており、自然豊かな国です。
日本とは赤道を挟んで反対側の南半球にあるため、生活スタイルも大きく違います。
また、オーストラリアは移民も多く、多文化な国家です。
日本からも留学や観光で訪れる人も多いです。
この記事では、オーストラリアの代表的な料理をその歴史と合わせて、詳しく解説いたします。
オーストラリア料理の特徴や種類について解説
オーストラリア料理の特徴は?
かつてオーストラリアはイギリスの植民地であったことから、現在のオーストラリア料理は、イギリス料理の影響を大きく受けています。また、第二次世界大戦後に多くの移民を受け入れた歴史から、オーストラリア料理は世界各国の料理の要素を取り込んで発展しました。そのため、「オーストラリア独自の料理が多い」というよりは、「様々な国の料理が融合したものが現在のオーストラリア料理である」といえるでしょう。
一方、数こそ少ないですが、オーストラリア独自の料理もあります。
オーストラリア料理の特徴としては、料理の中にカンガルー肉、ワニやエミューなどオーストラリア特有の食材を使用することがあげられます
オーストラリア料理の種類を解説
オーストラリア料理には、「オージー料理」とも呼ばれるイギリス由来の料理を中心とした食事形態のほかに、「カフェ・フード」「ファストフード」という食事形態もあります。
カフェはさまざまな形に発達していて、イタリア由来のカプチーノやカフェラテなどはもちろん、イギリスの影響を大きく受けたためモーニングティーやアフタヌーンティーの習慣もあります。
また、ファストフードもよく食べられ、ミートパイやサンドイッチなどの北アメリカ料理も一般的です。
オーストラリア料理の歴史、特徴を解説
オーストラリア料理の歴史
オーストラリアの先住民であるアボリジニは、狩猟採集生活を好む種族でしたが、オーストラリアがイギリスの植民地となり、オーストラリアの食文化は一転しました。肉類ではカンガルーやエミュー、ウサギが食べられるようになり、農産物では小麦をはじめ様々な作物が食べられるようになりました。
以降、オーストラリアは世界中からの移住者が増加しますが、移住民は軍人と囚人の構成が多かったことから、ありあわせを利用した簡単に食べることができる「ピクニック料理」というスタイルが確立されます。
また、アイルランド移民の食文化から影響を受け、パンやじゃがいも、肉、乳製品で質実にすませる食文化も取り入れられました。
オーストラリアには各国の富裕層も移住したことで、イギリスの上流階級の食文化やフランス料理、イタリア料理の文化にも影響を受けたことが知られています。
その後も移民や難民が流入したことにより、中東やアジアの料理も取り入れられ、オーストラリアの食文化はより多様化していったのです。
地域別の伝統料理を紹介
オーストラリアは広大な国土を持つため、地域によって食べられる料理に特徴があります。
シドニーのチャイナタウンでは、中国料理やマレーシア、タイなどのアジアの料理の影響を受けており、イタリア系の移民が多いライカートでは、イタリアやドイツなどのヨーロッパの食文化の影響を多く受けています。
地域によりさまざまな種類の料理が食べられますが、使われる食材はカンガルー肉やオージービーフなどのオーストラリア特有の食材が共通して使われるのが特徴です。
よく使われる食材やその特徴を解説
オーストラリア料理には、牛肉やラム肉などの肉類がよく使われます。
広大な土地を利用し、牛や羊の放牧が盛んなためです。
オーストラリアではシーフードもよく食べられます。バラマンディ、シドニーロックオイスター、マッドクラブ、サーモンなど様々なシーフードが使われ、シーフード専門のレストランも多くあります。
「ブッシュタッカー」と呼ばれる、オーストラリア先住民のアボリジニ伝統の食材も、一般向けのオーストラリア料理に使われることが多いです。オーストラリア原住民がよく食べていたカンガルーやエミュー、クロコダイル、果物などが、現在のオーストラリア料理には欠かせない食材になっています。
国民的な飲み物やスイーツを紹介
オーストラリアでよく飲まれる飲み物は、コーヒー、紅茶、ワインです。
イタリア移民の影響を受け、多くの種類のコーヒーがカフェで気軽に飲めるようになりました。
また、イギリスの植民地時代からの影響により、現在では、紅茶は日常的に飲まれています。
ワインも有名で、州ごとに特徴的なワインがあります。
南オーストラリア・ペンフォールズの「グランジ」は、歴史的世界遺産に登録されるほど世界的に有名な赤ワインです。
オーストラリアでは、沢山の魅力的なスイーツを食べることができます。
四角いスポンジケーキに、チョコレートをコーティングして、上からココナッツがまぶされた「ラミントン」というケーキは、ラミントンの日が設けられるほど有名です。
その他にも、メレンゲを焼いたものにフルーツや生クリームをトッピングしたパブロバというケーキ、ティムタムというチョコレートビスケットのお菓子、アンザックビスケットというオーツ麦を使用したビスケットなど様々なスイーツがあります。
共通する特徴として、乳製品や砂糖を大量に使って作られるため、カロリーが高いことがあげられます。
おもなオーストラリア料理を紹介
定番のオーストラリア料理をご紹介いたします。
・カンガルーミート
古くからアボリジニと呼ばれる先住民族の食糧として、利用されてきました。
カンガルーミートは様々な食材に加工されて食べられています。
高タンパク質で、低コレステロールなのは魅力のひとつです。
・ラムチョップ
オーストラリアでは羊の放牧も盛んなため、牛肉と並んでよく食べられます。
羊肉は特にバーベキューによく使われます。
赤身肉には吸収されやすいヘム鉄や亜鉛が豊富で栄養的にも優れた食品です。
・ミートパイ
ミートパイは、ミンチにした肉をグレービーソースと一緒にパイ生地に包み込んで焼いた料理です。
スポーツ観戦には欠かせない料理で、オーストラリアのソウルフードともいえるでしょう。
・フィッシュアンドチップス
白身魚の揚げ物とポテトのセットの料理です。
イギリス発祥の料理ですが、オーストラリアでもよく食べられます。
白身魚はタラの他にオーストラリアの名産であるバラマンディが使用されることがあります。
バラマンディは、フィッシュアンドチップスのほかにも様々な料理に使われ、人気があります。
・オーシャンクラフト
味や見た目が酒と似ている魚です。
日本ではあまり馴染みがないかもしれませんが、オーストラリアでは多くの料理に使用されています。
生のままサンドイッチに入れたり、グリルにして食べられます。
・ラップ
薄く焼かれた生地にチキンやハム、サーモンに野菜、チーズなどを包んだ料理です。
オーストラリアの人々のランチとしてよく食べられます。
野菜も沢山取れるので栄養バランスも良い料理です。
・ソーセージロール
にんじん、玉ねぎ、ズッキーニなどの野菜のみじん切りとミンチの肉を混ぜたものをパイ生地にサンドしてケチャップなどをつけて食べます。
スーパーでは、冷凍食品として売られ、お馴染みの料理です。
・パスティ
もともと、イギリスのコーンウォール地方の名物料理がオーストラリアに伝わって食べられるようになった料理です。
じゃがいも、にんじん、玉ねぎとひき肉をパイ生地で包んだもので、半月の形が特徴です。
まとめ
オーストラリア料理はイギリスの植民地であったことから、イギリスの食文化の影響を大きく受けました。
その後、様々な国の食文化が移民を通してオーストラリアに伝わり、それらが融合して現在のオーストラリア料理を形作りました。
オーストラリア料理にはカンガルー肉、ワニやエミューなどオーストラリア特有の食材を使用するものが多いです。
現代では、カンガルーミートやラップ、パスティなどオーストラリアならではの料理も広く知られています。
オーストラリアを訪れる際には、広大な自然とともに、この記事で紹介したオーストラリアの伝統料理を堪能してみるのもよいかと思います。
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